本予告 解説&考察『アントマン&ワスプ:クアントマニア』テーマはセカンドチャンス? 新たなヴィランの姿も | VG+ (バゴプラ)

本予告 解説&考察『アントマン&ワスプ:クアントマニア』テーマはセカンドチャンス? 新たなヴィランの姿も

© 2023 Marvel

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』本予告公開

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のフェーズ5第一弾となる映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』より、本予告が公開された。米カレッジフットボール・プレーオフ・ナショナル・チャンピオンシップの全米放送に合わせて公開されたものだ。

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』本予告解説

キャシーと「失ったもの」

映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の本予告は、征服者カーンの語りから始まる。カーンはスコット・ラングのことを知っているようで、アベンジャーズであり、娘のキャシー・ラングがいることを挙げるなど、やたらと詳しい。

キャシーの名前が挙がる時には、スコットのスマホの着信画面が幼い頃のキャシーになっている。この時のキャシーは画像は、本作からキャシーを演じるキャスリン・ニュートンではなく、前作『アントマン&ワスプ』(2018) までキャシーを演じていたアビー・ライダー・フォートソンの画像になっている。キャシーは『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) ではエマ・ファーマンが演じており、本作で3人目の俳優が演じる。

次に拘置所から出てきたのはキャスリン・ニュートンが演じるキャシー・ラング。カーンは、スコットについて「私と同じく多くを失った」と話す。まず、スコットはワンダやピーター・パーカーらと比べれば、アベンジャーズの中では失ったものは多くないはず。本作では、まだ描かれていなかったスコットが抱える問題が描かれるようだ。

次に、「私と同じく」とカーンも何かを失ったことを示唆している点も興味深い。征服者カーンはドラマ『ロキ』(2021-) のラストで“在り続ける者”が消えたことで生じた変異体だ。量子世界で息を潜めていたカーンは、一体何を失ったのだろうか。

テーマは「セカンドチャンス」?

“失ったもの同士”という共通点を挙げた上で、征服者カーンは「だから助け合おう」と、タッグを組むことを提案する。特報映像で示されたように、キャシーの発明品によって一同が量子世界に吸い込まれると、スコットと対面したカーンは「お前の望みを叶えよう」と、交渉材料として「時間」をオファー。サノスは信念とパワーのヴィランだったと言えるが、「時間」をオファーできるヴィランとは、計り知れない恐ろしさを感じる。

約31年間量子世界にいたジャネットは、カーンを「存在を書き換えて時間軸ごと破壊する」と説明する。カーンを信用しないようスコットを説得するが、スコットは「誰だって構わない」と聞く耳を持たない。このシーンでは、カーンの後ろに『クアントマニア』でMCU初登場を果たすとされていたM.O.D.O.K(モードック)の姿がある。M.O.D.O.Kは巨大な頭を持つヴィランで、元はHuluオリジナルで現在はDisney+で配信されているアニメ『M.O.D.O.K』も制作された人気キャラクターだ。

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そして、「失われた時間を取り戻すチャンスなんだ」と、幼いキャシーと過ごせなかった時間がスコットの望むものであることが示唆される。「チャンス」の部分は、英語では「second chance」となっており、一連のセリフを直訳すると、「この男が誰であろうと構わない。私は多くのものを失った。彼は私にセカンドチャンスをくれる」となる。

「セカンドチャンス」や「やり直し」というテーマは、映画『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』(2021) でも描かれた。その時はヴィランにセカンドチャンスを与えることがメインテーマだったが、今回のスコットはセカンドチャンスを得るためにヴィランにすがっており、危うい雰囲気が漂っている。

追い込まれたアントマン

その後、量子世界の神秘的な映像が続き、征服者カーンは「ある物を手に入れるか、お前の存在全てが消えるかだ」と告げる。スコットはカーンが課したクエストを実行することになるのだろうか。そしてハイテクノロジーなカーンの軍隊や“解けていくジャイアントマンが描かれる中、カーンとアントマンの交渉が決裂した様子も描かれる。武装したM.O.D.O.Kの姿も。

カーンに追い込まれたスコットだが、「勝つ必要はない。一緒に死んでもらう」と、カーンを道連れにすることを宣言。カーンは両手からビームを放つなど、本気の戦いを見せる。これまでにないほどに肉体的にも精神的にも追い込まれた姿を見せるスコット。圧倒的な力を見せる大物ヴィランに、どう立ち向かうのだろうか。

