ネタバレ考察『ホークアイ』第2話にウエストコースト・アベンジャーズ結成の布石? ケイトの〇〇に注目 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ考察『ホークアイ』第2話にウエストコースト・アベンジャーズ結成の布石? ケイトの〇〇に注目

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ドラマ『ホークアイ』配信開始

MCUドラマ最新作『ホークアイ』の配信が、2021年11月24日(水)からスタート。本作では、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) を経て、“アベンジャーズをやめたい”ホークアイことクリント・バートンと、ホークアイに憧れているケイト・ビショップの出会いと戦いが描かれる。

ドラマ『ホークアイ』は、家族とのクリスマスを邪魔されてローテンションなクリントと、そのクリントに次々と質問と提案を繰り出すハイテンションなケイトとのギャップが見どころの一つ。第2話では、ホークアイのブランディングについて、ケイトがクリントに助言する場面も。

元々ヒーローのファンであるケイトは、新世代のヒーローに相応しい感覚を持っているようにも見える。また、ケイトは今後、MCUで新たに結成されるヒーローチームに所属する可能性が高い。第2話では、ケイトが触れたある人物の存在が新たなヒーローチーム結成の可能性を更に押し上げた。今回は、第2話で触れられたその人物に注目したい。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ホークアイ』第2話と映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』の内容に関するネタバレを含みます。

ケイトのおばの正体は?

ドラマ『ホークアイ』第2話では、自分のアパートを燃やされたケイトがクリントを隠れ家に連れて行く。そこは、ケイトの“おば”の家であり、そのおばは冬の間はフロリダにいるため不在だという。フロリダは暖かい地域であるため、冬は雪にさらされるニューヨーカーにとっては定番の避寒地だ。ドラマの中ではケイト自身、(原作と同じく)家が裕福という設定になっており、ケイトのおばもリゾート地のあるフロリダに別荘を持っていることが示唆されているのだ。

問題は、ケイトのおばが誰なのかということだ。その答えは第2話の画面の中に散りばめられている。まずはケイトがおばの家を訪れるシーンで、部屋番号を確認する際に映る名前のリストだ(09:33頃)。ケイトが指さした「6D」の部屋の住人の名前が「MOIRA BRANDON」になっている。

モイラ・ブランドンは原作コミックにも登場した人物。1993年に「Avengers West Coast」シリーズで初登場した元ハリウッドスターだ。ドラマ『ホークアイ』第2話では、モイラの家の壁に飾られている『クリーチャー・オブ・ダーク・ギャラクシー』というタイトルの映画ポスターに、モイラ・ブランドンの名前がクレジットされている。それも主演級の扱いだ。

モイラは過去に主演したSF映画のポスターを自宅に飾っているのだろう。ハウジングコストの高いニューヨークに家があるにもかかわらず、冬はフロリダの別荘へ……。優雅な暮らしをしているようだ。MCUではケイトの“おば”ということなので、ケイトの母エレノアか、亡き父デレクの姉妹ということだろう。モイラは原作コミックでは俳優を引退した老齢の女性だったが、エレノアとそれほど歳が変わらないとすれば、MCUでは元ハリウッドスターではなく、現役のスター俳優なのかもしれない。

ウエストコースト・アベンジャーズ結成?

そして、ケイトのおばという設定になったモイラ・ブランドンが重要になる理由は、原作コミックの展開にある。モイラ・ブランドンは1984年から始まった「ウエストコースト・アベンジャーズ」(後に「アベンジャーズ・ウエストコースト」に改題)シリーズで、ウエストコースト・アベンジャーズに本部となる場所を提供するのだ。

俳優を引退してロサンゼルスの沿岸にあるパロス・ベルデスという地域の大豪邸に住んでいたモイラ・ブランドン。ニューヨーク中心のメンバー編成となっていた本家アベンジャーズは、西海岸を担当するセカンドチーム、ウエストコースト・アベンジャーズのためにこの不動産を買い取る。その後、モイラはアベンジャーズの戦いに巻き込まれて死んでしまうのだが、チームはモイラをウエストコースト・アベンジャーズの名誉アベンジャーに任命している。

つまり、原作コミックでウエストコースト・アベンジャーズに不動産を提供して助けた人物が、MCUではケイトのおばという設定になっているのだ。それもお金持ちという設定を引き継いでいる。MCUのモイラも、ウエストコースト・アベンジャーズか新たなアベンジャーズのスポンサーになってくれる存在なのかもしれない。だが、重要なのはそれだけではない。

ウエストコースト・アベンジャーズはその名の通り、西海岸を守るアベンジャーズの新チームだ。マーベル・コミックの本社はニューヨークにあり、コミックアーティストの多くがニューヨークを拠点にしていた。そのせいか、コミック版のマーベルキャラは伝統的に東海岸であるニューヨークに拠点を置くヒーローが多かった。

そこで立案されたのが西海岸を守るウエストコースト・アベンジャーズで、物語の中でその立ち上げを任されたのが、ほかでもないホークアイことクリント・バートンだったのだ。そして、その後解散したウエストコースト・アベンジャーズを復活させ、率いているのがケイト・ビショップなのである。

原作コミックでウエストコースト・アベンジャーズを率いた二人を中心に据えているドラマ『ホークアイ』。ウエストコースト・アベンジャーズに本拠地を提供したモイラ・ブランドンが、ケイトのおばというポジションで登場したことには、何らかの意図があると見てよいだろう。

ケイトの本命はヤング・アベンジャーズではない?

