第3話ネタバレ解説! ドラマ『ホークアイ』エコーの過去、“おじさん”とは誰か あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

第3話ネタバレ解説! ドラマ『ホークアイ』エコーの過去、“おじさん”とは誰か あらすじ&考察

© 2021 Marvel

ドラマ『ホークアイ』第3話はどうなった?

Disney+で独占配信されているMCUドラマ『ホークアイ』は、今からちょうど10年前にスクリーンに登場したホークアイことクリント・バートンを主人公に据えた作品。家族とクリスマスを過ごしたいクリントと、ホークアイに憧れるケイト・ビショップとの出会いが描かれる。

『ホークアイ』の第1話第2話は同時に配信され、配信2週目には第3話が公開された。第3話から最終回直前の第5話までは女性監督ユニットのバート&バーティがエピソード監督を務める。バートはコアなファンには分かる小ネタを隠した公言しているが、どのようなエピソードになっているのだろうか。

今回はドラマ『ホークアイ』第3話「エコー」の各シーンをネタバレありであらすじと共に解説していく。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ホークアイ』第3話の内容に関するネタバレを含みます。

第3話「エコー」のネタバレあらすじ&解説

エコー/マヤ・ロペスのオリジン

ケイトがデュケイン殺害事件に巻き込まれたことにより、愛する子ども達を先にミズーリ州の家へ送り帰したクリント。ケイトはデュケイン殺しの犯人が母エレノアの婚約者であるジャックであると推測する。クリントは、ローニンとしてニューヨークの悪人を始末した過去を精算するためにわざと捕まる作戦に出るが、クリントが危機にあると思い込んだケイトが乱入し、二人は共に拘束されてしまうのだった。

第3話の冒頭は2007年まで遡る。第1話の冒頭で描かれた2012年のニューヨーク決戦の5年前、『アイアンマン』(2008) でアイアンマンが登場する1年前の話になる。MCUの世界ではスーパーヒーローが当たり前ではなかった時代だ。

学校の教室に座る少女は耳が聞こえないようだ。クラスメイトが楽しそうに話しているが、声が無音になっていく。少女はため息をつきながら教師の口の動きを読んで課題をこなしていく。少女を心配した教師が近寄ってきて、少女を「マヤ」と呼ぶ。ここでこの少女は、第2話のラストで登場したアラクア・コックス演じるエコーことマヤ・ロペスの約17年前の姿だということが分かる。

エコーことマヤ・ロペスはネイティブ・アメリカンで耳が聞こえないキャラクター。1999年に「デアデビル」シリーズで登場し、現在では単独主人公のコミックシリーズが刊行されている。MCUでは『エターナルズ』(2021) のマッカリに続く耳の聞こえないメインキャラクターであり、Disney+でスピンオフシリーズ『エコー(原題)』の配信が決まっている重要人物だ。

マヤのワークブックには「〜 learn how to play copoiera(カポエラを学ぶ)」などと書かれている(正しい綴りはcopoeiraである)。また、「〜 I run as fast as a dragon.(ドラゴンのように早く走る)」と記した所にはドラゴンの絵も描いている。「ドラゴンのように早く走る」という表現は可笑しいが、マヤは絵心もありユニークな子どもだったことが分かる。それを見た教師は思わず笑みを見せるのだった。

マヤは家ではネイティブ・アメリカンの父親と共に影絵で遊んでいる。壁に貼られた絵は、手形アートで鳥を描いているようだ。原作コミックのエコーは顔に手形が付いているのが特徴である。

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マヤは手話を使って父に次々と質問を投げかける。空の音、ドラゴンの声、ドラゴンが本当にいるかどうか——父は「ドラゴンは別の世界に住んでいる」と話すが、これは映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021) でター・ローの村にいた竜の存在を想起させる。

マヤが、自分は耳が聞こえない子ども達の学校に通わないのかと父に尋ねると、父は「必要ない」と答える。障がいがある子どもとそうではない子どもを分けるのではなく、共生する社会を作っていくインクルーシブ教育の考え方だ。一方、マヤは手話をやめなきゃダメかとも問いかける。耳が聞こえる人たちと耳が聞こえない人たちのどちらの世界にも属せない感覚を抱いているのだろう。

これに対してマヤの父は、学ぶことで「二つの世界を行き来できる」ようになると話す。「どちらにも属せない」のではなく、「どちらも行き来できる」と教えるのだ。これは、MCUのマルチバース展開も示唆しているが、耳が聞こえないことをネガティブなこととして描かないマーベルの姿勢が現れている。そして、父はその方法として「よく見る」ようにとマヤに教えるのだった。

