第2期19話/43話ネタバレ感想『呪術廻戦』釘崎野薔薇の過去、回想の意味は? そして、呪いの言葉 | VG+ (バゴプラ)

第2期19話/43話ネタバレ感想『呪術廻戦』釘崎野薔薇の過去、回想の意味は? そして、呪いの言葉

©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会

アニメ『呪術廻戦』第2期19話放送

アニメ『呪術廻戦』は2020年に第1期の放送および配信をスタート。2023年にスタートした第2期は11月30日(木)の放送回でラスト6話に突入する。本誌の方もクライマックスが近づいていると噂されているが、アニメ第2期のクライマックスはどんな展開が待っているのだろうか。

今回は第2期19話/43話の感想をネタバレ有りで書いていく。以下の内容は、アニメ『呪術廻戦』第2期19話/通算43話のネタバレを含むが、アニメでまだ扱われていない範囲の原作漫画のネタバレは行わない。アニメの方を視聴してから読んでいただきたい。

なお、前話に引き続き、第2期19話/43話からは配信時間が毎週金曜18時に変更されたのでご注意を。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『呪術廻戦』第2期19話/通算第43話の内容に関するネタバレを含みます。

アニメ『呪術廻戦』第2期19話/43話「理非-弐-」ネタバレ感想&解説

釘崎野薔薇 vs 真人の分身

今回は釘崎野薔薇回。新田明からの静止を振り切って野薔薇は五条悟救出へと突き進んでいく。ナナミンが自分で最低レベルといった戦いに自ら身を投じていくのだ。家入硝子が来ていることを新田らが黙っていたのは、無茶な戦いをさせないためということに触れられているが、確かに伏黒恵は甚爾と対峙した時に最悪でも相打ちに持ち込めれば硝子によって回復できると目論んでいた。

野薔薇自分だけ帰るなんて出来ないと語る一方、人間をおもちゃのようにして戦う真人に対し、優しい虎杖悠仁は苦戦を強いられている。野薔薇と対峙した真人の分身はその両手を警戒されていることから「七三術師」からの報告を受けたと推測する。もちろんこれはナナミンのことである。ナナミンと真人はアニメ第1期、原作コミック第3巻でタイマンで、第4巻で虎杖と共に対峙している。

真人の分身は自身の身体は自在に変形できるが、改造人間を造り出したり、魂に干渉したりすることは出来ない。しかしそれを知らない野薔薇は真人に触れるのを避けながら戦わざるを得ない。そんな中、野薔薇は「簪(かんざし)」を連発。一発目の簪で床に落ちていた釘達を跳ねさせて上に向け、二発目で上を向いた釘が真人の分身の足を貫くように持っていく。

そうして動きを止めたところで、野薔薇は真人に「共鳴り」をお見舞いする。野薔薇の共鳴りという技は、いわゆる“呪いの藁人形”と同じ理論で、相手の体の一部を藁人形と共に釘で打つことで本体にダメージを与えることができる。そして真人の分身は真人の身体の一部からできているため、共鳴りは虎杖と戦っている本体にダメージを与えることができるのだ。

この時点で釘崎野薔薇は相手が分身であることに気づいておらず、共鳴りで魂を撃ち抜くつもりだった。しかし、共鳴りによって本体がダメージを受け、その分身にもダメージがフィードバックされた。また、野薔薇は離れたところで自分の呪力が爆ぜたことを感知し、真人が分身であることに気づいている。

触れられた野薔薇

「天敵は虎杖悠仁だけではなかった」と気づいた真人。一方で、虎杖と野薔薇は離れていても共闘できることを示した。ダメージを受けた真人を虎杖はフィジカルで圧倒。「釘崎、ありがとう」と、独りじゃないと思わせてくれたことに素直な感謝の気持ちを示している。

野薔薇から逃げる真人の分身は本体と合流。交差すると真人の本体が野薔薇へと突進していき、野薔薇は真人に顔を触れられてしまう。原作コミック版のナレーションでは、①入れ替わった本体によって死角が生まれて分身が見えなかった(二体いることが視認できなかった)こと、②分身との戦闘で掌への警戒を解いてたこと、の二点の理由によって野薔薇が真人に顔を触れられてしまったと説明されている。

真人は、「七三術師」は一度触れただけでは仕留められなかったと回想しているが、原作漫画第3巻収録の23話では、ナナミンは真人に腹部を触られて深傷を負っている。その時、真人は一級術師であるナナミンが無意識に魂を呪力で守っていたため死に至らなかったことを指摘している。どうなる釘崎野薔薇。

回想にあったアニオリとは

ここからは釘崎野薔薇の回想へ。2009年、釘崎野薔薇が9歳の頃。幼少期の野薔薇のデザインは、アニメ版でキャラクターデザインと総作画監督を担当したMAPPAの平松禎史がアニメ用に描き下ろしたものをそのまま使用したことが、作者の芥見下々によってコミックス14巻の幕間で明かされている。つまりアニメ作画からの逆輸入ということになる。

後半に入って野薔薇が育った村の様子を回想するのはふみ。声優は蒼あずさが務めている。

ふみは小学校から野薔薇が住む村に転校してきた。水色のランドセルを選んだふみは、学校でいじめられていた。この描写はアニオリで、原作漫画ではふみのランドセルを欲しがる野薔薇の奔放さの方が強調されていた。

漫画版では男子を踏みつける野薔薇の姿が扉絵になっているが、アニメ版ではふみのランドセルは嫌がらせで掃除用具のロッカーの上に置かれている。また、野薔薇は水色のランドセルをバカにした男子たちを蹴り倒してランドセルを取り戻し、その行為を叱ろうとする男性教員に反発する姿まで描かれている。

