『ザ・ボーイズ』スピンオフ『ジェン・ブイ』がシーズン2に更新
Amazonスタジオを代表する人気ドラマ『ザ・ボーイズ』(2019-) のスピンオフドラマ『ジェン・ブイ』のシーズン2への更新が明らかになった。米Varietyが報じ、『ジェン・ブイ』の公式Instagramでもシーズン2への更新を出演キャストが喜ぶ動画が配信された。
この動画は米俳優組合(SAG-AFTRA)がストライキに入る7月より以前に収録されたものと見られ、元々『ジェン・ブイ』のシーズン2への更新は濃厚だったものと考えられる。ドラマ『ジェン・ブイ』は『ザ・ボーイズ』のスピンオフとして配信されたが高い人気を誇り、米Televison Statsによると、『ジェン・ブイ』は第1話から第3話が配信された初週に最も人気のドラマとなり、第4話が配信された翌週も、MCUドラマ『ロキ』シーズン2第1話、「スター・ウォーズ」ドラマ『アソーカ』最終話に次ぐ第3位の位置をキープしていた。
ショーランナーのミシェル・ファゼカスと製作総指揮のエリック・クリプキは、「シーズン2もできるなんて、こんなに嬉しいことはありません。キャラクターやストーリーについては愛着が湧く一方で、皆さんが同じように思っていてくれたというのは最高の気持ちです! 脚本家たちはすでに新シーズンに取り掛かっています。2年次では、ワイルドでひねりと皮肉が効いたものでありながら、心がこもっていて、性器が爆発するような作品になります」と共同の声明を出している。
シーズン2への作業は始まっている
ドラマ『ジェン・ブイ』は2023年9月29日(金) より配信がスタート。本家の『ザ・ボーイズ』に劣らぬ人気を見せる『ジェン・ブイ』は、早い段階からシーズン2についての話題が出始めており、10月6日には米The Wrapのインタビューに答えた『ジェン・ブイ』のショーランナーであるミシェル・ファゼカスが『ザ・ボーイズ』のショーランナーで『ジェン・ブイ』の製作総指揮を務めるエリック・クリプキと共にシーズン2の可能性に言及していた。ミシェル・ファゼカスは『ジェン・ブイ』のシーズン2への更新について聞かれた際に、以下のように話していた。
まだ正式にシーズン2のオーダーがかかったわけではありません。私たちは脚本家たちを集めて、何が可能かを話し合っているところです。希望は抱いてますよ。
謙遜した物言いだが、『ザ・ボーイズ』シーズン4に向けても始動しているエリック・クリプキは、「ドラマの評判がどうなるのか、皆さんが見てくれるのか、Amazonが喜ぶ結果になるのかを見ないといけません」としつつも、「『ジェン・ブイ』シーズン2のライターズルームが存在しているか? 答えはイエスです」と、制作陣がシーズン2に向けてすでに始動していることを認めていた。
エリック・クリプキはこう続けている。
つまり、Amazonがミシェルにシーズン2を作るための部屋(ライターズルーム)にお金を出したというのは良い兆候です。ですから、そうなる(正式にシーズン2に更新される)ことを祈っていますよ。
『ジェン・ブイ』のシーズン2を巡っては、2023年1月の時点でAmazonがショーランナーのミシェル・ファゼカスのために、『ジェン・ブイ』シーズン2のライターズ・ルーム(脚本家たちが作業をするためのチーム。所属する脚本家には給与が支払われる)を用意したと米Deadlineが報じた。
この時点で『ジェン・ブイ』シーズン1の配信時期も明確になっていなかったが、Amazonはすでにシーズン2へ向けてチームを結成していたということだ。この時点で、エリック・クリプキの口から『ジェン・ブイ』シーズン2のライターズルームの存在が公に認められることになった。
Amazon制作トップも認める
また、Amazonスタジオのテレビ制作共同責任者のバーノン・サンダースはシーズン2に向けてライターズ・ルームが設置されていることについて、以下のように話していた。
