『ホワット・イフ…?』最終回に残された12の謎 スティーブやシュリはどうなった? ネタバレまとめ&考察【シーズン1】 | VG+ (バゴプラ)

『ホワット・イフ…?』最終回に残された12の謎 スティーブやシュリはどうなった? ネタバレまとめ&考察【シーズン1】

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『ホワット・イフ…?』シーズン1 完結!

MCUアニメ『ホワット・イフ…?』シーズン1は、MCUフェーズ3までの映画作品を対象に「もしも」の物語を描き出した。お馴染みのヒーローやヴィランが新しい姿で登場し、MCU本編にも影響を与え得る展開は毎週視聴者をワクワクさせてくれた。

一方で、2021年10月6日(水)に配信された『ホワット・イフ…?』最終回となる第9話では、様々な謎が残る結果になった。シーズン1はパンデミック下で製作された作品でもあり、全10話の予定が9話に変更になるなど、製作陣にとっても不本意な状況だったことは想像に難くない。

だがそこはMCU。今後の別作品や『ホワット・イフ…?』シーズン2で疑問が回収される可能性は大いにある。そこで今回は『ホワット・イフ…?』シーズン1ではどのような謎が残されたのかを整理してみよう。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『ホワット・イフ…?』シーズン1全話の内容に関するネタバレを含みます。

『ホワット・イフ…?』シーズン1に残された12の謎

1. ガモーラとトニーの物語は?

まずは明確に“宿題”として残された謎から。第9話に突如として現れたサノス仕様の装備を身に付けたガモーラと、カラフルなハルクバスターを身につけたトニー・スタークの物語は、シーズン1では描かれることがなかった。

このストーリーについては、『ホワット・イフ…?』シーズン2で配信されることが決まっている。ガモーラとトニーのエピソードは全10話を予定していた内の1話であり、パンデミックの影響から配信がシーズン2へと延期になったのだ。詳しい経緯はこちらの記事で紹介している。

ガモーラとトニーのエピソードでは、インフィニティ・ストーンを破壊できるインフィニティ・クラッシャー(第9話で役に立たず)も登場するのだろうか。ガモーラがサノスを倒した方法や、アイアンマンのアーマーにサカールの文字のペイントが入っている理由ガモーラが「サカールを生き延びた」というウォッチャーの言葉の意味、そもそもなぜ二人しか残っていないのかなど、最終話のトニーとガモーラにまつわる謎が全て明かされることに期待しよう。

2. インフィニティ・ストーンは無限?

第9話で衝撃的だったのは、せっかくインフィニティ・クラッシャーを使ったのにウルトロンのインフィニティ・ストーンは破壊できず、ウルトロンが「インフィニティ・ストーンはユニバースによってそれぞれ違う」という謎理論を発表したことだ。

ガモーラもこれを素直に受け入れてしまったが、そもそもインフィニティ・クラッシャーの仕組みに関わることなのだろうか。配信延期になったガモーラとトニーのエピソードでそれに関する描写が登場しているのだろうか。

そうでなければ、MCUに新セオリーがもたらされたことになる。ウルトロンがマルチバースの扉を開いた以上、私たちが気にしなければならないのは、インフィニティ・ストーンが消滅したMCU本編に別のユニバースからインフィニティ・ストーンが持ち込まれる可能性についてだ。

「インフィニティ・サーガ」はフェーズ3で終了したが、インフィニティ・ストーンが外部のユニバースから持ち込まれる可能性があり、しかもそれぞれのユニバースによって特徴があるのだとすれば、文字通り可能性は無限大(インフィニティ)ということになってしまう。「インフィニティ・ストーンはユニバースごとに違いがある」というセオリーについて、今後具体的な説明が登場することを願おう。

3. シュリとペッパーはどうなった?

最終話でウォッチャーによって選ばれた面々以外にもスポットライトを当てたい。もっとも気になるのは第6話のキルモンガー回のラストに結束したシュリとペッパーだ。ティ・チャラとワカンダ、トニー・スタークとスターク・インダストリーズを失った二人は結束して共通の敵=キルモンガーに挑むことを決意した。

最終話の冒頭ではドーラ・ミラージュと共にキルモンガーの元へ突入する姿も描かれたが、部屋に着いたときには、ウォッチャーがキルモンガーを連れ去った後だった。エンディングでティ・チャラ版スター・ロードやパーティ・ソーらのその後が描かれたが、シュリとペッパーの姿はなかった。

仇はうてなかったが、ワカンダを取り戻したのだろうか。ひょっとしたら、シーズン2では「もしも…シュリがワカンダの王になっていたら?」が描かれる可能性もあるかもしれない。

4. ゾンビ世界はどうなった?

