ネタバレ考察『ザ・ボーイズ』シーズン4最終話で残された11の謎 シーズン5に繋がるのは? | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ考察『ザ・ボーイズ』シーズン4最終話で残された11の謎 シーズン5に繋がるのは?

© Amazon Content Services LLC

『ザ・ボーイズ』シーズン4最終回で残された謎は?

Amazonプライムビデオの人気ドラマ『ザ・ボーイズ』は2019年から配信をスタート。2023年にはスピンオフドラマ『ジェン・ブイ』も配信を開始し、今やAmazonプライムビデオを代表する作品の一つになった。2024年6月にはシーズン4の配信がスタート。ファイナルシーズンとなるシーズン5の配信を前に5年にわたる物語はクライマックスを迎えている。

今回はシリーズのフィナーレに備えて、『ザ・ボーイズ』シーズン4の最終回を迎えた時点でシーズン5に向けて残されている謎について考察していこう。以下の内容はシーズン4最終回第8話までの内容に関するネタバレを含むので、必ずAmazonプライムビデオで本編を視聴したから読んでいただきたい。また、本作は視聴対象が18歳以上の成人向けコンテンツになっている。露骨な残虐描写や流血描写が含まれるのでご注意を。

ネタバレ注意
以下の内容は、ドラマ『ザ・ボーイズ』シーズン4最終回第8話までの内容に関するネタバレを含みます。

1. ザ・ボーイズはどうなる?

『ザ・ボーイズ』シーズン4の最終回、第8話のラストでは、ブッチャーがニューマン副大統領を殺し、ロバート・シンガー大統領が告発されたことでカルフーン下院議長が大統領に就任。ホームランダーの傀儡政権が誕生したことで、ザ・ボーイズのメンバーは追われる身となった。

MMはラブ・ソーセージに、ヒューイはシンディに、キミコとフレンチーはケイトとサムに捕まり、唯一パワーを取り戻したアニーだけは飛んで逃げることができた。気になるのはキミコだ。触れた相手を操れるケイトの力でフレンチーがトラックに乗せられたのに対し、キミコはサムに腕を掴まれたままその場にとどまっているのだ。フレンチーを乗せた車は出発してしまっている。

ヒューイも同様にトラックに乗せられており、確実に政府に身柄を確保されたのはMM、ヒューイ、フレンチーの三人ということになる。能力者であるキミコとアニーは身柄を確保された描写がなく、また、能力を開花させたブッチャーに対しても追っ手が来ていないことから、能力者優遇の新政権においては能力者の捕獲はあまり優先されていないのかもしれない。

捕えられたMM、ヒューイ、フレンチーについては、テックナイトが遺した収容キャンプに収容されるのだろう。シーズン5で三人が脱出できるかどうかは、キミコ、アニー、ブッチャー次第ということになるだろうか。

2. ブッチャーはどこへ?

しかし、ブッチャーはどこへ? 『ザ・ボーイズ』シーズン4最終話第8話のラストでは、ブッチャーは対能力者のウイルスを手に車を走らせていた。ブッチャーの狙いはホームランダーを殺すことだが、あのウイルスでホームランダーを倒せるかどうかは微妙なところだ。

一方で、ブッチャーは最終回で能力を開花させており、ウイルス+能力の合わせ技でホームランダーと渡り合うつもりなのかもしれない。ニューマンが死に、グレース・マロリーが死に、ザ・ボーイズと仲間割れした今、ブッチャーの共犯者は自分の中のジョー・ケスラーしかいない。

そうなれば、クイーン・メイヴに助けを求めるという展開もあり得るが、本命は最終回の最後の最後にホームランダーが見つけたソルジャー・ボーイとの再タッグだろうか。ブッチャーがグレースの残した情報にアクセスできるとすれば、ソルジャー・ボーイ生存の事実に行き着き、グレースの意図を継承する可能性はあるだろう。

3. ソルジャー・ボーイはどうなる?

