第4話ネタバレ考察『ムーンナイト』〇〇はエネアド? 第1話の二つのシーンに注目 | VG+ (バゴプラ)

第4話ネタバレ考察『ムーンナイト』〇〇はエネアド? 第1話の二つのシーンに注目

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『ムーンナイト』第4話考察

ドラマ『ムーンナイト』はスティーヴン・グラント/マーク・スペクターを主人公に据えたMCU最新作。Disney+オリジナルのマーベルドラマでは『ホークアイ』(2021) に続く第5作目になる。そして、MCUドラマシリーズでは初めて新キャラの単独主人公作品であり、これまでの経緯が分からない謎だらけの展開がその特徴の一つである。

それにしても、『ムーンナイト』第4話は世界中のマーベルファンをざわつかせる衝撃展開に。今回は、最後に登場したあの人の正体について考察していく。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ムーンナイト』第1話から第4話の内容に関するネタバレを含みます。

タウエレトの正体は?

その人物(?)とは、ラストシーンで登場した“カバ”である。『ムーンナイト』第4話のラストでは、アレキサンダー大王の墓の前でアーサー・ハロウに撃たれたマークが施設の中で目を覚ます。米マーベル公式は、この施設を「パットナム精神病棟」と表記している。

「パットナム精神病院」は原作コミックに登場する病院の名前で、解離性同一性障がいになったマークが父に入れられる施設だ。MCUドラマ版ではこれまでに登場したキャラクター達とアイテムが登場し、“夢オチ”を思わせる展開を見せる。

一方でこの病院から逃げようとするマークはもう一人の自分であるスティーヴンと物理的に出会い、自分の身に起きたことを改めて確認する。そして脱出を試みる二人の前に廊下の向こうの扉から出てきたのは、カバの頭を持つ背の高い人物だった。

エンドクレジットを見れば、このカバが出産や生を司る神のタウエレトであることが分かる。第1話でスティーヴンが上司のドナに「カバのぬいぐるみを持ってきて」と言われて「カバの女神タウエレトだよ」と答えていた、あのタウエレトだ。

クレジット表記によると、エジプト系俳優のアントニア・サリブがタウエレトを演じている。アントニア・サリブは『ムーンナイト』への出演が発表されていたが、これまで役名は伏せられていた。アントニア・サリブが演じるタウエレトとはどのような存在なのだろうか。

演じた俳優のコメントに注目

アントニア・サリブは、『ムーンナイト』のワールド・プレミアにも出席。役名は伏せられた状態だが、米Varietyのインタビューに答えている。「MCUに参戦して最も驚いたことは?」という質問に、以下のように話している。

個人的には、こんなにも巨大な組織なのに、あんな風に協働で進められていることです。オーディションで脚本を読んだ時から、モハメド・ディアブ監督と一緒に仕事をし始めた時、コスチュームチームからVFXに至るまで、自分のキャラクターを創り上げるライセンスをもらったように感じました。皆で一緒に作っていったんです。

VFXはタウエレトの姿のことだろうが、何らかのコスチュームを身にまとう可能性も示唆している。また、製作陣と共にこのキャラクターを作っていったと発言していることから、タウエレトが出オチのちょい役ではないこともうかがえる。

何より、このインタビューが収録されたプレミアイベントでは、タウエレトを演じたアントニア・サリブは記念撮影でレイラ役のメイ・カラマウィ、主役のオスカー・アイザック、アーサー・ハロウ役のイーサン・ホークに続いて前列に立っている。

レイラと同じくエジプト系の出演者が起用されていることからも、タウエレトは重要なキャラクターであることが分かる。

タウエレトはエネアド?

