ネタバレ解説!『ワンダヴィジョン』第9話 ラストの意味は? ダークホールドがMCUの鍵に? 最終回のあらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説!『ワンダヴィジョン』第9話 ラストの意味は? ダークホールドがMCUの鍵に? 最終回のあらすじ&考察

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『ワンダヴィジョン』最終話を徹底解説

Disney+で配信されているMCUドラマ『ワンダヴィジョン』は、毎回驚きの展開を見せ、新たな楽しみをもたらしてくれた。最終話配信時にはアクセスが集中して、一時Disney+が視聴できなくなる事態も発生。圧倒的な人気を見せつけている。

今回は、遂に最終話となる第9話を迎えた『ワンダヴィジョン』をネタバレありで解説していく。第8話ではワンダとアガサの過去が明らかになった。いよいよ決着の時を迎えるが、エンディングではどのようなメッセージが提示されていたのだろうか。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ワンダヴィジョン』第9話の内容に関するネタバレを含みます。

『ワンダヴィジョン』第9話のあらすじ&ネタバレ解説

ワンダvsアガサ、ヴィジョンvsホワイト・ヴィジョン

最終話となる『ワンダヴィジョン』第9話のタイトルは「シリーズ最終回」。“これまでのあらすじ”の最後には、アガサ・ハークネスがワンダに「カオス・マジックを使うあなたはスカーレット・ウィッチ」と告げたところで、ワンダがマインド・ストーンに触れた時に見た人影が映る。やはり、あの人物はスカーレット・ウィッチだったようだ。

ワンダはそのパワーを使い、子ども達を家に逃がしてアガサとの一騎討ちに臨む。だが、第8話の17世紀セイラムの回想で見た通り、アガサには相手の魔力を吸収する能力がある。アガサはワンダに魔力を譲り渡せば町を離れると持ちかけるが、隙をついたワンダがアガサに車を衝突させると、アガサはその姿を消す。

ここに現れたのは、真っ白なヴィジョン。原作コミックでも登場する“ホワイト・ヴィジョン”だ (ドラマのクレジット上は“The Vision”となっている)。ホワイト・ヴィジョンは感情を持たず、以前の記憶も持たない。オリジナルの身体を使ってはいるが、もうヴィジョンではないのだ。ワンダを殺そうとするホワイト・ヴィジョンを一蹴したのは、ワンダが創り出した方のヴィジョン。ワンダは「私が何をしたか話すべきだった」と話し、全てを「元に戻す」とヴィジョンに約束する。

しかし、ホワイト・ヴィジョンは生きており、ここにアガサも帰ってくる。ヴィジョンはホワイト・ヴィジョンと戦い、ワンダはアガサを追う。この様子を見守っていたのはモニカ。どうやらクイックシルバーこと偽のピエトロに監禁されているようだ。“ニセトロ”はやはりアガサの操り人形なのだろうか。

あの作品に繋がる「至高の魔術師」

ヴィジョンとホワイト・ヴィジョンが激闘を繰り広げる中、ヘックスの外ではヘイワード長官がこの戦いを指揮していた。ヘイワードはヴィジョンを兵器に利用したことを隠蔽するために、ヴィジョンの遺体はワンダが盗み出したということにしようとしている。「ヴィジョンが2人いたという証拠はない」と話し、ワンダを処分することで、ワンダに全ての罪を被せようしているのだ。

この話を聞いていたウー捜査官は、「クワンティコの友人が黙っちゃいないぞ」とヘイワードに告げる。クワンティコとは、『ワンダヴィジョン』第4話で登場した地名だ。作戦に疑問を呈したウー捜査官に対し、ヘイワードが「クワンティコに帰すぞ」と叱責している。クワンティコとは、FBIアカデミーが位置する米バージニア州の町の名前。ウー捜査官は「FBIが黙っちゃいないぞ」と反論しているということだ。監禁されたウーだったが、簡単に拘束を解いて外部との接触に成功する。