「おじさん」登場

マヤは空手を習うが、他の子ども達の手合わせを「よく見て」いる。エコーの能力は、相手の動きをよく見ることでそのスキルをコピーすることであり、その力が父の教えによって幼い頃から鍛えられていたということを示している。

だが、その父は空手教室でマヤを置いて先に出かけてしまう。「おじさん」がマヤを連れ帰るというが、明らかに怪しい黒服の人物で、表情が映されることはない。まさか、この人物は「スパイダーマン」シリーズでお馴染みのヴィラン、キングピンだろうか。原作コミックではエコーはキングピンに雇われている。キングピンの特徴は真っ白なスーツだが、この「おじさん」は黒のスーツを着ている。

恰幅の良い少年と手合わせをするマヤの右足は義足であることが分かる。これは原作の設定ではなく、MCUでマヤを演じるアラクア・コックス自身の右足が義足であることから設定されたものだろう。最近までAmazon倉庫で働いていたというアラクア・コックスのキャリアはこちらの記事で紹介している。

マヤは先ほど見た手合わせから動くを学習し、遥かに体格の大きい相手を倒してしまう。大人になったマヤはなおも格闘技を続けている。マヤがリングに立つシーンで流れている曲はSweet Spiritの「Touch」(2018) で、「あなたは大統領、私は傷心」と歌われている箇所がクローズアップされている。

バイクで帰宅したマヤは、ローニンが殺戮を繰り広げる場面に出くわす。戦うために突入するが、ローニンは父を刺して去った後だった。マヤの父も裏社会の人間だったのだろうか。

父は最後に手話で「遠くへ飛びされ、小さなドラゴンよ」と言い残し、命を引き取る。マヤの頬に残った血の痕は、原作コミックのエコーのビジュアルを想起させる。今回の『ホークアイ』はここでタイトルロゴが登場。マヤのオリジンを提示して、ストーリーは現代に戻る。ローニンはマヤにとって父の仇だったのだ。

ローニンの“死”

クリント・バートンとケイト・ビショップはジャージ・マフィアに捕まったまま。クリントはやはり、ケイトがローニンではないことを証明しようとしていたそうだ。ジャージ・マフィアの一人は電話口に怒り散らしているが彼の言う「イマジン・ドラゴンズ」とは「Radioactive」(2012) などが大ヒットを記録した有名なアメリカのバンドだ。若い人からの人気も高いが、ケイトは好きではないらしい。しかしこの場面でも敵と対話できるのはケイト・ビショップの強みだろう。

そこに現れたのはマヤ・ロペス。瞬時にケイトの口の動きやクリントの耳の補聴器をその目に捉える。隣にいるのはカジだ。カジは、原作コミックではクラウンという名のヴィランになる。マヤは補聴器をつけているクリントに手話をさせるために拘束を解くと、手話で話しかける。難聴だけで聴覚障がいではないと応答するクリントは、それほど手話が達者なわけではないらしい。第2話ではアベンジャーズの戦いの中で聴覚が失われていったことが明かされており、長くてもこの10年の中での出来事であることが示唆されていた。

マヤはクリントに「機械に頼りすぎ」と語りかけるが、武器のことを言っていると勘違いする。確かにアイアンマンやアントマンと比べれば、ホークアイは機械には頼っていない。だがマヤが言っているのは補聴器のことだ。「ない方が幸せかも」と、なかなか人間的な助言をしてくれている。この場面ではカジが手話の通訳を担当している。マヤにとっては大事な人材なのだろう。

これに対してクリントは「時々そう思う」と返答。第1話では見たくないアベンジャーズのミュージカルを前にして補聴器の電源を切って音を遮断していた。『エターナルズ』で耳が聞こえないマッカリを演じたローレン・リドロフは、耳が聞こえないことによる利点を伝えていきたいと発言していたが、この場面でも、耳が聞こえないことには利点もあるということが示されている。

クリントはケイトを「まだ子どもだ」とローニンの正体ではないとマヤに弁明する。この時クリントは英語で「she is nine.(まだ9歳だ)」とまで言っている。だが、ケイトが部下を倒し、あのホークアイを助けにきたということ、そしてローニン自体は戻ったとマヤは抗議。これに対して、クリントはローニンが死んだとして、ローニンを殺した相手を「ブラック・ウィドウ」と答えるのだった。

このシーンでは、マヤの一人称視点に移すことで、クリントの声で「ブラック・ウィドウ」という言葉が聞こえないように演出が施されている。そして、クリントがローニンを殺したのはブラック・ウィドウだと言ったのは、決して言い逃れではないだろう。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) では、日本でヤクザを殺戮していたローニンをナターシャが迎えに来て、クリントはローニンから足を洗うことができた。あの日、ローニンは死んだのだ。