では、タウエレトは何者なのかということを、具体的に考察していこう。

まず、第4話ラストで登場したタウエレトは、胸に巨大なスカラベを着けた二足歩行の生き物だ。人型をしていて獣頭というのは、月の神コンスと同じスタイルである。考えられる展開としては、タウエレトがエネアドの一人だったというものだ。

エネアドはエジプトの9柱神で、第3話にアバター達が登場。中心人物であるオシリスのアバターはアーサー・ハロウをあっさり無罪と判断すると、最後には警告に反して空を操ったコンスを封印している。だが気になったのは、エネアドの審問の時に、“9柱神”のはずなのにアバターが5人しか揃っていなかったことだ。

エネアドが揃っていない描写は第1話にも登場する。スティーヴンは、自身が働く博物館でエネアドのポスターや垂れ幕に7人しか写っていないと上司のドナに指摘するのだ。

そしてこのシーンでは、タウエレトがエネアドであることを示唆するセリフがある。前述の通り、ドナに「カバのぬいぐるみを持ってきて」と言われたスティーヴンは、「カバの女神タウエレトだよ」と言いながらぬいぐるみが入った箱をドナに渡す。テーブルには6体の青いカバの置物も見える。この後、スティーヴンはエネアドのポスターの件を話し出す。

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字幕では省略されているが、スティーヴンは「カバの女神タウエレトだよ」というセリフの後に、吹き替えでは「それで思い出した」、英語では「Oh, Donna, that reminds me.」という言葉を挟んでいる。つまり、スティーヴンはタウエレトについて説明したことによって、ポスターや垂れ幕のエネアドが2人足りないということを思い出したのだ。

タウエレトはエネアドの一人であり、博物館では垂れ幕を出すなどしてエネアドのキャンペーンを実施していたから、タウエレトのぬいぐるみやカバの置物も入荷されていたのではないだろうか。なお、スティーヴンはタウエレトのぬいぐるみを渡した後、代わりにアメミットがモデルと思われる半獣のワニのぬいぐるみを同じ場所に置いている。第1話のこのシーンには、それなりの意図が張り巡らされていたように思える。

エネアドをクビになった?

また、スティーヴンは垂れ幕やポスターに載っているエネアドとして、ホルスオシリステフヌトの名前を挙げている。ドナがスティーヴンの話を遮るので残りの4人の名前は分からない。それでも、第3話でエネアドの審問に登場したのはホルスオシリステフヌトイシスハトホルの5人で、やはり博物館のポスターに採用されたエネアドと審問に参加したエネアドは被っている。

ドナは、2人足りない件について、「二人は遅刻でクビにした」と、その日遅刻してきたスティーヴンを皮肉っている。これは何らかの理由があり、タウエレトを含む2人の神がエネアドをクビにされたことを示唆しているのではないだろうか。

また、ドナは最後に「人数の文句はファラオに」と付け加えている。これも、エネアドが9人揃っていないことにファラオが絡んでいることを示唆したと取れる。

第4話の冒頭では、オシリスのアバターがコンスを封印したヴシャブティ(石の神像)を石棚に置く場面で、他にも多く神が封印されていることが分かる。エネアドのリーダー格であるオシリスは、審問でアーサー・ハロウをあっさり無罪と認めてしまったし、この“運営”には何らかの意図があると考えられる。タウエレトはエネアドの一人だが、そこから外され、対立関係にある神なのではないか。

エジプト神話ではタウエレトは出産の神、母と子の神であり、再生や復活の神でもある。アーサー・ハロウに撃たれたマークが復活するとすれば、タウエレトの力を借りる展開が一番しっくりくるし、重要人物という前提とも矛盾しない。

病院は冥界?

