ドラマ『スノーピアサー』はシーズン4へ
米TNTの人気SFドラマシリーズ『スノーピアサー』(2020-) のシーズン4製作が決定した。TNTが公開した動画の中で主演のダヴィード・ディグスが発表した。ドラマ『スノーピアサー』は2021年にシーズン2が公開され、シーズン3の製作が進められていた。
今回の動画ではシーズン3の一部出演者が並ぶ中、シーズン3の撮影終了を報告すると共にシーズン4の製作決定が発表されている。
主人公アンドレ・レイトンを演じるダヴィード・ディグスは、バンクーバーでシーズン3の撮影を終えようとしていることを報告。続いてシーズン4の製作が決まったことを報告した上で、熱心なファンなしには起こり得なかったと感謝を述べている。また、シーズン1とシーズン2を気に入った人はシーズン3とシーズン4も楽しめると明言し、物語は「より大きくなる」とヒントを提示している。
コミックから映画、ドラマへ
ドラマ『スノーピアサー』は2013年に製作されたSF映画『スノーピアサー』をドラマ化した作品。フランスのグラフィックノベル『Le Transperceneige』を原作とし、映画版は『パラサイト 半地下の家族』(2019) で知られるポン・ジュノ監督が指揮をとった。
ポン・ジュノ監督版にはクリス・エヴァンス、ソン・ガンホ、 ティルダ・スウィントン、オクタヴィア・スペンサー、エド・ハリス、ジョン・ハートといった豪華キャストが集結した。映画版では温暖化を食い止めようとした人類が無謀な施策によって地球に氷河期をもたらした2031年が舞台。人類の生き残りが最後の方舟である列車“スノーピアサー”に乗り込み、最後尾の車両で劣悪な生活を強いられる貧困層が、富裕層の住む前方車両列車への革命に挑む物語が描かれた。
『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』(2013-2017)のグレーム・マンソンがショーランナーを務めるドラマ版では、引き続き格差社会をテーマにしながら、車両数を1001両に拡大。それぞれの階級に属する人々を群像劇として描くことで、より複雑な社会の構造を表現することに成功している。シーズン1、シーズン2共に映画版にはなかった驚きの展開を見せる点もドラマ版の魅力だ。
ドラマ版ではヒップホップグループのクリッピングのメンバーとしても知られるダヴィード・ディグスが主演を務める。SF楽曲で二年連続ヒューゴー賞にもノミネートされたSF界ではお馴染みの人物だ。また、『ビューティフル・マインド』(2001) でアカデミー助演女優賞を受賞したジェニファー・コネリーがもう一人の主人公メラニーを演じたことで話題を呼んだ。
TNTの人気シリーズに成長
ドラマ『スノーピアサー』は北米では米放送局のTNTで放送されており、日本ではNetflixで配信されている。シーズン2、シーズン3も一つ前のシーズンの放送が始まる前に製作が発表されたが、シーズン4もまたシーズン3の放送前に製作が発表される異例の人気を誇っている。米Deadlineによると、ドラマ『スノーピアサー』の視聴者数はケーブルテレビのドラマとしてはトップ5に入るほどの人気で、TNTの幹部は「視聴者を増やし、高い視聴率を維持し続けている非常に成功したシリーズ」と評価している。
今回の動画では、ダヴィード・ディグスはシーズン3の放送について「まもなく (soon)」と表現している。物語のほとんどが列車の中で進んでいくという特殊な作りである『スノーピアサー』は、コロナ禍にあっても2020年5月にシーズン1、2021年1月にシーズン2を公開してきた。シーズン3、そしてシーズン4の早期配信にも期待しよう。
ドラマ『スノーピアサー』はNetflixで配信中。
シーズン1のあらすじはこちらから。
シーズン2のレビューはこちらから。
映画版の解説はこちらの記事で。