ネタバレ考察 最後のアレって…?『デッドプール&ウルヴァリン』ポストクレジットの伏線が意外なところに? | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ考察 最後のアレって…?『デッドプール&ウルヴァリン』ポストクレジットの伏線が意外なところに?

©2024 Marvel

『デッドプール&ウルヴァリン』ポストクレジットに注目

映画『デッドプール&ウルヴァリン』が2024年7月24日(水) より劇場で公開された。「デッドプール」シリーズとしては『デッドプール2』(2018) 以来の第3作目、MCU映画としては『マーベルズ』(2023) 以来の第34作目となる。ライアン・レイノルズ演じるデッドプールがヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンと共にMCUに合流する特別な一作でもある。

マーベル・スタジオの親会社であるディズニーは、2019年に20世紀フォックスを買収。20世紀フォックスは20世紀スタジオに改名すると共に、同社が映像化の権利を持っていた「X-MEN」をはじめとするシリーズのMCU合流が可能となった。

『デッドプール&ウルヴァリン』には、旧作のファンにも嬉しいサプライズが多数用意されていた一方で、MCUファン注目の要素も。今回は、ポストクレジットシーンにあった意外な考察要素について読者の方より情報をいただいた(ありがとうございます!)。『デッドプール&ウルヴァリン』のポストクレジットシーンにあったある要素について、考察していこう。

なお、以下の内容は『デッドプール&ウルヴァリン』の内容およびポストクレジットシーンについてのネタバレを含むので、必ず劇場で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。また、考察の過程でドラマ『シー・ハルク:ザ・アトーニー』(2022) の結末についてのネタバレも含むのでご注意を。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『デッドプール&ウルヴァリン』およびドラマ『シー・ハルク:ザ・アトーニー』の結末に関する重大なネタバレを含みます。

『デッドプール&ウルヴァリン』ポストクレジットのあれは?

デップーが弁明したジョー・ストームの件

『デッドプール&ウルヴァリン』のポストクレジットシーンでは、デッドプールがTVA内で再登場。ヒューマン・トーチことジョニー・ストームがカサンドラ・ノヴァに殺された件について、自分の潔白を証明しようとするのだ。

『デッドプール&ウルヴァリン』の劇中では、デッドプール、ウルヴァリン、ジョニーの三人はカサンドラの軍勢に捕まり、デッドプールはジョニーがカサンドラの悪口を言っていたと告げ口する。ジョニーは必死にそんなことは言っていない、人生で一度も口にしたことのない言葉だと主張したが、あえなくカサンドラから皮膚を剥ぎ取られて死亡した。

ジョニーの主張が事実だとすれば、あまりに不憫な展開だったが、デッドプールは録画されていた映像を再生し、ジョニーが本当にカサンドラの悪口を言っていたことを証明する……というのが、筆者が観たポストクレジットの印象。だが、今回ご意見を寄せていただいたのは、この様子を撮影していた輸送車内のカメラについてだ。

あのカメラはK.E.V.I.N.?

このシーンでは、デッドプールもカメラをチラ見しており、カメラのレンズも映し出される。そもそもなぜ虚無の護送車にカメラがついているのか。『デッドプール&ウルヴァリン』では、TVAが工事現場の測量機などを通してデッドプールを監視していたという描写があり、また、デッドプールのなんでもありなキャラ設定も含めて受け入れてしまいそうになるが、このカメラはドラマ『シー・ハルク:ザ・アトーニー』に登場したK.E.V.I.N.だったのではないかというのが、今回の考察だ。

ドラマ『シー・ハルク』の最終回では、物語の展開に納得いかなかった主人公のシー・ハルクことジェニファー・ウォルターズが第四の壁を破り、ディズニープラスのメニュー画面を移動。メイキング番組の『マーベル・スタジオ アッセンブル』のサムネからディズニー本社に乗り込んで抗議する展開が描かれた。

シー・ハルクとデッドプールは、原作コミックでも自分がコミックのキャラクターであることを認識しており、読者に話しかけることや、時にはマーベルコミックの編集部に押しかけることもある。漫画のコマの枠を超えて現実に干渉することを「第四の壁を破る」と言うのだが、MCUではデッドプールの前にシー・ハルクがドラマでそれをやってのけている。

