『ワンダヴィジョン』で注目のビリーとトミー
Dsiney+で配信されているMCU最新作『ワンダヴィジョン』で、あるコンビが一際注目を集めている。ワンダ&ヴィジョン、ダーシー・ルイス&ジミー・ウーに負けず劣らず、今後のマーベルを担っていくホープとして期待されているのがビリーとトミーの二人だ。
今回は、原作コミックでのビリーとトミーの活躍を振り返りながら、MCUにおける今後の展開を考察していく。
以下の内容は、ドラマ『ワンダヴィジョン』第6話までの内容に関するネタバレを含みます。
『ワンダヴィジョン』初登場は第3話
『ワンダヴィジョン』におけるビリーとトミーの初登場は第3話。ワンダがトミーを出産し、次にビリーが産まれた。
第5話で0歳から5歳、5歳から10歳へと急激に成長を遂げたビリーとトミーは、第6話で各々のスーパーパワーを開花させる。トミーはクイックシルバーことピエトロの高速移動の能力を引き継ぎ、ビリーはワンダのサイキック能力を引き継ぐ。第6話はハロウィーン回で、ビリーもトミーもコミック版でのスーパーヒーローとしてのコスプレをしており、今後MCUでヒーローとして中心的な役割を担う可能性は高い。
コミックでの初登場は1985年
では、ビリーとトミーは原作コミックではどのような遍歴を持っているのだろうか。まず二人が誕生したのは1986年のこと。『Vision and The Scarlet Witch』第12号でワンダとヴィジョンの間に生まれた。なお、この時出産に立ち会った医師はドクター・ストレンジだ。
この回は『Vision and The Scarlet Witch』の最終回にあたり、次に双子が登場するのは1988年に刊行された『West Coast Avengers』の第51号だ。同号では、ワンダの魔法の力で誕生したと思われていた双子が、メフィストという名のヴィランの魂から生み出された存在だったということが判明する。双子はマスター・パンデモニウムというヴィランに奪われ、その両腕に吸収されてしまう。そしてその魂はメフィストの元に戻っている。
次に2005年に刊行され、日本語訳もされている『ハウス・オブ・M』で、スカーレット・ウィッチことワンダは現実改変能力を使って失った自分の子ども達を復活させる。厳密には、現実改変能力を使い、アベンジャーズとX-MENのメンバーを含む人々が抱く理想の世界を実現させたのだ。なお、『ハウス・オブ・M』はアベンジャーズとX-MENを集結させた上で、後のマーベルに大きな影響をもたらすことになった“全ミュータントの消失”というマーベル史上最大級の事件を描いた。
転生し再会したビリーとトミー
1985年の初登場から約20年が経過し、二人は『Young Avengers』(2005-2014) で遂にヒーローとして再登場を果たす。『West Coast Avengers』の設定が採用され、ビリーとトミーの魂は吸収されたメフィストを打ち破り、その魂が別々の命に転生したことになっている。このため、ビリーはウィリアム・“ビリー”・カプランという名前に、トミーはトーマス・“トミー”・シェパードという名前になり、それぞれに両親がいる。
先に再登場を果たしたのはビリー。ゲイであることを理由に学校でいじめられていたが、ある日、スカーレット・ウィッチことワンダに遭遇し、ワンダはビリーに触れてそのパワーを目覚めさせた。その後、ビリーは能力を使って他の子をいじめていた人間を半殺しにしている。
ビリーの能力はワンダに似た能力で、エネルギー体を発現させることや、意識を集中させることで現実を改変することもできる。ビリーはその後、アイアンラッドとヴィジョンが率いるヤング・アベンジャーズに勧誘される。ヒーローとしては、途中で名前をアスガーディアンからウィッカン (魔術師の意) に変更。同じくゲイであるハルクリングと結婚する。
なお、ビリーがドクター・ストレンジに弟子入りする作品も存在するなど、ドクター・ストレンジとの関係は深く、MCU「ドクター・ストレンジ」シリーズの第2作目『ドクター・ストレンジ/イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス (原題)』(2022年公開予定) にビリーが登場する可能性も残されている。
『ワンダヴィジョン』では、ビリーは第6話で窮地に陥ったヴィジョンの声を感知するテレキック能力を開花させている。
トミーはというと、捕らえられたハルクリングを助けるための新メンバーとしてヤングアベンジャーズにリクルートされる。クイックシルバーから引き継いだそのスーパーパワーを恐れられ捕らえられていたトミーは、ヴィジョン達に解放され、ヤングアベンジャーズに加わる。ちなみにトミーの出身地は『ワンダヴィジョン』の舞台になっているニュージャージーという設定になっている。
トミーは叔父のクイックシルバーことピエトロと同じ超スピードのパワーを持つ。水の上を走れるほどのスピードを持っており、ヒーロー名も“スピード”というそのままの名前を名乗っている。こうした経緯から、『ワンダヴィジョン』第6話では、トミーはピエトロと同じクイックシルバーの衣装に身を包んでいる。なお、ビリーはゲイという設定だが、トミーはバイセクシャルという設定で、2020年に入り、『Empyre』シリーズでプロディジーという名のヒーローとカップルになっている。
『ウィッカン&スピード』はある?
2010年から2012年まで刊行された『Avengers: The Children’s Crusade』では、ビリーとトミーの二人は、祖父のマグニートーやアベンジャーズと共に『ハウス・オブ・M』で姿を消したスカーレット・ウィッチことワンダの居場所を探す。ここではワンダと同じ能力を持つウィッカンことビリーが中心的な役割を果たしている。
なお、2008年に刊行された『Young Avengers Presents』第3号のサブタイトルは、ズバリ「ウィッカン&スピード」。このシリーズはイシュー毎にアベンジャーズメンバーの名前が冠されているが、ウィッカンとスピードはセットの扱いになっている。このエピソードでは、ウィッカンとスピードの前にワンダを探すマスター・パンデモニウムが登場し、二人はこれに挑む。
コミックで一度だけ実現した『ウィッカン&スピード』というタイトルは、2021年3月19日から配信を開始する『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のようなバディものドラマの登場を期待させる並びになっている。二人は、コミックの方でも今後のアベンジャーズを担っていく重要な存在だ。ビリーとトミーを主演に据えたMCU作品の登場は近いのかもしれない。その前に、『ワンダヴィジョン』で二人がどのようなラストを迎えるのか、しっかり見届けよう。
ドラマ『ワンダヴィジョン』はDisney+で独占配信中。
『ワンダヴィジョン』第1話のネタバレ解説・あらすじ&考察はこちらの記事から。
『ワンダヴィジョン』第2話のネタバレ解説・あらすじ&考察はこちらの記事から。
『ワンダヴィジョン』第3話のネタバレ解説・あらすじ&考察はこちらの記事から。
『ワンダヴィジョン』第4話のネタバレ解説・あらすじ&考察はこちらの記事から。
『ワンダヴィジョン』第5話のネタバレ解説・あらすじ&考察はこちらの記事から。
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