映画『マーベルズ』に『梨泰院クラス』パク・セロイ役パク・ソジュンの出演決定 マーベル・ボーイ、新ハルク演じる予想も | VG+ (バゴプラ)

映画『マーベルズ』に『梨泰院クラス』パク・セロイ役パク・ソジュンの出演決定 マーベル・ボーイ、新ハルク演じる予想も

© 2021 Marvel / JTBC

パク・ソジュンがMCU参戦

『キム秘書はいったい、なぜ?』(2018) のイ・ヨンジュン役、『梨泰院クラス』(2020) のパク・セロイ役で知られる韓国のスター俳優パク・ソジュンが、MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の映画『マーベルズ』に出演する。2022年11月末にシンガポールで開催されたディズニーのコンテンツショーケースで発表されたと米大手映画メディアのColliderが報じている。

韓国を拠点にしてきた俳優がMCU作品にメインキャラクターで出演するのは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015) でヘレン・チョを演じたキム・スヒョン、『エターナルズ』(2021) でギルガメッシュを演じたマ・ドンソクに続き三人目となる。

パク・ソジュンのMCU参戦は、2021年9月3日(金)に所属事務所のawesome entから正式発表されていた。2021年6月には韓国のスターニュースがパク・ソジュンの事務所が映画『マーベルズ』への出演交渉を終えたとの第一報を出していたが、その後、映画情報サイトの米IMDbに登録されている『マーベルズ』の「トップ・キャスト」としてパク・ソジュンの名前が追加されたことで、LINEのネイバー株式会社が運営するKstyleや韓国の聯合ニュース日本版朝鮮日報日本語版などが相次いで伝え、出演確定と見る報道が続いていた。awesome entの発表では、参加作品のタイトルは「後日発表予定」となっていたが、今回、シンガポールというアジアの地でディズニーから参加タイトルが発表されることになった。

2021年には『マーベルズ』撮影地のロンドン入り

パク・ソジュンは2021年9月3日(金)に韓国を発っていたが、9月10日(金) には自身のInstagramからロンドンの風景とホテルで撮影したと思われる自身の姿を写した写真を投稿していた。

また、TikTokではロンドンのレストランでパク・ソジュンに遭遇したというファンの投稿が話題に(パク・ソジュンの姿は映されていない)。パク・ソジュンのロンドン到着の一報は様々なメディアによって報じられているが、『マーベルズ』の撮影は他でもないロンドンで行われていた。

『マーベルズ』の撮影がロンドンで行われているということは公式には発表されていなかったが、同作に出演するテヨナ・パリスが米人気番組で「秘密保持契約を破って三つのことを教えてくれると聞いたのですが」という司会者からの無茶振りを受け、「まず私はロンドンにいます。『マーベルス』の撮影で素晴らしい時間を過ごしています」と、『マーベルズ』のロケ地を明かしていた。

パク・ソジュンがロンドン入りしたことで、ロンドンで撮影が行われている『マーベルズ』への出演はほぼ確実となっていたが、近年のMCU作品では、映画『エターナルズ』やドラマ『ムーンナイト』(2022) もロンドンが舞台になっている。他作品への出演の可能性も十分に残されていたが、パク・ソジュンのハリウッド映画でのキャリアは『マーベルズ』から始まることになったようだ。

なお、パク・ソジュンとの共演が予想されるテヨナ・パリスは、メインキャラクターの一人であるモニカ・ランボーを演じる。モニカはS.W.O.R.D.(ソード:知覚兵器観察対応局)のエージェントで、ドラマ『ワンダヴィジョン』(2021) を経てS.H.I.E.L.D.(シールド:戦略国土調停補強配備局)入りするかどうかも注目されている。いずれにせよ公的な機関の人物であり、モニカ・ランボーがロンドンでパク・ソジュン演じるヒーローキャラクターのリクルートを行う展開も期待できそうだ。

なお、テヨナ・パリスは上記の米人気番組で『マーベルズ』を「かなりの大作になる」と話している。詳細はこちらから。

映画『マーベルズ』は、202311月10日(金)の日米同時公開を予定しているスーパーヒーロー映画。2019年に公開され、シリーズ史上最強のヒーローを紹介した『キャプテン・マーベル』の続編にあたる。『キャプテン・マーベル2』の仮題で製作が進められていたが、2021年5月に『マーベルズ』のタイトルで公開されることが発表されている

なお、『マーベルズ』を指揮するニア・ダコスタ監督は、2020年7月に「私の新しいドラマの(中の)彼氏」という文が添えられたパク・ソジュンの画像をTwitterに投稿していた(現在、ニア・ダコスタ監督のTwitterアカウントは削除されている)。同監督の意向でパク・ソジュンが起用されても不思議ではない。

2022年3月には、パク・ソジュンは英The GuardianのインタビューでMCU参戦についてコメントしている。詳細はこちらから。

考察:パク・ソジュン演じる新ヒーロー誕生?

マーベル・ボーイを演じる?