おもちゃ屋さんの戦い

マヤは、これをクリントの嘘だと判断し、父の仇であるローニンの姿をケイトに重ね合わせると、感情を抑えきれなくなりケイトの首を絞め始める。これをカジが止めると、内輪揉めをしている間にクリントは手を縛られていたテープを切って脱出。かつておもちゃ屋だったジャージ・マフィアのアジトを所狭しと逃げ回る。

マヤは元アベンジャーズであるホークアイ相手に流石の格闘術を披露。右足が義足であることを知らないクリントの隙をついて顔面にハイキックを入れると、補聴器は吹っ飛び、クリントは倒れ込んでしまう。このシーンは、左腕が義手であるウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズの戦い方を想起させる。

マヤは容赦無く補聴器を踏みつぶすが、クリントは弓矢を見つけると驚異の凄腕を見せてマヤの足止めとケイトの解放に成功する。ケイトの両手を拘束したテープの隙間を狙うとは、流石の腕前である。ボールプールやトランポリン、カートなどを使った楽しいファイトシーンが描かれる。

クリントは補聴器を壊されたため、口を見ない限りケイトが喋りかけていることが分からない。外に出た二人は車を盗んで逃げることに。“かっこいい方の車”で逃げようとするケイトだったが、クリントは既に別のクリントのガラスを割っていた。このシーンの字幕は「72年式チャレンジャーだぞ」となっているが、その前に「I’m not smashing」と言っており、クリントはクラシックカーの窓を破りたくないと思っていることが分かる。

クリントから運転するよう言われたケイトだが、運転できないと主張する。運転といえば『シャン・チー/テン・リングスの伝説』で登場したシャン・チーの親友ケイティを思い出す。ケイトと名前が似ているが、こちらは名ドライバーという設定だ。飛行機を飛ばせるのはサム・ウィルソンだし、各キャラクターの乗り物操作のスキルもMCUでは重要になる。

そして、クリントが車を発進させたところから、長回しに見える演出が始まる。第1話冒頭で少女時代のケイトが家から逃げようとした時にも同様に長回しに見える演出が取り入れられていた。なお、ドラマ『ロキ』(2021) 第3話でもラストシーンは長回しに見えるショットが取り入れられていたが、実際には長回しではなくカットを繋いで長回しに見えるようしていた。

なお、『ホークアイ』第3話のカーチェイスシーンで流れている曲は、Trans Siberian Orchestraの「A Mad Russian’s Christmas」(1996) だ。チャイコフスキーの「くるみ割り人形 ロシアの踊り」(1982) をカバーした楽曲である。

カーチェイスで見せたコンビネーション

4台のジャージ・マフィアの車両から追われる二人。自分の弓矢を回収できなかったケイトは、ホークアイの矢を使って敵を撃退しようとする。クリントは「これはダメ、これもダメ」と矢を抜いていき、ケイトに選ばせたのは比較的安全な“粘土矢”。フロントガラスに命中して、カジが乗る車は脱落。クリントは、次は“パテ矢”を使うよう指示を出すが、ケイトは矢にラベルをつけるよう注文。クリントは頷いているが実際にはケイトの声は聞こえていないというコミカルなシーンが描かれている。

半身を乗り出したケイトが撃ちやすいように、クリントはバックで逆走。ドライビングスキルも見事だ。ちなみにクリントは左利きだが、ケイトは右利き。弓を撃つときの利き腕の違いを考慮するのも優しさである。

そしてケイトが放った矢は爆発する仕様のもので、敵の車は爆発し、これで残り2台に。だが、マヤが運転する車に放った矢はただの“吸盤矢”。マヤが乗っている車は先ほどの72年式チャレンジャーだ。フロントガラスから粘土が落ちてきたカジの車も復帰して追ってくる。この場面でクリント達の車は裸のクリスマス・ツリーが並ぶ土地に入っていくが、これはアメリカ各地でクリスマス前に毎年出現するツリーの即売会場である。

周囲のものを引き寄せるトリック・アローで再びカジの車を撃退すると、“アシッド矢”の酸で信号を落とし、マヤが運転する車との一騎打ちになる。マヤの車から自分の弓を奪還したケイトは煙が噴出される矢を放ち、マヤの車も撃退する。

