Kaguya Planetにて、特集「パレスチナ」第一弾の翻訳短編「ムニーラと月」先行公開開始! | VG+ (バゴプラ)

Kaguya Planetにて、特集「パレスチナ」第一弾の翻訳短編「ムニーラと月」先行公開開始!

パレスチナ特集第一弾「ムニーラと月」、先行公開開始!

SF企業 VGプラスが運営するオンラインSF誌 Kaguya Planetにて、パレスチナ特集の第一弾として、パレスチナ系の作家ソニア・スライマーンによるファンタジー短編小説「ムニーラと月」の先行公開を開始しています。カバーデザインを手がけたのはVGプラスデザイン部です。500円で会員登録してお読みください!

ウェブマガジンKaguya Planetでは毎月、SF短編小説を配信中! 掲載した作品は、三ヶ月に一回、マガジン『Kaguya Planet』として刊行します。Kaguya Planetの会員になると、配信している短編小説を先行公開に読むことができたり、マガジン『Kaguya Planet』が無料で届いたり、イベントに割引価格で参加できたり……。魅力的な特典が盛りだくさん! ぜひ会員登録してKaguya Planetに応援をよろしくお願いいたします。

Kaguya Planetについて詳しく知る

4月のKaguya Planetはパレスチナ特集第一弾

Kaguya Planetでは、2024年4月〜6月にかけて、特集「パレスチナ」を開催。パレスチナ人/パレスチナにルーツのある作家によるSF短編小説を掲載します。また、7月にはこの三作品とブックレビューやコラムを掲載したマガジンを刊行予定です。

「パレスチナ」の第一弾として、Kaguya Planetにて会員向けに先行公開しているのは、ソニア・スライマーンさんによる短編小説「ムニーラと月」です。

ソニア・スライマーンさんはアメリカ在住のパレスチナ系作家で、パレスチナの民話や伝承を題材としたファンタジーやSFの短編作品を多く発表しています。スライマーンさんの作品は、Seize the PressやFantasy Magazineなど数々のSF・ファンタジー雑誌やアンソロジー、英語で読めるアラブの文芸を紹介しているメディアであるArablitなどで紹介されています。

また、ご自身で#ReadpalestinianSpecFic というリーディングリストを作り、おもにオンラインで読むことのできるパレスチナ系の作家によるSF作品を紹介しています。

ピンクウォッシュに抗して、クィアなファンタジーをお届け

今回掲載する「ムニーラと月」は、アフリカ系作家によるSF雑誌FIYAHがパレスチナに連帯して開催した特集に掲載された2021年の作品です。

現在パレスチナに対して侵攻と略奪を行なっているイスラエル政府は、自国のLGBTフレンドリーな姿勢を積極的に打ち出し、パレスチナに対する人権侵害を正当化する「ピンクウォッシュ」を行っています。この政策は、「ホモフォビックなアラブ」というステレオタイプを強化し、アラブの人々を悪魔化する意図をもって行われています。しかし、パレスチナにも、アラブ圏にも、あるいはアラブの外にいるアラブ系コミュニティにも、クィアやクィアに連帯する人々は存在します。たとえば、世界地図にピンを立て、その場所にまつわるクィアな思い出を投稿することができるQueer in the MapというWebサイト(リンクはInstagramアカウント)を見ると、小さなガザ地区をはじめパレスチナの各地域に多くのピンが立ち、人々が大切な誰かとの思い出をシェアしていることがわかります。

パレスチナ特集の第一弾として、アラブ圏の人々に馴染み深い民話の精霊であるジンのレズビアン女性が主人公の「ムニーラと月」をご紹介します。アラブの民間伝承に出てくるモチーフに溢れ、荒々しさと美しさ、エロティシズムを兼ね備えたクィアな物語です。岸谷薄荷さんによる翻訳、佐藤まなさんによる監訳でお届けします。

監訳を担当した佐藤まなさんは、4月26日刊行の『現代詩手帖 パレスチナ詩アンソロジー 抵抗の声を聴く』にも作品翻訳・解題などで参加されています。

思潮社
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特集「パレスチナ」の掲載作品を読むには

①Kaguya Planetの会員になる

Kaguya Planetの会員になると、4月、5月、6月に「パレスチナ特集」に掲載される作品をいち早くウェブ上で読むことができます。また、会員のプランに応じて、マガジン『Kaguya Planet 特集:パレスチナ』も無料で送られてきます。Kaguya Planetについて詳しく知るにはこちら。また、会員の登録方法についてのマニュアルはこちらからご確認いただけます。

