ネタバレ解説&感想! 映画『呪術廻戦0』ラストとエンドロール後の意味は? 最後はアニメ2期につながる? | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説&感想! 映画『呪術廻戦0』ラストとエンドロール後の意味は? 最後はアニメ2期につながる?

©芥見下々/集英社 ©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

『劇場版 呪術廻戦 0』遂に公開!

芥見下々によるダークファンタジーバトル漫画『呪術廻戦』(2018-) の初の劇場アニメ『劇場版 呪術廻戦 0』が2021年12月24日(金)より公開された。『呪術廻戦』は、呪霊を祓う呪術師たちの戦いを描いた大人気シリーズで、2020年10月から2021年3月にかけてアニメ版の第1期も放送されている。アニメ版は、米クランチロールのアニメアワード2021で、前年の『鬼滅の刃』に続く最優秀作品に選ばれるなど、海外での人気も高い。

満を持して登場したアニメ劇場版『呪術廻戦0』は、2017年に発表された前日譚『東京都立呪術高等専門学校』(後に『呪術廻戦 0巻 東京都立呪術高等専門学校』として刊行)をベースにした作品だ。だが、そのラストには意外な描写も。今回は『劇場版 呪術廻戦 0』ラストの展開とエンドロール後のシーンについて、ネタバレありで感想と共に解説していこう。

以下の内容には『劇場版 呪術廻戦 0』の結末部分に関するネタバレを含むため、必ず劇場で本作を鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、映画『劇場版 呪術廻戦 0』の結末に関するネタバレを含みます。

夏油の「百鬼夜行」と五条の決断

術師でない人間を「猿」と蔑む夏油傑(げとう すぐる)は、東京の新宿と京都に無数の呪霊を放つ「百鬼夜行」を実行する。この総攻撃は事前に2017年12月24日に実行すると宣言されていたため、五条悟をはじめとする呪術師たちはそれぞれの都市で防衛にあたっていた。

だが、夏油の真の目的は、乙骨憂太(おっこつ ゆうた)に取り憑いた特級過呪怨霊の祈本里香を手に入れることだった。乙骨と禪院真希(ぜんいん まき)を置いて、もぬけのからになった東京校を一人で襲撃した夏油は、まずは真希に重傷を負わせる。

一方の五条は伊地知から乙骨憂太の素性についての追加調査の結果を聞き、パンダと狗巻棘(いぬまき とげ)を乙骨の元に送る。後に明らかになる通り、この時、伊地知は乙骨の先祖が、日本三大怨霊の一人で、五条の先祖でもある超大物呪術師の菅原道真であることを五条に伝えたのだ。

菅原道真は平安時代前期に実在した人物で、優れた学者でもあったが、天皇に謀反した嫌疑をかけられて左遷され、のちに怨霊になったという伝説がある。現在の日本では“天満大自在天神”で学問の神様とされている。

里香ではなく、乙骨憂太自身に強大な力が宿っていることに気づいた五条は、パンダと狗巻が夏油にやられることを前提にふたりを高専に送り込んでいた。夏油がパンダと狗巻に危害を加えることで、乙骨の本来の力を呼び覚ますことができると考えたのだ。同時に、五条は夏油がパンダと狗巻を殺さないことも分かっていた。この点は、後述する五条と夏油の過去編の内容を踏まえたものになっている。

憂太と里香の“純愛”

特級呪詛師の夏油傑と対峙した乙骨憂太は、里香と共に戦いを挑む。“強い”呪術師たちが“弱い”非術師のために戦うことを嫌い、呪術師だけの世界を作ろうとしている夏油は、乙骨にその思想を語る。呪術高専で友人ができ、自己肯定の力を得た乙骨に対し、夏油は特級仮想怨霊と所持する4,461体を一体にまとめる「うずまき」を出し、乙骨にぶつけようとする。

一方、夏油を止めるために覚悟を決めた乙骨は、里香に愛の言葉と口づけと共に、自らの命を理香に捧げて共に死ぬことを約束する。そして、乙骨の身を生贄にして、里香の呪力の制限解除が行われる。

