ネタバレ解説『バッド・バッチ』シーズン2第14話 遂に交差する物語、あの人たちも登場 あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『バッド・バッチ』シーズン2第14話 遂に交差する物語、あの人たちも登場 あらすじ&考察

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『バッド・バッチ』シーズン2第14話はどうなった?

ドラマ『マンダロリアン』(2019-) シーズン3ど同時配信中の「スター・ウォーズ」シリーズといえば、アニメ『スター・ウォーズ/バッド・バッチ』(2021-) のシーズン2。アニメ『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008-2020) のその後をクローンの“不良分隊”バッド・バッチと共に描いていく。

全16話で構成される『バッド・バッチ』シーズン2は、第15話と最終回の第16話は2023年3月29日(水) に2話同時配信される。次週で最終回を迎えるシーズン2は、どんな展開を迎えたのか、今回も各シーンを解説していこう。なお、以下の内容はネタバレを含むため、必ず本編をディズニープラスで鑑賞してから読んでいただきたい。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『スター・ウォーズ/バッド・バッチ』シーズン2第14話の内容に関するネタバレを含みます。

シーズン2第14話「転換点」あらすじ&ネタバレ解説

エコー達が助けたのは…

『バッド・バッチ』シーズン2第14話の冒頭は、“囚人”として輸送されるクローン兵達の姿からスタート。帝国の輸送船を襲ったのはレックスとエコーが率いる部隊で、目を見張る手際の良さで捕虜のクローン達を救出していく。シーズン2第8話でバッド・バッチを離れてレックスと合流したエコーは、実際にクローンの仲間達を救う戦いに身を投じているようだ。

注目はレックスの部隊がバッド・バッチと同じようにブラスターを赤い光線のキル(殺傷)ではなく、青い輪っかのスタン(麻痺)のモードで使っていることだ。目的は殺しではなく助けること——その信念を守ったまま艦内を制圧していく。

エコー達が助けたハウザーは『バッド・バッチ』シーズン1第12話の惑星ライロスで登場したクローン。侵略者である帝国に従う現状に“自分たちは何のために戦っているのか”とクローン兵たちに問いかけ、それに賛同したクローン兵と共に逮捕されていた。

また、エコーのチームにいるグレガーは、『クローン・ウォーズ』から登場している人物だ。『バッド・バッチ』シーズン1第14話では、ハンターらはグレガーから救難信号を受信したレックスからの依頼でグレガーの救出に向かっている。ストームトルーパーを訓練する仕事を帝国にやらされていたが、ハンターらによって救出された後はレックスと活動しているようだ。

メンバーの一人のファイアボールは帝国士官からクローン達をどこへ連れて行こうとしていたのか、船の行き先を聞き出そうとする。しかし、この士官はシーズン2第8話の謎のクローンと同じように自死してしまう。あのクローンは自らを「信じる者 (a believer)」と名乗ったが、その裏にはどんな力が働いているのだろうか。

ヘムロックの狙い

「帝国のマーチ」と共に援軍が到着する中、エコー達は間一髪でデータを取って脱出に成功。一方で、ところ変わってタンティスでは、シーズン2第12話で人間の上官を撃って捕まったクロスヘアーの姿が描かれる。ヘムロック博士の元で働くエメリーに反抗的な態度をとるクロスヘアーは、まだ自分に意思を保っていることが窺い知れる。

そこに現れたヘムロック博士は、指揮官を撃った罰でここにいるのではなく、自発性の表れであると指摘。やり直す機会を与える代わりに「クローン・フォース99の情報」を提供するよう要求する。クローン・フォース99はバッド・バッチの正式名称だ。

シーズン2第11話のラストでは惑星カミーノの元首相ラマ・スーがクローン科学者のナラ・セに言うことを聞かせる方法として、オメガを利用することをヘムロックに提案した。オメガがまだバッド・バッチと共に生きていることを帝国に知らせてしまったわけで、博士は元バッド・バッチメンバーのクロスヘアーにバッド・バッチの居場所を聞き出そうとしているのだ。

「クローンはすべて帝国の所有物」と嘯く博士。第12話で上官がクロスヘアーに言い放った「クローンは使い捨て」という言葉と重なる。帝国にとってはクローンは人権のない存在で、ここでもクロスヘアーに非人道的な尋問を行うのだった。ここで使われる尋問ドロイドは『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977) でダース・ベイダーがレイアの尋問に使用したのと同じものだ。