ミシェルとエリック、タラ*、そしてチーム全体の仕事に対し、私たちは自信を持っていました。映像が入ってきた時に、今ファンの皆さんが大騒ぎしているのと同じように、オフィスの人たちも夢中になりました。ですから私たちは、脚本家達にもシーズン2がどのようなものになるか、すぐにでも考えてもらいたかったのです。
*タラ・バターズ。当初『ジェン・ブイ』の共同ショーランナーだったが家庭の事情で制作を離れた。
バーノン・サンダースは、Amazonスタジオが『ジェン・ブイ』シーズン1の出来を観て、シーズン2のライターズ・ルームを開いたことを明かしている。続けて、『ジェン・ブイ』が配信開始から最初の5日間で「米国内でも国外でも驚くべき結果が出た」、「これは『ザ・ボーイズ』と口コミのおかげでもある」と話している。
数字よりもストーリーを
『ザ・ボーイズ』に続き、『ジェン・ブイ』がシリーズ化となれば、ゴドルキン大学を舞台にしながら登場人物が入れ替わっていくようなスタイルも考えられる。『ジェン・ブイ』から輩出されたキャラクターが『ザ・ボーイズ』本編でメインキャラを張るという展開もあり得るだろう。『ザ・ボーイズ』本編がブッチャーとホームランダーという二人のキャラクターを中心に回っていることを考えると、登場人物を固定しなくてもよい『ジェン・ブイ』は長期シリーズ化すらあり得る。
一方でミシェル・ファゼカスは、『ジェン・ブイ』が複数のシーズンに跨ることは当初からプランの中にあったことを認めつつ、現在はシーズン数を固定するのではなく、ストーリーとキャラクターに集中して制作に取り組んでいることを明かしている。「このキャラクターはこのシーズン中にどこへいくのか、このドラマは次はどこにつながるのか、ということだけを考えています」とした上で、こう話している。
エリックやAmazonと仕事をすることの良いところは、「○年は続けてください」というような縛りがないことです。ストーリーとキャラクター達が私たちをどこへ連れていくのか、そうしたことに基づいて判断できる方が、数字を達成することよりも好きです。
あくまでストーリーとキャラクターの要請に従うことを強調したミシェル・ファゼカス。『ジェン・ブイ』を含む“ザ・ボーイズ・ユニバース”がどこへ着地するのかはまだ誰にも分からない。だが、ファンとしてはシーズン2への更新と共に今後ユニバースが拡大していくことに期待せずにはいられない。
『ジェン・ブイ』は2023年9月29日(金)よりAmazonプライムビデオで毎週金曜日配信。
『ザ・ボーイズ』はシーズン3までがAmazonプライムビデオで独占配信中。
『ザ・ボーイズ』原作コミックの日本語版は、G-NOVELSから発売中。
『ジェン・ブイ』のベースになったチャプター〈We Gotta Go Now〉(23話〜30話)は日本語版の第2巻に収録されている。
Source
Televison Stats / The Wrap / Deadline / Variety
『ジェン・ブイ』第1話「ゴルドキン大学」のネタバレ解説&考察の記事はこちらから。
『ジェン・ブイ』第2話「初日」のネタバレ解説&考察の記事はこちらから。
『ジェン・ブイ』第3話「#ブリンク追悼」のネタバレ解説&考察の記事はこちらから。
『ジェン・ブイ』のキャストに『ザ・ボーイズ』のキャストが送ったアドバイスについての記事はこちらから。
『ジェン・ブイ』で登場するソルジャーボーイのファーストルックについての記事はこちらから。
『ザ・ボーイズ』シーズン3最終話のネタバレ解説はこちらから。
シーズン3までの経緯とYouTube配信のスピンオフ番組の内容、アニメ版の注目エピソードはこちらの記事で。
『ザ・ボーイズ』シーズン4についての情報はこちらから。