注目は、この場面まで乙骨の里香に対する言葉が命令形になっていた点である。乙骨は自分が理香に呪われている=縛られていると考えていたが、それは逆で、里香をこの世に繋ぎとめていた=束縛していたのは乙骨の方だったのだ。里香が真希への嫉妬心を見せたときには乙骨はDV的な態度を見せており、この時点で二人の間の本当の主従関係が明示されている。五条が言っていたように、「愛ほど歪んだ呪いはない」のだ。

里香がこれまで乙骨を守っていたのも、乙骨の要求や恐怖心に応えてのものだったのだろうか。それが最後には、乙骨自身が自らの命を理香に捧げて共に死ぬことを約束し、乙骨が事故にあった里香にかけた「死んじゃだめだ」という呪いを解いた。一方、命を捧げるという“縛り”を作った乙骨は、里香から最大限の力を得て、夏油を圧倒したのだった。

乙骨と夏油はそれぞれ「純愛」と「大義」の力をぶつけ合う。“愛と思想”、“二人と世界”のぶつかり合いは、前者に軍配が上がる。その後、解呪された里香は成仏。乙骨は自身を生贄にする必要はなくなったのだった。

なお、特に終盤の乙骨憂太の世界に対する感傷的な態度や「死んじゃだめだ」と連呼する姿は、「エヴァンゲリオン」シリーズの主人公・碇シンジを想起させる。これは原作通りなのだが、劇場アニメ版『呪術廻戦0』では、シンジ役と同じ緒方恵美が乙骨憂太の声優を演じているため「エヴァ」を意識せざるを得ない演出になっている。

また、アニメ版『呪術廻戦』第1期では、里香の解呪について触れられている。第14話における前年の東京校と京都校の交流会についての会話のシーンだ。京都で開催された前年の交流会には、当時の一年生からは人数合わせで乙骨だけが参加しており、里香の解呪前だったことから交流会で東京校が圧勝だったらしいと真希が釘崎野薔薇(くぎさき のばら)に教えている。アニメ版『呪術廻戦』第1期の第1話は、『呪術廻戦0』のわずか半年後から始まるのだ。

五条と夏油の最後

乙骨に敗れた夏油は右腕を失った状態でまだ“大義”を捨てていなかった。しかし、そこに現れたのは五條悟だった。パンダと狗巻を送った意図を明かし、「若い術師を理由もなく殺さない」と夏油への「信頼」を口にする。

五条と夏油の間で培われた信頼とは、アニメ第1期の後にあたるコミックス第8巻と第9巻の過去編の内容を踏まえている。『呪術廻戦0』の中でも、第8巻と第9巻に登場するシーンがフラッシュバック的に挿入されており、二人が共に時間を過ごし、大きな事件を経て今の関係にあることが示唆されている。

その内容は、アニメ第2期で描かれることになるだろうか。先にチェックしたい方は、コミックス第8巻と第9巻を読んでみよう。『呪術廻戦0』での五条と夏油の見方も大きく変わることになるだろう。

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「この世界では、私は心の底から笑えなかった」と最後の言葉を残した夏油に、五条は何か声をかける。このシーンは無音になっており、原作コミックでも五条が夏油に何を言ったかは明らかになっていない。それでも、二行が伏せられていたコミックス版に対し、劇場版では15秒ほどの間があったことから、かなり長い言葉をかけていたことが分かる。

それに対し、夏油は「最後くらい呪いの言葉を吐けよ」と苦笑いしている。五条は愛の言葉が呪いであることを理解しているため、夏油に呪いをかけないように、夏油が怨念にならないように言葉を選んだことは想像に難くない。

この直後に五条は夏油にトドメをさすが、原作コミックでは「最後くらい呪いの言葉を吐けよ」のセリフとトドメの音が一コマ内で描かれているが、映画版ではトドメをさす音がするまで一定の間がある。五条のためらいが感じられる演出になっているのだ。

