第2期14話/38話ネタバレ感想『呪術廻戦』冥冥・ナナミン、1級術師たちの戦い 特級呪霊たちの領域展開 | VG+ (バゴプラ)

第2期14話/38話ネタバレ感想『呪術廻戦』冥冥・ナナミン、1級術師たちの戦い 特級呪霊たちの領域展開

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

アニメ『呪術廻戦』第2期14話放送

アニメ『呪術廻戦』は2020年に放送および配信を開始した人気漫画のアニメ版。2023年7月から放送を開始した第2期では、「懐玉・玉折」編を経て「渋谷事変」編に突入している。全24話で構成される第2期もあっという間に第14話まで来た。残り11話でどんな物語が描かれるのだろうか。

今回はアニメ『呪術廻戦』第2期14話/通算38話について、ネタバレ有りで感想と解説を記していこう。なお、以下の内容はアニメ『呪術廻戦』第2期14話/通算38話のネタバレを含むが、アニメでまだ扱われていない範囲の原作漫画のネタバレは行わない。アニメの方を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『呪術廻戦』第2期14話/通算第38話の内容に関するネタバレを含みます。

アニメ『呪術廻戦』第2期14話/38話「揺蕩」ネタバレ感想&解説

冥冥の戦い方

アニメ『呪術廻戦』第2期14話/通算38話は、第2期12話で偽夏油が召喚した特級特定疫病呪霊 疱瘡神(ほうそうがみ)に領域展開をくらい、それと対峙する冥冥と憂憂の戦闘シーンから幕を開ける。前回は虎杖悠仁は特級呪物から生まれた脹相との戦いに敗れたが、冥冥もまた特級レベルの呪霊と対峙することになる。

棺桶に閉じ込め、空から降ってくる墓石で埋葬された後、3カウントで病にかかって死にいたるのが疱瘡神の領域の必中効果。冥冥は3カウントの間に出ることはできるが、それも繰り返していれば疲労とダメージは蓄積していく。

冥冥は領域に巻き込まれたカラスの一羽を使って疱瘡神が強い呪力をまとった個体を自動的に標的にしていることを確認。憂憂に死ぬことを求め、憂憂は呪力をまとって疱瘡神の標的になるのだった。

だが、これは冥冥の作戦のうち。疱瘡神が憂憂を標的にした瞬間にその腕を切り落とすと憂憂は棺桶の中でシン・陰流「簡易領域」を発動。「渋谷事変」編の冒頭でメカ丸が真人相手に使用したものだ。簡易領域は相手の領域の効果を中和できるため、憂憂はバリアを張った状態で待機することができる。棺桶を破ることもできないが、カウントダウンが始まることもないという状況だ。

「命懸け」を呪術使用の合言葉にしていた二人は、領域対策として簡易領域を展開する憂憂の役割を発動させ、疱瘡神の領域の必中効果を封じることに成功する。そして、物理攻撃に出ようとする疱瘡神に残っていたもう一羽のカラスを突っ込ませてこの戦いに勝利。冥冥の術式「黒鳥操術」でカラスに自死を強制することで命をかけた縛りを生み出し呪力を強化、これにより特級呪霊を突き破るほどの体当たりを実現させている。

なお、冥冥の術式を解説する憂憂は棺桶から顔を出しているが、これはアニメオリジナルの演出だ。漫画版はもっとクールに消えた棺桶からでて歩き出している。そして、神風(バードストライク)を防げた人間は五条悟をのぞいて存在しないことが紹介される場面でヘラヘラした五条悟が映し出されるが、これも漫画にはなかったサービスシーンだ。

領域から出た冥冥に対峙したのは偽夏油。偽夏油が「やるじゃないか、最近の術師にしては」と、自身が古株であることを示唆してようやく第2期14話の幕が開ける。冥冥のCV: 三石琴乃がたっぷりと話す贅沢なオープニングであった。

直毘人の術式

22時20分、井之頭線渋谷駅のアベニュー口ではナナミンこと七海、禪院真希、禪院直毘人(なおびと)が五条悟のもとを目指している。直毘人は特別1級術師で禪院家の26代目当主だ。現れた呪霊に見えるまもなく近づき攻撃を加える様は、流石は当主といったところ。

ここで現れた呪霊は、花御が死んだことを思い出して受胎から進化。この呪霊は陀艮(だごん)という名の特級呪霊で、タコのような見た目通り水を操ることができる。ここからの内容はコミックスの第13巻に入っていく。

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「我々には名前がある」と主張する陀艮に対し、直毘人は延々とフレームレートの話をしている。漫画版のセリフの範囲を超えて、「個人で楽しむ分には誰の迷惑にもならんからそれはいい」「しかし最近のテレビはフレーム補完がデフォルトでオンになってやがる」と作り手側の主張が見え隠れする興味深いセリフになっている。

無視されて激昂した陀艮に一撃を喰らわしたのはナナミン。真希も加勢するが攻撃を止められ、ここは直毘人とナナミンのコンビネーションに助けられる。悔しがる真希だが、ここからは三人の速攻で追い込んでいく。滞空できることから上に逃げることを見破られた陀艮は、直毘人のスピードにも追いつけず防戦一方。ここで直毘人の術式が解説される。

