第3話ネタバレ考察『シー・ハルク』アボミネーションはヴィランなのか? 演じたティム・ロスが意味深発言 | VG+ (バゴプラ)

第3話ネタバレ考察『シー・ハルク』アボミネーションはヴィランなのか? 演じたティム・ロスが意味深発言

© 2022 Marvel

『シー・ハルク』第3話アボミネーションに注目

『シー・ハルク:ザ・アトーニー』はMCUドラマ第7弾としてDisney+で配信されているコメディ法廷ドラマ。コメディでありながら毎話重要なキャラがカメオ出演するストーリーが注目を集めている。今回注目したいのは、早い段階で予告編にも登場していたアボミネーションことエミル・ブロンスキーだ。

エミル・ブロンスキーはMCU映画第2作目の『インクレディブル・ハルク』(2008) で登場したロシア生まれの元イギリス軍兵士。同作では超人血清とハルクの血液サンプルを投与した結果、アボミネーションに変身して暴走してしまう。『シー・ハルク』の予告編では陽気な姿を見せており、生まれ変わった姿を印象付けたが、アボミネーションは本当にヴィランではなくなったのだろうか?

今回は、アボミネーションことエミル・ブロンスキーを演じたティム・ロスの言葉を通して、第3話以降の展開について考察してみよう。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『シー・ハルク:ザ・アトーニー』第3話の内容に関するネタバレを含みます。

アボミネーションは改心した?

『シー・ハルク』第3話では、主人公のジェニファー・ウォルターズがエミル・ブロンスキーの仮釈放委員会で弁護を担当。証人として刑務所の看守や他の囚人たちを呼び、ブロンスキーが改心したという証拠を積み重ねていく。

極め付けは、映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021) でブロンスキーに脱獄を強いたとされるウォンの召喚だ。ウォンはブロンスキーが逃亡できる条件があったにもかかわらず、罪の償いのために自ら房に戻ったと証言する。ブロンスキーは自らがアボミネーションになっても自分をコントロールすることができると証明し、加えて変身を抑制する装置を装着することを条件に仮釈放が認められたのだった。

『シー・ハルク』で再登場を果たしたブロンスキーは、以前とは見違えるほど穏やかな人物に生まれ変わっているように見える。一方で、MCUでは、ブロンスキーをアボミネーションに変えるきっかけになったサディアス・サンダーボルト・ロス将軍が原作コミックで率いたヴィランチームのサンダーボルツを描く映画『サンダーボルツ(原題)』の公開も発表されたばかり。アボミネーションの再登場の目的は単に更生した姿を見せるだけにとどまらず、更なる展開に発展する可能性も考えられる。

演じたティム・ロスが意味深発言

そのアボミネーションを演じたティム・ロスは、彼が本当に更生したのか、もうヴィランでは無くなったのかどうかについて、米Entertainment Weeklyで語っている。

製作陣は私に、アドリブで遊び、ふざけさせてくれました。「彼は良い奴だけど……」というギリギリのところで踊らせてくれたんです。そういうことです。常に疑問としてあるのが、「彼はここで真実を語っているのか? 話はどこに向かっているのか?」ということなんです。

それが楽しいところですよね。私が答えることはできません。彼はとても長い間、最大限のセキュリティーの独房に入れられていました。それが何をもたらすのか? 彼をどこに導くのか? 今、この人物は誰なのか? 私たちは彼を信じるべきなのか?

それは皆さんが見つけ出すことです。イタズラはそこらじゅうに仕組まれていますよ。まだまだ続きます。いずれ分かるでしょう。私は知っていますけど。逃げ切れるといいですね。私にはそれしか言えません。

なんとも意味深な発言だ。この発言自体がティム・ロスによるイタズラなのか、それともアボミネーションには再登場の舞台が用意されているのだろうか。

実は、過去に公開された予告編には第3話までに登場しなかったアボミネーションのシーンが収められている。本編からはカットされた可能性もあるが、もしブロンスキーがアボミネーションとして再登場を果たすとすれば、それは明確に仮釈放の条件違反になる。どのような理由であれそのパワーを使えば再収監されるか、逃亡の身になってしまうのだ。

アボミネーションの裏に誰が?

一方で、ブロンスキーが既にウォンからのカーマ・タージへの亡命の呼びかけを断っていることはポイントの一つになるだろう。仮にブロンスキーが仮釈放後にアボミネーションに変身するとしても、ブロンスキーはただ牢から出られれば何でもいいという意識ではなかったことは確かだ。

第3話のラストにはレッキングクルーが登場し、“ボス”の存在を示唆した。このボスはどうやらシー・ハルクの血液/DNAを欲しがっている様子。その点で言えば、ブロンスキーはブルースやジェニファーと違うDNAを持ちながらハルクの血液サンプルを体内に取り込み、それをコントロールできた稀な例だと言える。

アボミネーションの血液サンプルを手に入れたいと思っている人物が存在するとすれば、ブロンスキーはその人物と対峙することになるかもしれない。あるいは、超人兵士計画の再現とハルクの兵器利用に心を奪われていたロス将軍が健在で、ブロンスキーと再タッグを組みたがっているとすれば、アボミネーションのサンダーボルツ入りは一気に前進するだろう。

また、ロス将軍は原作コミックでレッド・ハルクに変身することになる。ブルース・バナーとジェニファー・ウォルターズとは遺伝子が異なるブロンスキーが変身しながらも力をコントロールできたことは、ロス将軍にも“変身”の可能性を与えることにもなる。MCUでロス将軍を演じてきたウィリアム・ハートは残念ながら2022年3月に逝去したが、ロス将軍の物語が描き切られることにも期待したい。

MCU世界に様々な影響を与えることになりそうなアボミネーションことエミル・ブロンスキーの存在。本当にこのまま大人しく退場となるのか……『シー・ハルク』第4話以降も注目して見ていこう。

ドラマ『シー・ハルク:ザ・アトーニー』は2022年8月18日(木) よりDisney+で独占配信中。

『シー・ハルク:ザ・アトーニー』

シー・ハルクのコミック作品は、『シーハルク:シングル・グリーン・フィメール』ケン・U・クニタによる日本語訳が発売中。

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Source
Entertainment Weekly

コミコン2022で発表された映画『サンダーボルツ』、ドラマ『デアデビル ボーン・アゲイン』を含むMCUフェーズ5全作品のまとめはこちらから。

 

『シー・ハルク』第3話の解説はこちらの記事で。

第3話で示されたウォンの過去について脚本家が語った内容はこちらから。

第2話の解説はこちらの記事で。

第1話の解説はこちらの記事で。

第1話のキャプテン・アメリカのくだりについて主演のタチアナ・マスラニーが語った内容はこちらから。

MCU版“超人法”についての解説と考察はこちらの記事で。

 

ドラマ『ミズ・マーベル』最終話のネタバレ解説はこちらから。

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9月9日からは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が追加映像と共に再上映される。詳しくはこちらの記事で。

 

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齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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