第95回アカデミー賞『エブエブ』が席巻
米時間の2023年3月12日(日)に第95回アカデミー賞受賞式が米ロサンゼルスのドルビーシアターで開催され、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が作品賞に選ばれた。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は最多となる10部門11ノミネートを果たしていたが、エヴリン役のミシェル・ヨーが主演女優賞、ウェイモンド役のキー・ホイ・クァンが助演男優賞、国税局のディアドラ役のジェイミー・リー・カーティスが助演女優賞を受賞。更に脚本賞、編集賞、監督賞も受賞し、作品賞を合わせて7部門を受賞する圧巻の結果を残した。
Best Picture goes to…’Everything Everywhere All At Once’ Congratulations! #Oscars #Oscars95 pic.twitter.com/lYJ68P97qf
— The Academy (@TheAcademy) March 13, 2023
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は、レズビアンの娘を持つ中国から移民女性のエヴリンがある日、マルチバースの存在を知るという物語。エヴリンはある“脅威”に直面するが……。
日本では『エブエブ』の愛称で親しまれる本作は、2022年3月に全米で公開され、日本では2023年3月3日から全国公開されている。セクシュアルマイノリティの人々を主軸に描いたクィアSFとしても高い評価を受けている。
『エブエブ』の製作費は140万ドル〜250万ドルとされている。ハリウッドにおいては比較的低予算であり、低予算のSF映画がアカデミー賞作品賞を受賞したことの意義も大きい。『エブエブ』の興行収入は世界で1億ドルを超え、予算を工面したA24スタジオ史上最大のヒットを記録している。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』はダニエル・クワンとダニエル・シャイナートによる監督ユニットのダニエルズが指揮をとり、名俳優のミシェル・ヨーが主演を務めた。ミシェル・ヨーはアジア人女性初となるアカデミー主演女優賞ノミネートと受賞を果たした。
『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』(1984) のショート・ラウンド役の子役などで知られるキー・ホイ・クァン(ジョナサン・キー)や「ハロウィン」シリーズのジェイミー・リー・カーティスが出演し、いずれもアカデミー賞を受賞する驚異のパフォーマンスを見せている。
作品賞のプレゼンターは俳優のハリソン・フォードが務め、壇上でかつて『インディ・ジョーンズ』で“インディーとショート・ラウンド”として共演したキー・ホイ・クァンと抱き合うシーンも見られた。同作を手掛け、今回は『フェイブルマンズ』で『エブエブ』と作品賞を争ったスティーヴン・スピルバーグ監督も客席から笑顔で拍手を送る姿も映し出されている。
Here’s the moment #EverythingEverywhereAllAtOnce won the #Oscar for Best Picture. https://t.co/ndiKiHeOT5 pic.twitter.com/lBOqfiX0bw
— Variety (@Variety) March 13, 2023
映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』は2023年3月3日(金) より、全国の劇場で公開。
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』公式サイト
『エブエブ』のサントラは配信中。
主演のミシェル・ヨーが主人公エヴリンに込めた思いと裏話はこちらの記事で。
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