漫画版と大きく印象が変わるのは、野薔薇の回想で本編に登場する男性はふみの父だけであり、一緒にゲームをして遊ぶその人は無害な存在として描かれていた。一方アニメ版では、幼少期の野薔薇は“男の子っぽい”男子生徒の行為と、“父権的な”教師の行為の破壊者としてふみを支えている。

また、原作漫画では「その日の放課後にランドセルは返ってきた」というナレーションが入っているが、野薔薇が水色のランドセルを欲しがったという件が直前にあるため、「野薔薇からランドセルが返ってきた」と読むことができた。しかし、アニメでは男子達に嫌がらせで取り上げられたランドセルが野薔薇のおかげで返ってきたと取れるように改変されている。幼少期の野薔薇のダークヒーロー的な側面が強調される良改変である。

回想の名シーン

ふみは、野薔薇が「他人になる方が難しい」と、この村の人々の距離感のなさに苛立っていたことを回想する。ふみ自身は、その言葉を近所のお婆さんが赤飯を炊いて持ってきた時に理解したと振り返っている。

初潮(初めての月経)が来た時に赤飯を炊くという文化が存在していることは広く知られていると思われるが、この村では、初潮のような極めてプライベートな情報が自分の預かり知らぬところで近所の人間に知れ渡っていること、初潮が来たことを他人に祝われることの気色悪さを示している(それは小学生にして将来の妊娠を期待されているという気色悪さでもある)。

そんな中、二人はよそから引っ越してきた沙織と出会う。野薔薇は沙織の影響を受けて口調にも変化が現れた。同じ村の外から来たのに、ふみには与えられなかった野薔薇への影響。若干の嫉妬にも似たふみの複雑な感情が表現されている。

しかし、沙織は村の人々からの嫌がらせを受けて引っ越してしまう。それを見送る野薔薇が号泣した日のことは、誰が何と言ったかや天気などを思い出すことができないというふみのセリフ通り、背景はぼやけた絵になっている。これもアニメならではの表現となっている。

そして野薔薇は呪術高専に入学するため東京へ。ふみは野薔薇が沙織との別れの時とは違って泣いていないことに負の感情を持ちかけていたが、野薔薇は「次、会う時は三人で」とふみに告げ、沙織と別れた時以来に沙織について触れる。この時の野薔薇は泣くのを我慢していた。それまで野薔薇がふみに涙を見せなかったのは野薔薇の強さだったのだろう。涙なしには見られない名シーンだ。

『呪術廻戦』にはフェミニズムが息づいていると評価されることがある。村社会で不合理な目に遭いながらも、女性同士で連帯してその現実を生き延びるこの一連のシーンは、確かにフェミニズム的なアプローチのストーリーテリングが盛り込まれていると言える。

野薔薇の前に現れたのは

大人になった沙織はオフィスで働き、いわゆる「普通の会社員」になっていた。渋谷事変が起きている頃、沙織は中二の時に田舎に引っ越したのはスピリチュアル系の母親が理由であること、野薔薇が懐いてくれたことで背伸びしていたことを先輩に明かしている。沙織はこの時点で23歳前後と思われる。幼い野薔薇たちが憧れていた沙織も今では普通の人。けれど、沙織もまた野薔薇とふみのことを忘れてはいなかった。

真人に顔に触れられた野薔薇は、この村のことを思い返し、おかしい奴の声は大きく、存在が大きく思える、そして土足で人の人生を踏みにじると述べる。この空間は、漏瑚が宿儺に敗れた時に花御らと再会した空間に似ている。

野薔薇が次に思い出したのは呪術高専東京校の面々、五条悟虎杖悠仁伏黒恵禪院真希狗巻棘パンダの姿だった。この空間に並べられた椅子は空席ばかりだが、東京校のメンバーは独立した椅子とは違い、席が連なっているソファーに座っている。呪術高専で出会った仲間たちによって、野薔薇は、必ずしも“おかしい奴ら”が他人の人生を土足で踏みにじるわけでもなかったと砕けた表情を見せる。

呪いの言葉

そして、野薔薇の前にふみが現れる。原作漫画では高校生の時のふみだけだったが、アニメ版では二人が出会った小学生時代のふみと同じく小学生時代の野薔薇の姿も描かれている。野薔薇は、ふみに約束を守れなかったことを謝り、虎杖悠仁には「悪くなかった」とみんなに伝えるよう託けると、顔の真人に触れられた部分が破裂して倒れるのだった。

カメラの方へと倒れてくる倒れ方、虎杖の「釘崎」という呟き。最悪の展開だが、この前の一連のシーンと合わせて抜群の演出によってやはり涙のワンシーンになっている。そして、虎杖に残されたのは、またも呪いの言葉である。第2期18話/42話でのナナミンからの「後は頼みます」という言葉に続き、19話/43話でも虎杖は野薔薇から「悪くなかった」とみんなに伝えてという言葉を託されている。

ただ単に野薔薇が「悪くなかった」と虎杖に告げるだけであれば、虎杖の心は少しは軽くなったかもしれない。しかし、野薔薇は虎杖にそう皆に伝えるよう虎杖に使命を託した。それは、虎杖に生き延びて皆と再会するよう告げたということでもある。

新たな呪いを虎杖悠仁は背中に受け、『呪術廻戦』第2期はラスト5話へ突入していく。

アニメ『呪術廻戦』第2期は2023年7月6日(木) より、毎週木曜23:56~、MBS/TBS 系列全国28局にて放送中。配信先は公式サイトで。

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『呪術廻戦』第2期のBlu-rayは予約受付中。

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齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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