『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』いよいよ配信
Disney+で2021年3月19日(金)より配信を開始する『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』は、ウィンター・ソルジャーことバッキーを演じるセバスチャン・スタンと、ファルコンことサムを演じるアンソニー・マッキーを主演に据えたMCUドラマ最新作。初のDisney+オリジナルMCUドラマ『ワンダヴィジョン』に引き続き、新たな物語を届けてくれる。
『ワンダヴィジョン』の“考察させる”作りは、毎週視聴者を夢中にさせた。『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の予告でも、ヘルムート・ジモやシャロン・カーターの再登場に大きな期待が寄せられている。この二人が果たすであろう役割については、こちらの考察記事に詳しい。
それでも、ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の中心にいるのは、バッキーとサムだ。二人がMCUで積み重ねてきた歴史を踏まえた上で、本作ではどのような部分にフォーカスしていくのだろうか。
バッキーとサムが向き合うもの
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』でケヴィン・ファイギと共に製作総指揮を務め、脚本も手がけたマルコム・スペルマンは、米ニューヨーク・タイムズ紙で注目の発言を行った。バッキーについては「100歳になっても戦うことしかしてこなかった人」、サムについては「黒人にとっての素晴らしい点、つまり半分の距離を進むために2倍の努力をしなければいけない」というキャリアを積んできたと話す (「素晴らしい点」というのは、自身も黒人であるマルコム・スペルマンの皮肉である)。
その上で、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の内容について、以下のように話している。
誠実さを追求するならば、バッキーが通ってきたトラウマにも、サムが黒人であるという事実にも向き合わなければならないでしょう。
バッキーは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016) で、洗脳状態に置かれ、ヒドラのために働いていたことが明らかになった。更に『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』で再登場を果たすヘルムート・ジモにも操られるなど、散々な反省を過ごしてきた。『ブラックパンサー』(2018)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018) ではワカンダで匿われ、ブラック・パンサーことティ・チャラから新たな義手 (サイバネティック・アーム) を授けられている。自分の意思で戦場に戻ることを決意したのだ。
一方のサムは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019) でキャプテン・アメリカことスティーヴ・ロジャーズから盾を託された。トニー、ソーと並んで象徴的な“白人男性”だったスティーヴから、マイノリティである黒人のサムにアメリカの象徴とも言えるキャプテン・アメリカの盾が継承されたことは、大きな意味を持っていた (白人男性のビッグ3からの次世代への継承については、こちらの記事を参照)。
黒人のスーパーヒーローを描くこと
自身も黒人であるマルコム・スペルマンは、“黒人のスーパーヒーロー”を描くことについて、米TVLineに以下のように話している。
黒人のスーパーヒーローが自分の甥っ子に与えた影響を目の当たりにすると、それが脳裏に焼き付いてしまいました。『ファルコン&ウィンターソルジャー』は、『ブラックパンサー』のライアン・クーグラー監督とチャドウィック (ボーズマン) が私たちに遺してくれた責務をうまく継承した作品だと思います。黒人のキッズのためだけでなく、白人のキッズが、私たち黒人が大きな存在で、英雄的であるということを理解するためにも、このような巨大な黒人のアイコンは必要だと、私は心から信じています。
かつては「海外では売れないから、このプロジェクトに黒人の主役を起用してはいけない」と言われていたというマルコム・スペルマン。ブラック・パンサーに続く主役の黒人ヒーローが、今のアメリカを描く『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』で、“相棒”と共に新たな物語を提示してくれる。
ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』は2021年3月19日(金)より、Disney+で独占配信。
Source
ニューヨーク・タイムズ / TVLine