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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3』初映像公開
MCUの人気シリーズ「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」の映画第3弾の初映像となる予告編と邦題が公開された。邦題は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』となり、前作の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017) とは異なり、今回は原題の『Guarians of the Galaxy Volume 3』をほぼ踏襲したものになっている。
『VOLUME 3』の日本公開日は2023年5月3日(水・祝) で、2022年公開の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』と同じくゴールデンウィークの公開になる。米国よりも2日早い公開だ。
シリーズとしては、2022年11月に特別編の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル』がDisney+で配信されたばかり。ジェームズ・ガン監督が現在のチームが揃うのは最後になる可能性が高いと語る『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』では、どんな物語が描かれるのだろうか。早速、予告編の各シーンをチェックしていこう。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』予告編解説
姿を消していた?
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』の初映像は、ピーター・クイルが「長い間、姿を消していた」と語るシーンから始まる。冒頭で登場する宇宙船は「ボウイ (Bowie)」と呼ばれる機体で、『ホリデー・スペシャル』で初登場を果たしている。名前の元ネタはロックスターのデヴィッド・ボウイと考えられる。
クイルは、「だが、何が起きようと銀河にはガーディアンズが必要だ」と続ける。「姿を消していた」という言葉の意味は、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018) でサノスの指パッチンにより、クイル、ドラックス、マンティス、グルートが5年間消えてしまったことを指しているのだろうか。
映画『ソー ラブ&サンダー』(2022) ではソーと共に銀河で問題を解決するガーディアンズの姿が、『ホリデー・スペシャル』ではサノスに破壊されたノーウェアの復興に取り組むガーディアンズの姿が描かれている。『VOLUME 3』の予告映像では、お揃いのユニフォームに身を包んだメンバーの姿が。グルートの成長具合からして『ソー ラブ&サンダー』より後、『ホリデー・スペシャル』に近い時期だと考えられる。
ロケットのオリジン?
動物の顔を持つ人々の街に降り立ったガーディアンズはドラックスのせいで石を投げられるいつものグダグダな展開に。それでも、『ホリデー・スペシャル』で意外な事実が明かされたマンティスが「忘れないで、自分が何者か」と語りかけると、なんとロケットのオリジンと思われるアライグマの姿が映し出される。ベビーロケットだろうか。
ロケットは原作コミックで遺伝子改造を受けて人間並の知能を持つようになり、精神疾患の患者の世話係として働いていた。冒頭の動物の顔を持った二足歩行の人々はロケットと同じルーツを持っているのかもしれない。
そしてガーディアンズの5人は色とりどりの防護服に身を包み、どこかに乗り込む。『インフィニティ・ウォー』で命を落としたガモーラの姿も。このガモーラは『エンドゲーム』に登場したクイルと知り合う前の2014年のガモーラだと考えられる。
クイルの「俺たちはずっと逃げ続けてきた」と語るシーンの映像は『ホリデー・スペシャル』の舞台となったノーウェアだろうか。同作でロケットと仲の良い姿を見せていた宇宙犬コスモの姿も見られる。ロケットは「俺はもう逃げないぞ」と宣言する。
流れている曲は? ヴィランは誰?