気になる“その後”で言えば、第5話ゾンビ世界だ。最終話でドクター・ストレンジ・スプリームが大量のゾンビとゾンビ化したワンダを召喚したが、肝心の面々がいない。第5話でリーダーシップを発揮して一気のびたゾンビハンター・スパイディことスパイダーマンと、ゾンビ化しながらも5つのインフィニティ・ストーンを手に入れていたサノスである。

最後のインフィニティ・ストーンであるマインド・ストーンを持ったスパイダーマン達が、サノスが待ち受けるワカンダに向かうところで第5話は幕をおろした。ゾンビハンター・スパイディはウォッチャーからの徴集もかからず、ゾンビ化したサノスがインフィニティ・ストーンで実行したいことも謎のままだ。

だが、シュリ&ペッパーのストーリーとは違い、ゾンビ世界のストーリーはあえて余白を残しているようにも思える。「マーベル・ゾンビーズ」はコミックでも人気のシリーズであり、『ホワット・イフ…?』では定番回になっていく可能性もある。

原作コミックにおいてはゾンビたちは食料を求めて別ユニバースへと侵攻していくため、マルチバースが解禁された今後は様々な展開に手を出すことができるのだ。

今後「ゾンビユニバース」が展開されていく可能性については、こちらの記事に詳しい。

5. キャプテン・カーターはどこにいた?

第1話まで戻ると、ラストで異次元に魔物を押し返したキャプテン・カーターは一体どこにいたのだろうか。最終的にニック・フューリーが現代に召喚することになったが、出てきた時にはまだタコのような魔物と戦っていた。

キャプテン・カーターがどのくらいの期間、どのような場所にいたのかは明かされていない。一方で、ケルト神話風の魔物が巣食うユニバースの存在は『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021) でも示されており、『ホワット・イフ…?』第4話ではドクター・ストレンジが異次元の魔物の力を取り入れていた。最終話ではタコの魔物の力も解放し、キャプテン・カーターを驚かせた。

魔物が巣食う異次元はフェーズ4以降の重要な要素になることが予想される。基本的には魔物が地球に出てこないようにアベンジャーズが戦う流れになるだろう。キャプテン・カーターの強みは実際にその異次元に行き、戦い、生き延びたということだ。実写化も期待されるキャプテン・カーターが本家アベンジャーズに加わってくれれば相当に心強いが……。

6. スティーブは生きている?

キャプテン・カーターとの関連で言えば、最終話のポストクレジットシーンについても、謎に包まれたまま幕を閉じた。ヒドラ・ストンパーの中にスティーブ・ロジャースが入っており、生き延びていたことを示唆しているが、果たしてスティーブは生きているのだろうか。

MCUにおいて長寿を手にした例は、闇の魔術に頼ったエンシェント・ワンや魔物の力を取り入れたドクター・ストレンジ・スプリーム、テン・リングスの力を使ったウェンウー、魔女たちのエネルギーを吸い取り300年以上生きているアガサが存在する。本編のキャプテン・アメリカは氷漬けになっており、人工的な科学の力で時代を超えて生き続けた例は、おそらくない。

スティーブが睡眠状態でもまだ生きているとすれば、どのようにして生き延びることができたのか、それは他の人々にも適応可能なのか。そして、なぜあの場所に眠っていて、ペギーと再会できたのか、そもそもスティーブとヒドラ・ストンパーは味方なのか……最終話のポストクレジットシーンはハッピーエンドなのだとは思うが、謎は深まるばかりだ。

脚本家のA.C.ブラッドリーが最終話のポストクレジットシーンについて残したコメントと更なる考察はこちらから。

7. ウォッチャーの誓いとは?

MCUの『ホワット・イフ…?』では、ウォッチャーという種族についての具体的な説明はなされていない。映画版では、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017) でスタン・リーがカメオ出演する場面に登場する。複数の個体が存在しており、『ホワット・イフ…?』の個体の名前はウアトゥという設定になっているが、それ以上のことは分からない。

「ウォッチャーは現実に干渉できない」という唯一の説明もウアトゥが破ってしまった。そもそもその誓いがなぜ存在しているのかも説明されなかった。原作コミックでは、かつてウォッチャーが自分たちの技術や知恵を悪用されてしまったため、ということになっているが、MCUではどのように説明されるのだろうか。

8. ウアトゥはお咎めなし?

ウォッチャーとして誓いを破ったウアトゥ。ヒーローたちに肩入れし過ぎてしまった結果と言えるが、これは原作コミック通りの展開だ。だが、コミック版通りなら、掟を破ったウアトゥには当然それなりの罰が下ることになる。

『ホワット・イフ…?』シーズン1ではウアトゥが心配している様子などは見られなかったが、他のウォッチャーたちも確実に今回の騒動を目撃しているはずだ。シーズン2ではウアトゥの身に危険が及ぶかも……?

9. キルモンガーとゾラはどうなる?

