第2期11話/35話ネタバレ感想『呪術廻戦』降霊されたのは…。虎杖と伏黒恵の青春の一ページ | VG+ (バゴプラ)

第2期11話/35話ネタバレ感想『呪術廻戦』降霊されたのは…。虎杖と伏黒恵の青春の一ページ

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

アニメ『呪術廻戦』第2期11話放送

芥見下々原作の人気漫画をアニメ化した『呪術廻戦』は2023年7月から第2期に突入。第2期では「懐玉・玉折」編と「渋谷事変」編が描かれる。第2期も第1期と同じく全24話で構成されるということで、11話で折り返し目前というタイミングを迎える。

ハロウィンの渋谷を舞台に、今回はどんな展開が待っていたのか。アニメ『呪術廻戦』第2期11話、通算35話を解説しながら感想を記していこう。なお、以下の内容はアニメ『呪術廻戦』第2期11話/通算第35話のネタバレを含むが、アニメでまだ扱われていない範囲の原作漫画のネタバレは行わない。アニメの方を視聴してから読んでいただきたい。

アニメ『呪術廻戦』第2期11話/35話「降霊」ネタバレ感想&解説

第35話 降霊

コロンブスの卵

アニメ『呪術廻戦』第2期11話/35話は、封印された五条悟を助けるために猪野・恵・虎杖の三人が帳を降ろそうとするところから幕をあける。猪野が「打撃だけならナナミンとタメ張る」と評価する虎杖悠仁が帳をぶん殴っている間、恵の玉犬は改造人間たちを食べている。こういう時は便利な便利な術式だ。

帳を降ろしている人物は帳の中にいると説明する猪野に対し、虎杖は「でも、原宿ではさ」と発言。「原宿」とは、第9話/33話で虎杖と蝗GUYが戦った場所である。東京メトロの明治神宮前駅は山手線の原宿駅と隣接しており、案内標識でも「明治神宮前〈原宿〉駅」と表記される。

猪野は確かに帳の外に出ることでリスクを上げ、帳の強度を上げることが可能と得心する。縛りや術式開示と同じ原理だろう。逆説的だが、これほどに強固な帳であれば、帳を張っている者がそれだけのリスクをとっているということだ。

猪野が言っている「コロンブスの卵」とは、誰でも思いつきそうなことを最初に気づくことの凄さを表す言葉だ。キリスト教世界の白人としては初めてアメリカ海域に到達したとされていたコロンブスが、卵を縦に立てるという問いを出したが相手はそれができず、コロンブスは卵の先端を割って平にすることで卵を立てたという逸話に基づいている。転じて、誰でもできるが最初に思いついて実行することが偉大である、ということを示す言葉として用いられている。

これほど強固な帳であれば非常に目立つ場所で帳を張っているということで、その筆頭候補となったのが渋谷のセルリアンタワーだ。漫画版では、連載時は「Sタワー」、コミック版で「Cタワー」に修正されていたが、アニメ版では実在する名前が用いられている。公式サイトのマップでも「セルリアンタワー」と表記されている。

オガミ婆の改変

セルリアンタワーの屋上では、粟坂二良とオガミ婆、そしてオガミ婆が「孫」と呼ぶ人物が嘱託式の帳を警護している。タワーの下層には改造人間を配置していたが、虎杖たちは恵の式神である鵺で屋上に突入。真希プレゼンツのワイヤーで粟坂らを薙ぎ払った上で嘱託式の帳の基の一つを破壊したのだった。粟坂たちにとっての誤算は、虎杖が先に原宿の帳を守る蝗GUYを倒しており、嘱託式の帳について知っていたことだろう。

なお、オガミ婆は原作漫画では男性アイドル事務所の“ジョニーズ”のファンで、背中に「JJ」と、襟に「ジョニーズ」と書かれた法被を着ていたが、アニメ版ではその設定はなくなっている。元ネタのジャニーズ事務所を巡っては、創設者のジャニー喜多川による児童への性加害が公に認められることになった。元はオガミ婆の「孫」もオガミ婆に攫われたという設定だったが、流石にアニメ版でこの要素を入れるべきでないと判断したのだろう。

