最終話まで!『ホワット・イフ…?』シーズン1 全話のあらすじ・分岐イベント・原作映画まとめ【ネタバレあり】 | VG+ (バゴプラ)

最終話まで!『ホワット・イフ…?』シーズン1 全話のあらすじ・分岐イベント・原作映画まとめ【ネタバレあり】

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『ホワット・イフ…?』全話を振り返り

MCUフェーズ4における新たな試みである初のアニメシリーズ『ホワット・イフ…?』は2021年8月11日(水)よりシーズン1の配信を開始。フェーズ3までのMCU作品を対象に、毎週「もしも」の物語が配信されてきた。10月6日(水)にはいよいよ最終話となる第9話が配信される。

ドラマ『ロキ』(2021) の物語を受け、MCU世界の中の“正史”として繰り広げられる『ホワット・イフ…?』は終盤になって意外な展開を見せた。最終話配信目前となった今回は、『ホワット・イフ…?』第1話から第8話のあらすじをネタバレありでお届けする。

『ホワット・イフ…?』全話のあらすじまとめ

第1話「もしも…キャプテン・カーターがファースト・アベンジャーだったら?」

・対象になった作品:『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』
・分岐イベント:ペギー・カーターが部屋にとどまり、超人血清を打つことになった。

第1話の改変対象となった作品は『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)。「キャプテン・アメリカ」シリーズの第1作目にあたり、映画版ではスティーブ・ロジャースが超人血清を打たれるはずだった。『ホワット・イフ…?』では、ペギー・カーターが別室に行くことを拒んだことをきっかけに、スティーブへの血清注入前にテロが起こり、とっさにペギーが血清を打つことになる。

キャプテン・カーターとして出身国のイギリス国旗を身にまとったペギーは、後遺症が残りながらもヒドラ・ストンパーに乗り込んでペギーを援護するスティーブと共に次々とヒドラの軍隊を沈めていく。「女性が部屋に残る」ということの意味を、比喩を込めて描いたエピソードだ。

キャプテン・カーターは、原作映画のキャプテン・アメリカと同じように最後には自らを犠牲にして異次元の魔物を押さえ込む。スティーブとは映画版と同じくダンスの約束をして……。魔物ごと異次元へと消えていったペギーだったが、ラストシーンではニック・フューリーとホークアイによって現代に召喚される。冷凍睡眠状態になった映画版のスティーブ・ロジャースと同じように現代に復活したのだった。

第1話の詳細なあらすじと解説はこちらから。

製作陣はペギー・カーターを実写MCU作品に登場させることを希望している。詳しくはこちらから。

第2話「もしも…ティ・チャラがスター・ロードになったら?」

・対象になった作品:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
・分岐イベント:ラベジャーズが間違えてティ・チャラを誘拐し、ティ・チャラがスター・ロードになった。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014) で、ラベジャーズがピーター・クイル出なくワカンダの王子だったティ・チャラを間違って誘拐してしまった世界線を描く。鎖国していたワカンダで育ったティ・チャラは“外の世界”への好奇心から、ラベジャーズにとどまって宇宙を旅することを選ぶ。

スター・ロードになったティ・チャラは、優れた外交官として人々に愛されており、あのサノスでさえも対話を経て考えて方を改めている。一方で、コレクターがサノスに代わって大ヴィランになり、映画版でサノスの側近だったブラック・オーダーを率いている。

ティ・チャラはラベジャーズとサノスら協力してコレクターから銀河から飢餓をなくすほどの力を秘めるエンバーズ・オブ・ジェネシスを奪取する。このエピソードには宇宙犬コスモやハワード・ザ・ダックも登場した。最後には、ティ・チャラは滅びたと思っていた故郷ワカンダに帰り、ヨンドゥやサノスらがワカンダの人々と楽しく宴を開く。

一方で、ラベジャーズともガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとも出会えなかったピーター・クイルには、父のエゴが迎えに来る。原作映画においてエゴは、クイルをエネルギー源にして“拡張”を行うことで、宇宙全体を飲み込もうとしていた。その企みが果たされる直前で『ホワット・イフ…?』第2話は幕を閉じる。

なお、第2話は2020年8月28日に大腸癌で逝去したチャドウィック・ボーズマンが生前に声を収録していた作品だ。監督はティ・チャラが『ホワット・イフ』のアイデアを気に入っていたと話している