その頃、ワンダはウエストビューの中心地に来ていた。ワンダに不意打ちを食らわせたアガサは、「“ダークホールド”にあなたのことが書いてある」と話す。“禁断の書”とされるダークホールドには「スカーレット・ウィッチは作り出される。仲間も持たず呪文も必要ない」と記されているという。「作り出される」の部分は、英語では「生まれるのではなく (not born)、作り出される (forged)」と表現されている。

アガサは、スカーレット・ウィッチの力は「至高の魔術師 (Sorcerer Supreme) をも上回る」と話すが、ここで登場する“至高の魔術師/ソーサラー・スプリーム”とは、映画『ドクター・ストレンジ』(2017) に登場するワードだ。同作では700年以上生きてきたエンシェント・ワンが“至高の魔術師/ソーサラー・スプリーム”と呼ばれている。また、原作コミックではドクター・ストレンジやロキなどがソーサラー・スプリームの称号を手にしたことがある。

更にアガサは「世界を滅ぼすのがあなたの運命」と話し、歩いていたドッティの洗脳を解くドッティは娘を解放するようワンダに懇願し、ワンダは自身の魔力が人々を支配しているという事実に直面する。町の人々の頭に、ヴィジョンが洗脳を解く時と同じ黄色の光が次々灯り、洗脳を解かれた人々はワンダに詰め寄っていく。

ニセトロの正体

その頃、モニカはニセトロの正体を突き止めていた。監禁された部屋の中にあったのは、“ラルフ・ボーナー”という名前の青年の写真。ニセトロは、「Bohner」という名を「Boner (ヘマ)」と言い換えて嘲笑している。モニカはニセトロを投げ飛ばすと、魔力が宿ったネックレスを外し、その洗脳を解く。やはり圧倒的な魔力を持つワンダとは違い、アガサは物を利用することでしか他者をコントロールできないようだ。そしてモニカは、初めて“ラルフ”との対面を果たす。

やはり、このニセトロは「X-MEN」のシリーズのクイック・シルバーとは関係はなく、『ワンダヴィジョン』製作陣による視聴者のミスリードを誘う仕掛けだったようだ。

同等の力でぶつかり合うヴィジョンとホワイト・ヴィジョン。一方、ビリーはワンダの危機を察知し、トミーと共にワンダのもとへ向かう。「悪夢」「痛み」を訴える人々に囲まれたワンダは、その力で人々の首を絞めてしまう。「解放しないなら死なせて」とまで懇願されたワンダは、遂にヘックスに裂け目を作り出す。

だが、この裂け目の影響を受けたのはほかでもないヴィジョン、ビリーとトミーだった。ヘックスが消滅しかけたことで消えゆく三人。アガサは「歪んだ世界にしかこの家族は存在できない」と、「町を救うか、家族を救うか」の究極の二択をワンダに迫る。家族を捨てきれなかったワンダはヘックスを閉じ、三人は復活する。ヘックスの外ではウーが呼んだFBIがソード基地に到着するも、これは既にヘイワード率いるソードが内部に侵入した後のことだった。

アガサの攻撃からヴィジョン、ビリー、トミーの三人を守ったワンダは、その力をアガサに吸い取られてしまう。そして、そこに到着したのはソードの部隊。アガサ、ホワイト・ヴィジョン、ソードに囲まれた一家は、遂に家族総出で戦いに挑む。

ヴィジョンを破壊するようにプログラミングされていると話すホワイト・ヴィジョンに、ヴィジョンは「だが私は“限定的ヴィジョン”だ」と返しているが、英語では「But I’m not the true Vision. Only a conditional Vision. (私はTrueではなく、Conditionalだ)」と話しており、プログラミング用語を使ったジョークになっている。プログラミングでは“True”であれば処理を実行するが、条件がついている (conditional) 場合はその条件を満たした時のみ処理を実行する。もともとは人工知能のJ.A.R.V.I.Sだったヴィジョンらしいジョークである。

