ネタバレ解説『ムーンナイト』第5話の展開について監督が語る「マーベルドラマの中で最もエモーショナル」 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『ムーンナイト』第5話の展開について監督が語る「マーベルドラマの中で最もエモーショナル」

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『ムーンナイト』最終話目前
ドラマ

『ムーンナイト』は2022年第1弾のMCUドラマとしてDisney+で配信されているマーベル最新作。オスカー・アイザック演じる主人公ムーンナイトの戦いが描かれる。

『ムーンナイト』は、MCUのドラマシリーズとしては初めて映画に登場していない新キャラが単独主人公を務める作品だ。視聴者がその過去を知らない状態で幕を開け、巧みに展開される物語の中で徐々に事態と経緯が掴める造りになっている。

『ムーンナイト』第5話はこれまでの他のエピソードと同様、ラストはまさかの展開に。MCUでも屈指のエモーショナルな展開に驚いた方も多いだろう。米マーベル公式では、監督らが第5話の展開について解説している。その言葉をチェックしてみよう。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ムーンナイト』第5話の内容に関するネタバレを含みます。

『ムーンナイト』第5話は“オリジン回”

『ムーンナイト』第5話では、主人公のマーク・スペクターとスティーヴン・グラント、そしてムーンナイトのオリジンが明かされた。マークは幼い頃に自身の判断がきっかけで弟のランドールを死なせてしまい、以降、母から虐待を受けて育った。母の虐待から逃れるため、好きだった映画のイギリス人主人公をモデルに優しい母を持つスティーヴンという人格を作り出したのだった。

家族から逃れるようにして米軍に入ったマークだったが、解離性同一性障がいによる徘徊が理由で除隊扱いとなってしまう。元上官のブッシュマン を頼って傭兵になったマークは盗掘の仕事につくが、ブッシュマンは手柄を独り占めしようと目撃者を皆殺しにするようマークに指示をする。マークはそれを拒むと瀕死の重傷を負い、コンスの神殿で命を断とうとしていた。

そこに月の神コンスが現れ、力を与える代わりに夜の旅人の守護者になる=コンスのアバターになるという契約を提示する。この契約を呑んだマークはムーンナイトとしての力を手に入れた。

一方、母が死んだと聞かされたマークは一度はその葬儀に出向くが、過去のトラウマから出席することはできず、優しい母を持つスティーヴンに身体を明け渡す。以来、マークとスティーヴンは二人の人格が混在する生活を営むようになったのだった。

監督が語る

第5話と監督を務めたモハメド・ディアブは、オリジンを描いた第5話について、米マーベル公式で以下のように話している。

第5話は私のお気に入りのエピソードで、オスカー・アイザックのお気に入りでもあります。このエピソードでは彼が誰なのか、どのようにして解離性同一性障がいになったのかを深く掘り下げています。

彼の人生における最大の恐怖、最大の問題は、弟に起こったことの責任が自分にあるという記憶から自分を守ってきたということにあります。マーベル・スタジオのドラマの中でも最もエモーショナルな展開の一つだと思います。

確かに第4話までを振り返れば、マークはスティーヴンに対しても、レイラに対しても必要以上の情報を与えず、他者に対して壁を作ってきた。初めて鏡ごしにスティーヴンに話しかけた時も、「お前のためにならない」と、二人の関係を詮索しようとするスティーヴンを制止しようとするのだ。

その姿勢がレイラとの関係に距離を作ったことは明らかで、第5話ではマークは初めて闇に葬ってきた過去と向き合うことになる。ディアブ監督は、米EntertainemntWeeklyでは以下のように話している。

私は解離性同一性障がいについて十分な教育を受けていませんでした。“多重人格”と呼ばれるものについては知っていましたが、その背景を知らなかったのです。

第5話を通して、解離性同一性障がいを持っている人の多くは子どもの頃にトラウマを抱え、その恐怖を克服したり、恐怖から自分を守ったりできる人格を作るのだということを知ってもらえたでしょう。トラウマを経験していない人格を作るんです。それが物語に組み込まれ、作品全体を構成している点が素晴らしいと思っています。

重なる物語

モハメド・ディアブ監督のパートナーであるサラ・ゴーヘルは、マークとスティーヴンが抱える問題と、エジプト神話の神々の間で起きている問題を両立することが課題だったと米マーベル公式に語っている。

私たちの大きなチャレンジの一つは、神々の戦いが継続している中で、マークとスペクターの内なるトラウマとの戦いがあるということでした。二つの物語が切り離されたと感じないようにするには、どうするべきなのか。あのより大きな戦いが、実は彼の内面の戦いの二面性を映し出すものだとしたら?

