Contents
『ラブ、デス&ロボット』原作者の一人スコルジーが制作陣を紹介
『ラブ、デス&ロボット』が話題に
Netflixオリジナル・アニメアンソロジー『ラブ、デス&ロボット』が公開され、大きな反響を呼んでいる。計18作品にのぼる短編SFアニメ作品が収められたこのシリーズは、新鮮なアニメ表現と過激な描写が話題に。同じくNetflixが配信している人気SFドラマ・アンソロジー『ブラックミラー』(2011-) と比較する声も聞かれる。更に、一話あたり6分〜17分と見やすい構成で、無理な短縮も無駄な引き伸ばしも不要なストリーミングメディアならではの映像制作の強みが活かされている。
📝ブラック・ミラー
📝ケン・リュウ
📝スパイダーバース
📝デッドプール
📝デヴィッド・フィンチャー
📝サイバーパンク
この単語に反応してしまうあなた向けの作品が到着⚡#ネトフリ オリジナルシリーズ『ラブ、デス&ロボット 』独占配信中!
⚠過激な描写がありますので、視聴にはご注意ください pic.twitter.com/DNzzglavcf— Netflix Japan (@NetflixJP) 2019年3月18日
原作者の一人が制作陣を紹介
大きな注目を集める中、有名SF作家のジョン・スコルジーが、『ラブ、デス&ロボット』についてSNS上で言及している。実は同作の18作品の内、3作品がスコルジーの作品を原作としている。「ロボット・トリオ」、「ヨーグルトの世界征服」、「歴史改変」がその3作品だ。いずれも人類を待ち受ける遥か未来 (そして過去) をテーマにした作品で、壮大な設定でありながらコンパクトな短編アニメに仕上げられている。
今回、ジョン・スコルジーは7連続ツイートで、この3作品の制作陣を紹介。「原作は私の作品だが、制作には多くの人が携わった。何名か名前を挙げさせてほしい」と切り出し、貴重な情報を提供してくれている。
1. So, if you’re enjoying “my” episodes of #LoveDeathandRobots on @netflix, (“Yogurt,” “3 Robots,” “Alt Histories,”) please know that although they’re based on my work, a lot of folks made them ready for streaming. Indulge me a moment as I mention some of them by name, won’t you? pic.twitter.com/Gh7ioSvsv7
— John Scalzi (@scalzi) 2019年3月18日
多くのスタッフが携わった『ラブ、デス&ロボット』
二人の脚本家が担当
ジョン・スコルジーが最初に言及したのは脚本家だ。「ロボット・トリオ」と「歴史改変」を手がけたのは、フィリップ・ジェラット。SF映画『エウロパ』(2013) の脚本を手がけ、ゲーム『ライズ オブ ザ トゥームレイダー』(2015) の脚本にも携わった人物だ。「ヨーグルトの世界征服」で脚本を手がけたのは、ジャニス・ロバートソン。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015) や『デッドプール』(2016) に特殊効果で携わっている。彼女が脚本家としてクレジットされたのは、『ラブ、デス&ロボット』が初となる。
スコルジーはこの両名について、「素晴らしい仕事をしてくれた」と賞賛している。
共同監督が指揮
『ラブ、デス&ロボット』でアニメ化されたジョン・スコルジーの3作品は、いずれも同じ監督がタッグを組んでいる。ビクター・マルドナドとアルフレド・トレスの二人は、スペイン人監督。マルドナドは、2007年のスペインアニメ『夢の世界 ノクターナ』(2007) で監督・脚本としてクレジットされている。
こちらの二人についても、「これらの作品をよく導いてくれた」とスコルジーは賞賛している。
二つのアニメスタジオがアニメ化
次にスコルジーが紹介したのはアニメ化を手がけたアニメスタジオだ。「ロボット・トリオ」と「ヨーグルトの世界征服」を手がけたのは、Blow Studio。スペイン南部のセビリアを拠点にしたアニメスタジオで、CMや短編作品を手がけてきた。「歴史改変」を手がけたのは、デンマークのSun Creature。Sun Creatureは公式Twitterで、「連れて行ってくれてありがとう!」と、監督のビクター・マルドナドとアルフレド・トレスの二人に謝意を表明している。
ここでもスコルジーは、両社が手がけたアニメを「大好きだ」と絶賛している。
作品を彩った声優陣
ジョン・スコルジーは、作品を彩った声優陣にも言及。ジョシュ・ブレナー、ゲイリー・A・ウィリアムス、クリス・パーネル、レベッカ・レイディ、ディエター・ジェンセン、モーリス・ラマーシュの名前を挙げ、感謝の言葉を送っている。XBot 4000 (白い長身のロボット) は、ゲリー・A・ウィリアムスが演じている。なお、スコルジーは、11-45-G (ピラミッド型のロボット) の声がコンピュータ・プログラミングで生成されていることも明らかにしている。
プロデューサー陣にも言及
最後に、『ラブ、デス&ロボット』全体のプロデュースを務めたティム・ミラー、ジェニファー・ミラー、デヴィッド・フィンチャーらと、Netflixの貢献にも言及。確かに、この面々の力なしには、『ラブ、デス&ロボット』プロジェクトの実現はなかっただろう。
ファンへのメッセージ
ジョン・スコルジーは、ファンにもメッセージを送っている。「これは“あなた”の物語でもある」と、ファンにも感謝を述べた上で、実際に制作に携わった人々を念頭に、「多くの努力と愛が、そこにはある」と、一連のツイートを締めくくっている。
『老人と宇宙』映像化にも言及
「アニメ化してほしい?」
この投稿に対して、あるユーザーは、「『老人と宇宙』も同様にアニメ化してほしいと思いますか?」と質問。「老人と宇宙」シリーズは、スコルジーの代表作にしてベストセラー作品。早川書房から日本語版も出版されている。
「Netflixには別のプランが……」
『ラブ、デス&ロボット』の成功を受けてのファンからの質問に、スコルジーはこう答えている。
『老人と宇宙』については、多分、Netflixには別のプランがあるんじゃないかな。
ファン達は驚きの反応を見せているが、実は、Netflixは2017年に『老人と宇宙』の映画化権を獲得している。今回、スコルジー自身から言及があったことで、少なくとも映像化のプランは消えていないということが明らかになった。
今回、『ラブ、デス&ロボット』で生み出された短編アニメーションよって、改めてスコルジーの世界観にスポットライトが当たることになった。スコルジーの、そしてNetflixの、次の一手は、一体どのようなものになるのだろうか。
『ラブ、デス&ロボット』はNetflixで配信中。
Source
John Scalzi Twitter