『ホワット・イフ…?』配信中
Disney+で配信されている『ホワット・イフ…?』は、MCU史上初のアニメーションシリーズ。正史に加わるドラマシリーズ『ワンダヴィジョン』(2021) から幕を開けたMCUフェーズ4は、またも新たなチャレンジに挑んでいる。
『ホワット・イフ…?』では、フェーズ3までの映画作品を原作に、ありえた「もしも…」のストーリーを描いていく。中でも注目を集めているのは、『ブラックパンサー』(2018) でチャドウィック・ボーズマンが演じたティ・チャラの再登場だ。
ティ・チャラを演じた俳優のチャドウィック・ボーズマンは、2020年8月に大腸癌で43歳の若さで逝去。『ブラックパンサー』続編の製作も決定していた中での突然の死に、世界中に衝撃が走った。2020年12月にNetflixで公開された『マ・レイニーのブラックボトム』が遺作となり、チャドウィック・ボーズマンは同作でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。
本当の“最後の作品”
しかし、アニメ『ホワット・イフ…?』の収録はチャドウィック・ボーズマンの生前に完了しており、アニメーションで描かれるティ・チャラの声をチャドウィック・ボーズマン本人が演じている。ファンにとっては『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) 以来となるティ・チャラの姿は、ティ・チャラがスター・ロードになっていたら……という「もしも」の姿で描かれる。
再びMCUでチャドウィック・ボーズマンの姿を描くことになった『ホワット・イフ…?』監督のブライアン・アンドリューズは、米Uproxxのインタビューでその思いを以下のように語っている。
(想像していたより遥かに大きな意味を持つことになった?)その通りです。当然、最初は誰もが大変だったと思います。しかし、今ではこれは贈り物だと思えるようになりました。彼(チャドウィック・ボーズマン)の演技を、あのキャラクターを演じる姿をもう一度楽しむことができるんです。私たちはそれを受け入れ、共に楽しむことができます。
彼はあまりにも早く逝ってしまいました。繰り返しになりますが、彼にはまだまだ作品が用意されており、私たちはそれを心待ちにしていました。この世界は彼のような人物を必要としています。
それでも、このエピソードを観て、皆が笑顔になってくれることを願っています。彼はこのアイデアを気に入っていて、このバージョンのティ・チャラに命を吹き込みたいと思っていました。ですから、彼が自分のやることを理解した上で取り組んでくれたという事実に私たちは喜びを感じます。彼は自分が何をしているかということを理解していて、100%の表現をしてくれたのです。
秘密主義で知られるマーベルだが、『ホワット・イフ…?』でのチャドウィック・ボーズマンは全てを理解した上で演技に臨んでいたという。つまり、チャドウィック・ボーズマンにとって不本意な内容は含まれていないということである。俳優の死後に映像を再利用したり、CGで再現する技術は発達したが、今回の『ホワット・イフ…?』は収録から配信まで時間が開いただけであり、チャドウィック・ボーズマンの100%の演技を楽しむことができるのだ。
『ブラックパンサー』続編も準備
チャドウィック・ボーズマンが主演を務めた『ブラックパンサー』は、続編『ブラックパンサー:ワカンダ・フォーエバー(原題)』が2022年7月8日(金) の全米公開が予定されている。同作では、チャドウィック・ボーズマンに代役が当てられることはないと判明している。7月にはマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギがチャドウィック・ボーズマン亡き後の同作の製作について口を開いている。詳しくはこちらの記事で。
チャドウィック・ボーズマンの死から一年。『ホワット・イフ…?』でファンとの再会を果たすチャドウィック・ボーズマンの姿を、しかとその目に焼き付けよう。
『ホワット・イフ…?』第2話は2021年8月18日(水)午後4時配信開始。
Source
Uproxx
第2話に登場するキャラクターについてはこちらの記事で。
第2話のネタバレ解説はこちらから。
『ホワット・イフ…?』第1話に登場したキャプテン・カーターの実写化についてはこちらの記事で。
第1話の小ネタまとめはこちらから。