それでも、トラックで突っ込もうとするジャージ・マフィアに、クリントはとっておきの矢を用意。ケイトに放たせた普通の矢に、クリントが先端に「PYM」と記された矢を放つと、命中するなりケイトの矢は巨大化。落下した矢はトラックの荷台に命中する。

「PYM」とはもちろん「アントマン」シリーズでお馴染みのハンク・ピム博士が発見したピム粒子を指している。ピム粒子は物体や生物の質量を変化させる粒子でアントマンが小さくなったり巨大化したりする際に使用されている。クリントはピム博士からこの矢を開発してもらったのだろうか。

続いてクリントがケイトに渡したのは“USB矢”。ぼやき続けるケイトだが、補聴器がないためクリントが終始無反応になっており、それによってアクションのテンポが保たれている。クリントとケイトは、橋の下を電車が通るタイミングで飛び降り、『アベンジャーズ』のホークアイの落下シーンが再現される。第1話冒頭、ケイトが幼い頃に見たあの場面である。

その時と同様、ワイヤーをひっかけて下階へ。今回は走行中の電車の屋根に飛び乗ると、“吸盤矢”を使って滑り落ちるのを阻止。二人はジャージ・マフィアから逃げ切ることに成功する。犬の心配をするケイトをよそに「弓の腕は世界クラスだ」と称賛するクリント。補聴器がないため会話は一方通行だ。しかし、その後には「犬の散歩をしなきゃな」と、クリントはケイトと全くセリフをこぼす。自分と同じ発想をしていたことにケイトは嬉しそうにしている。

舞台は2024年12月?

次に「サンタ父さん、金をくれ/くだらないおもちゃはいらない」と歌うザ・キンクス「Father Christmas」(1977) の曲が流れる中、一休みするクリントの姿が映し出される。

電話をかけてきたのは妻のローラかと思いきや、末っ子のナサニエル。補聴器がないクリントのために、ケイトは筆談で通訳をしてあげる。ケイトを演じたヘイリー・スタインフェルドは、ケイトという人物について、「家族を大切にする人だし、自分の周りの人をとても気遣っている」と話している

だが、クリントは子ども達と約束した「映画マラソン」が今夜だったことを思い出す。ケイトは気まずそうな表情を見せるが、ナサニエルは“帰れない父”に理解を示す。幼心に気を使わせてしまったクリントは改めて必ず帰ると約束して電話を切る。「I love you」の声は聞こえていなくても「I love you more」と返すクリント。トニー・スタークの「I love you 3,000 (三千回愛してる)」を思い出す切ない場面だ。

一方、ジャージ・マフィアはアジトがバレたことで引越しを進めていた。カジはマヤに話があると言うが、マヤは周囲を気にしている。「こいつらはバカだから手話は分からない」とあしらうカジの姿は、『エターナルズ』でも登場した耳が聞こえない人を馬鹿にして陰口を言う人々へのミラーリングだ。

カジは「ローニンを追うなら目立つな。おじさんに感づかれたら……」とマヤに進言。カジはマヤの父の下で働いていたらしく、カジの僭越な行為に苛立ちを見せる。今はマヤがボスであることをカジに示し、クリント・バートンを調べるように指示を出すのだった。やはり、第3話冒頭で登場した“おじさん”がキーパーソンになるようだ。カジが恐るその人物とは一体誰なのだろうか。

ピザドックの散歩に出掛けたケイトとクリント。チャイニーズタウンで座り込んでいるが、後ろのポスターに「HAPPY NEW -」と「202-」と書かれている。蛇の絵も書かれており、中国の旧正月を祝うポスターであることが分かる。蛇=辰年は2024年であり、旧正月は2月である。ポスターはかなり汚れているため、すでに10ヶ月が経っていてもおかしくはない。とすれば、『ホークアイ』の舞台は2024年の12月なのだろうか。

なお、『ホークアイ』第1話と第2話、そして最終話で監督を務めるリース・トーマスは、本作の舞台を「『エンドゲーム』から二年後」と語っている。舞台になった時期から見るフェーズ4の考察とタイムラインはこちらの記事にまとめている。

ロールモデル

二人はチャイニーズタウンの医者を訪ねてきていた。補聴器を直してもらうも、ケイトのお喋り中は補聴器を外しているクリント。ケイトは「このためにトレーニングを続けてきた」と話し、父が人助けに命を捧げていたと父からの影響を明かす。

クリントは自身もかつてそう思っていたが、人助けには代償が伴うと吐露。「人を助けようとすれば多くの犠牲を伴う」とは、アベンジャーズの経験でもあり、一時は家族を失い、そしてナターシャという友を永遠に失ったクリント自身の経験でもある。

