映画『マーベルズ』パク・ソジュンが演じるのは誰? ヤン王子説を考察、原作コミックの展開は? | VG+ (バゴプラ)

映画『マーベルズ』パク・ソジュンが演じるのは誰? ヤン王子説を考察、原作コミックの展開は?

©2023 MARVEL

『マーベルズ』パク・ソジュンが出演

MCU映画最新作『マーベルズ』の初映像となる特報予告が2023年4月11日(火) に公開。ブリー・ラーソン演じるキャプテン・マーベル、テヨナ・パリス演じるモニカ・ランボー、イマン・ヴェラーニ演じるミズ・マーベルを中心とした新たな物語が描かれることになる。

その中で注目が集まっているのは、韓国を拠点に活躍する俳優のパク・ソジュンの登場だ。パク・ソジュンは『キム秘書はいったい、なぜ?』(2018) や『梨泰院クラス』(2020) といった人気ドラマで知られるスター俳優。韓国を拠点にしてきた俳優がMCU映画に重要なキャラクターとして出演するのは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015) でヘレン・チョを演じたキム・スヒョン、『エターナルズ』(2021) でギルガメッシュを演じたマ・ドンソクに続く三人目となる。

『マーベルズ』の特報では、一瞬ながらも長髪でアーマーを身につけたパク・ソジュンの姿が捉えられている。兵を従えているようにも見え、出撃の号令を出すかのように剣を振って声をあげている。その直前にはサミュエル・L・ジャクソンがS.A.B.E.R.の職員に「シールドを張れ!」と指示を出しているので、流れ的にもリーダーが指示を出すシーンが続いているものと考えられる。

では、パク・ソジュンが演じるのは、どんなキャラクターなのだろうか。ここまで出ている情報と原作コミックの内容から考察してみよう。

『マーベルズ』パク・ソジュンは誰を演じる?

映画『マーベルズ』でパク・ソジュンが演じる役として筆頭に挙がっているのは原作コミックに登場するヤン王子(プリンセス・ヤン)だ。以前からその噂は絶えず、メディアやファンダムの中でもパク・ソジュンがヤン王子を演じるという話は盛り上がりを見せている。

実際には特報が公開された時点では、公式からパク・ソジュンの役名は発表されていない。だが、今回の特報にはヤン王子というキャラクターに繋がりうる要素が映し出されている。それは、キャロル、モニカ、カマラの三人が宇宙船でどこかに向かう姿を見せた直後に現れる海岸の街である。

ヤン王子は音楽の惑星アラドナの王子でこの海岸の街に建っている巨大な建物は音符のような形をしている。アラドナは2014年発表のコミックシリーズ『Captain Marvel #9』でキャプテン・マーベルが訪れた惑星で、人々がみな韻を踏みながら会話するのがその特徴だ。それだけでなく、アラドナでは女性がどの男性を伴侶にするかを選ぶ権利を持っており、男性に拒否権はないというルールがある。

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原作コミックでは?

『マーベルズ』でパク・ソジュンが演じると目されるヤン王子は、そのルールの下に不本意ながらロックシンガーでミュータントのライラ・レニーと婚約を交わしている。ライラとの結婚を望んでいなかったヤン王子は、アラドナを訪れたキャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァースに助けを求めた。

結婚式では別の女性が異議を唱える機会があるのだが、キャロルはそこでヤン王子と結婚しようと異議を唱えたマーロという別の異星人を相手にすることになる。マーロを倒したことでキャロルが一時的にヤン王子の結婚相手になるのだが、キャロルはその権限を使ってヤン王子に結婚相手を自分で選ぶ権利を与えている。

つまり、ヤン王子の住むアラドナは、この地球において女性が置かれてきたような状況に男性が置かれている社会ということだ。ヤン王子は男性の決定権に対しては両親が強い権限を持っていることにも触れている。ヤン王子は今後王になったときに最初にこのルールの変更を実現したいとも述べている。

結婚相手を勝手に決められてしまう惑星のお姫様、という典型的な設定を逆転させた王子様というのがヤン王子の役どころだ。それをキャプテン・マーベルが助け、結婚相手を選ぶ権利を与えることで解放するというのが原作コミックの展開である。

