ネタバレ解説『ムーンナイト』最終話第6話ラスト〇〇の伏線を製作陣が明かす 全話に隠されたヒントが | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『ムーンナイト』最終話第6話ラスト〇〇の伏線を製作陣が明かす 全話に隠されたヒントが

© 2022 Marvel

『ムーンナイト』フィナーレ

2022年3月30日(水)より配信を開始したドラマ『ムーンナイト』が、5月4日(水・祝) で全6話の配信を完了した。ムーンナイトはマーベルでも異色のダークヒーローを主人公に据えた作品で、ミステリアスな展開が話題になっていた。その最終回ではやはりサプライズが待っており、ファンを驚かせた。

そして、『ムーンナイト』最終話となる第6話の配信と共に、米マーベル公式はこれまでの入念な伏線を紹介する製作陣のコメントを紹介している。一体どこにヒントが隠されていたのか、一つずつ見ていこう。

なお、以下の内容はドラマ『ムーンナイト』の結末に関する重大なネタバレを含むため、必ず本編を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ムーンナイト』第6話の結末に関するネタバレを含みます。

ジェイク登場のサプライズ

最大のサプライズといえば、ジェイク・ロックリーの登場だろう。マーク/スティーヴンとレイラは解放されたアメミットをアーサー・ハロウの中に封印するが、マークはハロウを殺して裁くことを拒否する。コンスは約束どおりマークとスティーヴンをムーンナイトとしての契約から解放するが、ミッドクレジットシーンに続きが待っていた。

精神病院で車椅子に乗っているアーサー・ハロウを迎えにきた黒手袋の人物。外に連れ出したハロウをリムジンの後部座席に乗せると、そこにはコンスの姿があった。そしてコンスが自身のアバターとして紹介したのは、マーク/スティーヴンと身体を共有する第三の人格ジェイク・ロックリーだった。

ジェイクは原作コミックのタクシー運転手という設定を反映して運転席に座っている。リムジンの後部座席に座るコンスはいかにも“ボス”という感じが出ている。ジェイクは手慣れた様子でサプレッサー付きの銃でアーサー・ハロウに向かって発砲すると、そのまま白のリムジンで走り去ってしまった。マーク/スティーヴンの困難は、まだ終わりそうにない。

製作陣の意図は

ジェイク・ロックリーの登場は、ミッドクレジットシーンでのサプライズ展開だったが、わりと分かりやすくレールを敷いていたようにも思える。製作陣はどのような狙いでこのラストに向けた展開を用意していたのだろうか。

『ムーンナイト』の脚本を担当したジェレミー・スレイターは、米マーベル公式にこう話している。

ァンの皆さんがジェイク・ロックリーが登場する手がかりをドラマの中に探し求めることは分かっていました。(一方で、)このキャラクターとダイナミックさを全く知らない人たち、ムーンナイトの物語に初めて触れる人たちにも満足してもらえるようなミステリーにしなければならないと思っていました。

ジェイクのことを知らないファンと、ジェイクの登場を楽しみにしている原作ファンの両方に気を配りながら物語を進めてきたのだという。このバランスを取る作業は、脚本チームと監督、製作総指揮、そしてマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギまで巻き込んで調整が行われたそうだ。

「“パンくず”をどれくらい置くか? 満足いくネタ明かしになっているか? ヒントが多すぎないか? あるいはヒントが十分ではないか?」と、バランスを調整していったことを振り返っている。

各話に潜んでいたヒントは?

では、ジェイクの登場を示唆するヒントは、全6話の中でどのように散りばめられていたのだろうか。製作陣のコメントと共に紹介していこう。

第1話の鏡

第1話「もうひとりの自分」でのヒントについてコメントしているの撮影監督のグレゴリー・ミドルトン。アルプスでのカップケーキトラックを使ったカーチェイスの後、意識が飛んで自室のベッドで飛び起きたスティーヴンは振り返って鏡の方を見るのだが、このシーンがヒントになっているという。

グレゴリー・ミドルトンは「鏡が分割されているカットがあって、かろうじて三つ目の反射が見えるんです」と、このシーンで鏡に“三人目”が写っていることを明かしている。ポイントは「かろうじて」というところで、はっきり見える二つの人型に対し、左側の三つ目の人影はぼんやりとした半透明の影になっている。この三人目の影がジェイクの存在を示唆していたのだ。

この後、金魚のガスが入れ替わっていることに気付いてペット屋を訪れたスティーヴンは、デートの約束を思い出し、部屋に戻って支度をする。この時も三面鏡を覗き込んでいるが、これは分かりやすい演出だと言える。撮影監督としては前者の「かろうじて」三人目が映り込むこだわりの演出に触れて置きたかったのだろう。