②マガジン『Kaguya Planet 特集:パレスチナ』を予約する

4月、5月、6月に「パレスチナ特集」に掲載した作品は、7月にマガジン『Kaguya Planet 特集:パレスチナ』として刊行します。マガジンには、掲載した短編小説の他、パレスチナとSFに関連するコラムなどを掲載します。なお、こちらのマガジンの売り上げの一部は、国際連合パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に寄付します。

マガジン『Kaguya Planet 特集:パレスチナ』
【概要】
パレスチナ人作家/パレスチナにルーツのある作家によるSF短編小説を三編収録する他、「英語で読めるパレスチナのSF(仮)」と題したレビューや、パレスチナとSFに関するコラムを掲載します。
刊行:2024年7月13日(予定)
サイズ:A5
ページ数:90ページ(予定)
ISBN:978-4-911294-01-7
価格:1500円(税込1650円)

マガジン『Kaguya Planet 特集:パレスチナ』を予約する

マガジン『Kaguya Planet 特集:パレスチナ』の刊行に際して、各短編小説はウェブ上で無料で公開する予定です。

ソニア・スライマーン「ムニーラと月」(岸谷薄荷訳)

舞台は遠い昔、パレスチナの涸れ川に抱かれた村。村を見下ろす柘榴の木が月明かりに照らされて美しい夜に、ジンニーエ(女性のジン)のムニーラは月を相手に嘆いていた。「地上にも、地下の世界にも、私と恋人になってくれる女性はいないの」。すると、どこからか「私がいるよ」という声が聞こえてきて……。愛を求める心、自分のセクシュアリティを肯定して生きていくことに対して勇気をもらえるロマンタジー。

※2024年4月17日以前にKaguya Planetに登録されている会員の方は、こちらからソニア・スライマーン「ムニーラと月」を読むことができます。

パレスチナ特集、今後のラインナップと展開

Kaguya Planetでは、2024年5月、6月にもパレスチナ人やパレスチナにルーツのある作家の翻訳作品を掲載します。特集「パレスチナ」では、70年以上続く「パレスチナ問題」をめぐる報道やさまざまな語りにおおきな偏りがあることに対して問題提起をし、「パレスチナの声に耳を傾ける」ためにできることを模索しています。

5月にKaguya Planetにて会員向けに公開する作品は、パレスチナ在住のZiad Khaddashさんによる、「Strange Things Happening Outside(英題)」です。Khaddashさんはイェルサレム出身の作家です。パレスチナ文学賞を受賞し、イスラーム圏の数々の文学賞にノミネートされています。12の短編集を刊行しており、ラマッラーの公立高校で文芸創作を教える教師でもあります。

「Strange Things Happening Outside(英題)」は今年2024年の1月に発表されたばかりの短いストーリーで、とある妊婦のお腹の中にいる胎児の視点から今ガザで起きていることを描写する、ソリッドで切実な作品です。アラビア語からの翻訳を手がけるのは佐藤祐朔さんです。

6月の掲載作品については、確定次第お知らせいたします。

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マガジン『Kaguya Planet 特集:気候危機』発売中!

『Kaguya Planet vol.1 気候危機』
特集:気候危機

気温上昇、海洋汚染、エネルギー問題など、地球環境と人間や生物たちに大きな影響を及ぼしている気候変動。
身近な生活の中でも感じられるほどの変化が顕在化し、早急な改善や解決が叫ばれる一方、さまざまな社会問題と絡み合っている複雑な問題でもあります。
マガジン『Kaguya Planet』の記念すべき創刊第1号には、ウェブメディアKaguya Planetで2024年1~3月に開催した「気候危機」特集の掲載小説3作のほか、テーマにまつわるレビューやコラムを収録しました。
フィクションや批評を通して、気候危機が抱える〈交差性〉の一端をのぞき見てみませんか。

⚫︎小説
化野夕陽「春の魚」
津久井五月「われらアルカディアにありき」
エラ・メンズィーズ「雨から離れて」(川崎遥佳訳)
⚫︎ブックレビュー
堀川夢 アンナ・カヴァン『氷』
⚫︎コラム
鯨ヶ岬勇士「バルタン星人と気候危機〈二〇億三〇〇〇万人の移住〉」
齋藤隼飛「気候危機の時代のSF映画」
⚫︎インタビュー
ゲーム『Rise of the Ronin』英語版 高杉晋作役 リック・クマザワが語るレプリゼンテーション
映画『ペナルティループ』監督・荒木伸ニ 俳優・山下リオ
⚫︎PICK UP  『流転の地球 ─太陽系脱出計画─』コラム

サイズ:A5
ページ数:64ページ
一般価格:1650円(税込)
ISBN:978-4-911294-00-0

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