となると、マークが目を覚ましたパットナム病院は現実の病院ではなく、冥界であるという仮説も立てられる。マークとスティーヴンが目にしたアイテムや人物が次々と登場するのは、走馬灯なのではないだろうか。

『ムーンナイト』第1話には、冥界に関するセリフも登場する。博物館に到着したスティーヴンは、ギザのピラミッドの展示にガムを埋める少女に声をかける。ギザの大ピラミッドはエネアドの審問が行われた場所であり、ガムを埋めたのはエネアドに対する批判的な行為と捉えることができる。

スティーヴンはこの少女に、昔のエジプトでは遺体にフックを挿して内臓を取り出していたこと、心臓は冥界で裁きを受けるのに必要だから残していたことを説明する。第4話でもアレキサンダー大王の墓守と思われるヘカの司祭が、生きた人間の内臓を取り出してカノプス壺に詰めていた。

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冥界の裁きで認められた人だけが葦の楽園で暮らせると説明するスティーヴンに対し、少女は「葦の楽園から拒まれて嫌だった?」と尋ねる。スティーヴンは「僕はまだ死んでないよ」と反論するが、この後、スティーヴンはアーサー・ハロウからアメミットの裁きを受けて、その判断は保留になっている。

スティーヴン/マークには心臓がないなど、何らかの理由で裁きを受けられない状態にあり、死に瀕しても走馬灯を見て冥界を彷徨っているのではないか。第3話では、コンスがエネアド達は“オーバーボイド”に安住して人間を見捨てたと批判していた。病院は冥界で、オーバーボイドが葦の楽園だったとしたら……。

そこにタウエレトが登場する理由は不明だが、マークが撃たれた時点でアメミットのヴシャブティを握っていることに関連があるのかもしれない。あるいは、アレキサンダー大王が持っていたヴシャブティはアメミットのものではなく、タウエレトに関連する別の神のものだったのか。ドナが2人足りないエネアドについて「人数の文句はファラオに」と言っていたことに関連があるのかもしれない。

ヴィラン説はある?

一方でカバは獰猛な動物としても知られているし、タウエレトがヴィランという可能性も捨てきれない。アーサー・ハロウは、元は老いによる死を恐れている矮小なキャラクターだったが、オスカー・アイザックがアーサー・ハロウ役でイーサン・ホークを連れてきたことによって設定が大幅に変更されている

最初のヴィランは“噛ませ”であり、真のヴィランが存在するという展開は、MCU作品ではありがちだ。第4話ラストの病院こそが現実で、マークがあの医者をヴィランと考えるようにタウエレトが仕向けていたという展開も考えられる。

原作コミックと同じく父に入れられた精神病院から脱出することがマークにとって最大のミッションだったというパターンも考えられる。だが、このセオリーは第4話途中までの物語を全て覆すことになるので、可能性は低いだろう。

やはり有力なのはタウエレト=追放されたエネアド説だ。いずれにせよ残り2話で全てが明らかになる。考察が弾むのは名作の証。どんな着地点が用意されているのか、最後まで見届けよう。

ドラマ『ムーンナイト』は2022年3月30日(水)よりDisney+で独占配信。

『ムーンナイト』(Disney+)

『ムーンナイト』の原作コミック(レミア版ではなく2011年のブライアン・マイケル・ベンディス版)は堺三保による日本語訳全2巻が発売中。

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『ムーンナイト』第4話のネタバレ解説はこちらから。

監督らが語った第4話ラスト15分の演出の意図はこちらの記事で。

第4話で登場したアレキサンダー大王と『ソー:ラブ&サンダー』との繋がりはこちらの考察記事で。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

第三の人格については、原作コミックの設定も踏まえてこちらの記事で考察している。

『ムーンナイト』に征服者カーンが絡んでいる可能性についての考察はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のMr.ナイト登場シーンの裏側はこちらの記事で。

『ムーンナイト』第1話のネタバレ解説はこちらから。

アーサー・ハロウを演じたイーサン・ホークのこだわりはこちらの記事で。

アーサー・ハロウの設定変更について製作陣が語ったエピソードはこちらから。

『ムーンナイト』シーズン2についての情報はこちらから。

 

遂に公開された映画『ソー:ラブ&サンダー』特報映像の解説&考察はこちらから。

6月8日配信開始のドラマ『ミズ・マーベル』の予告解説&考察はこちらの記事で。

ネタバレ注意! 『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ラストのネタバレ解説はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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