Amazon倉庫からMCUへ『ホークアイ』エコー/マヤ・ロペスを演じたアラクア・コックスの道のり | VG+ (バゴプラ)

Amazon倉庫からMCUへ『ホークアイ』エコー/マヤ・ロペスを演じたアラクア・コックスの道のり

© 2021 Marvel

ドラマ『ホークアイ』マヤ・ロペスに注目

2021年11月24日(水) より配信を開始したドラマ『ホークアイ』はDisney+配信のMCUドラマ第4作目。6月より配信を開始したドラマ『ロキ』に続き、今度はホークアイことクリント・バートンの物語に焦点を当てつつ、ケイト・ビショップら新しいキャラクター達をMCUに紹介している。

その中でも今回注目したいのは、アラクア・コックスが演じるエコーことマヤ・ロペスだ。『ホークアイ』ではヴィランとして登場するとみられる。MCUにおけるニューヨークのヴィランといえば『スパイダーマン:ホーム・カミング』(2017) のヴァルチャーがいるが、意外にもそれほど多くない。

また、マヤ・ロペスを主人公に据えたスピンオフシリーズ『エコー(原題)』がDisney+で配信されることが決まっている。2021年4月には撮影を終え、9月には追加撮影も行われた。ドラマ『エコー』が配信される日はそう遠くはなさそうだ。

今回は、新たにMCU登場したマヤ・ロペスを演じるアラクア・コックスとはどのような人物なのか、演じた本人のコメントと共に見ていこう。

演技に興味なかった

エコーことマヤ・ロペスを演じるアラクア・コックスはドラマ『ホークアイ』配信開始時点で24歳。本作で役者デビューを果たす。初めて出演するシリーズで重要な役での起用とスピンオフでの主演が決まっているという稀有な例である。米Entertainment Weeklyはアラクア・コックスはエコー/マヤ・ロペス役を演じることになるまでは演技に興味がなかったとしている。

マヤ・ロペスは、耳が聞こえないという設定になっており、アラクア・コックス自身も生まれつき耳が聞こえない。『エターナルズ』(2021) のマッカリに続く、耳の聞こえないメインキャラクターであり、『エコー』はMCUで初めて視聴覚障がいを持つ人物が単独主人公を務めることになる。

アラクア・コックスにとっては、“耳が聞こえない”ということが演技においてプラスになったようだ。EW誌のインタビューでは、アラクア・コックスは以下のように語っている。

聴覚障がいを持つ人々は視覚能力に優れていて、私は容易に物事を捉えることができます。トレーニング中には「ワオ、あなたは吸収が早いですね」と言われましたが、私は「見てるだけですよ」って感じでした。

原作コミックにおけるエコーの能力は、相手のスキルを完璧にコピーするというもの。MCU映画『ブラック・ウィドウ』のタスク・マスターと能力が被っているようにも思えるが、エコーの場合はその観察眼によって相手の能力をコピーできる。演じたアラクア・コックスは、演技においても同様にトレーナーの動きをその目で捕捉していたという。

『エターナルズ』でマッカリ役を演じたローレン・リドロフは、「deaf gain(デフ・ゲイン、聞こえないことの利点)」という言葉を広めたいと話していた。『ホークアイ』においても後天的に難聴になったクリント・バートンが補聴器のスイッチを切って、世界を遮断するシーンが描かれる。

耳が聞こえないことは「かわいそう」「不便」といった上から目線の偏見を、演者達はヒーロー達の姿を通して変えようとしているのだ。

本物のリプレゼンテーション

アラクア・コックスは、今回エコー/マヤ・ロペスを演じるにあたって、耳が聞こえない人たちのコミュニティから大きな支援と応援を受けたといい、以下のように語っている。

ほとんどの場合、このような(耳が聞こえない人物の)役は耳が聞こえる人が演じることが多いのですが、ついに本物のリプレゼンテーションが実現しました。だから私も、皆も、とても楽しみにしています。

アラクア・コックスの『ホークアイ』出演が決まった時、父は泣き、母はシャンパンを開けたという。マヤ・ロペスはコミックでネイティブ・アメリカンという設定になっており、アラクア・コックス自身もネイティブ・アメリカンだ。コミュニティに支えられているということをインタビューでも強調している。

また、アラクア・コックスの右足は義足で、ドラマ『ホークアイ』でのアクションについては以下のように語っている。

私のような障がいを持っている人は何でもできます。戦うこともできるし、バク転もできるし、落ちることもできる。観る人が「え、これもやるの?」と言うのを楽しみにしています。

Amazon倉庫からMCUへ

アラクア・コックスが米Peopleに語ったところによると、アラクア・コックスは最近までAmazon
の倉庫で働いていたという。演技の経験は一回きりの高校での演劇のみで、それも脇役だった。ドラマ『ホークアイ』に参加することになった経緯については、ネイティブ・アメリカンの女性の俳優と耳が聞こえない女性の俳優をキャスティングで探しているという話を友人から聞き、「あまりにも自分にマッチしている」と挑戦したのだという。

自身がドラマ『ホークアイ』に出演することの意味について、アラクア・コックスはこう話している。

私は大学を中退していますし、私の人生がどれだけ変わったかと考えるととんでもないなと思います。私は工場で働いていました。私が誰であるかということ、私に何ができるかということ、それは誰にだってできることであり、それを人々に示せることを楽しみにしています。

原作コミックのエコーは?

アラクア・コックスが演じるマヤ・ロペスが原作コミックで初登場を果たしたのは「デアデビル」シリーズで、1999年のこと。デアデビルからキャプテン・アメリカへの推薦でニュー・アベンジャーズを手助けしていたこともある。この時は“ローニン”を名乗り、日本で戦っている。

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原作コミックでの能力は、相手の動きを完璧にコピーする能力を持っており、フェニックスの力を宿すことも。2021年10月より、コミックシリーズ「Phoenix Song: Echo」の刊行が始まっている。コミックシリーズにおいては比較的最近である1999年に登場し、現在も新シリーズが動き出している現在進行形のキャラクターなのだ。

エコー/マヤ・ロペスの躍進と共に歩んでいくであろうアラクア・コックスの活躍に期待しよう。

ドラマ『ホークアイ』は2021年11月24日(水)より、Disney+で独占配信中。

ドラマ『ホークアイ』(Disney+)

Source
Entertainment Weekly / People

原作コミック『ホークアイ』はKindleで日本語訳版が発売中。

 

『ホークアイ』第3話のネタバレ解説はこちらから。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第1話に登場したサノスネタについての考察はこちらの記事で。

第1話の内容から考察するスパイダーマン登場の可能性についてはこちらから。

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第2話で判明した、ケイトがウエストコースト・アベンジャーズのリーダーになる可能性についての考察はこちらの記事で。

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ケイトがホークアイに憧れた理由についてはこちらの記事で。

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MCUで最初の耳が聞こえない主人公になったマッカリと、演じたローレン・リドロフについてはこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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