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アニメ『呪術廻戦』第2期6話放送
芥見下々の人気漫画をアニメ化した『呪術廻戦』が遂に第30話を迎える。第2期は五条悟と夏油傑の過去編である「懐玉・玉折」編を終えて2週の総集編と1週間のお休みを挟み、第6話／通算30話から「渋谷事変」編が幕を開ける。原作漫画でも大きな転換点となる渋谷事変。どのような形でアニメ化されるのだろうか。
今回はアニメ『呪術廻戦』第2期6話／30話の展開を原作マンガとの違いも含めてネタバレありで解説していく。なお、以下の内容はアニメ『呪術廻戦』第2期6話／通算第30話のネタバレを含むが、アニメでまだ扱われていない範囲の原作漫画のネタバレは行わない。アニメの方を視聴してから読んでいただきたい。
以下の内容は、アニメ『呪術廻戦』第2期6話／第30話の内容に関するネタバレを含みます。
アニメ『呪術廻戦』第2期6話／30話「そういうこと」ネタバレ感想＆解説
ミミズ人間とは
アニメ『呪術廻戦』第2期6話／30話は、原作漫画第8巻の第64話からスタートする。これは、「懐玉・玉折」編に入るにあたってカットされたと思われていたエピソードだ。つまり、コミック版では「懐玉・玉折」編の前に入るエピソードを、アニメ版では「懐玉・玉折」編の後に持ってきたということである。
虎杖悠仁・釘崎野薔薇・伏黒恵の3人は、第1期クライマックスの任務の後、街に出ている。伏黒が伊地知と帰った後、虎杖と釘崎は別行動を取ることになるのだが、原作漫画では虎杖が映画を見に行き、釘崎が街をブラブラするという展開は一コマで説明されていた。アニメ版では、虎杖が『ミミズ人間4』という映画を観るつもりだったことが明らかになっている。
『ミミズ人間』はコミックス第3巻19話、アニメ第1期の9話にも登場。吉野順平が映画館で観ている映画が『ミミズ人間3』で、その後、虎杖と順平は「ミミズ人間」シリーズについて会話を交わし、交友を深めている。『ミミズ人間4』の作り込まれた紹介映像が流れるのは笑えるが、この時、虎杖はどこかで純平のことを思い出していたのかもしれない。
1級術師の条件
冥冥と呪術高専京都校3年生の東堂葵は京都校学長の楽巌寺に虎杖悠仁・釘崎野薔薇・伏黒恵・禪院真希・パンダの5人を1級術師に推薦している。第1期ラストでも同シーンは描かれたが、今回は楽巌寺学長による反論も加えられている。
東堂と冥冥の卓球シーンは迫力あるアクションで映像化されている。ここで、1級術師への昇格についての仕組みが紹介されている。2名以上の1級術師から推薦を受けた者が1級相当の術師と何度か任務をこなし、そこで認められると準1級に昇級する。そして、単独で1級任務をこなすことで、1級術師に昇級できるかどうかが決まるというものだ。東堂は虎杖と任務に出ることを期待しているが、冥冥から推薦者は組むことができないと指摘されている。
原作では実在の「ジバンシィの新作」を試していた釘崎だが、アニメ版では「L’ Aigle noir」というブランドの買い物バッグを持っている。そこに現れたのは小沢優子だ。
そして、アニメ『呪術廻戦』第2期「渋谷事変」編のOP曲は King Gnu「SPECIALZ」。新たなOP映像では、夏油傑が起こす渋谷事変が描かれている。「懐玉・玉折」編から一転して、苦しみの表情を見せる一同の姿が続く。なかなかの覚悟が必要なチャプターになっていることを示唆している。
虎杖が抱える景品の意味
虎杖のかつての同級生で虎杖に思いを寄せる小沢優子は、それを釘崎に相談。釘崎は「虎杖に詳しい奴」として恵を呼ぶのだが、釘崎も虎杖のことが好きなのではと気にする優子に「天地がランバダを踊ってもない」と強く否定している。ランバダは南米発祥の音楽のことだ。だが、この後そう言った釘崎は胸がモヤっとしてしまう。釘崎の虎杖への微妙な感情を示すシーンである。
彼女はいない、背の高い人が好き、という恵みからの情報を得て、釘崎はメッセージアプリで虎杖を呼び出す。この時、釘崎のアイコンは釘に、虎杖のアイコンは虎になっている。そして登場した虎杖はお菓子の山を袋に入れて抱えている。このシーンは、虎杖が映画待ちの間にパチンコに行っており、勝った分を景品と交換したというシーンになっている。
原作漫画では虎杖は明確に「換金所探すのがめんどいから景品交換しちゃった」と話している。だが、もちろんパチンコは18歳以下は入ってはいけないのでアニメ版では「換金所」という言葉が聞こえないようになっている。なお、前話でも高校生時代の家入の喫煙シーンはアニメではカットされている。
しかし、虎杖が高専生ながらにしてパチンコ店に出入りしているという設定は、原作者の芥見下々がその「俗っぽさ」を重要な要素として捉えていることが、第8巻の幕間で語られている。未読の方はぜひチェックしていただきたい。