第2話のピラミッド

第2話「スーツ召喚」では、スティーヴンがMr.ナイトに変身。第2話で共同監督を務めたアーロン・ムーアヘッドは、マークとスティーヴンが街中にあるピラミッドのオブジェ越しに話し合う終盤のシーンの演出について、こう語っている。

このエピソードの最後に(マークが)ピラミッド中で自分に話しかけているシーンで、このピラミッドが三面であること、段々と(一面ずつ)鏡が壊れていくことに気づくでしょう。三つ目の鏡は彼の怒りを表しています。彼が最後に鏡を蹴破るのは小さな小さなヒントになっていて、二つ目ではなく三つ目に気を付けろ、という意味なんです。

本当に小さな小さなヒントである。マークは三面体のピラミッドのモニュメントの周りを歩きながら、鏡の中のスティーヴンと話をするが、鏡から鏡へと移るたびにヒビは多くなり、スティーヴンにブチギレたマークは三枚目の鏡を何度も蹴って割ってしまう。“三枚目の怒り”に注意せよ——ジェイク登場に向けた巧妙な布石である。

第3話では明確に

第3話「エネアドの決断」では、初めて明確にジェイクの存在が示唆された。アーサー・ハロウを追うマークは信者の三人組を追うが、途中で意識が飛んでしまい、気づいた時には相手の内の二人を刺殺してしまっていた。スティーヴンを疑ったマークだったがスティーヴンはこれを否定し、三人目の人格が存在していることが示される。

このシーンの演出について、撮影監督のグレゴリー・ミドルトンは、「モハメド(・ディアブ監督)は、ここをジェイクにしたかったんですよ。誰がこの悪事を働いたんだ? こいつは明らかに残忍だ、という感じで」と語っている。やはりこれはジェイクの仕業ということで間違いなかったようだ。

米マーベル公式は、ジェイクの仕事について、「明らかに、ジェイクはマーク(またはスティーヴン)が決してやらないようなタフなことや汚れ仕事を全てやる」と記している。

第4話の棺

第4話「アメミットの墓」では、第3話に続いて分かりやすくジェイクの存在が示されている。精神病院の中でマークは棺からスティーヴンを助けるが、もう一つの部屋に別の棺が置かれているのだ。この棺は血だらけになっており、汚れ仕事担当のジェイクが中に入っていることが示されている。

共同監督のアーロン・ムーアヘッドとジャスティン・ベンソンは、この棺の中にいた人物について、「あれは確かにジェイクです」と認めている。ベンソン監督は以下のように話している。

意図的にタネを撒いていきました。ムーンナイトの正史に詳しくない人にとっては何でもないようなミステリーを置いていくことにしました。しかし、この棺を見たときにはその動きと雰囲気から超自然的なものや悪魔的なものに感じられたかもしれませんね。

同時に冥界の生き物が出てくるわけはないという風にもしました。人が出てくるんです。危険な感じを出しておいて、一拍置いて特別に危険な何かがいるという風に感じられるようにしたんです。

スティーヴンの棺とは違いジェイクの棺が縦に置かれていたのは、こちらにも二足歩行の人間が入っていることを示していたのだろう。ジェイクを登場させることなくジェイクの存在を示唆する工夫された演出だったと言える。

第5話のカウンセリング

第5話「蘇る過去」でのジェイク登場シーンは、米マーベル公式では明言されていないが、代わりにジェイクに関する製作陣のコメントを集めた記事のアイキャッチ画像がハロウ医師に襲い掛かろうとするマーク/ジェイクの姿になっている。

© 2022 Marvel

こちらの記事で考察した通り、このカウンセリングシーンのオスカー・アイザックは、マークが使ってきた米中部のシカゴアクセントではなく、米西海岸風の崩れた英語で喋っている。

最終回第6話のラストでは、ジェイクがスペイン語を話すことが明かされた。米西海岸と連なる中南米出身という設定が垣間見え、第4話のカウンセリングルームでの人格がジェイクであった説が濃厚になっている。なお、このシーンだけ鼻に付いていた傷についても説明はなかった。ジェイクがあの精神病院でどのように過ごしていたのか、明かされることはあるのだろうか。

最終回第6話

最終回第6話では、対アーサー・ハロウ戦で第3話以来となるブラックアウトが起き、マークは気づけばハロウを圧倒していた。この時のコスチュームはムーンナイトのままになっている。レイラはジェイクの人格が出てきた様子を見ていたようだが、何が起きたのかは分かっていない。