また、第2話のサノスをめぐる描写には、完璧な善人も悪人も存在しないというフェーズ4のコンセプトになる発想が垣間見られた

第2話の詳細なあらすじと解説はこちらから。

第3話「もしも…世界が最強のヒーローたちを失ったら?」

・対象になった作品:『インクレディブル・ハルク』『アイアンマン2』『マイティ・ソー』ほかフェーズ1の作品
・分岐イベント:ホープがS.H.I.E.L.D.に入って殉職し、逆恨みしたハンク・ピムがアベンジャーズの初期メンバーを暗殺した。

第3話はニック・フューリーを中心に据えて、フェーズ1におけるアベンジャーズ計画そのものを描きなおした。『インクレディブル・ハルク』(2008) 『アイアンマン2』(2010) 『マイティ・ソー』(2011) でそれぞれのヒーローが死んでしまい、ニック・フューリーはホークアイとブラック・ウィドウまで失う。

その犯人は、娘のホープ・ヴァン・ダインがS.H.I.E.L.D.入りした結果殉職したことを逆恨みするハンク・ピムだった。ニック・フューリーは、『アベンジャーズ』(2012) と時を同じくして現れたロキの手を借りてイエロージャケットになったハンク・ピムを倒す。

だが、結局地球はロキの支配下となってしまう。アベンジャーズなしではロキを抑えることはできなかったのだ。ニック・フューリーは、冷凍状態のキャプテン・アメリカを復活させ、キャプテン・マーベルを呼び出すことで“二人のキャプテン”を軸に新たなアベンジャーズを結成しようとする。

第3話の詳細なあらすじと解説はこちらから。

第3話の注目ポイントは、これまでのMCU作品でほとんど触れられてこなかった『インクレディブル・ハルク』を描きなおしたという点だ。いなかったことにされてきたブルース・バナーの元恋人ベティ・ロスの登場には驚かされた。今回の件をきっかけにした「ハルク」フランチャイズの再興についてはこちらの記事で考察している。

第4話「もしも…ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?」

・対象になった作品:『ドクター・ストレンジ』
・分岐イベント:スティーヴン・ストレンジがクリスティーン・パーマーと共に講演会に出席することになり、交通事故でクリスティーンが死ぬことがドクター・ストレンジ誕生の条件となった。

『ドクター・ストレンジ』(2016) の冒頭で自動車事故を起こす天才外科医のスティーヴン・ストレンジが、自らの腕が麻痺するのではなく、元恋人のクリスティーン・パーマーを失っていたら……という物語が描かれる。きっかけはクリスティーンが映画版で断ったスティーヴンの講演会に同席することを選んだことだった。スティーヴンはクリスティーンを取り戻すため、映画版と同じく魔術師になる道を選ぶ。

映画版でもウォンが「時間をいじれば宇宙の構造が揺らぐ」と警告していたが、スティーヴンはタイム・ストーンを利用してクリスティーンの死をなかったことにしようとする。だが、クリスティーンの死こそが、この世界線のドクター・ストレンジを生み出した分岐イベント(本エピソードでは「絶対点」と表現されている)であり、スティーヴンの試みはパラドックスを生み出してしまうため失敗し続ける。

それでも、カリオストロの書庫で数世紀にわたって魔物を自身に取り込み続けるというとんでもない行為に走ったスティーヴンは、遂にドクター・ストレンジ・スプリームとなり、クリスティーンを死から救うことに成功する。だが、ウォンの忠告通り、宇宙は崩壊。スティーヴンはウォッチャーの存在を感知して助けを求めるが、ウォッチャーのウアトゥはこれを見捨てるのだった。

第4話の詳細なあらすじと解説はこちらから。

第4話の展開は、やはりMCUにおいて時間改編によって死んだ人物を生き返らせることはできないというルールに決定的な意味をもたらすことになった。詳しくはこちらの記事で。

なお、第4話は『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の予告編が公開された翌週に配信された。同作の予告解説はこちらから。

第5話「もしも…ゾンビが出たら?」

・対象になった作品:『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アントマン&ワスプ』
・分岐イベント:量子世界でジャネット・ヴァン・ダインがゾンビ化しており、ゾンビウイルスをハンク・ピムとホープ・ヴァン・ダインが持ち帰った(ジャネットがゾンビ化した原因は不明)