『ムーンナイト』第1話では、スティーヴンを占ったアーサー・ハロウが「君の中には混沌がある」と言い、審判を下すことができなかった。第5話では“正義の天秤”が登場し、マークとスティーヴンの間の問題が解決されなければ葦の楽園へ行けないと言い渡される。おそらくアメミットの天秤とこの正義の天秤は連動しているのだろう。

演じたのはオスカー・アイザックの兄弟

モハメド・ディアブ監督は、マークとスティーヴンの関係について以下のように話している。

マークとスティーヴンはある意味で兄弟なんです。部分的には同じ人間ということです。でもマークの方がお兄さんだと感じられるところにダイナミズムがありますよね。

第5話ではタウエレトが二人に「双子?」と聞き、マークは「違う」と否定する一方でスティーヴンは「そんなとこ」と答える。実は、『ムーンナイト』のマークとスティーヴンが一緒に並ぶシーンでは、主演のオスカー・アイザックの実の兄弟であるマイケル・ベンジャミン・ヘルナンデスがスタントを務めている。

マーベル公式は実際の兄弟がマークとスティーヴンを演じたことで、その親しみや繋がりがスクリーン上にも表れているとしている。そのマイケル・ベンジャミン・ヘルナンデスは以下のように話している。

彼(オスカー)と私はお互いをよく知っていますからね。だからマークとスティーヴンが本当の兄弟になったように感じられたのかもしれません。彼らが本当につながったと感じられ、個性が一つに合わさるのです。

なお、マーベル公式は、スティーヴンが支配的な人格となった期間を「ここ数ヶ月(a few months)」と表記している。そして、第5話の葬儀のシーンで路上でマークがスティーヴンに人格を明け渡したシーンが、スティーヴン台頭の明確な瞬間となったのだ。

撮影秘話も

また、『ムーンナイト』第5話は、マークとスティーヴンが過去の自分の姿を見るという特殊なシーンの連続であったため、撮影に多くの苦労があったことも明かされている。例えば、マークとスティーヴンが過去のマークの姿とスティーヴンの姿を眺める路上のシーンは、最終的には全てオスカー・アイザックが演じる必要がある。

また、マークとランドールが洞窟に入った後のシーンは、洞窟を作って水槽に沈めるという手法を選んだが、見えるものは少ない方がよいと、洞窟の映像は最低限に抑えたという。

洞窟なので光は少ないはずで、水中を映すよりも「水に入れば終わり」という演出の方がよいと考え、視聴者に想像させることを選んだという。また、モハメド・ディアブ監督自身が閉所恐怖症ということもあり、撮影は困難を極めたそうだ。ディアブ監督は「見ているのも辛かった」と振り返り、以下のように付け加えている。

子どもたちに何が起きているのか見えないように撮影されているんです。できる限り追いたいけれど、そうはしませんでした。スティーヴンの経験を通して、見ている人も同じ感覚を得られるでしょう。

この瞬間は胸に迫るものがあります。何が起こったかは分からないけれど、その余波を感じることができるんです。あの瞬間のストーリーテリング、カット割、残していくもの、見えるもの、全てが好きです。間違いなく私のお気に入りのシーンの一つです。

最終話となる第6話でもエピソード監督を務めるのはモハメド・ディアブ監督だ。一体どんなラストが待っているのか。スティーヴンとマークは再会を果たせるのか。配信を楽しみに待とう。

ドラマ『ムーンナイト』はDisney+で独占配信中。

『ムーンナイト』(Disney+)

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Source
Marvel.com / Entertainment Weekly

『ムーンナイト』第5話のネタバレ解説はこちらから。

こちらの記事では、3人目の人格が第5話に登場していた可能性について考察している。

第4話のネタバレ解説はこちらから。

第4話のラスト15分についての製作陣による解説はこちらから。

第4話で登場したアレキサンダー大王と映画『ソー:ラブ&サンダー』の繋がりはこちらから。

こちらの記事では、タウエレトがエネアドの一人である可能性を考察している。

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第三の人格については、原作コミックの設定も踏まえてこちらの記事で考察している。

『ムーンナイト』に征服者カーンが絡んでいる可能性についての考察はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のMr.ナイト登場シーンの裏側はこちらの記事で。

『ムーンナイト』第1話のネタバレ解説はこちらから。

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ネタバレ注意! 『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ラストのネタバレ解説はこちらから。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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