ローラ/X-23って誰?『デッドプール&ウルヴァリン』に登場 『LOGAN/ローガン』と原作の設定、演じた俳優は? | VG+ (バゴプラ)

ローラ/X-23って誰?『デッドプール&ウルヴァリン』に登場 『LOGAN/ローガン』と原作の設定、演じた俳優は?

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映画『デッドプール&ウルヴァリン』7月24日公開

MCU映画『デッドプール&ウルヴァリン』が2024年7月24日(水) より、日本の劇場で公開される。『デッドプール&ウルヴァリン』は、「デッドプール」シリーズとしては『デッドプール』(2018) に続く新作で、デッドプールとウルヴァリンがMCUに初参戦する作品でもある。

『デッドプール&ウルヴァリン』公開前の予告編では、俳優のダフネ・キーンが登場。ダフネ・キーンはヒュー・ジャックマン版ウルヴァリンの最終作となっていた映画『LOGAN/ローガン』(2015) にローラ・キニー/X-23役で出演しており、米Entertainment Weeklyによると、『デッドプール&ウルヴァリン』でローラ/X-23を再演することを認めている。

『デッドプール&ウルヴァリン』のウルヴァリンやその他の登場人物は、どのユニバースの出身なのかという点も本作の争点の一つ。この予告編では、「頼る人間を間違えたな」と突き放すローガンに対し、ローラは「いつもそうだったね、あの時までは」と応答している。つまりこのローラはウルヴァリンをよく知るバージョンのローラということになる。

では、映画『LOGAN/ローガン』に登場したローラ/X-23は、どんな人物だったのだろうか。今回は『ローガン』での設定と描写を振り返りつつ、原作コミックにおける設定と、演じたダフネ・キーンの近況について見ていこう。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『LOGAN/ローガン』の内容および原作コミックにおけるウルヴァリンおよびローラのストーリーに関するネタバレを含みます。

映画『LOGAN/ローガン』でのローラ

ウルヴァリンのクローンとして登場

映画『LOGAN/ローガン』では、ミュータントが生まれてこなくなって25年が経った2029年を舞台に、年老いたローガンとミュータントの少女ローラの出会いと旅が描かれる。ローラ、コードネームX-23はメキシコで人工的に生み出されたミュータントの子ども達の一人で、ローガンのDNAを使ったウルヴァリンのクローンだった。

ミュータントの子ども達に自我が芽生え始めたことで、その計画は中止に。子ども達が殺されそうになったところで看護師のガブリエラがローラを逃し、X-23ことローラはローガンに託されることになる。ローラが目指していたのはノースダコタ州の“エデン”と呼ばれる場所で、そこではミュータントの子ども達が集団生活を営んでおり、カナダへの亡命を計画していた。

ローラはウルヴァリンと同じくヒーリング・ファクターによる治癒能力とアダマンチウムの爪を持つ。年老いたローガンと比べると、ローラは傷の治りが早く、小さな身体を駆使したスピーディな戦闘スタイルを披露している。また、ウルヴァリンと違って足の先からも爪を出せるというのが特徴でもある。

旅で育まれたローガンとの絆

『ローガン』のローラは、旅の途中ではプロフェッサーXの死に直面し、ローガンと二人で旅に出る。衰弱したローガンの代わりに車を運転する場面もあり、最後にはローガンも命を賭してローラとミュータントの子ども達のために戦った。

最後には、X-23と呼ばれていたローラはウルヴァリンの純粋なクローンであるX-24にアダマンチウムの銃弾を放ってトドメをさした。X-24との戦いの結果、死にゆくローガンはローラに「奴らの思い通りに生きるな」と教えると、最後にはローラはローガンに「パパ(Daddy)」と語りかけている。

エデンでは「俺が気にかけるやつは死んでいく」と突き放してくるローガンに対し、ローラは「じゃあ私は大丈夫ね」と返し、離れようとするローガンに苛立ちを見せていた。ローラは人工的に生み出されたクローンだが、旅の中でローガンと親子としての関係を築いていったのだ。

ローラはローガンを埋葬すると、「人を殺した者は元に戻れない」「帰ってママにもう大丈夫だと伝えろ」「谷から銃は消えた」というローガンの言葉を唱えている。そして、立てられた十字架を倒して「X」の形を作り、真のX-MENとしてのウルヴァリンを弔っている。

つまり、このユニバースのローラは11歳にして“ヒーロー”としてのウルヴァリン/ローガンのことを知っている。『デッドプール&ウルヴァリン』のウルヴァリンは自分はヒーローではないと腐っている様子を見せているが、その姿は、『ローガン』で当初ローラの世話をするのを嫌がっていたローガンの姿と重なる。ローガンが変わり得ることを知っているローラの存在は、『デッドプール&ウルヴァリン』でも重要なポイントになるかもしれない。

原作のローラは?

