ケヴィン・ファイギが“マーベル・スタジオの秘密”を明かす ディズニーによる買収が契機に | VG+ (バゴプラ)

ケヴィン・ファイギが“マーベル・スタジオの秘密”を明かす ディズニーによる買収が契機に

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ケヴィン・ファイギがマーベル・スタジオの秘密を語る

今や世界有数の映画スタジオとして君臨するマーベル・スタジオ。その躍進は、複数の独立した映画作品の物語が同じ世界観で進行するというアイデア採用したMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)第一作となる映画『アイアンマン』(2008) から始まった。

全米歴代興行収入トップ10の内、2023年1月時点で半数となる5作品がランクインするMCUは、映画界の話題からは切り離せないほどに巨大なフランチャイズになっている。近年では、マーティン・スコセッシ監督をはじめとする大物監督らが「MCUはシネマか」論争を巻き起こしているが、見方を変えれば、映画化にとってマーベル・スタジオはどうしても無視できない存在になっているということでもある。

マーベル・スタジオの成功の秘密はどこにあるのか。2023年1月11日にSpotifyで配信されたThe Movie Business Podcastにゲストで登場したマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギは、「マーベル・スタジオの秘密は何ですか?」というストレートな質問にこう答えた。

秘密はありません。ストーリーラインだとか、ネタバレだとか、そういう点では秘密はありますけどね。何年もの間、「(成功の)方程式を教えてください」と言われてきましたが、方程式のようなものはないんです。

数年前、私たちがウォルト・ディズニーの一員になった時に多くのポジティブなことが起こりました。その内の一つは、ウォルト・ディズニーの実写映画やピクサー、そして直後にはルーカス・フィルムの素晴らしい人々にアクセスできるようになったことです。その人々と内部で様々な会話ができるようになりました。

それで、多分10年くらい前ですが、ピクサーの人たちが各プロジェクトがどれだけ大変で、ある時点では取り組んでいるもの全てがどれだけひどい状態にあるかということをシェアしてくれたんです。その時は気が楽になりましたね。ともて良い状況とは言えない。であれば、形を整え、作業をして、再び作り直す。マーベル・スタジオの私たちの仕事はそういうものなのだと、その話を聞いて肩の荷が降りましたよ。

どんな映画であれ、プロジェクトであれ、膨大な量の作業と努力が必要であり、時の試練に耐える作品を作るということはマーベル・スタジオが常に目指していることです。そして、なぜか私は成功している場所や人は完璧な形でそれが脳内から出てくると思っており、何度も何度も作り直して、書き直して、編集し直して、撮影し直さなければならないのは、マーベル・スタジオだけだと思っていたんですよ。そして、そんなことはないということが分かったんです。

成功している組織やストーリーテラー、映画制作者に共通する秘密は、ただただ膨大な量のハードワークです。そして、そのハードワークを支えているのはパッションです。そしてありがたいことに、マーベル・スタジオにはその情熱が確かにあります。私はいつも、私たちがここで映画を作っていなかったら、真っ先に前売り券を買って、映画を見に行くために地元で列に並んでいただろうと言っているんです。

マーベル・スタジオといえば、再撮影や追加撮影が頻繁に行われることで知られている。どうやらその背景には、ディズニーによるマーベル・スタジオ買収後のピクサーやルーカス・フィルムといった他のディズニー傘下のスタジオの人々との交流があったようだ。

業界トップレベルのスタッフとの交流を通して、成功しているスタジオはいずれも失敗しながら、何度も作り直しているということを知ったケヴィン・ファイギ。ディズニーの買収によって、マーベル・スタジオが“孤高のスタジオ”にならなかったことは幸運なことだったと言える。

マーベル・スタジオ最新作の映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は2023年2月17日(金)劇場公開。

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』公式サイト

世界文化社
¥2,200 (2024/04/19 10:24:40時点 Amazon調べ-詳細)

Source
The Movie Business Podcast

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』本予告の解説はこちらの記事で。

『デッドプール3』のMCU入りについてライアン・レイノルズが語った内容はこちらから。

一度は破産申請も経験したマーベルの歴史はこちらの記事で。

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