第5話では『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018) の冒頭シーンから始まり、フェーズ3の各作品を対象にして、ゾンビアポカリプスに陥ったMCU世界が描かれた。既にアベンジャーズの主要メンバーはゾンビ化しており、宇宙から帰ってきたハルクはワスプ、スパイダーマン、ハッピー、カート、ウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズらと行動を共にする。

一行はニュージャージーにいる特効薬を開発した人物の元へ向かう。ゾンビ映画よろしく次々と仲間が死んでいく中、スパイダーマンことピーター・パーカーがチームの中心人物へと成長していく。ニュージャージーで待っていたのはヴィジョンであり、ヴィジョンはマインド・ストーンの力によってゾンビを除けることができていた。

ヴィジョンはゾンビ化を治療する周波を見つけ出していたが、これを世界中に発信する技術はワカンダにあった。ゾンビ化したワンダが暴れ出す中、多くの犠牲を背にピーターは、ヴィジョンといたスコット・ラングと、地下に閉じ込められていたティ・チャラと共に飛行機でワカンダへと向かう。だが、その先には、一行が持つマインド・ストーン以外の5つのインフィニティ・ストーンを揃え、ゾンビ化したサノスが待ち受けていた。

第5話の詳細なあらすじと解説はこちらから。

第5話でゾンビ化した原因は『アントマン&ワスプ』(2018) でホープらが助けに行った初代ワスプことジャネット・ヴァン・ダインが、量子世界でゾンビ化していたことによるもの。だが、そもそもジャネットがゾンビ化した理由は語られなかった。ゾンビウイルスを量子世界に持ち込んだのは一体誰なのか、分岐イベントはどこで起きたのか、その考察はこちらの記事で。

第6話「もしも…キルモンガーがトニー・スタークを救ったら?」

・対象になった作品:『アイアンマン』『ブラックパンサー』
・分岐イベント:キルモンガーがトニー・スタークをテン・リングスから助けた。

キルモンガー復活回として注目を集めた第6話は、MCU第1作目の『アイアンマン』(2008) でトニー・スタークがテン・リングスに誘拐されず、キルモンガーが助けていた世界線を描いた物語。キルモンガーがトニー・スタークを助けたことで、スターク・インダストリーズは軍需産業から手を引かず、さらに強力な兵器の開発に乗り出す。

それは、キルモンガーが大学時代に開発に取り組んだ“リベレーター”という自律型ロボットだった。キルモンガー役を演じたマイケル・B・ジョーダンのアニメ好きな一面も取り入れられている。原作映画と同じくユリシーズ・クロウと組んでいたキルモンガーは、リベレーター開発のためのヴィブラニウムの偽取引においてティ・チャラとローディを殺し、アメリカとワカンダの間に憎しみを作り出す。

キルモンガーの狙いは最初からワカンダであり、トニーを利用しようとしていたのだ。キルモンガーは裏切りに気づいたトニーを殺すと、リベレーターをワカンダへと侵攻させる。一方で自身はユリシーズ・クロウの遺体を手土産にワカンダへ戻り、リベレーターからブラックパンサー不在のワカンダを守ることで信頼を確立。ブラックパンサーを引き継ぎ、ハート型のハーブの力を受け継ぐのだった。

この企みに気づいたシュリはペッパーの元に現れ、ティ・チャラとトニーの命を奪った共通の敵に対して挑むことを決意する。

第6話の詳細なあらすじと解説はこちらから。

第6話では、トニーは兵器開発をやめなかったが、実は『アイアンマン』で語られた“兵器開発をやめる理由”と矛盾する出来事が起きている。詳しい解説はこちらから。

第7話「もしも…ソーがひとりっ子だったら?」

・対象になった作品:『マイティ・ソー』
・分岐イベント:オーディンがロキを養子にしなかったことで、ヨトゥンヘイムと平和な関係を築き、ソーは一人っ子として育った。

第7話では『マイティ・ソー』から設定が変更されている。氷の巨人との戦いの後、オーディンが氷の巨人の王レウフェイの子どもである赤ん坊のロキを連れて帰らず、レウフェイに返したことが分岐イベントに設定された。厄介な弟のロキを持たず、一人っ子として育てられたソーは奔放に育つ。また、ロキを返したことで、アスガルドと氷の巨人の国ヨトゥンヘイムは平和な関係にある。