最後に、五条は夏油から返された乙骨の学生証を渡すときに、その拾い主を「僕の親友だよ、たった一人のね」と表現し、五条が最後まで夏油を恨んでいなかったことが示される。一方の乙骨の視線の先には、真希ら三人の親友の姿があった。

エンドロール後には…

問題は、エンドロール(エンドクレジット)の後に挿入されていたポストクレジットシーンだ。映し出されたのはシマウマなどの動物がいるサバンナと、海外の都市の姿。その街中で、ミゲルは乙骨憂太に何かを食べさせている。だが、「奴は本当に帰ったんだろうな」と誰かの存在を気にしている。二人は「本当においしいね、肉じゃがみたい」「ビーフシチューと言え」と、仲睦まじい姿を見せているが、そこに一人の人物がやってくる。

五条悟である。二人が驚き、五条が「久しぶりぃ」と言ったところで、『劇場版 呪術廻戦 0』は本当の終わりを迎える。このシーンは原作コミックには登場していないシーンで、劇場版だけのオマケということになる。

だが実は、五条が海外に行っていたという描写はコミックスにもアニメ第1期にも登場する。コミックスでは4巻の32話、アニメでは第1期の第14話で、交流会を開く前の場面で五条は海外出張に行っていたと語り、「とある部族のお守り」を京都校の生徒たちに配っている。

「とある部族のお守り」と聞いて思い出されるのは、『呪術廻戦0』の新宿における百鬼夜行で、五条と対峙したミゲルが使っていた呪具だ。自分の国の呪師が1本を何十年もかけて編んで作るという特殊な縄で、五条を一定時間足止めすることに成功している。

五条は「海外出張」と言っているが、おそらくミゲルと乙骨に会いに行っていたのだろう。持ち帰った「とある部族のお守り」は、ミゲルが使っていた呪具と似たタイプのアイテムだと予測できる。自身を足止めしていたのだから五条は、あの呪具を高く評価していたに違いない。また、五条が「海外出張」発言をした回の直後に当たるコミックス第4巻に収録の第33話「京都姉妹校交流会ー団体戦⓪ー」では、扉絵に海外にいると思われるミゲルと乙骨が登場している。背後の木はアフリカ地方に生えるバオバブの木のように見える。

つまり、『劇場版 呪術廻戦 0』のエンドロール後のシーンは、『呪術廻戦』本編主人公の虎杖悠仁(いたどり ゆうじ)が七海建人(ななみ けんと)と行動を共にしていた時期の場面だと考えられる。原作の『呪術廻戦0』のコミックでは、作者の芥見下々が「百鬼夜行MVPはミゲル」「そしてミゲルはこれをキッカケに今後苦労することに…」と最後のページに記しており、「ニヤリ」と笑う五条の姿も描かれている。最強の呪術師である五条を足止めしたミゲルは、五条に認められたのだろう。

そして、なぜ五条が海外にまで行き、ミゲルと乙骨にどんな話をしたのか、という点については、アニメでは第2期で描かれることになりそうだ。コミックスの方では、第8巻の途中までがアニメ第1期で描かれた。前述のようにその後に来る第8巻と第9巻の過去編が『呪術廻戦0』の五条と夏油の関係をめぐる描写に繋がる。そして、第9巻の終盤からは現在に戻り、アニメ第1期最終話以降の物語が描かれる。

第8巻と第9巻で語られた内容を踏まえた五条と夏油の物語については、こちらの記事で解説している。

アニメ『呪術廻戦』第二期の放送開始時期は『劇場版 呪術廻戦 0』公開日の時点では、まだ発表されていない。映画のエンドロール後のシーンの真相を知るのが待ちきれないという人は、12月25日(土)に最新刊の18巻が刊行されたコミックスの方をチェックしよう。

『呪術廻戦』コミックス最新刊第18巻は2021年12月25日(土)発売。

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映画版の原作コミック『呪術廻戦 0巻 東京都立呪術高等専門学校』は発売中。

『劇場版 呪術廻戦 0』のサントラも発売中。

『劇場版 呪術廻戦 0』は2021年12月24日(金)より、全国でロードショー。

『劇場版 呪術廻戦 0』公式サイト

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