なお、この時虎杖は景品にお菓子を選んでいる。芥見下々は漫画版の幕間で、この虎杖の非行の中に人の善さが現れていると推している。前話では、夏油が後輩の灰原からお土産の希望を聞かれ、「悟も食べるかもしれないから甘いのかな」と答えている。もしかすると、虎杖も五条悟が甘いものが好きだと知っていて景品にお菓子を選んだのかもしれない。虎杖は五条悟が仙台土産のお菓子である「喜久福」を買っていた甘党であることを知っているはずだ。
そして、優子の高校生時代の虎杖との思い出の回想に入る。他の男子生徒たちがルッキズムで優子を罵倒する中、虎杖だけは見た目は関係なく優子の所作を見ていた。それで優子は虎杖を好きになったのだが、優子自身もまた見た目が変わったことで今なら虎杖に振り向いてもらえるかもしれないと思ってしまっていた。
ゆえに優子はルッキズムに囚われた男子生徒たちと同じ尺度を用いてしまっていることに気づき、虎杖とは連絡先も交換せずに帰ってしまったのだった。原作漫画では白抜き背景だったこの場面は、なんだか『劇場版 呪術廻戦0』を思わせるエモさと怖さを兼ね備えた演出になっていた。優子の強い思いも呪いになりうるのだろう。
メカ丸の真人の無為転変
『呪術廻戦』第2期6話／30話の後半はコミックス第9巻の「懐玉・玉折」編の終了後にあたる第79話「これからの話」の後半に突入していく。呪詛師の内通者がメカ丸だったという話が展開していくのだが、アニメの「渋谷事変」編の冒頭がメカ丸パートだと急すぎると判断されたのだろう、小沢優子のくだりは良いクッションになっている。
京都校のメカ丸の本体である与幸吉は天与呪縛の力で日本全土に及ぶ傀儡槍術の力を得ていた。メカ丸の本体は別の場所にいるが、傀儡（くぐつ）を操ればどんな情報を得ることも工作を仕掛けることもできてしまう。
メカ丸が通じていたのは夏油と真人で、メカ丸は真人と縛りを結んでいた。それは、真人の「無為転変」で生まれつき動けないメカ丸の身体を動けるように改変し、その代わりにメカ丸は夏油たちに情報を共有するというものだった。けれど、メカ丸がこの縛りを結んだ理由は、自身が力を手に入れて自分の身体で仲間たちに会うためだった。
真人は縛りなど気にしないという態度を見せるが、夏油は他者との縛りを破ると何が起きるか分からないと、その危険性を指摘する。曰く、自分の縛りを破っても得たものを失うだけだが、他者との縛りを破った場合にはどんな災いが降りかかるか分からないのだという。
真人の「無為転変」は、魂に触れて肉体の形状を思うままに変形させることができる。自由に動けるようになったメカ丸は、約束による縛りが解け、互いに戦闘モードに入っていく。メカ丸が操る傀儡と真人の戦いは、原作コミックよりも詳細に描かれている。
どうなるメカ丸
そして、メカ丸こと与は究極メカ丸絶対携帯 装甲傀儡究極メカ丸試作0号を起動。エヴァンゲリオンのようなロボットだが、これはメカ丸本体が動けなかった間コツコツ作り上げてきた傀儡である。そこにはメカ丸が生まれてからの17年と5ヶ月にわたるエネルギー＝呪力が蓄積されている。
一気にロボットアニメと化した『呪術廻戦』第2期だが、メカ丸の勝利条件は五条悟と繋がること。「渋谷の計画」を伝え、保護してもらうことを狙うメカ丸だが、夏油が帳をおろしたことでそれは阻止されている。仲間たちと再会するため、まずは真人を倒すためにメカ丸が呪力を解き放つところで『呪術廻戦』第2期6話／30話は幕を下ろす。
第2期「渋谷事変」編のエンディングテーマ曲は羊文学の「more than words」。映像では虎杖・釘崎・伏黒恵の3人が渋谷の街でインスタントカメラを撮ってつるむ非常にエモい場面が映し出されている。「懐玉・玉折」編のEDでの過去の青春と違い、こちらは現在進行形の青春。せめてこの3人には幸せになってほしいと思うが、果たして……。
ミッターマイヤーとは
次回予告では三輪霞が登場。小学生の時にプロフィール帳に書いた「好きな異性のタイプ」が「ミッターマイヤー」だったことを明かしている。「ミッターマイヤー」とはおそらく田中芳樹のSF小説シリーズ「銀河英雄伝」に登場するウォルフガング・ミッターマイヤーのことだろう。「足速そう」と言われているが、確かに異名は「疾風ウォルフ」である。
ついに動き出した『呪術廻戦』第2期「渋谷事変」編。果たして、メカ丸の運命やいかに。次回を楽しみに待とう。
アニメ『呪術廻戦』第2期は2023年7月6日(木) より、毎週木曜23:56～、MBS/TBS 系列全国28局にて放送中。配信先は公式サイトで。
『呪術廻戦』コミックス最新刊第23巻は発売中。
今回の原作である第9巻と第10巻は発売中。
第2期7話／31話のネタバレ感想＆解説はこちらから。
第2期5話／29話のネタバレ感想＆解説はこちらから。
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