原作映画シリーズよりも楽で平和な状況で育ったソーは、父オーディンが眠りに入り、母フリッガが夏至祝いに出かけている間に地球で大パーティを開く。映画と同じように地球でジェーン、ダーシーとも出会ったソーだが、各国の観光名所をめちゃくちゃにしてしまい、S.H.I.E.L.D.はキャプテン・マーベルの援護を要請することに。

ソーとキャプテン・マーベルがぶつかる中、最後はジェーンがソーの母フリッガに告げ口をして事態は収束。ソーらは大急ぎで後片付けをしてめでたしめでたしかと思いきや、ラストにはインフィニティ・ストーンを揃えた謎の人物が登場し、いよいよ『ホワット・イフ…?』のマルチバース展開が動き出す。

第7話の詳細なあらすじと解説はこちらから。

第7話ではキャプテン・マーベルが人類の要請を嫌がるという珍しい一面が見られた。マーベル最強ヒーローの新たな一面については、こちらで考察している。

また、第7話では『キャプテン・マーベル』(2019) に登場した猫のグースのその後について示唆する場面があった。詳しくはこちらから。

第7話ラストに登場した人物から考察するインフィニティ・ストーンの秘められた可能性についてはこちらの記事で。

第8話「もしも…ウルトロンが勝ったら?」

・対象になった作品:『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』
・分岐イベント:ウルトロンが人工ボディに意識をアップロードすることに成功し、ヴィジョンは誕生せず、アベンジャーズが敗北した。

第7話ラストまでの展開を説明する第8話は、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015) で分岐イベントが発生している。映画版ではアベンジャーズの手に渡りヴィジョンの身体となった人工ボディが計画通りにウルトロンの身体となっていた世界、そしてウルトロンがアベンジャーズに勝利して世界中に核ミサイルを発射した世界を描く。

ウルトロンの前に現れたのは、5つのインフィニティ・ストーンを揃えたサノス。これを瞬殺して自身の額にあるマインド・ストーンと合わせて6つのストーンを揃えたウルトロンは完全体となる。アスガルドをはじめとする地球以外の世界の存在を感知したウルトロンは、次々と星を滅ぼしていく。任務を終えたかに思われたウルトロンだったが、ウォッチャーの存在を嗅ぎ取ると、マルチユニバースの存在を知り、別ユニバースでも生命を殲滅しての“平和”の実現を決意する。

一方、地球で生き残っていたナターシャとクリントはシベリアのヒドラ基地に残存していたゾラのAIをダウンロードし、ウルトロン・セントリーに流し込むことでウルトロンを内部から破壊しようと試みる。だがその時には既にウルトロンはこのユニバースにはいなかった。

ウルトロンに攻撃されたウォッチャーは、追い詰められ、意外な人物を頼る。第4話で登場したドクター・ストレンジ・スプリームだ。自分以外が消滅した宇宙で孤独に暮らしていたドクター・ストレンジ・スプリームに、ウォッチャーは「干渉しない」という一族の掟を破って助けを求めるのだった。

第8話の詳細なあらすじと解説はこちらから。

第8話では、『ホワット・イフ…?』シーズン1で4度目となるトニー・スタークの死が描写された。これについての脚本家の釈明はこちらから。

第8話では、本当の「ウルトロンの時代(エイジ・オブ・ウルトロン)」が描かれた。再燃しているMCU本編における“ウルトロン生存説”についてはこちらの記事で。

また、ウルトロンがマルチバース間を移動するネクサス・ビーイングになったことで、本編で新たな人物がネクサス・ビーイングになる可能性も出てきた。詳しくはこちらから。

 

それぞれがバラバラの物語を描いているように見えていたが、遂に第8話では各話の物語が繋がっていくことが示唆された。『ホワット・イフ…?』シーズン1最終話となる第9話ではどのような物語が描かれるのだろうか。

最終回のメインポスターと注目ポイントはこちらから。

『ホワット・イフ…?』最終話第9話のネタバレ解説はこちらから。

アニメ『ホワット・イフ…?』はDisney+で独占配信中。

『ホワット・イフ…?』(Disney+)

製作陣が語ったシーズン2の制作状況と内容についてはこちらの記事で。

シーズン1最終回を迎えて残された12個の謎はこちらの記事にまとめている。

11月24日(水)から配信を開始するドラマ『ホークアイ』の予告編とその解説&考察はこちらから。

VG+編集部

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