ドラマ『スノーピアサー』シーズン4でフィナーレへ
TNT製作で日本ではNetflixで配信されている人気SFドラマ『スノー・ピアサー』(2020-)がシーズン4で終了することが分かった。米Deadlineが報じており、報道の中でTNTの広報担当者もそれを認めている。TNTが発表したステートメントは以下の通り。
私たちは『スノーピアサー』がTNTで複数シーズンに渡る成功を収めた後、これで終了することを認めます。才能のある脚本家たち、俳優たち、そしてスタッフが並外れたものを作り上げ、スリリングな方法で実現させました。批評家からも称賛され、ポストアポカリプスものというジャンルに大きなインパクトを与え、今ではファンの心に永遠に残ることになりました。
『スノーピアサー』のシーズン4での終了に伴い、出演していたキャストたちは他の作品への出演のブッキングを受けられる状態になったという。
『スノーピアサー』は2013年にポン・ジュノ監督が手掛けた映画『スノーピアサー』をドラマ化した作品で、原作はフランスの同名バンド・デシネ (コミック)。ラッパーとしても知られるダヴィード・ディグスとオスカー俳優のジェニファー・コネリーが主演を務めたことで話題を集めた。貧富の差が広がる格差社会をテーマにした映画版を更に発展させ、捻った物語は人気を呼び、批評の面でも高い評価を受けていた。
『スノーピアサー』がシーズン4で終了することについては、メディアによっては「打ち切り」と報じる向きもある。一方で、コロナ禍で配信を開始し、2020年から2022年までの3年の間で3シーズンが放送/配信され、シーズン4まで製作されたことは異例の快進撃といえる。
『スノーピアサー』は、シーズン2はシーズン1放送の1年前に、シーズン3はシーズン2放送の1週間前に、シーズン4はシーズン3の完成時に制作が発表されていた。コロナの時代の成功したドラマの例として語り継がれていくことになるだろう。
ドラマ版『スノーピアサー』は、映画版と同じく人類が温暖化を抑えるために化学薬品を撒布したことが原因で氷河期を迎えた時代が舞台。富豪のウィルフォードという人物が作った永久機関列車“スノーピアサー”に乗り込めたものだけが生き残ることができたが、その列車自体に階級構造が持ち込まれており、最後尾の人々は劣悪な環境で生活と労働を強いられる。
映画と同じく階級を駆け上がっていく革命劇を描きながらも、ドラマ版はスノーピアサーの長さを1001車両に設定し、他の車両も登場させるなどして物語を拡張させ、テーマを深掘りしていた。シーズン4では、ドラマ『LOST』(2004-2010) の脚本家として知られるポール・ズビゼウスキーが、グレーム・マンソンに代わって新たに番組全体を統括するショーランナーに就任。どんなフィナーレを見せてくれるのか、配信を楽しみに待とう。
ドラマ『スノーピアサー』はNetflixで独占配信中。
『パラサイト 半地下の家族』(2019)でアカデミー賞作品賞を受賞したポン・ジュノ監督による映画版『スノーピアサー』(2013)もNetflixで配信中。
Source
Deadline
シーズン4についての発表はこちらの記事で。
シーズン3までショーランナーを務めたグレーム・マンソンが語るSF論はこちらから。