『シー・ハルク』ラストのごちゃごちゃした展開が「ケヴィンの意向」であることを知ったシー・ハルクは、マーベル・スタジオのケヴィンの部屋に乗り込むと、そこで知識拡張型映像相互接続体 (Knowledge Enhanced Visual Interconnectivity Nexus)」、略してK.E.V.I.N.と出会う。実際の“MCUの神”であるマーベル・スタジオ社長ケヴィン・ファイギが実はAIだったら……というネタである。

このK.E.V.I.N.は、天井から吊り下げられたプロジェクターのような姿をしている。三つのカメラのレンズが目のようになっており、シー・ハルクが上を見上げて会話する描写は、デッドプールがポストクレジットシーンでカメラの方を見上げていた描写と重なる。

『シー・ハルク』では、K.E.V.I.N.はずっと変身後の姿で行動しているジェニファーに、CG処理が大変だから元の姿に戻るようお願いする。『デッドプール&ウルヴァリン』でも、ジョニーが死んだ直後にデッドプールがジョニーを演じるクリス・エヴァンスが予算を圧迫していたと主張しており、第四の壁を破る両作の共通点は多い。

デッドプールも改変した?

『シー・ハルク』のラストでは、シー・ハルクことジェニファーが“最終弁論”でバトル。「私のドラマだよ?」と問いかけるジェニファーに、K.E.V.I.N.は「違う、ケヴィンのドラマだ」と反論するも、ジェニファーは「どんでん返しや見せ場をてんこ盛りにしてラストに詰め込む」というお決まりのやり方について、「今回はやめよう」と語りかける。

そして、K.E.V.I.N.はジェニファーの説得を受けて脚本を書き換えることになる。主人公のジェニファーが大切にしていることに耳を傾けて、ジェニファーの提案通りのクライマックスを用意するのだ。

つまり、『デッドプール&ウルヴァリン』のポストクレジットシーンに登場したあのカメラがK.E.V.I.N.であれば、デッドプールはK.E.V.I.N.を通して脚本を都合よく書き換え、本当は言っていなかった悪口をジョニーが言ったことにした可能性が高い。K.E.V.I.N.はキャラクターの声に耳を傾けるという前例は、『シー・ハルク』で作られているからだ。

それに、デッドプールが潔白だったというオチもなんだか気持ち悪くはある。シー・ハルクと同じように第4の壁を破れる能力を使い、ドラマも追いかけているMCUファンにしかバレないような改変を施したのだとしたら、そっちの方がデッドプールらしい行動だと言える。

ちなみに『シー・ハルク』でジェニファーはK.E.V.I.N.に「X-MENはいつ来る?」とも聞いている。配信時は2022年10月で、この時のK.E.V.I.N.は「答えられない」と返していたが、この2年後に『デッドプール&ウルヴァリン』が公開されることになった。このやり取りは、X-MENキャラであるデッドプールとウルヴァリンの作品でK.E.V.I.N.が再登場することの伏線だったのかも?

『デッドプール&ウルヴァリン』は2024年7月24日(水) より全国の劇場で公開。

『デッドプール&ウルヴァリン』公式ページ

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映画『デッドプール&ウルヴァリン』ラストのネタバレ解説&考察はこちらから。

ドラマ『シー・ハルク』最終回第9話のネタバレ解説はこちらから。

ドラマ『ロキ』と映画『デッドプール&ウルヴァリン』の繋がりについてのネタバレ解説はこちらの記事で。

デッドプールとソーの関係についての解説と考察はこちらから。

ライアン・レイノルズはデップーとウルヴァリンが抱える問題を「恥」と話した。詳しくはこちらから。

 

ローラの『LOGAN/ローガン』と原作における設定と演じたダフネ・キーンについてのまとめはこちらから。

これまでの映画作品におけるウルヴァリンの活躍はこちらの記事にまとめている。

ヒュー・ジャックマンが復帰を決めた経緯と理由について語った内容はこちらの記事で。

 

映画『ザ・マーベルズ』ラストのネタバレ解説はこちらから。

ドラマ『ロキ』シーズン2最終話第6話のネタバレ解説はこちらから。

映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』ラストのネタバレ解説はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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