『マーベルズ』でキャプテン・マーベルは「助けが必要と気付く」ブリー・ラーソンが語る | VG+ (バゴプラ)

『マーベルズ』でキャプテン・マーベルは「助けが必要と気付く」ブリー・ラーソンが語る

© 2022 Marvel

『マーベルズ』はどうなる?

2019年に公開され、大ヒットを記録したMCU映画『キャプテン・マーベル』の続編『マーベルズ』の全米公開が2023年7月28日(金)に迫っている。『マーベルズ』は前作の主人公であるキャプテン・マーベルことキャロル・ダンバースはもちろん、ドラマ『ミズ・マーベル』(2022) の主人公であるミズ・マーベルことカマラ・カーン、前作で幼少期の姿で登場しドラマ『ワンダヴィジョン』(2021) で大人になって再登場を果たしたモニカ・ランボーが登場する。

モニカ・ランボーは原作コミックでキャプテン・マーベルを襲名する他、映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022) ではモニカの母マリア・ランボーがキャプテン・マーベルになったユニバースも紹介された。「マーベル」の名を持つヒーローが揃い踏みとなることが予想される中、キャロル・ダンバースを演じるブリー・ラーソンが『マーベルズ』の内容について注目の発言をしている。

キャロル・ダンバースに変化

ブリー・ラーソンがコメントしたのはディズニー最大のファンイベント D23 Expoでのこと。同イベントでは会場限定で『マーベルズ』の初映像が公開された。ブリー・ラーソンは米The Hollywood Reporterのインタビュアーに、本作のキャロル・ダンバースについてこう話している。

キャロルの新しい一面を見ることになります。コントロールするのを諦めるということを学ばなければならず、彼女もミスをするし助けが必要だと気づくこと、それが彼女にとって新しいフェーズの始まりになります。

これまでキャロル・ダンバースのキャプテン・マーベルはワンダに並ぶMCU最強キャラの一人として圧倒的な活躍を見せてきた。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018) 後の絶望的な状況を打開する存在としてMCUに参戦したのがキャプテン・マーベルだった。あまりの強さからか「普段は地球を離れてスーパーヒーローがいない惑星を守っている」という設定でMCU世界の均衡が保たれているほどの強さを持っている。

そんなスーパーウーマンであり、いわゆる“強い女性”として描写されてきたキャロル・ダンバースが、『マーベルズ』では「コントロールすること」を諦め、彼女もミスをすること、助けが必要だということに気づく展開が待っているという。これまで孤高の存在だったキャロルは、他の“マーベル”たちとの出会いを通してどのように変化するのだろうか。

考察:シスターフッド描く?

映画『キャプテン・マーベル』で初登場を果たしたキャプテン・マーベルはMCU初の女性単独主人公だった。その後、MCUには少しずつ非男性の主人公が紹介され、2021年からスタートしたフェーズ4では女性主人公は珍しくなくなった。キャロル・ダンバースのような“強い女性”主人公だけでなく、ミズ・マーベルことカマラ・カーマンのようなファンガールや、シー・ハルクことジェニファー・ウォルターズのような生活/仕事を優先したい女性に至るまで、多様な女性主人公が紹介されるようにもなった。

MCUキャラクターの中では先陣を切って女性ヒーローの時代を築いたキャプテン・マーベルだったが、誰もが彼女のようなスーパーヒーローでいられるわけではない。同時にキャロル・ダンバースだって助けが必要になる時が来る。『マーベルズ』では、その強さゆえに孤立しがちだったキャロルと、同じくパワーを得てそれをサポートする“マーベル”たちのシスターフッド(女性同士の連帯)が描かれることになるかもしれない。

MCUの女性ヒーロー達は、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) のサノス戦や『ブラック・ウィドウ』(2018) のように共闘が描かれることもあった。しかし、ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021) で6話かけてサム・ウィルソンとバッキー・バーンズの関係が描かれたり、3フェーズをかけてトニー・スタークとスティーブ・ロジャースの関係が描かれたりしたような規模では、女性キャラクター同士の共闘が描かれることはなかった。

その点、モニカ・ランボーは『キャプテン・マーベル』でキャロル・ダンバースに憧れ、『ワンダヴィジョン』では複雑な思いを抱いていることを示唆するなど、複数シリーズを跨いだ関係性が描かれている。『ミズ・マーベル』でもカマラ・カーンのキャロルに対する並々ならぬ想いが描かれた上、キャロル自身も同作にカメオ出演しており、伏線はバッチリ張られている。

“最強”だったキャプテン・マーベルにどのような試練が訪れるのか。そして、キャロルはカマラやモニカとの出会いと再会を通してどんな変化を経験するのか。『マーベルズ』の公開を楽しみに待とう。

映画『マーベルズ(原題:The Marvels)』は2023年11月10日(金)日米同時公開。

Source
The Hollywood Reporter

なお、『マーベルズ』には、『梨泰院クラス』(2020) のパク・セロイ役で知られる韓国のスター俳優パク・ソジュンも出演する。詳細はこちらの記事で。

『キャプテン・マーベル』で描かれたスクラル人とニック・フューリーの関係を中心に置くドラマ『シークレット・インベージョン(原題)』の予告と解説はこちらの記事で。

モニカ・ランボー役のテヨナ・パリスは本作を「かなりの大作になる」と話している。詳細はこちらから。

ドラマ『ミズ・マーベル』最終回における最大のサプライズについて製作陣が語った内容はこちらから。

『ミズ・マーベル』までのMCUフェーズ4の時系列の解説はこちらの記事で。

デアデビルを再演するチャーリー・コックスが語った過去作とのつながりについてはこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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