遂に覚醒するスカーレット・ウィッチ

その頃、アガサは「私たちのような女はいつの時代も迫害される」と、ソードの兵隊を人質にとっていた。かつての魔女狩りを引き合いに出しているのだろう。ワンダはビリーとトミーに兵隊の相手を任せ、アガサとの戦いに臨む。

ビリーは相手の動きを止める技を習得しており、トミーの高速移動との合わせ技で兵隊達の武装を解除する。ヘイワードは容赦無く子ども達に銃口を向けるが、ここにモニカが到着して盾となる。第8話で覚醒したモニカはヴィジョンのように物質をすり抜ける力を身につけていた。更にトラックに乗ったダーシー・ルイスがヘイワードの車両に突っ込み、ヘイワードの拘束に成功する。

一方、ホワイト・ヴィジョンから“説明”を求められたヴィジョンは、“テセウスの船”を例に挙げ、記憶とマインド・ストーンを持たないホワイト・ヴィジョンと、元の素材を持たないヴィジョンは「どちらも元の船でなく、どちらも元の船」という結論に達する。ヴィジョンは、ホワイト・ヴィジョンの中に眠っている記憶を呼び覚まし、この戦いに終止符を打つのだった。

“ヴィジョンvsヴィジョン”が描かれたこのシーンについて、ヴィジョン役のポール・ベタニーは「セリフが覚えられなかった」とその苦労を語っている

ワンダはアガサの隙を突き、アガサの過去の記憶を呼び覚ます。セイラムの悪夢を見せるが、アガサはこれを逆手に取り、ワンダを相手に魔女達に“魔女狩り”をさせる。ここでワンダの額に、あのスカーレット・ウィッチの冠が現れ、アガサはワンダの力を手に入れる代わりにその欠陥を埋めると交渉する。遂にワンダはアガサにその力を全てぶつけ、魔法の力をアガサに渡した……かに思われたが、ワンダは実はヘックスの壁面にルーン文字を刻んでいた。

第8話でアガサが地下室で解説した「結界の中ではそれを作った魔女だけが魔法を使える」を実践したのだ。原作コミックではアガサがスカーレット・ウィッチに魔法を鍛える場面があるが、MCUのワンダは意外な形でアガサから魔法を習得したのだった。

そして、ワンダは「(魔法は教えてもらったが、) 私が誰なのかは教えてもらわなくても分かる」と、遂にスカーレット・ウィッチとして覚醒する。この時の姿は、ワンダがマインド・ストーンに触れたときに見たスカーレット・ウィッチのものだ。

敗北したアガサに対し、ワンダはウエストビューの町で「詮索好きな隣人」として生きていかせることを決める。「私が必要になる」と主張するアガサに対し、ワンダは「必要になったら会いに来る」と応じ、アガサを“アグネス”へと変身させる。アガサ再登場の伏線はしっかりと張られたようだ。

別れの時

ワンダはヘックスを解除してウエストビューを元の姿に戻し、一家は4人で帰宅する。ヘックスの中で創り出されたこの家族は、ヘックスと共に消え去らなければならない。ワンダは寝室でビリーとトミーに「家族は決して離れられない」「ママに選んでくれてありがとう」と伝え、町は元の姿を取り戻していく。

この時、映画館には「タンホイザー・ゲート」という文字が記されているが、これは映画『ブレードランナー』(1982) からのオマージュ。宇宙空間に存在しているゲートのことで、ロイ・バッティのセリフで言及されている。なお、ロイ・バッティのレプリカントとしての名称は「ネクサス6型」であり、『ワンダヴィジョン』第7話では“ネクサス”が登場する

最後の時を迎えるワンダとヴィジョンは、お互いの姿をはっきりと捉えながら、その時を待つ。ヴィジョンは自分の存在について問いかけ、ワンダは「私の哀しみであり、希望であり、愛する存在」と答える。ヴィジョンの「私は声として生まれた」というセリフは、人工知能時代のことを示しているのだろう。そんなヴィジョンも、ワンダとの時間を過ごし、今では本物の記憶を持っている。二人は「前にも別れた」「また会える」と言葉を交わし、最後にヴィジョンは「So long, darling (さよなら、ダーリン)」と告げてその姿を消す。

