ドラマ『ホークアイ』配信スタート
Disney+独占配信のMCUドラマ第4弾『ホークアイ』が2021年11月24日(水)より配信を開始した。ドラマ『ホークアイ』では、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015) と『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) の経験をへて、“アベンジャーズを辞めたい”と思っているクリント・バートンの姿が描かれる。
クリスマスを家族と過ごそうとするクリント前に現れるのは、幼い頃に『アベンジャーズ』(2012) の戦いでホークアイに助けられ、ヒーローに憧れを持つケイト・ビショップ。次々とトラブルに巻き込まれるケイトと、血に塗れた自分の過去と向き合おうとするクリントは、一風変わったバディとしてニューヨークの街で迫りく来る敵に挑む。
今回注目したいのは、ドラマ『ホークアイ』の舞台がニューヨークに設定されていることだ。ホークアイは元祖アベンジャーズのメンバー6人の内の一人であり、『アベンジャーズ』の戦いの舞台になったのもニューヨークだ。故に第1話では、ニューヨークの人々がホークアイとしてのクリントに優しくしてくれる場面も。
そして、ニューヨークといえば忘れてはいけないのはスパイダーマンの存在だろう。スパイダーマンといえばアメリカでは2021年12月17日(金)に、日本では2022年1月7日(金)に最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の公開が予定されている。同じ時期にニューヨークを舞台にした映画とドラマが公開されるのは偶然なのだろうか。
果たして、ドラマ『ホークアイ』ではスパイダーマンが登場するのか、そしてスパイダーマンが登場するかしないかがMCUにとってどのような意味を持つのか。出演者のコメントも見ながら、考察してみよう。
以下の内容は、ドラマ『ホークアイ』第1話と映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019) の内容に関するネタバレを含みます。
『ホークアイ』とスパイダーマン
ドラマ『ホークアイ』では、第1話にはスパイダーマンが登場しなかった。通常時なら、ニューヨークで事件が起きればスパイダーマンが登場する可能性ある。すべての事件に関与することはできないだろうが、ローニン(ケイト)の登場でピーター・パーカーが動き出す可能性は十分にあった。
だが、2024年6月〜7月を舞台にした映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019) では、スパイダーマンへの信頼が失墜。ドラマ『ホークアイ』の舞台はその半年後の2024年末(または2025年末)に設定されていることから、スパイダーマンが通常の活動を行なっているかどうかは怪しい。
『ホークアイ』の時系列についてはこちらの記事で詳しく解説している。
また、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の舞台は、『ファー・フロム・ホーム』の直後に設定されている。もしも『ホークアイ』の物語にスパイダーマンことピーター・パーカーが一切絡まないとすれば、ピーターはスパイダーマンを引退するか、別のユニバースに行ってしまっている可能性も考えられる。
また、ニューヨークに住んでいるのはドクター・ストレンジも同様だ。ストレンジはマンハッタンに住んでおり(スパイダーマンはクインズ)、ケイトのアパートもマンハッタンにある。ドクター・ストレンジは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』でマルチバースの扉を開いてしまう。だが、そのわずか数ヶ月後を舞台にした『ホークアイ』では、ニューヨークの街は無事にクリスマスシーズンを迎えられているようだ。ドラマ『ホークアイ』でストレンジに関する内容が出てくるかどうかも要チェックだ。
もちろん、ドラマ『ホークアイ』の舞台がニューヨークだからといって、他のヒーローが出てこなければいけない道理はない。スパイダーマンが普通に活動を続けていたとしても、ニューヨーク中のすべての事件を捕捉できるわけではないだろうから、単にすれ違うことがなかったと片付けることもできるだろう。
ケイト役ヘイリー・スタインフェルドがコメント
なお、『ホークアイ』にスパイダーマンが登場するのか問題については、ケイト・ビショップ役を演じたヘイリー・スタインフェルドがコメントしている。米人気トーク番組の『ザ・トゥナイト・ショー・スターリング・ジミー・ファロン』(2014-) に出演したヘイリー・スタインフェルドは、「スパイダーマンはニューヨーク出身ですよね。……(『ホークアイ』に)スパイダーマンが出て来たらクールじゃありませんか?」と聞かれ、以下のように答えている。
そうなれば最高ですね。とても最高だと思います。そうなれば驚きですよ。(「ケイトにとっても?」と聞かれ、)十中八九そうでしょうね。彼女にとっては間違いなく。
当然、ヘイリー・スタインフェルドは否定もしなかったが、決して口を割ることもなかった。ニューヨーク出身でアベンジャーズファンであるケイトというキャラクターにとっても、スパイダーマンと出会うことは驚きに満ちたものになると述べるに留めている。
なお、ヘイリー・スタインフェルドは『スパイダーマン:スパイダーバース』(2019) にも声優として参加しており、スパイダーグウェンことグウェン・ステイシーを演じている。スパイダーマン と縁の深いスタインフェルドだが、『ホークアイ』ではスパイダーマンとの共演はあるのだろうか。
ヴィランにも注目
一方、ドラマ『ホークアイ』でスパイダーマンに関連して注目すべきなのは、ヴィランの存在だ。こちらの『ホークアイ』のヴィラン予想記事でも解説した通り、本作のヴィランとしてキングピンが登場する可能性がある。
キングピンは元々、コミック「アメイジング・スパイダーマン」シリーズのヴィランだ。コミック版のキングピンは、ドラマ『ホークアイ』への登場が確定しているエコーやクラウン、トラックスーツ・マフィアといったヴィランの雇い主であり、キングピンが本作の黒幕として控えているという予想が成り立つのだ。
また、『ホークアイ』第1話では、闇オークションでローニンの刀が出品される際に、ローニンが「犯罪組織が握る地位と権力をほぼ無にした男」と紹介される。だが、この紹介には、字幕でも日本語吹き替えでも「the city」という単語が省略されている。英語では「Ronin decimated the criminal underworld of the city.」と言っており、「この街の犯罪組織を衰退させた」と紹介されていることが分かる。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』におけるローニンは日本の東京で登場したが、このニューヨークの街でも悪を一掃していたということである。これは、ニューヨークの街を助けてきたスパイダーマンがサノスの指パッチンによって消えてしまったことから、クリントが強硬な手段に出たと考えることができる。
もしドラマ『ホークアイ』で裏社会の大物であるキングピンが登場するならば、ローニンが消え、『ノー・ウェイ・ホーム』でスパイダーマンが消えた(引退した)が故にキングピンが復活を遂げるという展開も想像できる。
もちろん、『ホークアイ』で直接『ノー・ウェイ・ホーム』のネタバレになるような展開は提示されないだろう。それでも、ある演出が何かの可能性を提示することは珍しくない。『ホークアイ』にスパイダーマンとキングピンは登場するのか、そもそもスパイダーマンとキングピンは2024年12月のニューヨークの街に存在しているのか……『ホークアイ』のストーリーから目が離せない。
ドラマ『ホークアイ』は2021年11月24日(水)より、Disney+で独占配信中。
原作コミック『ホークアイ』はKindleで日本語訳版が発売中。
『ホークアイ』第1話のネタバレ解説はこちらから。
第1話に登場したサノスネタについての考察はこちらの記事で。
第2話のネタバレ解説はこちらから。
第2話で判明した、ケイトがウエストコースト・アベンジャーズのリーダーになる可能性についての考察はこちらの記事で。
ドラマ『ホークアイ』のヴィラン候補まとめはこちらから。
映画『ブラック・ウィドウ』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。『ホークアイ』には、エレーナの登場が期待されている。
映画『エターナルズ』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。
映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。
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