『ザ・ボーイズ』更なるスピンオフは?
ドラマ『ザ・ボーイズ』は2019年からAmazonプライムビデオで配信を開始した人気ドラマ。ガース・エニスとダリック・ロバートソンによる同名のコミックを原作にした作品で、 一般人が腐敗したスーパーヒーローに立ち向かうという物語は、スーパーヒーロー映画全盛の時期ということもあって大きな話題を呼んだ。
シーズン1はAmazonオリジナルドラマ史上最高の視聴回数を記録すると、スーパーヒーロー映画熱がブームから定着へと移行した後も、『ザ・ボーイズ』はショーランナーのエリック・クリプキが扱う社会批評的なテーマで視聴者のハートを掴んだ。2022年に配信されたシーズン3の初回の3話はシーズン1の234%増という視聴数を叩き出した。2023年10月現在までに本編3シーズンが配信され、シーズン4の製作も決定。スピンオフアニメ『ザ・ボーイズ:ダイアボリカル』(2022)、スピンオフドラマ『ジェン・ブイ』(2023) が配信されるなど、勢いは止まることを知らない。
スーパーヒーロー候補の大学生たちを主人公にしたSFミステリ学園ドラマ『ジェン・ブイ』は、配信初週に最も人気のドラマとなり、早くもシーズン2の制作に向けてAmazonスタジオは始動している。
そんな中、『ザ・ボーイズ』『ザ・ボーイズ:ダイアボリカル』『ジェン・ブイ』の全てでプロデューサーを務めているパヴァン・シェティが、更なるスピンオフ作品制作について言及している。米Comicbook.comで『ジェン・ブイ』以降の新たな作品について以下のように話した。
ファンの皆さんが『ジェン・ブイ』を気に入ってくれていて、期待も高いということは幸運なことです。多くのキャラクターが登場しますからね。私たちは時代を超えて、本で描かれた様々な部分を活用することができます。しかし、私たちにとって最も重要なのは、次に何をするのかということについて、十分に熟考することだと思っています。
複数のドラマ作品をやりたいですが、視聴者の皆さんは本当に知識が豊富で洗練されています。視聴者の皆さんはそのドラマがきちんと理由があって作られているか、伝えるべき本物のストーリーがあるか、同じ世界でありながら違うものだと感じられるかということを理解していると思います。単なるショーのためのショーではあれば嗅ぎ分けることができるでしょう。
ですから私たちは、次のドラマがどんなものになり得るか、どのようにすれば思慮深く、ユニバースにフィットし、他の全てと調和するパズルのピースのように感じられるかについて真剣に考えています。ドラマを作ること自体が目的にならないようにね。
慎重な回答ではあるが、既に更なるスピンオフシリーズについて検討していることが明かされている。原作コミックである『ザ・ボーイズ』の「本で描かれた様々な部分を活用」することで、更なるスピンオフが生み出せると考えているようだ。
確かに『ジェン・ブイ』は原作コミックのチャプター〈We Gotta Go Now〉(23話〜30話)をベースにしてはいるが、ドラマ版では多くのオリジナル要素を取り入れている。ドラマ『ザ・ボーイズ』本編もそうだが、コミックの内容をそのまま実写化しているわけではないため、原作をヒントにして新しい物語を描き出せば、まだまだスピンオフを制作することは可能だろう。
だが、プロデューサーのパヴァン・シェティは、より多くのドラマを作ることが目的になってしまえば、ファンは離れていくということを認識している様子。新たな作品についても、ストーリーの完成度はもちろん、視聴者が『ザ・ボーイズ』や『ジェン・ブイ』と違うものであると感じられることが必要だとしている。
既存の作品とは異なる作品でありながら、『ザ・ボーイズ』のユニバースにフィットする作品を作るのは至難の業だろう。とはいえ、ブッチャーとホームランダーを中心に回る『ザ・ボーイズ』本編とは異なるストーリーラインの人気シリーズを作り出すことができれば、本編も無駄な引き延ばしはせずにあるべき形で物語を終えやすくなるはずだ。
『ジェン・ブイ』は今後、ゴドルキン大学を舞台にキャストを入れ替えていくパターンと、そのタイトル通り、年齢が上がっていく“V世代”の人生を追っていくパターンが考えられる。果たして、『ザ・ボーイズ』のユニバースに、両作と張り合えるだけのストーリーを持った新たな新星が加わることはできるのだろうか。
ドラマ『ジェン・ブイ』は2023年9月29日 (金) よりAmazonプライムビデオで毎週金曜日配信。
『ザ・ボーイズ』はシーズン3までがAmazonプライムビデオで独占配信中。
『ザ・ボーイズ』原作コミックの日本語版は、G-NOVELSから発売中。
『ジェン・ブイ』のベースになったチャプター〈We Gotta Go Now〉(23話〜30話)は日本語版の第2巻に収録されている。
Source
Comicbook.com
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