踊る人々とクラゲ

また、今回の特報映像には、異星人の人々が踊るシーンも見られる。これが音楽の惑星であるアラドナを舞台にしている可能性は十分にある。このシーンにはキャロル、モニカ、カマラの三人ともが映っており、キャロルがクラゲのような被り物を被っているシーンも見られる。

英語圏のファンの間ではこのクラゲがレズビアンフラッグと同じ配色になっているという指摘がある。そうした示唆があるとすれば、キャロルがヤン王子と恋愛婚をするのではなく、異性婚を前提としたルールの廃止を目指すヤン王子を解放するために便宜的に一旦結婚するという展開とも合致する。

なお、踊りとクラゲのシーンの街並みと、パク・ソジュンが登場するシーンの背景はテイストが似ている。ここがアラドナなのか、パク・ソジュンが演じるのがヤン王子なのかどうかは一旦傍に置いても、パク・ソジュンが演じるキャラクターが人々が踊りを見せる街のリーダー格の人物であることはほぼ間違いないだろう。

キャプテン・マーベルが助けた惑星?

ここからはパク・ソジュンが演じるキャラクターがヤン王子と仮定して考察していこう。気になるのは、キャプテン・マーベルことキャロル・ダンヴァースは地球に姿を見せなかった間にヤン王子と出会っているのか、それとも『マーベルズ』の物語の展開の中でヤン王子と出会うのか、という点だ。

キャプテン・マーベルは映画『キャプテン・マーベル』(2019) で描かれた1990年代以降、地球には戻らずにスーパーヒーローのいない惑星の人々を助けてきた。ようやく2018年にサノスの指パッチンで人口が半減した後についに地球に帰還し、アベンジャーズと協力してサノス軍を倒すことになる。

だが、その戦いを終えた2023年以降もキャロル・ダンヴァースは宇宙での戦いを続けている様子を見せる。映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021) では“ヒーロー会議”に出席しながらもすぐに会議を抜けており、変わらぬ多忙さを窺わせた。

原作コミックの展開を踏襲するのであれば、キャプテン・マーベルはこの宇宙における人助けの一環としてアラドナを訪れてヤン王子を助けることになるだろう。それは30年近く地球を離れていた間の出来事であり、キャロルは何か用があって“貸し”のあるヤン王子に会いに行くのかもしれない。

幼少期にキャプテン・マーベルのコスチュームデザインを決めたこともあるモニカは、ドラマ『ワンダヴィジョン』(2021) ではキャロルに複雑な思いを抱いていることが示された。そこには、キャロルがいない間に地球でサノスに指パッチンを許し、自分が消えている間にキャロルの親友でもある母が病死して死に目に会うことができなかったという思いがあると想像できる。

しかし、そんなモニカもキャロルが宇宙で助けてきた人々の姿を直接目にすれば、気持ちは変わるのではないだろうか。だとすれば、ヤン王子の存在は、人知れず戦ってきたキャロルの孤独な戦いを証明する大事な役割になるはずだ。

もちろん、キャロルが今回初めてアラドナを訪れるという可能性もある。その方がアラドナとヤン王子の紹介は丁寧になされそうだし、どちらにせよ楽しみなことに変わりはない。パク・ソジュンが演じるのがヤン王子ではないキャラクターであれば、今後のMCUの他作品にも登場する可能性は更に広がる。

ハリウッドデビューとなるパク・ソジュンはどんな活躍を見せてくれるのか、続報と劇場公開を楽しみに待とう。

映画『マーベルズ』は2023年11月10日(金)日米同時公開。

『マーベルズ』公式サイト

『マーベルズ』特報予告で分かった『ワンダヴィジョン』『ミズ・マーベル』との繋がりはこちらの記事で解説している。

『マーベルズ』のヴィランについての解説はこちらから。

パク・ソジュンのMCU参戦の経緯はこちらの記事で。

パク・ソジュンがMCU合流について語ったコメントはこちらから。

6月21日配信開始のドラマ『シークレット・インベージョン』の予告解説&考察はこちらの記事で。

5月3日(水・祝)公開予定の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』新予告編の解説&考察はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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