そしてミッドクレジットの後のシーンで遂にジェイクが登場するのだが、このシーンの演出について撮影監督のグレゴリー・ミドルトンは以下のように語っている。

ビンゴルーム(病院の広場)で撮影した時、(ジェイクが)入ってくるときに見えそうで見えないように撮影しました。そして彼の手が映るんです。その手は不吉な動きになっています。

彼が去っていく時には、カメラはグラスに焦点を合わせています。その姿がよく見えないのは、あえて引き伸ばしているからなんです。もしジェイクについて心配していたり、期待していたりしたら、応援してドキドキしてほしいと思ったんです。

確かにジェイクがハロウの車椅子を押して去っていくシーンでは、徐々にテーブルの上のグラスにピントが合っていき、それに写ったジェイクの後ろ姿を見る演出になっている。『ムーンナイト』でずっと鏡の中にいたジェイクの登場を示唆する演出なのだろう。

なお、脚本のジェレミー・スレイターは「2回目を観ると全てがうまく収まります」と、二度目の視聴をお勧めしている。

ジェイクを演じたオスカー・アイザックが語る

そして、マークとスティーヴンに続いてジェイクを演じたオスカー・アイザックは、「衝動のままに演じること」を楽しんだとしており、以下のように話している。

コミックにあるようなアイデアに忠実であるだけでなく、自分自身の中にあるものを持ち込む機会があると思いました。彼が話すセリフは一行だけなので、スペイン語にするべきだと思ったんです。マークとスティーヴンの二人が足並みを揃えられなかったのに対して、彼はコントロールする力を持っていて、胸騒ぎがする何かがあります。

(マークとスティーヴンの)二人を演じた後、衝動に任せて演じるのは本当に楽しかったですよ。他に何ができるのか、どんな撮影になるのかを想像するのがね。

モハメド・ディアブ監督は、ジェイクがラテン系のキャラクターであることを気に入っているといい、ジェイクがハロウを病院の外に連れていくシーンではグアテマラの賛美歌を口笛で吹いていることを明かしている。この口笛は途中からManuel Bonilla「Más Allá del Sol」のBGMに変わっている。この曲は第5話のラストでマークが葦の楽園に行った時に流れていた曲でもある。

なお、オスカー・アイザックはグアテマラ生まれで、スペイン語も話せる。ジェイクはオスカー・アイザック自身の要素を取り入れたキャラクターだったのだ。

ジェイクを演じたオスカー・アイザックについては、コンサルティング・プロデューサーのサラ・ゴーヘルがこう話している。

オスカーがジェイクになる瞬間、彼は怖くなります。同時に、彼はとてもスタイリッシュなジェイクなんです。「ワオ、あなたがジェイク・ロックリーか」という感じで、魅惑されながら怖くなるんです。

オスカーは最も素晴らしい部分を引き出す方法を知っていて、リアルで明白なキャラクターを作り出す手助けをしてくれました。彼がジェイクをどこへ連れていこうと、私たちはそれについていくことになります。

なお、ディアブ監督は「3人目の全く違うバックグラウンドを持つ全く違う人格と共に何が起きるのか、それを見る日が待ちきれません」と話し、あのミッドクレジットが“終わり”ではないことを明かしている。オスカー・アイザックがジェイクらを再演することは確定と言ってよさそうだ。

マークとスティーヴン、そしてジェイクの再来を楽しみに待とう。

マークとスティーヴンのその後について製作陣が語った内容と、他のMCU作品との合流についての考察はこちらの記事で。

最終話でスカーレット・スカラベに変身したレイラについて、製作陣とキャストが語った想いはこちらから。

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Source
Marvel.com

『ムーンナイト』第6話のネタバレ解説はこちらから。

ネタバレ注意!映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』ラストの解説はこちらから。必ず劇場で本編を鑑賞してから読んでいただきたい。

6月8日(水)からはドラマ『ミズ・マーベル』の配信が始まる。予告編の解説はこちらから。

 

『ムーンナイト』第5話のネタバレ解説はこちらから。

第5話で描かれたマークの過去について監督らが解説した内容はこちらの記事で。

第4話のネタバレ解説はこちらから。

第4話のラスト15分についての製作陣による解説はこちらから。

第4話で登場したアレキサンダー大王と映画『ソー:ラブ&サンダー』の繋がりはこちらから。

こちらの記事では、タウエレトがエネアドの一人である可能性を考察している。

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第三の人格については、原作コミックの設定も踏まえてこちらの記事で考察している。

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齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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