6月のKaguya Planetはウクライナ出身のR.B.レンバーグの翻訳短編! | VG+ (バゴプラ)

6月のKaguya Planetはウクライナ出身のR.B.レンバーグの翻訳短編!

6月のKaguya Planetの執筆者発表

オンラインSF誌Kaguya Planetより、6月の執筆者&掲載作品を発表します。6月のKaguya Planetでは、R.B.レンバーグ「砂漠のガラス細工と雪国の宝石」(訳:岸谷薄荷) を掲載します。

R.B.レンバーグさんはウクライナ生まれの作家です。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、アメリカのオンラインSF誌 Future Science Fiction Digestの編集長Alex Shvartsmanさんが、英語で作品が読めるウクライナ生まれの作家を紹介されていたことをきっかけに、今回の掲載が決まりました。

6月のKaguya PlanetはR.B.レンバーグさん

R.B.レンバーグさんは、ウクライナ生まれの作家・詩人です。クィアなバイジェンダーで、pronounsはthey/themです。ロシアとイスラエルで暮らした後、アメリカに移住しカリフォルニア大学バークレー校を卒業。社会言語学を研究しており、現在はミッドウェスタン大学で准教授を務めています。

スペキュレイティブ・フィクションを扱うオンライン週間誌 Strange Horizons、オンラインのファンタジー誌 Beneath Ceaseless Skiesなどに作品を寄稿しており、ネビュラ賞、Ignyte賞、ローカス賞の最終候補に選ばれたことがあります。また、セクシャルマイノリティが登場する作品やクィアな作品も多く執筆しており、ある不思議な玉ねぎと移民の物語、“To Balance the Weight of Khalem”が、チャールズ・ペイスアーとC.L.クラークによる「私たちはここにいる:年刊クィアSF傑作選2020」(We’re Here: The Best Queer Speculative Fiction 2020/Neon Hemlock Press)に収録されました。

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今回掲載する「砂漠のガラス細工と雪国の宝石」は、Uncannyに掲載している「The Desert Glassmaker and the Jeweler of Berevyar」を岸谷薄荷さんが翻訳した短編小説です。

岸谷さんは海外文学と博物館が好きなフェミニスト。Kaguya PlanetのジェンダーSF特集にて、自分のしんどさと向き合うことができずに、「誰も僕の痛みをわかってくれない…」という思いを拗らせていく男性を描いた、ジェーン・エスペンソン「ペイン・ガン ある男のノーベル賞受賞式に向けたメモ」の翻訳を手がけました。

Uncannyはアメリカの隔月刊オンラインSF・ファンタジー誌。新作や古典のSF作品、ポッドキャストや詩、エッセイやインタビューなどを掲載しています。掲載作品にはヒューゴー賞やネビュラ賞を受賞した作品も多数あります。

R.B.レンバーグ「砂漠のガラス細工と雪国の宝石」は6月30日(木) 先行公開開始!月額500円のサブスクにご登録いただくと、約一ヶ月の先行公開期間に作品を読むことができます。Kaguya Planetの継続的な活動のため、ご登録よろしくお願いいたします。

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Future Sience Fiction Digest誌にウクライナ作家の作品を掲載中

R.B.レンバーグ「砂漠のガラス細工と雪国の宝石」の掲載は、Future Science Fiction Digest誌(Future SF)の編集長Alex Shvartsmanさんがウクライナの作家やウクライナ生まれのSF作家を紹介していたことをきっかけに実現しました。

Alex Shvartsmanさんはウクライナ出身の編集者です。Future SF 14号(2022年3月号) の前書きに、ロシアによるウクライナ侵攻に心を痛めながら編集をした心境を綴り、次号(2022年6月号) ではウクライナの作家にスポットライトを当てると書かれていました。また、Future SFのブログにて、英語で読めるウクライナ生まれの作家を紹介するリストを公開しています。リストはこちらから読むことができます。

