【ドルマムゥ、取引に来たぞ】映画『ドクター・ストレンジ』ラスボス戦を解説。アイデアは構想段階から決まっていた——スコット・デリクソン監督が語る【ネタバレ】 | VG+ (バゴプラ)

【ドルマムゥ、取引に来たぞ】映画『ドクター・ストレンジ』ラスボス戦を解説。アイデアは構想段階から決まっていた——スコット・デリクソン監督が語る【ネタバレ】

©2020 MARVEL

フェーズ4も注目の『ドクター・ストレンジ』

MCU (マーベル・シネマティック・ユニバース) の第14作目として、アメリカで2016年 (日本で2017年) に公開された映画『ドクター・ストレンジ』。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)の後、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』(2017)の前という重要なタイミングで公開され、フェーズ3の幕開けを彩った作品の一つだ。

ベネディクト・カンバーバッチが演じたドクター・ストレンジの存在は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)の物語にも多大な影響を与えた。2021年には続編『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス (原題, 邦題未定)』が公開される予定で、映画『スパイダーマン』(2002)を手がけたサム・ライミが監督に就任することが明らかになったばかり。『ドクター・ストレンジ』は、フェーズ4以降もMCUを牽引していくシリーズの一つとして期待されている。

そんな中、『ドクター・ストレンジ』で監督・脚本を務め、次回作でも製作総指揮を務めるスコット・デリクソン監督が自身のTwitterで気になる投稿を行なっている。それは、映画『ドクター・ストレンジ』のラスボス戦における“あのアイデア”についてだ。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『ドクター・ストレンジ』の内容に関するネタバレを含みます。

ラスボス戦の“無限ループ”

『ドクター・ストレンジ』のラスボスといえば、暗黒次元を支配するドルマムゥ。その身体はエネルギー体であり、物理攻撃は効果がない。倒す手段がないのだ。地球は古代の魔術師・アガモットがつくった聖域“サンクタム”の結界によって守られていたが、マッツ・ミケルセン演じるカエシリウスが率いた闇の魔術師の集団・ゼロッツが地球に暗黒次元を出現させてしまう。

暗黒次元で“無敵”であるドルマムゥと対峙したドクター・ストレンジは、タイムストーンを用いてドルマムゥを無限のタイムループに陥れる。ドクター・ストレンジを倒しても倒してもこの無限ループから抜けられないドルマムゥは、遂に根負けして「無限ループから解放してもらう代わりに、ゼロッツと共に地球を去り二度と地球に手を出さない」という約束を交わす。

このラスボス戦におけるドクター・ストレンジの「ドルマムゥ、取引に来たぞ」という呼びかけは、MCU作品の中でも人気のセリフの一つになった。

ラスボス戦は構想段階から決まっていた

弱点が存在しない敵を“倒す”のではなく“退ける”——そんな素晴らしいアイデアが『ドクター・ストレンジ』のラスボス戦には用意されていた。このアイデアについて、スコット・デリクソン監督は自身のTwitter上で以下のようにツイートしている。

このシーンは私のアイデアでした。それを友人である (脚本家の) ジョン・スペイツが最初のドラフトに美しく書き入れてくれたんです。その後、準備期間と製作中にドラフトは私と (同じく脚本家の) C・ロバート・カージルによって何度も書き換えられましたが、ジョンが書いたこのシーンだけは撮影されるまでそのまま残りました。

このラスボス戦での無限ループのアイデアは、構想段階の最初のドラフトから書き換えられることなく残っていたのだという。やはり相当に優れたアイデアであり、あえて変更する理由がなかったのだろう。

映画『ドクター・ストレンジ』を成功に導いたスコット・デリクソン監督は、サム・ライミ監督にその作品を引き継ぐことについて、「最もナイスな人の一人」「素晴らしい選択」と称賛している。『ドクター・ストレンジ』の続編ではどのようなアイデアが見られるのか、次作もラスボス戦に注目しよう。

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次回作『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス (原題, 邦題未定)』は2021年公開予定。

VG+編集部

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