実はアニメ出身のローラ

では、原作コミックのX-23/ローラはどのようなキャラクターなのだろうか。ローラが初めて描かれたのは2003年のことで、『X-Men: Evolution』で初登場。同作はアニメ作品であり、コミックでの登場はその翌年の『NYX』が初となる。その後、ローラの初の単独シリーズとなるコミック『All-New Wolverine』(2015-2018) が刊行され、デッドプールとも共演している。

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ローラはアニメ出身という珍しい経歴を持つキャラクターだ。原作でも映画版と同じくウルヴァリンと同じ力を持ち、手の爪は二本で、足の爪先から爪を出すことができる。コミック版ではウルヴァリンが率いるXフォースにも所属。アベンジャーズ等と違い、Xフォースは時期によって様々なチームによって名乗られており、一個前のXフォースと一個後のXフォースにはデッドプールが所属していた(ご存知の通り、映画『デッドプール2』ではデップーがXフォースを結成している)。

ウルヴァリンになったローラ

2014年の『デス・オブ・ウルヴァリン』でローガンの死が描かれた後、ローラはウルヴァリンの名を継承する。『All-New Wolverine』ではそのタイトル通り、新たなウルヴァリンとしてのローラの物語が描かれる。しかし、2018年には『リターン・オブ・ウルヴァリン』でローガンが復活。二人のウルヴァリンが共存することになった。

原作コミックでは、X-MENのリランチにあたってローラはミズ・マーベルことカマラ・カーンと共に新たなミュータント・コミュニティを率いることになる。それが描かれる新シリーズの『NYX』は、まさに『デッドプール&ウルヴァリン』が日本で公開される2024年7月24日(水)に刊行された。

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MCUでは、カマラ・カーンは新たにホークアイとなったケイト・ビショップに声をかけ、新たなチームを結成しようとしている。ローラのストーリーラインがMCUで引き継がれるかどうかにも注目したい。

ローラ役を演じたダフネ・キーンは活躍中

ローラ/X-23を演じたダフネ・キーンは、スペイン生まれ、イギリス出身の俳優だ。2005年生まれで、『LOGAN/ローガン』の撮影時は11歳で、『デッドプール&ウルヴァリン』公開時には19歳を迎えている。ローラはメキシコの研究所で生み出されたミュータントであるため、『ローガン』では多くのセリフがスペイン語になっている。

『LOGAN/ローガン』への出演後、ダフネ・キーンはドラマ『ダーク・マテリアルズ/黄金の羅針盤』(2019-2022) で主演を務めるなど活躍を見せている。2024年にディズニープラスで配信された『スター・ウォーズ:アコライト』では、ジェダイのパダワンであるジェキ・ロンを演じて大きな注目を集めた。

『アコライト』への出演に合わせてメディア露出も多くなっていたダフネ・キーンだが、インタビューでは『デッドプール&ウルヴァリン』には出演しないと答えてきたという。映画の公開直前に明らかになったローラの登場は、旧「X-MEN」シリーズのファンを驚かせることになった。

一時はローラを主人公に据えたスピンオフ映画の話も動いていたようだが、ディズニーによる旧20世紀FOX買収後にその話はたち消えになっている。ダフネ・キーンが演じるローラの再登場によって、映画『ローラ』が再び動き出すことはあるのだろうか。まずは『デッドプール&ウルヴァリン』がどんな展開を迎えるのか、劇場でチェックしよう。

映画『デッドプール&ウルヴァリン』は2024年7月24日(水) より日本で世界最速公開。

『デッドプール&ウルヴァリン』公式ページ

7月26日(金) には、『デッドプール&ウルヴァリン』公開を記念してデッドプール30周年の歴史を振り返るムック本『デッドプール 30th Anniversary Book』が発売される。

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『デッドプール』『デッドプール2』は2枚組のBlu-rayコレクションが発売中。

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Source
Entertainment Weekly

これまでの映画作品におけるウルヴァリンの活躍はこちらの記事にまとめている。

ヒュー・ジャックマンが復帰を決めた経緯と理由について語った内容はこちらの記事で。

『デッドプール&ウルヴァリン』に登場する「X-MEN」過去作の5人のヴィランの紹介はこちらから。

カマラ・カーンが新チーム結成に向けて動き出した『ザ・マーベルズ』のネタバレ解説はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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