そのソルジャー・ボーイはシーズン3のラストで倒された後、グレースによって冷凍保存されていたが、シーズン4のラストでホームランダーがその事実を知らされ、目に涙を浮かべていた。二人はシーズン3では対立したが、シーズン4ラストの時点ではホームランダーは息子のライアンと対立しており、親子関係に悩んでいるタイミングでもある。

国家を掌握して全てを手に入れたように見えるホームランダーがまだ手に入れられていないものが“家族愛”であり、この後、ホームランダーはソルジャー・ボーイを復活させる可能性もある。父になりきれないホームランダーは、やはり息子=子どもとして愛を享受しようとするのかもしれない。

4. ライアンはどうなった?

では、そのライアンはどうなったのだろうか。『ザ・ボーイズ』シーズン4最終回の第8話では、対ホームランダーの武器として保護されそうになったライアンは、グレースとブッチャーに反抗してグレースを殺してしまった。ライアンにとってはこれが初めての意図的な殺人であり、ホームランダートも喧嘩別れした後のこの経験は、ライアンに大きな影響を与えることになるかもしれない。

その後の展開を見るにホームランダーのもとにも戻っていないようで、“フリー”の状態にあるライアンがシーズン5でどんな動きをするのかというのは未知の部分だ。ライアンはホームランダーのもとに戻りはするかもしれないが、しこりは残ったままだろう。

唯一ライアンが心を許している可能性のある人物が、ニューマンの娘のゾーイだ。二人はシーズン4第1話のパーティーで一緒に時間を過ごしている。ゾーイは後天的ではあるが、二人とも能力者の親を持つティーネイジャーとして通じ合うところがあるのではないだろうか。ゾーイはシーズン4の最後にレッドリバーの施設に入れられてしまったが、大人に失望したライアンがゾーイの元に赴く展開もあり得るかもしれない。

5. スタン・エドガーがキーパーソンに?

もう一人、キーパーソンになりそうなのがヴォート社の元CEOスタン・エドガーだ。シーズン3でのホームランダーによる告発の後に逮捕されたエドガーは、シーズン4第5話でブッチャーの策略により大統領の恩赦を受けて釈放。ニューマンが持っているウイルスの在処をザ・ボーイズに案内した。

ザ・ボーイズがウイルスを手に入れられなかったことでエドガーは再逮捕されてしまうが、それを救ったのはニューマンだった。世間的には失踪したことになっているようだが、その後のエドガーの動向は描かれないままだった。

エドガーはレッドリバーの施設にいたニューマンを養子にしていたが、今度は孫娘のゾーイがレッドリバーに入れられてしまった。エドガーはブッチャーとMMから恩赦を持ちかけられた時に一度はそれを断ったが、ゾーイを渡すという条件を受けて翻意した。孫に弱いおじいちゃんとしてのエドガーが、『ザ・ボーイズ』シーズン5のジョーカーとなる可能性もあるだろう。

逃亡の身となっても豊富な資金と人脈を持つエドガーがゾーイを迎えに行き、ゾーイのお友達であるライアンを新たなシンボルに担ぎ上げ、ニューマンのパートナーだった科学者のサミールを囲い込めば、あっという間に一大勢力に。ここまで書くと、スタン・エドガーがシーズン5の最注目キャラな気がしてきた。

6. サムとケイト

『ザ・ボーイズ』シーズン4では、キミコとフレンチーが襲撃されるラストまで、スピンオフドラマ『ジェン・ブイ』(2023-) のサムとケイトがちょいちょい登場していた。『ジェン・ブイ』に登場したサムとケイトは、舞台となったゴドルキン大学で非能力者達を殺していたが、その罪は他の登場人物たちになすりつけられた。

サムとケイトはそれに抵抗した「ガーディアンズ・オブ・ゴドルキン」として英雄扱いされ、『ザ・ボーイズ』ではホームランダーに近い位置で起用されるヒーローとなっていた。最後にはザ・ボーイズ捕獲という大役を任されたわけで、ホームランダーにとっては重要な戦力になったようだ。