虎杖が粟坂と共に落ちていくシーンのアニメーションは圧巻。漫画版では虎杖は窓を破って廊下に入るが、アニメ版ではセルリアンホテルの部屋のベッドに着地している。屋上に残ってオガミ婆と孫に対峙する猪野がマスクを下ろして本気を出す一方、虎杖悠二&伏黒恵 vs 粟坂二良の戦いが始まる。

猪野琢真の術式

OPを挟み、七海と猪野が焼肉を食べるシーンが入る。七海もそこそこ良い給料をもらっているのだろう。術師のような血生臭い仕事では「筋」が大切と語る猪野の理論は、殺し屋の理論でもある。筋の通し方に迷ったら「七海さんならどうするか」考えると、猪野のリスペクトが語られつつ、ナナミンがマッコリを好んでいることも描かれている。

戦いに戻り、伊野は「来訪瑞獣 一番 獬豸(かいち)」を発動。猪野の術式は「来訪瑞獣」と呼ばれるもので、四種の瑞獣(ずいじゅう)、つまり獬豸、霊亀、麒麟、竜を降霊してその能力を操ることができる。獬豸で角のようなものを発射しているのは、獬豸が羊の聖獣だからだ。

ナナミンをリスペクトしながらも後輩ちゃんズ思いでもある猪野は一人でオガミ婆と孫に対峙。一方の恵と虎杖はコンビ技で粟坂に次々と攻撃を決めていくが、粟坂は余裕の表情だ。ダメージを与えられないのである。

孫が猪野に対応する間呪文を唱えるオガミ婆は術式を発動。同時に孫が何かが入ったカプセルを飲む。漫画版ではよく見えなかったが、カプセルの中身は骨の一部のように見える。そして、孫に降霊したのは「禪院甚爾」だった。コミックの幕間では裏設定として、孫が飲み込んだのは伏黒甚爾の遺骨であり、降霊時の名前が「伏黒」ではなく「禪院」だったのは出生時に近い名前を使うのが降霊術のセオリーであるという理由が明かされている。

アニメ『呪術廻戦』第2期11話/35話最大のトピックは、今回のエピソードタイトル通り「降霊」だ。オガミ婆が「奇遇よの」と言っていたのは、オガミ婆と同じく降霊の術式を持つ猪野が現れたからだった。オガミ婆は対象となる人物の遺体の一部を飲み込んだ人間に、遺体の人物を降霊させることができる術式の使い手だったのだ。

自由だった時代

そして、過去の回想へ。1989年12月7日に五条悟が生まれ、オガミ婆と粟坂二良の人生が変わって行ったという過去が描かれる。それにしても赤ん坊五条悟は綺麗な白髪と眉毛、まつ毛、そして六眼をしている。

30年以上前のオガミ婆は自分が降霊するために若い女性を殺したり、粟坂は人体の仕組みを知るために生き埋めにした人間の顔の皮を剥いだりと好き放題していた。「俺達は自由だった」は原作漫画版でも印象的なセリフだ。現代社会で呪いが増える中、呪術師達が手一杯になり、オガミ婆らのような呪詛師は相手にされず自由奔放に生きることができていたのだ。

その状況が変わったのが五条悟の誕生だった。数年後に、エージェントから五条悟という子どもに億を超える賞金がかけられていると聞いた二人は五条を狙うが、粟坂はその姿を見るや、オガミ婆はその姿を見ずとも震えが止まらず。五条は粟坂を一瞥しているが、六眼は相手の呪力を把握することができるので、五条少年は「ザコが見てんじゃねーよ」と呟いている。なお、少年期の五条悟の声は、『チェンソーマン』の姫野役などで知られる伊瀬茉莉也が担当している。

五条悟というゲームチェンジャーの登場によって世界の均衡が変わったと語る粟坂は、五条によって自由を奪われた人物だった。逆に言えば、五条悟が“存在”しただけで救われた命は数知れないということだ。この状況は、猪野が前回五条悟の封印によって、大人しくしていた呪霊や呪詛しが始動するという指摘に当てはまる。