実は漫画版では直毘人の術式が明かされるのはもっと後になっている。アニメ版では早い段階で直毘人の術式「投射呪法」が明かされている。曰く、1秒を24分割し、自分の視界の中で作った動きをトレースできるというもの。直毘人に触れられた相手も1/24秒で動きを作らなければならないが、それができなければ1秒間フリーズしてしまう。直毘人は天性のコマ打ちセンスで五条悟を除けば最速の術師とされている。

陀艮の領域展開

追い詰められた陀艮は掌印を結んで領域展開を図るが、これは阻止される。しかし陀艮は腹部に呪印を描いて領域展開を発動。陀艮の領域展開は「蕩蘊平線」というもの。のんびりとしたビーチのような空間で、これは第1期で偽夏油が五条悟に破れた漏瑚を連れてきた空間と似ている。陀艮は先ほど真人や花御、漏瑚といった仲間の名前を呼んでいたことから、偽夏油らが拠点にしていたのは陀艮の領域内だったと推測できる。

蕩蘊平線では「死累累湧軍(しるるゆうぐん)」で召喚した式神が必中になるというもの。しかも海から出てくる式神の数は無限で、式神は当たることで姿を現すという厄介さ。そんな中でも直毘人は御三家に伝わる秘伝「落花の情」を発動。自分の周りに領域を作る簡易領域とは違い、必中の術式が発動した瞬間にカウンターで呪力が解放されるというカウンター特化の対領域術だ。

アニメ『呪術廻戦』第2期14話では、冒頭で憂憂がシン・陰流「簡易領域」を使っていた。ここでは直毘人が対領域の防御術としては一段格上の技を見せている。それにしても特級呪霊2体の領域展開が1話内で見られるとは、「渋谷事変」の恐ろしさがよく分かる。

それでも、無限に出てくる死累累湧軍とのコンビネーションで3人を相手に有利に戦いを進める陀艮。直毘人はカウンターのバリアを張っているが、陀艮の術式を使わない物理攻撃で吹っ飛ばされて術を解かれてしまっている。

恵の作戦

直毘人もナナミンも死累累湧軍の群れに喰らいつかれ、真希がピンチに陥る中、そこに現れたのは伏黒恵だった。恵は前々話で猪野を安全な場所に連れて行っていたが、戦線に復帰することができたようだ。なお。漫画版では真希が「持ち出し許可なんて待たずに私が……!!」と心の中で思った後に恵が現れる。

ここで真希が言っていたのは、恵が持ってきた特級呪具「游雲」のことだ。漫画『呪術廻戦』第13巻108話後の幕間では、游雲は元々パパ黒(伏黒甚爾)の武器庫呪霊の中に入っていたもので、呪霊を引き継いだ夏油が使っていたこと、百鬼夜行で五条が回収したこと、禪院家が所有権を主張したが五条の権限で真希に貸し出していることが明かされている。なお、アニメ『呪術廻戦』第1期20話では、東堂葵が対花御戦で游雲を使っている。

恵は自身の領域展開「嵌合暗翳庭」で陀艮の領域と綱引きを始め、陀艮の領域の必中効果を無効にする。游雲を手に入れた真希と、死累累湧軍の群れに耐えたメガネなし前髪おろしナナミンの加勢で状況は逆転。ナナミンは死累累湧軍によって左目を失ってしまっているが、「君は私が守ります」という恵への言葉は心強い。

直毘人も右腕を失いながら戦線に戻り勝機が見えたところで、伏黒恵が本当の作戦を明かす。恵の作戦は、領域展開をぶつけることによって必中効果を封じることではなく、陀艮の領域の縁(へり)で自分の領域を維持することによって結界にわずかな穴を空ける余地を残しておくことだった。

かつて五条悟は領域展開について脱出はほぼ不可能と話していたが、それは領域内に閉じ込められた後では中から縁の位置が分からないからだった。この場面の恵は自ら領域に入る際に縁に触れたままで自分の領域展開をぶつけている。ゆえに恵は自分の足元に領域から出る穴を作ることができるのだ。

ナナミンへの信頼、そしてアイツの登場

ナナミンは、恵の「命は賭けても捨てる気はありません」という自己犠牲をしないという意思確認の言葉を聞き、「集合」をかける。漫画版では、真希と直毘人はすぐに動き出すが、漫画版ではナレーションで「1級術師への信頼」という言葉が挟まれており、真希と直毘人のナナミンへの信頼が状況を動かしたことを示している。

象徴的なのは、禪院家の二人が名家の出身ではないナナミンの言葉に命を預けているという点だ。叩き上げの術師だが、紛れもない1級術師という実力に対するリスペクトがそこにはあるのだろう。いよいよナナミン・真希・直毘人が穴から脱出しようという時、ほかでもない禪院甚爾/伏黒甚爾が穴から領域内へ侵入してきたのだった。

まさかまさかの展開。ナナミン以外は4人全員禪院という状況に。しかも恵と甚爾は親子関係にある。さらに禪院家を出た甚爾と当主の直毘人、同じく名家の出なのに呪力を持たない甚爾と真希と、複雑な関係が絡み合う。ナナミンだけ浮いてしまわないか心配だ。

五条悟が封印されている中、現れた甚爾は敵か味方か。次回の展開を楽しみに待とう。

アニメ『呪術廻戦』第2期は2023年7月6日(木) より、毎週木曜23:56~、MBS/TBS 系列全国28局にて放送中。配信先は公式サイトで。

アニメ『呪術廻戦』公式サイト

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齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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