ウアトゥのウルトロン打倒作戦は、ゾラにウルトロンを乗っ取らせた上で欲深いキルモンガーにインフィニティ・ストーンを狙わせ、二人の間でインフィニティ・ストーンの均衡状態を作り出すことだった。これを小さなドーム内に真空パックしたドクター・ストレンジ・スプリームとウアトゥは、ドクター・ストレンジがこのドームの見張り役を務めることで合意する。

今もどこかのユニバースではドクター・ストレンジ・スプリームが、インフィニティ・ストーンを挟んで均衡状態にあるゾラとキルモンガーのことを見守っているのだろう。

今回の解決策はあくまで“封印”であり、封印は概して解かれるもの。『ホワット・イフ…?』シーズン1はマルチバースに一つの爆弾を残すことになったが、今後のシリーズで再登場することはあるのだろうか。キルモンガー再登場を希望する声は大きいが……。

10. セレスティアルズは無関心?

『ホワット・イフ…?』シーズン1の展開で気になったのは、ウォッチャーと同じくコズミック・ビーイング(宇宙的存在)であるセレスティアルズの存在だ。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014) で一瞬だけ登場したセレスティアルズは、11月5日(金) 公開の映画『エターナルズ』でエターナルズを創った存在として登場する。ピーター・クイルの父エゴもセレスティアルズであると自称している。

原作コミックでは、セレスティアルズは宇宙の神々という設定だ。『ホワット・イフ…?』ではウルトロンというコズミック・ビーイングの存在すらも脅かす新たなコズミック・ビーイングが登場したが、これの対処にあたったのはウォッチャーのウアトゥだけだった。ウアトゥだけで対処可能と考えたのだろうか。

そもそもセレスティアルズはマルチバースに対してどのような姿勢なのかなど、まだまだ謎は多い。ひとまずは映画『エターナルズ』でセレスティアルズがどのような存在なのかを確認しよう。

11. TVAの意向は?

ドラマ『ロキ』でシルヴィが“在り続ける者”ことカーンを倒してしまった結果、タイムラインの分岐が大量に生まれ、TVAでは対処できない状況に陥った。それにしても『ホワット・イフ…?』シーズン1ではウルトロンがマルチバースを破壊しようとするなど、とんでもない展開になっている。

変異体カーンが支配するTVAは、そもそも分岐を止めようとする意思はあるのだろうか。それとも、対応してはいるが、ウォッチャーが見ていたユニバースまでは手が回らなかったのだろうか。

それとも、最終的に消滅(自滅)するユニバースは放置して、ウルトロンは神聖時間軸に手を出さない限りはてマルチバースは壊してくれた方が良いと考えていたのだろうか。これまでの“在り続ける者”とは違うカーンの方針が気になるところだ。

実際にはこちらの記事にもある通り、『ホワット・イフ…?』は製作時期が早く、ドラマ『ロキ』の設定を踏まえずに製作されたのだが、どのような説明をつけるのかには注目したい。『ロキ』シーズン2の展開に期待しよう。

12. ドクター・ストレンジはマルチバースを開いた?

最後に、『ホワット・イフ…?』最終話から本編にも繋がりうる要素を紹介しよう。それは、ドクター・ストレンジ・スプリームがウルトロンの頭上から大量のゾンビを降らせた場面だ。ドクター・ストレンジ・スプリームは第5話のゾンビ世界に通じる扉を開いたということになる。つまり、マルチバースを開く力を持っていることにならないだろうか。

一方で、この場面ではウアトゥのゲートが開いていたことにも注目したい。ウアトゥの力を借りて別次元からゾンビを降らせたと考えることもできる。そもそもドクター・ストレンジ・スプリームは自分の世界の宇宙が破滅を迎えた後も孤独に過ごしていた。別ユニバースへの扉を自力で開くことができるなら、外へ出ることもできたはずだ。

自戒のために敢えて自らを閉じ込めていた可能性もあるが、いずれにせよ、この描写は12月17日(金) 全米公開予定の『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』につながるかもしれない。同作の予告ではドクター・ストレンジがマルチバースの扉を開くことになっているからだ。ドクター・ストレンジにその“素質”があることは確かだろう。

このように、『ホワット・イフ…?』シーズン1は多くの謎を残して幕を閉じた。それぞれの疑問に今後のシリーズでどのような答えが提示されるのか(またはされないのか)、引き続き注目していこう。

アニメ『ホワット・イフ…?』シーズン1は全9話がDisney+で独占配信中。

『ホワット・イフ…?』(Disney+)

同じく多くの謎を残した『ワンダヴィジョン』の疑問はこちらの記事で。

ウルトロンが『ホワット・イフ…?』シーズン1のメインヴィランに起用された理由はこちらの記事で。

最終話までのシーズン1の全話のあらすじと分岐イベントのまとめはこちらから。

最終話のネタバレ徹底解説はこちらから。

製作陣が語ったシーズン2の制作状況と内容についてはこちらの記事で。

 

アニメ『ホワット・イフ…?』につながった『ブラック・ウィドウ』のメッセージについてはこちらから。

11月24日(水)よりDisney+で配信を開始するドラマ『ホークアイ』予告編の解説&考察はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
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