ここからニューヨークのロックバンド・スペースホッグ (Spacehog) の「In the Meantime」をアレンジした楽曲が流れる。「私たちは、君の全てを愛する」「大地が緑で、空が青い場所で」「私たちはすべて似ている」「私たちは君の全てを愛する」というサビの部分が歌われており、落ちこぼれが集まるガーディアンズの絆を感じられる歌詞になっている。
映像では、後ろで手を組む人物の姿が映し出されている。チャック・イウジが演じるこの人物は、本作のヴィランの一人であるハイ・エボリューショナリーだ。ハイ・エボリューショナリーは、1966年に「マイティ・ソー」シリーズで初登場したキャラクター。名前の通り、下等生物の進化させようとするキャラクターであり、動物を半人半獣の姿に進化させたりしている。
『VOLUME 3』予告の冒頭の人々はハイ・エボリューショナリーによって進化させられた動物たちだったのかもしれない。また、映画版ではロケットの出自とハイ・エボリューショナリーを絡める可能性もある。天才的な頭脳を持つハイ・エボリューショナリーに、ガーディアンズはどう挑むのだろうか。
なお、ハイ・エボリューショナリーを演じるチャック・イウジは、ジェームズ・ガン監督が手がけたDCドラマ『ピースメイカー』(2022-) でチームの司令官クレムゾン・マーンを演じている。
アダム・ウォーロック登場
胸を撃たれたのか、ぐったりした様子のドラックスにガモーラとマンティスが肩を貸す場面も。やはり2014年のガモーラはガーディアンズと行動を共にするようだ。ロケットが「最後にもう一度、みんなで飛び立つぞ」と、本作がチームの最後になることを示唆すると、泣き叫ぶクイルの姿も見られる。そのロケットはでっかいカワウソとハグを交わしているが、このキャラクターは原作コミックにも登場するライラだ。知能を持つカワウソで、原作でもロケットと仲良くなる。
『リミックス』の冒頭で戦った宇宙怪獣アビリスクも再登場する中、もう一人の重要キャラクターが登場。ウィル・ポールター演じるアダム・ウォーロックだ。アダム・ウォーロックは前作『リミックス』のミッドクレジットシーンでソヴリン人の女王であるアイーシャが新しい出産ポッド(吹き替えでは「誕生ポッド」、英語ではバース・ポッド)を使って生み出した存在だ。ソヴリン人と同じ金色の肌をしている。
『リミックス』ではアイーシャが「この子の名前は、アダム」と宣言する。アイーシャは「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーを抹殺できる」と、アダム・ウォーロックに復讐を期待しているようだった。作中ではこの時期から7年〜10年ほどは経過していると考えられるが、アダム・ウォーロックはどのような立ち振る舞いを見せるのだろうか。
原作コミックのアダム・ウォーロックは人造人間でインフィニティ・ストーンと強い関連があったが、MCUのインフィニティ・サーガではヴィジョンがその役割を果たした。また、原作ではハイ・エボリューショナリーが“ウォーロック”という名前を授け、その額にソウルストーンを埋め込んでいる。
今回の映像では、MCU版でも額に石のようなものがあることが確認できる。黄色のインフィニティ・ストーンはソウルストーンであり、サノスがガモーラの命を犠牲にして手に入れた石でもある。アダム・ウォーロックがインフィニティ・ストーンの力を得るとすれば、ヴィジョン並の力を持つ可能性もあるが、果たして。
アダム・ウォーロックを演じるウィル・ポールターはNetflixドラマの『ブラック・ミラー:バンダースナッチ』(2018) への出演などで知られる。そのキャリアはこちらの記事に詳しい。
ウィル・ポールターが自身がマジョリティであることの責務について語った内容はこちらから。
「ウィー・アー・グルート」
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』予告編の終盤、グルートが「私たちはグルート (We are Groot)」という台詞を口にする。「アイ・アム・グルート」しか発声できないはずのグルートが唯一、それ以外の言葉を発したのが、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014) で先代のグルートが命を捧げて仲間を守った時の「ウィー・アー・グルート」だった。
いわばこれは“死亡フラグ”とも言え、ファンにとっては胸の痛くなる展開だ。歴史は繰り返すのだろうか……。グルートはクイルと背中合わせになると身体を“枝”にして複数の銃を使う。クイルの正面をカバーする優しさが泣ける。
ラストは「邪魔するやつは全員殺す」と荒ぶるドラックスをクイルがなだめるシーンだ。ドラックスは妥協して「ひとりぼっちのバカ男を殺す」と言い、クイルは「いい加減にしろ」と返す。英語ではドラックスは「誰にも愛されないバカな男を殺す」と言っており、クイルは「悲しくしてどうする」と突っ込んでいる。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズらしいユーモアを見せつつも、いよいよ物語がクライマックスへ入っていくことが明確に示された今回の予告編。2023年2月17日(金) 公開の『アントマン&ワスプ:クアントマニア』に続くMCUフェーズ5の映画第2弾となる本作に、大いに期待しよう。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』は2023年5月3日(水・祝) 日本公開。
2月に公開された新予告の解説&考察はこちらから。
ジェームズ・ガン監督は『VOLUME 3』でロケットのオリジンを描くと語っている。詳しくはこちらから。
Disney+で配信された『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル』のネタバレ解説はこちらから。
ケヴィン・ベーコンが『ホリデー・スペシャル』に出演した経緯はこちらの記事で。
同作で明かされたマンティスの秘密について、演じたポム・クレメンティエフが語った内容はこちらから。
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』ラストのネタバレ解説はこちらから。