Aトレインの裏切りなどでセブンは手薄な状況だ。サムとケイトによる非能力者虐殺の証拠が出れば状況は変わりうるかもしれないが、能力者による監視社会が成立したアメリカ社会では、それもまともに相手にされない気がする……。

ただし、『ジェン・ブイ』では、ケイトが幼少期に生み出したイマジナリーフレンド(空想上の友達)としてソルジャー・ボーイが登場しており、ケイトが今でもソルジャー・ボーイに心酔している可能性もある。ソルジャー・ボーイとホームランダーが再び対立することになれば、ケイトがソルジャー・ボーイの側に付き、触れた相手を操れる能力で反ホームランダーの主戦力になる可能性もあるだろう。

7. セブンはどうなる?

一時は席がスッカスカになったセブンだが、『ザ・ボーイズ』シーズン4ラストの時点では、ホームランダー、ディープ、2代目ブラック・ノワール、シスター・セージ、ファイアクラッカーの5人が所属している。ここにサムとケイトが加わって7人に戻る可能性もあるが、もしここにソルジャーボーイが加わると残る席は一つになる。ホームランダーとしてはライアンを入れて親子3代で席を埋めたいと考えているかもしれない。

ただし、ホームランダーが事実上のトップに立ったアメリカでは、もはやセブンという存在は無用の長物になるかもしれない。ホームランダーはシーズン4最終回第8話で、戒厳令下のアメリカに派遣されたスーパーヒーローたちを直接指揮すると発表した。ヒーローの軍隊のトップに立ったホームランダーが、セブンを捨てて世襲制の専制政治を打ち立てる展開もあり得るかも……?

8. セージの計画は?

『ザ・ボーイズ』シーズン4最終回では、全てはセージの計画通りに進んでいたことが明らかになった。一時はセージをクビにしたホームランダーだったが、セージが正しかったことが証明され、今後は逆らうことができない状況になったように思える。そうであれば、戦略面ではセージが最大の権限を持っていることになる。

セージの計画には「第2章」があるとされていたが、ホームランダーが様々な国を訪れている『ザ・ボーイズ』シーズン5のポスターを見るに、セージの次の計画は「世界征服」なのかもしれない。セージの目標はおそらく、自分の仮説が正しいことを証明していくことだろう。しかし、それ以上の目的がセージにあるとすれば、ホームランダー打倒の芽はある。

もし、セージの最終目的がホームランダーを利用してトップに立つことであれば、その計画すらも実現してしまえる力量はあるだろう。だが、問題はセージが牛耳る社会が理想の社会になり得るのかということだ。多くの犠牲を許容しているセージにそれを望むのは難しいかもしれない。

9. ファイアクラッカーに何が起きた?

セブンでいえば、ファイアクラッカーもホームランダーの不安要素だ。ホームランダーの大ファンだったファイアクラッカーは、薬を服用して母乳が出るようになったことで一躍ホームランダーの最側近となったが、『ザ・ボーイズ』シーズン4最終話では薬の副作用が出ている描写があった。ホームランダーは、明らかに体調が悪そうなファイアクラッカーを遠ざけ、その母乳が入った容器にも怪訝な目で見ている。

身体的には無敵と言っていいホームランダーだが、やはり体内に取り込むものについては慎重にならざるを得ない。もしファイアクラッカーが重い病気にかかっていれば、ホームランダーが内部から蝕まれていく可能性もある。老化の傾向も出ており、弱ったホームランダー相手ならブッチャーにもチャンスがあるかも?