ケイトは「得るものもある」と反論するが、その中身は「イケてる矢とスーツ」。クリントは呆れてしまう。ケイトはクリントに、新しいコスチュームとして、原作コミックのクラシックなホークアイの姿を提示する。頭に翼と頭文字の「H」は、実際にはオリジナルのホークアイのビジュアルなのだが、それを完全にいじっている。

ローニンの正体にまで迫ろうとするケイトに対し、クリントは「自分はロールモデルではない」として、目立つことを拒む。ケイトは、自分が幼い頃から憧れロールモデルにしてきた人物の発言に焦りを見せるが、「私たちは一蓮托生」と言い、クリントを「相棒(パートナー)」と呼び始めるのだった。

クリントは、ジャージ・マフィアには「頭目の男」がいると説明。クリントが「関わるとマズい奴」とまで言っているというのは相当な相手だ。ローニンはその幹部と取引先を潰したのだという。マヤの父は幹部だったのだろう。

ケイトは、母の会社であるビショップ警備の犯罪者データベースにアクセスすることを提案。エレノアの家に忍び込んだ二人は、データベースからカジがスローン有限会社の従業員だったことを突き止める。だが、ジャックを調べようとしたところで、アカウントはロックされてしまう。そして、物音の方に近づいたクリントを待っていたのは、ローニンの刀を持つジャックだった。

第3話はここで終了。エンディング曲はサミー・デイヴィスJr.の「Sweet Gingerbread Man」(1970) 。「自分がジンジャーブレッドマンになった気分だ」と陽気に歌う曲で、第3話の終わり方とは非常にギャップがある。

なお、ジンジャーブレッドマンとは「シュレック」シリーズのキャラクターでもお馴染みの、人の形をしたクッキーで、クリスマスで定番のお菓子である。

ジンジャーブレッドマンほどは甘くない展開が待っていそうだが、第4話ではどのような展開を見せるのだろうか。

なお、第3話のエンドロールではカジに関する重大な事実が明かされている。詳細はこちらの記事で解説している。

ドラマ『ホークアイ』第3話考察

第3話は「エコー」というタイトルで、序盤はマヤ・ロペスのオリジンが描かれた。中盤はケイトとクリントの脱出劇。終盤は二人がバディとして信頼関係を築き始める展開に。終始チラついていたのは第3話で初めてその存在が言及された「おじさん」である。

こちらのヴィラン考察記事でも解説した通り、原作コミックのジャージ・マフィアとカジ、エコーはキングピンというヴィランの下で働いている。この「おじさん」がキングピンである可能性は限りなく高いのだが、気になるのはキングピンが既にNetflixドラマシリーズの『Marvel デアデビル』(2015-2018) に登場しているということだ。

既に製作が終了したNetflixのマーベルドラマシリーズは、Disney+とは競合にあるプラットフォームで配信されているわけだが、設定を引き継ぐことはあるのだろうか。設定を引き継がないとすれば、Netflixのマーベルドラマシリーズは「なかったこと」にされてしまうということでもある。

また、キングピン自体はアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』(2019) にも登場した通り、本来は「スパイダーマン」シリーズのヴィランでもある。原作コミックにおける強大なヴィランの一人でもあるため、シリーズを跨いだ活躍に期待したいが、果たして……。

キングピン登場の可能性については、スパイダーマンが登場するか否かの考察と共に、こちらの記事でも解説している。

『ホークアイ』もあっという間に全6話の後半戦へ。第4話の配信を楽しみに待とう。

原作コミック『ホークアイ』はKindleで日本語訳版が発売中。

ドラマ『ホークアイ』は2021年11月24日(水)より、Disney+で独占配信中。

ドラマ『ホークアイ』(Disney+) 

第4話のネタバレ解説はこちらから。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第1話に登場した「サノスは正しかった」という落書きについては、こちらで詳しく考察している。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第2話で判明した、ケイトがウエストコースト・アベンジャーズのリーダーになる可能性についての考察はこちらの記事で。

ドラマ『ホークアイ』のヴィラン候補まとめはこちらから。

MCUの時系列における『ホークアイ』の位置と、フェーズ4のタイムラインについての解説はこちらの記事で。

スパイダーマンが本作に登場するかどうかの考察はこちらから。

 

ドラマ『ロキ』のネタバレ解説はこちらから。

ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』のネタバレ解説はこちらから。

ドラマ『ワンダヴィジョン』のネタバレ解説はこちらから。

映画『ブラック・ウィドウ』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

映画『エターナルズ』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』のポストクレジットシーンの解説はこちらから。

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の予告編解説と考察はこちらから。

 

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齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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