第2期23話/47話ネタバレ感想『呪術廻戦』最終回で渋谷事変 閉門。アノ人が遂に登場 | VG+ (バゴプラ)

第2期23話/47話ネタバレ感想『呪術廻戦』最終回で渋谷事変 閉門。アノ人が遂に登場

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

【お詫び】当初「最終回目前」として記事を更新しましたが、実際には第2期は第23話が最終回でした。お詫びして訂正いたします。

アニメ『呪術廻戦』第2期最終回23話放送

いよいよクライマックスを迎えているアニメ『呪術廻戦』第2期。「懐玉/玉折」編で幕を開けた第2期もあっという間に「渋谷事変」編の最終局面に突入する。全23話で構成される第2期は「渋谷事変 閉門」と題された第23話が最終回のエピソードになる。

第2期23話/通算47話ではどんな展開が待っていたのか、今回もネタバレありで感想と原作漫画との違いを解説していこう。なお、以下の内容はアニメ『呪術廻戦』第2期23話/通算47話のネタバレを含むが、アニメでまだ扱われていない範囲の原作漫画のネタバレは行わない。アニメの方を視聴してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『呪術廻戦』第2期23話/通算第47話の内容に関するネタバレを含みます。

アニメ『呪術廻戦』第2期23話/47話「渋谷事変 閉門」ネタバレ感想&解説

九十九由基の主張

前回、真人を取り込んだ偽夏油は、氷の術式を操る裏梅と共に虎杖悠仁たちを追い込んでいった。しかし、そこに現れたのは特級術師の九十九由基だった。九十九は第2期5話での高専生時代の夏油との「世界から呪霊をなくす方法」についての会話を持ち出し、ラルゥが動くための時間稼ぎを始める。

元夏油一派だったラルゥは九十九と行動しているようだ。ラルゥとミゲルは世界を変えるためではなく、夏油のカリスマ性に惚れ込み、夏油を王にするために動いていたため、偽夏油を援護する道は選ばなかったと考えられる。

当時、九十九由基は①全人類から呪力をなくす②全人類に呪力のコントロールを可能にさせる、という二つの「原因療法」を提案していた。非術師の呪力を完全になくすか、全員が術師になることで呪いのない世界が作れるという考えであり、本物の夏油は「非術師を皆殺しにすればいい」という考えに至っていた。

九十九由基も②の方法を模索していたが、第2期23話/47話のこの場面では「呪力からの脱却」が人類の未来だと主張する。しかし、偽夏油は「呪力の最適化」を主張するのだった。対する九十九は、最適化には天元の結界が必要であり、呪力が最適化されるのは日本にいる人間限定になるという最適化の穴を指摘する。

なお、九十九が「海外では日本と比べて呪術師や呪霊の発生が極端に少ない」と語る場面では、アニメ版オリジナルの演出でミゲルが映し出される。ミゲルは海外の呪詛師として『劇場版 呪術廻戦0』(2021) に登場したため海外にも多くの呪術師がいると思われていたが、ここではミゲルが特別な存在であることが強調されていると言える。

日本の人々だけが術師に最適化されることが問題になるのは、九十九が呪力を「エネルギー」として捉えているためである。呪力というエネルギーを日本が独占した場合に、「彼の国(アメリカ)は勿論、世界各国が黙っちゃいない」と話しているが、このセリフは漫画版の「彼の国は勿論、中東諸国が黙っちゃいない」から改変されている。アメリカは貪欲に他国からエネルギーを略取する国であり、中東諸国は石油というエネルギーを保有しているが、特定の地域への偏見を助長することを避けるための判断だろう。

日本の人々だけが呪力というエネルギーをコントロールできるようになった時、他国からの侵略や人を「奪う」という事態を招きかねないと九十九は考えているのだろう。平和を望んでいない偽夏油はそんなことはお構いなし。人間の可能性を最大化するため、自分の力の範疇を越える混沌を生み出すため、偽夏油は次のプランを始動させるのだった。

偽夏油の計画

偽夏油が発動したのは、真人から抽出した術式を利用した「無為転変」の遠隔発動。最終形態となった真人を取り込んだことで、強力な無為転変を使用できるようになったのだ。偽夏油の目的は、あらかじめマーキングしていた2種類の非術師に遠隔で無為転変を施し、術師として目覚めさせることだった。

ここで映し出されるのは、入院中の伏黒津美紀だ。伏黒津美紀は伏黒恵の義理の姉で、中学を卒業してから呪いによって寝たきりの状態になってしまっていた。津美紀は偽夏油によって呪いを与えられたと思われ、偽夏油が封印を解いたことで目を覚ましている。

偽夏油がマーキングしていたのは、虎杖悠仁のように呪物を取り込ませた者と、術式を持って生まれたが脳の構造が非術師となっている者。それぞれの脳を術師の形に整え、「最適化」された1,000人が解き放たれたという。偽夏油の目的は、手始めにこの1,000人の術師に殺し合いをさせること。その先に更なる目標が待っているようだ。