10. Aトレインは帰ってくる?

ザ・ボーイズ陣営にとって戦力になり得るのがシーズン4第7話でザ・ボーイズを助けて家族と逃亡したAトレインだ。Aトレインは海外のベリーズに逃げようとするMMを説得する際に「ベリーズに行っても逃げられない、次はどこに逃げる?」と疑問を投げかけている。ホームランダーが世界侵略を目指すなら、Aトレインとその家族にも危険が及ぶことになる。AトレインがMMにかけた言葉はそのままAトレインに返ってくることになるのだ。

Aトレインはシーズン4で丁寧に更生していく姿が描かれた。ヒューイとも和解しており、逃げ場がなくなった世界ではザ・ボーイズ側で戦ってくれる可能性は高い。そうなれば、とりあえず能力者はキミコ、アニー、Aトレインという布陣になる。エドガーとも協力して、ソルジャー・ボーイとケイトの反乱に乗じれば、なんとかホームランダーに対抗できるかも?

11. アシュリーはどうなった?

なんだかんだ言って、やっぱり気になるのはアシュリーのその後だ。『ザ・ボーイズ』シーズン4第8話では、ヴォートとホームランダーに不利な情報を持っている人間をリストアップした後、ディープによって自らがそのリストに入れられてしまった。このままでは殺されると判断したアシュリーはホームランダーの部屋でコンパウンドVを打つと、苦しみながら変形していく途中で場面は移り変わり、シーズン4ではそれが最後の姿になった。

アシュリーが一時的にでもスーパーパワーを得ることになれば、ディープに復讐するくらいの戦力にはなるかもしれない。後からVを打ったヒューイの父ヒューは暴走し、亡くなる結果となったが、アシュリーはフィナーレとなるシーズン5を生き延び、イタリアのフィレンツェに戻りたいという夢を叶えることはできるのだろうか……。

以上が、『ザ・ボーイズ』シーズン4終了時点で残された11の謎だ。シーズン5ではこの全ての謎が解決されることになるのだろうか、それとも、『ジェン・ブイ』シーズン2で扱われる要素もあるのだろうか。「ザ・ボーイズ」ユニバースからの続報を楽しみに待とう。

ドラマ『ザ・ボーイズ』シーズン4はAmazonプライムビデオで配信中。

原作コミックの日本語版は、G-NOVELSから第6巻まで発売中。

誠文堂新光社
¥3,300 (2025/02/16 21:59:14時点 Amazon調べ-詳細)
¥3,960 (2025/02/16 19:53:49時点 Amazon調べ-詳細)

 

『ザ・ボーイズ』シーズン4最終回第8話のネタバレ解説&考察はこちらから。

 

『ザ・ボーイズ』シーズン3最終話のネタバレ解説&考察はこちらから。

スピンオフドラマ『ジェン・ブイ』シーズン1最終回のネタバレ解説&考察はこちらから。

 

『ザ・ボーイズ』のシーズン5での終了についてエリック・クリプキ監督が語った内容はこちらの記事で。

『ジェン・ブイ』シーズン2についての情報はこちらから。

「ザ・ボーイズ」フランチャイズの更なるスピンオフ展開についてはこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。 訳書に『デッドプール 30th Anniversary Book』『ホークアイ オフィシャルガイド』『スパイダーマン:スパイダーバース オフィシャルガイド』『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース オフィシャルガイド』(KADOKAWA)。正井編『大阪SFアンソロジー:OSAKA2045』の編集担当、編書に『野球SF傑作選 ベストナイン2024』(Kaguya Books)。
お問い合わせ
¥3,300 (2025/02/17 02:17:45時点 Amazon調べ-詳細)
社会評論社
¥1,650 (2025/02/16 22:37:10時点 Amazon調べ-詳細)

関連記事

  1. 『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』第7話 感想&考察 繋がるモンスター・ヴァース ネタバレ解説

  2. 最終回ネタバレ解説『アコライト』洞窟のアレの正体は? 監督が裏側を明かす 「本当はずっといた」

  3. ネタバレ考察『ロキ』4話エンディングは何を意味するのか ポストクレジットシーンを徹底解説

  4. 第6話ネタバレ解説&感想 ドラマ『THE LAST OF US』神回再び。最後の曲にも意外な事実 あらすじ・考察【ラスアス実写版】