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』本予告考察

今回の本予告では、意外にもスコット・ラングが自らカーンに手を貸す展開になることが示唆された。スコットが望んでいるのは「セカンドチャンス」で、これは前述のように『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のテーマと重なる部分がある。

しかし、『クアントマニア』で描かれるのは、「セカンドチャンスを与えること」の良い側面ではなく、セカンドチャンスを渇望した時に現れる負の側面であるように思われる。第三者が「セカンドチャンスを与えるべき」と歩み寄ることと、セカンドチャンスを望む本人が「セカンドチャンスをくれ!」と渇望するのでは訳が違う。

その渇望は、より力を持つ人間に利用され、取り返しのつかないところまで行ってしまう危険もある。スコットが望んでいるのは、父としての過去を取り戻すことだろう。今回の本予告では、スコットは新しい未来を歩むのではなく、過去を渇望するというセオリー的には絶対ダメな方向に邁進しているように見える。今回のスコット/アントマンには、かつてないほどに危うさを感じる。

また、ジャネットはカーンのことを「存在を書き換えて時間軸ごと破壊する」と説明していた。これは、映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022) で描かれた“インカージョン”を想起させる。インカージョンとは、別のユニバース同士が衝突して消滅してしまうことで、カーンはこれを意図的に起こしていると考えられる。

時間軸ごと/ユニバースごと消し去るヴィランとは、「宇宙の半分の人口」が対象だったサノスをはるかに上回る脅威である。改めてアントマンがカーンにどう立ち向かうのか、カーンはどのようにして今後のアベンジャーズと絡んでいくことになるのか、そしてカーンが「失ったもの」とは……。公開が待ちきれない。

なお、本予告前に公開された公式ポスターには、アントマン、ワスプ、そして新ヒーローのスタチューになったと思われるマスクを被ったキャシー・ラングの姿が。反対側には征服者カーンの姿も見られ、中央では量子世界で交戦する一行の姿も描かれている。

© 2023 Marvel

注目はポスター下部の公開日の上に記された文言だ。ここには「新たな王朝(ダイナスティ)の始まりを目撃せよ」と記されており、2025年5月2日米公開を予定している映画『アベンジャーズ/ザ・カーン・ダイナスティ(原題)』に繋がっていくことが予告されている。『アベンジャーズ/ザ・カーン・ダイナスティ』は「アベンジャーズ」シリーズ第5弾で、サノス以来の大物ヴィランとされるカーンの名前を冠した作品になる。

映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』では、主人公のアントマンことスコット・ラングを演じるポール・ラッドと、ワスプことホープ・ヴァン・ダインを演じるエヴァンジェリン・リリー、ハンク・ピム役のマイケル・ダグラス、ジャネット・ヴァン・ダイン役のミシェル・ファイファーが続投。スコットの娘のキャシー・ラングの成長した姿を新たにキャスリン・ニュートンが演じる。

その他には、前作で初登場を果たしドラマ『ワンダヴィジョン』(2020) にも登場したジミー・E・ウー役のランドール・パーク、ドラマ『ロキ』シーズン1に出演した征服者カーン役のジョナサン・メジャースらが出演する。

指揮をとるのはペイトン・リード監督で、『アントマン』(2015) から3作続けてシリーズの監督を務める。MCUで同一シリーズの監督を3作続けて担当するのは、「スパイダーマン」のジョン・ワッツ監督に続き二人目になる。なお、2023年5月3日日本公開を予定している映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』で、ジェームズ・ガン監督がその列に加わることになる。

映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』は、2023年2月17日(金)日米同時公開。

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「クアントマニア」の意味の考察はこちらの記事で。

プロデューサーは『クアントマニア』を『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』級の重要作になると語っている。詳しくはこちらの記事で。

『クアントマニア』の上映時間は2時間5分と発表された。フェーズ4の平均を下回る上映時間になる。詳しくはこちらから。

 

映画『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー』は2023年2月1日よりディズニープラスで配信される。

『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』ラストとポストクレジットシーンのネタバレ解説はこちらから。

 

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル』の解説はこちらから。

ジェームズ・ガン監督は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』でロケットのオリジンを描くと話している。詳しくはこちらの記事で。

 

新たにMCUに加わる『デッドプール3』の時系列についてヒュー・ジャックマンが語った内容はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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