マーベルファンと韓国ドラマ・映画ファンが盛り上がりを見せる中、米ScreenRantは『マーベルズ』におけるパク・ソジュンの配役予想を記事で公開。同記事では、パク・ソジュンが同作で“第4のヒーロー”を演じる可能性について予想している。

5月に発表された『マーベルズ』のタイトルロゴには、キャプテン・マーベルと、ドラマ『ワンダヴィジョン』(2021) に登場したモニカ・ランボーがコミック版で二代目キャプテン・マーベルとして身につけるロゴマーク、そして2022年にDisney+で配信されたドラマ『ミズ・マーベル』のロゴマークの要素が取り入れられていた。つまり、『マーベルズ』は、キャプテン・マーベル、二代目キャプテン・マーベル、ミズ・マーベルという3人の“マーベル”が揃うため、複数形の「マーベルズ」というタイトルを冠していると見られている。

パク・ソジュンが『マーベルズ』で主要なキャラクターを演じるとすれば、マーベル・ボーイというキャラクターを演じる可能性がある。

白人女性のキャプテン・マーベル、黒人女性の二代目キャプテン・マーベル、ムスリム女性のミズ・マーベルに続き、「マーベルズ」の4人目にアジア人男性が入るという公算だ。マーベル・ボーイは、コミック版ではノウ・ヴァーやウェンデル・ボーンというキャラクターが変身するが、原作ではいずれもアジア人ではない。だが、ノウ・ヴァーはアンチヒーローであり、勧善懲悪ではない近年のMCUのコンセプトに一致するキャラクターでもある。

独自の価値観で行動するクリー人のマーベル・ボーイをパク・ソジュンが演じるとすれば、MCUでも屈指の人気キャラクターになることは間違いないだろう。

新たなハルク?

一方で、パク・ソジュンはアマデウス・チョウ(アマデウス・チョの表記も)を演じる可能性もあるとScreenRantは指摘する。

アマデウス・チョウは、2015年から始まったコミックシリーズでハルクになった天才青年で、韓国系アメリカ人のキャラクターだ。アジア、それも韓国からのキャスティングという点に着目すれば、妥当な予測だといえる。

映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015) では、ウルトロンに操られる韓国人科学者ヘレン・チョが登場するが、彼女はハルクことブルース・バナーの友人であり、原作コミックではアマデウスの母という設定になっている。また、アマデウス・チョウは『マーベルズ』に登場するミズ・マーベルことカマラ・カーンとは原作コミックでチームを組む仲だ。

MCUの初代ハルクであるブルース・バナーは映画『シャン・チー』(2021) のポストクレジットシーンでキャプテン・マーベルと共に登場した他、従兄のブルースからハルクの力を受け継ぐジェニファー・ウォルターを主人公に据えたドラマ『シー・ハルク』が2022年に配信されている。マーベルが新たな“ハルクフランチャイズ”の確立を目論んでいるのだとすれば、アジアのスターであるパク・ソジュンの起用にも頷ける。

もちろん、これらはScreenRantの予想であり、パク・ソジュンが『マーベルズ』に登場するとしても、サイドキックやヴィランを演じる可能性もあるだろう。

パク・ソジュンのMCU参戦は自然な流れか

活躍続くパク・ソジュン

パク・ソジュンは、ドラマ『魔女の恋愛』(2014) でユン・ドンハを演じてブレイクすると、以降も『キルミーヒールミー』(2015)『彼女はキレイだった』(2015) といったラブコメドラマを中心に活躍。アジアに初のアカデミー賞作品賞をもたらした映画『パラサイト 半地下の家族』(2019) では主人公ギウの友人で一連の事件のきっかけをもたらすミニョク役で出演している。

日本ではNetflixで配信され、大ブームをもたらしたドラマ『梨泰院クラス』での主演は、パク・ソジュン人気を一段と押し上げた。貧困から這い上がり、仲間と共に成長していく若き経営者パク・セロイを演じたことで幅広い層からの人気に火がつき、今では韓国におけるトップ俳優の一人となった。

Netflixでの配信でその名が世界中に知られたトップ俳優をハリウッドに売り込んでいくことは自然な流れであり、アジアから新たなハリウッドスターが生まれる可能性もある。

アジア系キャラクター増加の流れ

MCUでは、白人男性主人公を中心に据えてきたこれまでの流れから一転し、2021年のドラマ『ワンダヴィジョン』でスタートしたフェーズ4では多様なキャラクターを主人公に据えている。

2021年9月3日(金)には、初めてアジア系のキャラクターを主人公に据える『シャン・チー/テン・リングスの伝説』が公開。この作品では中国生まれのシム・リウが主演を務め、日系アメリカ人の母を持つデスティン・ダニエル・クレットンが監督を務めている。

続いて11月5日(金)に公開された映画『エターナルズ』では、『ノマドランド』(2020) でアジア人初のアカデミー賞監督賞を受賞した中国生まれのクロエ・ジャオ監督が指揮をとる。加えて『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016) などで知られる韓国系アメリカ人のマ・ドンソクが、11人の主人公の内の一人であるギルガメッシュを演じた。

女性、セクシュアルマイノリティ、黒人やムスリムの主人公と共に、アジア系のメインキャラクターも紹介しているのがフェーズ4以降のMCUの流れであり、パク・ソジュンの抜擢は自然な流れだと考えられる。

また、映画のタイトルに冠されるキャラクターでなくとも、2021年6月から配信された『ロキ』のように、映画で人気になったキャラクターのストーリーをドラマで深掘りしていく流れも現在のMCUの特徴だ。パク・ソジュンは『マーベルズ』でどんな役を演じるのか、期待しつつ続報を待とう。

映画『マーベルズ』は、202311月10日(金)日米同時公開。その他の出演者の情報はこちらの記事で。

2023年4月には特報映像でパク・ソジュンの姿が公開。映像を踏まえてどんな役を演じるのかについて原作コミックの設定と合わせて考察した内容はこちらの記事で。

前作『キャプテン・マーベル』と、『マーベルズ』につながるドラマ『ミズ・マーベル』はDisney+で配信中。

Disney+

Source
awesome ent / ScreenRant / Collider

『マーベルズ』の前に公開されるMCU映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』の予告解説はこちらから。

『デッドプール3』でウルヴァリン役に復帰するヒュー・ジャックマンが語った復帰の理由はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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