ドラマ『スノーピアサー』シーズン4で無事完結へ
2020年から放送/配信を開始したドラマ『スノーピアサー』は2022年1月にシーズン3が公開され、シーズン4で最終シーズンを迎えるとされていた。しかし、その後放送局のTNTがシーズン4を放送せず本作を打ち切ると発表。制作会社のTomorrow Studiosはシーズン4を配信/放送するプラットフォームを探していた。
そして、2024年4月、大手ケーブルテレビの米AMCがドラマ『スノーピアサー』シーズン4の権利を獲得したと米Deadlineが報じた。追記:シーズン4は2024年7月21日より、米国での放送を開始した。
AMCによる放映権獲得に際し、『スノーピアサー』シーズン4のショーランナーを務めるポール・ズビゼウスキーは、「この列車がついに“ホーム”を見つけることができ、スノーピアサーのファンの皆さんにシーズン4を楽しむチャンスを与えてくれたAMCとTommorow Studiosに心から感謝しています。素晴らしいキャストとクルーが力を注いだ作品ですからね」とコメントを残している。
ドラマ『スノーピアサー』は、『パラサイト 半地下の家族』(2019) で知られるポン・ジュノ監督が2013年に手掛けた同名のSF映画をドラマ化した作品。原作はジャック・ロブ、バンジャマン・ルグラン、ジャン=マルク・ロシェットによるグラフィックノベルだ。
ドラマ版はポストアポカリプスを迎えた世界で人類の生き残りが1001車両の列車に乗り込み、階級によって区別され差別される格差社会を描く。各階級の人々の群像劇と、これを覆さんと列車を駆け上がっていく革命劇が見どころだ。ドラマ版はコロナ禍の2020年に配信を開始しながらも、3年間で3シーズンが配信される快進撃を見せていた。
紆余曲折を経ての着地
ドラマ『スノーピアサー』はシーズン3の公開前にはシーズン4が最終シーズンになることが発表されていたが、2022年3月にシーズン3がフィナーレを迎えた後も、シーズン4は公開されないままだった。
2023年1月には、ドラマ『スノーピアサー』を放送してきた米放送局のTNTが米Varietyを通してシーズン4を「放送しない」と表明。実は、TNTは『スノーピアサー』シーズン3の放送終了直後の2022年4月にAT&T傘下からワーナー・ブラザース・ディスカバリー傘下に変わっている。新たな親会社であり、再編に揺れるワーナーの方針で打ち切りとなったわけだが、同月には米Bloody Disgustingが『スノーピアサー』シーズン4は既に撮影を完了していると報じていた。
つまり、『スノーピアサー』シーズン4は、映像は存在するが放送/配信する先がないという状況だった。一方で、Deadlineはドラマ『スノーピアサー』の制作を手がけたTomorrow Studiosがシーズン4を他のプラットフォームで公開する道を模索していると報じていた。
同スタジオは最終シーズンのシーズン4に加え、前日譚と後日譚の可能性を含むスピンオフを同時に売り込んでおり、新たなプラットフォームでのフランチャイズ化をゴールに設定しているとも報じられていた。AMCでの反響次第では、更なる展開が期待できるかもしれない。なお、AMCの作品は日本ではAmazonプライムビデオで配信されることが多い。2024年8月現在、『スノーピアサー』は日本ではNetflixで配信されている。
ドラマ『スノーピアサー』はNetflixでシーズン1からシーズン3が配信中。
Source
Deadline / Variety / Bloody Disgusting / Deadline
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