勝山海百合「軍馬の帰還」が英訳に
『さざなみの国』で第23回日本ファンタジーノベル大賞、「あれは真珠というものかしら」で第1回かぐやSFコンテスト大賞を受賞した勝山海百合の掌編「軍馬の帰還」が英Fudoki Magazineに掲載された。「軍馬の帰還」は第4回ビーケーワン怪談大賞を受賞した作品で、勝山海百合が作家として世に出るきっかけになった作品でもある。Fudoki Magazineには「Return of a War Horse」の英題でToshiya Kameiによる英訳が掲載されている。
「Return of a War Horse」(Fudoki Magazine)
ビーケーワン怪談大賞は800字以内の“てのひら怪談”を公募した文学賞で、数多くの作家を輩出した賞として知られる。勝山海百合の作品では、「魚怪」がInsignia Stories が手がけるプロジェクト “HORROR MATSURI 2020” に、「白桃村」がオーストラリアのAntipodeanSF誌に掲載されている。この10月に英訳版が発表された「軍馬の帰還」「魚怪」「白桃村」は全て、ビーケーワン怪談大賞の傑作を集めた『てのひら怪談―ビーケーワン怪談大賞傑作選』(2007)に収録されている作品だ。
「軍馬の帰還」の英訳が掲載されたのはイギリスを拠点に置くウェブマガジンのFudoki Magazine。日本の“風土記”から取られた名前の通り、様々な物語を伝承していくために、ファンタジーや寓話、神話やおとぎ話を掲載している。Fudoki Magazineでは掲載されたストーリーを採点することができ、「軍馬の帰還」は2020年10月10日現在、4.8/5という高評価を集めている。
勝山海百合の作品では、バゴプラが主催した第一回かぐやSFコンテスト大賞作品「あれは真珠というものかしら」がToshiya Kameiによって翻訳され、Nagari Magazineに掲載されたばかり。かぐやSFコンテスト大賞の副賞である英語と中国語への翻訳も10月中に公開を予定している。