そして6月15日に公開を開始した。Future SF 15号(2022年6月号) では、ウクライナの作家の作品が2本掲載されています。ウクライナの作家の2作品は、Henry Lion Oldie「RESCUE RANGERS」(Translated by Julia Meitov Hersey) と、Volodymyr Arenev「THE EXCLUSION ZONE」(Translated by Max Hrabrov/6月29日公開) です。Alexさん曰く、二人ともアメリカの読者にはあまり知られていませんが、本国ウクライナでは有名な作家だそうです。

またAlexさんはFuture SF 15号の前書きで、英語圏にウクライナの作家を紹介することは、SFのマガジンとしてすべき/できることであると明言し、今回掲載したウクライナの作家の直面している状況を少し紹介しています。Henry Lion Oldieは作家が二人で共有しているペンネームで、二人はハリキウに住んでいたため、家族とともに別の場所に引っ越さなければいけなくなったそうです。Volodymyr Arenevさんは住んでいたキーウを離れ、比較的安全なところに住んでいるそうです。

Future Science Fiction Digest Issue15は、こちらで無料で公開されていますが、Amazon等で販売もしています。

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Kaguya Planetでもウクライナの作家やウクライナ生まれの作家を日本語圏に紹介したいと考え、Alexさんと今回の翻訳を担当していただく岸谷薄荷さんにもご協力いただき、R.B.レンバーグ「砂漠のガラス細工と雪国の宝石」を掲載することになりました。

シェアード・ワールド作品、先行公開中!

Kaguya Planetでは現在、暴力と破滅の運び手「灰は灰へ、塵は塵へ」と野咲タラ「透明な鳥の歌い方」を先行公開しています。「灰は灰へ、塵は塵へ」と「透明な鳥の歌い方」はKaguya PlanetとSF同人誌『SFG』の主催するシェアード・ワールド企画の作品。世代を追うごとに身体が脆くなる共通の世界を舞台にした作品です。

「灰は灰へ、塵は塵へ」と「透明な鳥の歌い方」は6月25日(土)に一般公開を開始します。

6月のKaguya Planetのスケジュール

6月のKaguya Planetのスケジュールは以下の通りです。

6月21日(火) 21時~ 暴力と破滅の運び手さんにインタビュー
6月25日(土) 暴力と破滅の運び手「灰は灰へ、塵は塵へ」一般公開開始
6月25日(土) 野咲タラ「透明な鳥の歌い方」一般公開開始
6月30日(木) R.B.レンバーグ「砂漠のガラス細工と雪国の宝石」先行公開開始

Kaguya Planetに応援を!

Kaguya PlanetはSF企業VGプラス(バゴプラ) が主催する、オンラインSF誌です。2020年12月に① 日本のSF界におけるジェンダー不均衡の是正② 新人賞以外の入り口を作ること③ 海外のようにオンラインでSF短編小説を読むカルチャーを作っていくこと、という三つの目標を掲げて活動を開始し、珠玉のSF短編小説を掲載し続けてきました。

2021年3月からは日本語の作品に加えて翻訳作品も掲載しています。邦訳が出るのはKaguya Planetが初めてという作家も数多く、海外で活躍している作家さんの作品を日本語圏に紹介するという役割も果たしています。

より多くの方の作品を読んでいただくために、作品は、一ヶ月の先行公開期間ののちに、無料で一般公開しております。

引き続きこれらの活動を続けていくためにも、皆様からの応援をよろしくお願いいたします。Kaguya Planetを応援したいという方は、月500円のサブスクで本プロジェクトをサポートして頂けます。ご登録いただいた方は、毎月、約一ヶ月の先行公開中のコンテンツをお楽しみいただけます。

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また、1円から寄付も受け付けております。サポートして頂いたお金は全てKaguya Planetの原稿料や編集料に当てられます。十分な資金が集まり次第、Kaguya Planetの作品掲載数やインタビュー記事の数を増やしていく予定です。プロジェクトの詳細はこちらの特設ページをご覧ください。

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これまでのKaguya Planet公開作品

書き下ろしSF短編小説

翻訳SF短編小説

マイクロノベル

犬と街灯『貝楼諸島へ/貝楼諸島より』参加作品

ジェンダーSF特集

シェアード・ワールド作品

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