『ワンダヴィジョン』最終話をポールベタニーが語る
2021年1月に配信を開始したドラマ『ワンダヴィジョン』は3月に最終回を迎え、全9回のストーリーが完結した。各話ではサプライズ演出が相次いだが、特に物語のラストで注目を集めたのはポール・ベタニー演じるヴィジョンの“あの戦い”だろう。『ワンダヴィジョン』の最終話配信を終え、ポール・ベタニーがその裏側を語っている。
以下の内容は、ドラマ『ワンダヴィジョン』最終話の内容に関するネタバレを含みます。
“もう一人のヴィジョン”の苦労
『ワンダヴィジョン』におけるサプライズ演出の一つは、“もう一人のヴィジョン”の登場だ。“テセウスの船”を題材にした哲学的な対話を経て、二人が決着をつけた第9話のシーンについて、ポール・ベタニーはMarvel.comで以下のように語っている。
二人の違いを外面的なものと感じさせないよう区別するため——もちろん一方は白色でもう一方は紫色という違いはあるのですが——もう一人のヴィジョンは、親しみはあっても同時に威圧感のあるものにしたかったんです。それを実際にやるというのは怖かったですよ。(このシーンの) 撮影は終盤に予定されていたので、このシーンと向き合うことはやめていました。いくつかアイデアを練ってはいたんです。もう一人のヴィジョンが向かう場所に相当早く近づいていたので。大きな転換点が用意されていましたからね。本当に怖かったですよ！
実際にこのシーンの演技に挑んだポール・ベタニーは、演技に苦労した意外な姿を明かしている。
彼 (もう一人のヴィジョンのスタント) の戦い方を学ぶ必要がありました。彼は私の戦い方を覚えなければならず、その後、私たちは入れ替わって演技をする……非常に混乱しましたよ。加えて3〜4ページにわたるセリフがあったので、本当に混乱したんです。この大掛かりなシーンを一度に撮ったんですよ。私はセリフを覚えることができませんでした。セリフを覚えるのは得意な方です。でも、全然セリフを覚えられなかったんです。そこで気づきました。あぁ、自分は両方のことを同時に覚えようとしているのか、と。
私はヴィジョンの視点から学び、もう一人のヴィジョンの視点から学ぶ必要がありました。相手が何を言い、何を望んでいるのかを理解することで、演技が簡単になるからです。そして、頭の中には二つの相反する目的と願望が存在しているから、理解できないのだと気づいたのです。それは不可能なことでした。
実際の撮影にあたっては、スタントを担当したアダム・ライトルとの二人三脚だったという。ポール・ベタニーはアダム・ライトルを賞賛しつつ、“一人二役”で哲学的な対話をこなした苦労を共有している。『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』では悪役のドライデン・ヴォスを見事に演じるなど、数々の演技歴を持つポール・ベタニーをもってしても、『ワンダヴィジョン』は難しい仕事になったようだ。
“サプライズ”はもう一人の自分
なお、ポール・ベタニーは『ワンダヴィジョン』の終盤戦には新たなキャラクターの登場によるさらなるサプライズ演出が待っていると予告していたが、この回答は「もう一人のヴィジョン」ということだったようだ。ポール・ベタニーは同じインタビューで以下のように語っている。
インタビューで「この素晴らしい俳優と仕事をするのをずっと待っていた」と言ってきました。私がずっと一緒に仕事をしたいと思っていた素晴らしい俳優が、サプライズで (『ワンダヴィジョン』に) キャスティングされているってね。そして、二人で向き合ってこのとんでもないシーンを撮ることができました。そして、その俳優とは私だったんです！
一方、上空に向かって飛んで行ったもう一人のヴィジョンの行方は分からないまま。ポール・ベターが次にMCUで演じるヴィジョンは、こちらのヴィジョンということになるのだろうか。もう一人のヴィジョンの行方も含め、『ワンダヴィジョン』最終話で回収されなかった謎については、こちらの記事から。
ドラマ『ワンダヴィジョン』はDisney+で配信中。
次なるMCUドラマ『ファルコン＆ウィンター・ソルジャー』は2021年3月19日(金)より配信開始。
Source
Marvel.com
『ワンダヴィジョン』第1話のネタバレ解説・あらすじ＆考察はこちらの記事から。
『ワンダヴィジョン』最終話・第9話のネタバレ解説・あらすじ＆考察はこちらの記事から。