伏黒親子の戦い方

ここで恵は「五条悟の名前を出す」という戦法をとってみせる。「五条悟が渋谷に来てる」と言った時の反応で粟坂の術式を割り出そうとしたのだ。粟坂は五条が封印されたことを指摘し、「五条が元気なら家で寝てる」とペラペラ喋ってしまう。この時点で五条悟には勝てないことを白状したも同然で、その術式が「攻撃の無効化」といった大層なものではないことに恵は確信を持つことができたのだ。

この作戦を理解していない虎杖の「伏黒、嘘下手ね」と言う時の呆れ顔がなんとも言えない。粟坂の術式を理解した恵はウサギを出す「脱兎」でウサギに触れた粟坂がダメージを喰らっていることを確認。なぜかウサギを抱っこしている虎杖を一旦下がらせている。なお、ウサギが合体して巨大うさぎになる演出は漫画版ではなかったものだ。

一方の猪野はまさかのまさか、かつて五条悟を一度は負かした禪院甚爾と対峙することに。猪野はマスクを被ることで瑞獣を降霊することができるのだが、甚爾は一瞬で猪野のマスクを取り、術式を使えない状態にしている。あとは天与呪縛によって呪力を持たない代わりに圧倒的な身体能力を持つ(フィジカル・ギフテッド)甚爾の片手フルボッコで勝負ありだ。

粟坂の術式

下では甚爾の息子の恵に、車をぶん投げる甚爾も顔負けの圧倒的な身体能力を発揮する虎杖が粟坂を追い込んでいた。粟坂の術式が「あべこべ」、つまり強い攻撃は弱く、弱い攻撃は強くなるという術式であることが明かされる。恵はとっくにそれを見抜いており、脱兎で粟坂を囲ませたのは、粟坂が弱い打撃を避けるためにその状況に抵抗しないことを確認する目的と、虎杖に作戦を共有する時間を作る目的があった。

さらに恵は、粟坂が弱すぎる攻撃と強すぎる攻撃は「あべこべ」の範囲外、つまり「あべこべ」には範囲が存在することも見抜いていた。範囲がないのであれば、極端に弱い力、空気抵抗などで自滅するだろうし、極端に強い力を持つ五条悟を恐れる必要もない。術式効果で範囲を調整しながら「あべこべ」を発動していることを見抜いた二人は、粟坂が複雑な攻撃に弱いと考え、強い力と弱い力で同時に攻撃することに。二人が全力で攻撃していたのは、術式を見破ったことを悟られないようにするためだった。

二人が強い打撃を繰り出す一方で蝦蟇(がま)の舌による弱い打撃で粟坂に大きなダメージを与えると、ここからは二人のフルボッコタイム。最後は虎杖が寸止めからの軽いパンチで大ダメージを与えて勝負あり。恵が虎杖を「意外と器用だよな」と珍しく褒めたところでアニメ『呪術廻戦』第2期11話は幕を閉じる。

今回は虎杖と恵の友情タッグが見どころで、エンディングテーマの青春模様もよりエモく映えている。「懐玉・玉折」編で描かれた苦い青春を考えると、「渋谷事変」編で五条先生を助けるために若者達が絆を深めていく様子はグッとくるものがある。粟坂も五条悟がいなくても次の世代に敗れたのであり、ここで現れた「五条悟のいない世界」で、様々な作用が生まれている。

第2期11話でちょうど原作コミックの第11巻までが終了。現代に蘇った甚爾はどうなるのか、次回の展開にも注目しよう。

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アニメ『呪術廻戦』第2期は2023年7月6日(木) より、毎週木曜23:56~、MBS/TBS 系列全国28局にて放送中。配信先は公式サイトで。

アニメ『呪術廻戦』公式サイト

第35話 降霊

『呪術廻戦』第2期のBlu-rayは予約受付中。

『呪術廻戦』コミックス最新刊第24巻は2023年10月4日発売。

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第2期12話/36話のネタバレ感想&解説はこちらから。

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齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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