すべては元に戻り、ワンダがいた場所は家も建っていないただの土地に戻る。町の人々はワンダを冷めた目で見るが、モニカは自分にもワンダの力があれば母を生き返らせたとワンダを庇う。ワンダは人々を苦しめたことを謝罪し、スカーレット・ウィッチの姿になってウエスト・ビューを後にするのだった。

エンディングの意味は? ダークホールドとは

もちろん『ワンダヴィジョン』はここで終わりではない。MCUの醍醐味であるポストクレジットシーンが待っている。ウー捜査官はモニカと再会し、ヘイワードが逮捕される姿を確認する。モニカは映画館で事情聴取を受けるが、モニカを誘導していた“母の友人”の正体はスクラル人だった。スクラル人は、映画『キャプテン・マーベル』(2018) で初めて登場した“変装の達人”。このスクラル人エージェントは、モニカに「彼が会いたがっている」と告げる。キャプテン・マーベルのことを誰よりも知るニック・フューリーがモニカを宇宙で待っているということを示唆して、一つ目のクリフハンガーが終わる。

エンドクレジットが流れた後、最後にもう一度ポストクレジットシーンが流れる。そこには、広大な自然の中に建つ小屋でのんびりと暮らすワンダの姿が。だが、家の奥ではアガサの持っていた“禁断の書”ダークホールドを、スカーレット・ウィッチが読んでいた。ビリーとトミーの「助けて」という声を聞くスカーレット・ウィッチの姿を映し出し、ドラマ『ワンダヴィジョン』は幕を閉じる。原作コミックで重要な役割を担うビリーとトミーはやはり、これで退場とはならず、今後のMCUで再登場を果たすことになりそうだ。

なお、スカーレット・ウィッチが読んでいるダークホールドは、ドラマ『エージェント・オブ・シールド』(2013-2020) にも登場する。『ドクター・ストレンジ』に登場した暗黒次元 (ダーク・ディメンション) で作られた書物とされており、そこには無限の知恵が記されているという。『エージェント・オブ・シールド』では、ダークホールドを巡って争奪戦が繰り広げられた。インフィニティ・ストーンなき今、ダークホールドはMCUの世界における新たなキーアイテムになりそうだ。

やはり次に繋がるエンディングを用意していた『ワンダヴィジョン』最終話。二週間後に配信が始まるドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』とは違う流れで、MCUの未来に期待を持たせてくれた。一旦幕を閉じた『ワンダヴィジョン』だが、ゆっくりと見返して、改めて一つずつ謎を解き明かしても良いだろう。

『ワンダヴィジョン』最終話で明らかにならなかった謎については、こちらの記事にまとめている。

2021年3月12日(金)には、ドキュメンタリー『マーベル・スタジオ アッセンブルド (原題)』で、『ワンダヴィジョン』の製作の裏側が明らかになる。こちらにも期待しよう。

ドラマ『ワンダヴィジョン』はDisney+で全話配信中。

Disney+

『ワンダヴィジョン』第1話のネタバレ解説・あらすじ&考察はこちらの記事から。

『ワンダヴィジョン』第2話のネタバレ解説・あらすじ&考察はこちらの記事から。

『ワンダヴィジョン』第3話のネタバレ解説・あらすじ&考察はこちらの記事から。

『ワンダヴィジョン』第4話のネタバレ解説・あらすじ&考察はこちらの記事から。

『ワンダヴィジョン』第5話のネタバレ解説・あらすじ&考察はこちらの記事から。

『ワンダヴィジョン』第6話のネタバレ解説・あらすじ&考察はこちらの記事から。

『ワンダヴィジョン』第7話のネタバレ解説・あらすじ&考察はこちらの記事から。

『ワンダヴィジョン』第8話のネタバレ解説・あらすじ&考察はこちらの記事から。

2021年3月19日(金)より配信を開始する『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』の考察はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。 お問い合わせはコチラから
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