実はケイト・ビショップはMCU参戦にあたって、ヤング・アベンジャーズへの参加が見込まれていた。MCUフェーズ4ではこれまで、ドラマ『ワンダヴィジョン』のウィッカン&スピード(ワンダが産んだ双子のビリー&トミー)、ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のイーライ・ブラッドリー(イザイア・ブラッドリーの孫)、ドラマ『ロキ』のキッド・ロキと、原作コミックでヤング・アベンジャーズに所属するキャラクターを次々と登場させている。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) にも、トニー・スタークの葬式の場面で、タイ・シンプキンス演じる『アイアンマン3』(2012) で登場した少年ハーレー・キーナーが映り込んでいる。ハーレー・キーナーはコミック版でアイアンラッドというヒーローになり、後にヤング・アベンジャーズに所属する。

コミック版のヤング・アベンジャーズは、本家アベンジャーズが解散した後に若手ヒーローが集まって結成されたチームだ。二代目ホークアイになったケイト・ビショップもヤング・アベンジャーズの追加メンバーであり、ドラマ『ホークアイ』でのケイトの登場は、MCUにおけるヤング・アベンジャーズ結成を加速する展開だと見られていた。

だが、今回ウエストコースト・アベンジャーズの名誉メンバーであるモイラ・ブランドンがケイトのおばという設定で登場した以上、MCU版ケイトの本命はウエストコースト・アベンジャーズである可能性が浮上した。ファン目線でブランディングを考えられるケイトのことだ。ヤング・アベンジャーズの一メンバーに収まるよりも、ウエストコースト・アベンジャーズのリーダーとして活躍してほしいが、果たして。

なお、クリント・バートンを演じるジェレミー・レナーは、2021年11月20日に公開された英BBC Radio1のインタビューで、「彼(クリント)はウエストコースト・アベンジャーズのリーダーでした。個人的には、彼がキャプテン・アメリカのようなリーダーの役割を演じるのは見てみたいです。実際、うまくいくと思いますよ」と話している。クリントは引退せず、ウエストコースト・アベンジャーズで後継を育てるポジションに就くという展開もあるかもしれない。

どうなるMCUフェーズ4の“アベンジャーズ”

実際、MCUフェーズ4に入ってから、チームとしてのアベンジャーズはまだまとまりを見せていない。映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021) では、ハルクことブルース・バナー、キャプテン・マーベルことキャロル・ダンバース、そしてウォンが、アベンジャーズのメンバーのように振る舞っていた、だが、ウォンはこのチームを「サーカス」と呼んでおり、「アベンジャーズ」とは呼んでいなかったのだ。

このシーンの詳しい解説はこちらの記事で。

MCUでもフェーズ3までは、アイアンマンことトニー・スタークや、スパイダーマンことピーター・パーカー、ドクター・ストレンジことスティーブ・ストレンジ、キャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースらが、ニューヨークを拠点にしていた。スターク・タワーを改装したアベンジャーズ・タワーはニューヨークに建っており、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016) から登場したアベンジャーズの新本部はニューヨークの北部に位置している。

最後のアベンジャーズ本部は『エンドゲーム』で崩壊。同時にアベンジャーズの本部=ニューヨークという図式は崩れた。ドラマ『ホークアイ』では、崩壊した本部跡地から見つかったローニンのアイテムや謎の“時計”が登場しており、“過去の精算”がテーマになっているようにも思える。

フェーズ3で登場したアントマンことスコット・ラング、フェーズ4から登場のシャン・チーは西海岸(とはいえ北カリフォルニアのサンフランシスコだが)を拠点にしているため、“西側のアベンジャーズ”結成は十分にありうる。

とすれば、前述のヤング・アベンジャーズ勢とは違う勢力が形成されることになるだろう。キャプテン・マーベルを中心に、本家のアベンジャーズも同時並行で存続していくかもしれない。MCUフェーズ4からは、アベンジャーズは複数に分派していくという可能性もあるのではないだろうか。

バックアップする政府の中には、信頼できない者も多い。そうなった時に、ウエストコースト・アベンジャーズをモイラ・ブランドンが助け、チームを率いるのがケイト・ビショップになると考えれば、ドラマ『ホークアイ』の見方も少し変わってくる。

“ファン”だったケイト・ビショップはMCUにとってどのような存在になっていくのか、ドラマ『ホークアイ』の物語をしかと見届けよう(ケイトが西海岸に行くそぶりを見せたら要注意だ)。

ドラマ『ホークアイ』は2021年11月24日(水)より、Disney+で独占配信中。

ドラマ『ホークアイ』(Disney+)

原作コミック『ホークアイ』はKindleで日本語訳版が発売中。

ケイト・ビショップがウエストコースト・アベンジャーズを率いる『ウエスト・コースト・アベンジャーズ』の日本語訳は単行本とKindleで全2巻が発売されている。

『ホークアイ』第1話のネタバレ解説はこちらから。

第1話に登場した「サノスは正しかった」という落書きについての考察はこちらの記事で。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

『ホークアイ』のMCUにおける時系列と、フェーズ4のタイムラインについての解説はこちらの記事で。

ドラマ『ホークアイ』のヴィラン候補まとめはこちらから。

スパイダーマンが本作に登場するかどうかの考察はこちらから。

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映画『ブラック・ウィドウ』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

映画『エターナルズ』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の予告編解説と考察はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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