偽夏油の契約

脹相の血液に含まれる猛毒が裏梅の体内に入ったことで、一同の氷が溶けて戦える状態に。九十九は「葵」と「銃の子」、「スーツの子」は「仲間」が保護していると話している。「葵」と呼んでいるのは東堂のこと。「銃の子」は真衣で、「スーツの子」は三輪、「仲間」はラルゥのことだと思われる。

しかし、偽夏油はここで1,000年前からコツコツと呪霊とも契約を交わしてきたことを示唆する。ここでは、夏油の肉体を手に入れたことで呪霊操術で呪霊を操ることができるようになったため、「そっちの契約」は破棄したと述べていると考えられるが、1,000年分の呪霊を保持していることには変わりない。膨大な呪霊を解放した偽夏油は、虎杖悠仁に「期待」の言葉をかけ、宿儺に「呪術全盛 平安の世」が再び始まることを予告するのだった。

渋谷事変のその後、あの人登場

東京が闇に覆われていく中、政府不在、500万人の都民の疎開、1,000万以上の呪霊の解放などが語られる。皇居を中心とした結界と薨星宮(天元がいる呪術高専の地下)直上を中心とした結界を県境まで伸ばすこと、呪霊の存在を公表する計画も語られている。漫画版ではセリフの吹き出しだけで語られたこの状況は、アニメ版では国内の様々な人々の姿を映し出しながら語られていく。

都内では呪力を持っており呪霊が見える子どもが呪霊に狙われていた。そして、それを助けたのは、あの乙骨憂太だった。4人目の特級呪術師の登場、そしてCV:緒方恵美の高揚感。第2期23話/47話では“もう一人の主人公”に相応しいドラマティックな登場演出が施されている。

乙骨憂太がアニメで最後に登場したのは、『劇場版 呪術廻戦0』のポストクレジットシーンだ。当該シーンでは、五条悟が海外に出向いてミゲルといた乙骨に会いに行くという原作漫画にはなかった場面が描かれている。五条が乙骨に何かを伝えにいったことが示唆されており、ここでは五条悟が封印され、日本が窮地に立たされている状況で乙骨が帰国したのである。特級過呪怨霊・祈本里香の健在も描かれ、ヴィランの計画が順調に進んでいる大ピンチに劇場版主人公の登場という胸熱展開である。

呪術総監部通達

次の場面は原作漫画とは順番が前後して九十九由基の独白が描かれる。九十九は虎杖たちの味方というわけではなく、ただ世界から呪霊をなくしたいという立場であると語る。偽夏油が呪霊を解放する時にあえて泳がすことを選んだことを詫び、高専生は仲間と共に無事に送り届けること、いい加減に天元と向き合うことを宣言した上で、「君はどうする?」と虎杖に語りかけるのだった。

一方の乙骨憂太は、呪術総監部の幹部たちの前にいた。呪霊を倒してきた乙骨に「呪霊をいくら殺したところで何の証明にもならんさ」と話す声は、原作漫画版では「ヒッヒ」と笑う矮小な人物のセリフだが、アニメ版では重苦しい声で演出されており、発言の主も姿を見せない。これが重要な局面であることをより強調する演出だと考えられる。

このシーンでは、狗巻棘が両面宿儺の伏魔御廚子に巻き込まれて左腕を失ったことも語られている。そして意外にも、乙骨憂太は呪術総監部に虎杖悠仁を殺すことを宣言。5つの呪術総監部通達が明かされる。それは、①夏油傑への死刑の再宣告②五条悟の渋谷事変共犯認定と永久追放、封印解除の禁止③夜蛾正道が二人を唆したとして死罪認定④虎杖悠仁の死刑猶予取り消し⑤虎杖悠仁の死刑執行役として乙骨憂太を任命、というものである。渋谷事変が幕を閉じ、物語が大きく動き出した印象だ。

アニメ『呪術廻戦』第2期23話/47話ラストは虎杖悠仁の姿が描かれる。こちらも九十九のシーンと同じく原作漫画ではかなり先のシーンになる。眉間と口元に傷痕が残る虎杖悠仁は、東京の街で手を叩き、無数の呪霊たちを呼び寄せる。どこか清々しい雰囲気がある。

原作漫画では何度も手を叩いていて呪霊を呼び寄せていたが、アニメ版では一度だけ手を叩く演出になっており虎杖の気持ちが吹っ切れたことが示唆されている。東京に解き放たれた1万以上の呪霊を狩ること、それが九十九の「君はどうする?」に対するアンサーなのだろう。

そして、第2期23話の放送後には続編「死滅回游」編の制作決定が発表されている。呪術を与えられたものたちの殺し合い、「死滅回游」がいよいよ開幕する。詳細の発表を楽しみに待とう。

漫画で一足先に読みたいという人は、第16巻以降を読んでみよう。

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アニメ『呪術廻戦』第2期は2023年7月6日(木) より、毎週木曜23:56~、MBS/TBS 系列全国28局にて放送。配信先は公式サイトで。

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齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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