ドラマ『キャシアン・アンドー』(2022-) でも帝国による非人道的な拷問は描かれた。一方で、ドラマ『マンダロリアン』(2019-) シーズン3第3話では新共和国における元帝国職員への非人道的な措置も明かされている。目的を達成しようとする権力は恐ろしいものである。

クローン達に迫る危機

ヘムロック博士は、バルモーラ発の護送船が襲われたという報告を受ける。バルモーラという惑星は『クローン・ウォーズ』で名前だけ登場している。首都惑星コルサントでは、シーズン2第9話以来の登場となるチューチー議員が救出されたハウザーの話を聞いていた。ハウザーはどれだけ収監されていたか分からないと話しているが、オメガの変化を見てもわかるようにシーズン1からシーズン2までの間には1〜2年ほどは経過していると思われる。

それほど長い間同じ場所に留めていたクローン兵たちをどこへ連れて行こうとしたのか。エコーは先程の船から回収したデータを復元し、データを読解できる者のところへ行くという。エコーが知っているデータに強い人といえば、もちろんあの人だ。

尋問ドロイドに拷問を受けていたクロスヘアーは、一瞬の隙をついて脱出に成功。兵士には殺傷モードでブラスターを放つが、エメリーには麻痺モードで攻撃してアクセスカードを奪い取ると、「プラン88」を送信し、追っ手から逃げるよう警告を放つ。

しかし、クロスヘアーはヘムロック博士の毒によって倒れてしまう。ヘムロックは自身に免疫がある毒を使っており、生物兵器を操れる可能性を示唆している。

パブーでの日々

そして登場したのはバッド・バッチ本隊。なかなかクロスヘアーとバッド・バッチが合わせて描かれることのなかったシーズン2だが、ラスト3話というところで物語が交差し始める。ハンター達は前回、日本をモデルにしたと思われるパブーが被災し、ここに残って復興を手伝うことにしていた。防波堤の強化に取り組むなど、忙しそうだが落ち着いた日々を過ごすハンターたちだが、兵士として生きることをやめるつもりはなかった。

平和な島で、オメガはテクと飛行機の訓練中。操縦の腕前は順調に上達しているようでジェットエンジンを一時停止しての推力ゼロでの急旋回も決めている。前週配信のドラマ『マンダロリアン』シーズン3第3話では、ボ=カターン・クライズが推力ゼロで縦旋回を決めていた。そこに到着したのはエコー。オメガは大喜びだが、エコーが来たのはテクに暗号を解いてもらうためだ。

一方、ヘムロック博士はターキン総督と護送船襲撃について話をしていた。ターキンは命令に疑問を持つクローンが増え、情報が漏れ始めていることを問題視している。なお、今回救出されたハウザーに関しては、バッド・バッチに触発されて命令に疑問を抱いている。

ヘムロックはターキンに問題のあるクローンを退役させて野放しにするのではなく、タンティスで処置することを提案。ターキンはサミットで詳しい話を聞くと答えるのだった。やはりヘムロックはシーズン2第8話に登場した「信じる者」と名乗った命令に忠実な暗殺クローンを作り出した人物なのだろうか。

交差するバッド・バッチ

久しぶりの再会を果たしたハンターとエコーは、キャッチアップを始める。ここに住もうかどうか考え中のハンターに対して、エコーはクローンのネットワークを築いていると真逆の現況を共有している。巨大な帝国に「勝ち目はない」と言うハンターに、エコーは「勝ち負けよりも兄弟達のために戦う」と主張し、やはりこの二人の考えはまだ噛み合うことはない。

そんな中、テクはデータの解析を完了。護送船は帝国の裏の組織である特殊科学部門の任務についており、その部門の主任科学者はロイス・ヘムロック博士であることを突き止める。ヘムロックは共和国時代に科学部隊で異常な実験を追放されたのだという。

帝国の特殊科学部門は人体実験を行なっていたナチスや大日本帝国陸軍の731部隊を想起させる設定だ。一方で、前述のように『マンダロリアン』の方では新共和国にもやり過ぎな措置を行なっている科学部門も存在する。新共和国にも特殊科学部門の流れが残っているのかもしれない。

そして、テクは護送されたクローン兵のリストの中にクロスヘアーの名前を見つける。奇しくもクロスヘアーが帝国に背いた事実を知り、「プラン88=捜索者」という暗号を発していたことも知る。

これは追手が迫っていることを伝えるものだったが、ハンターはこれがクロスヘアーの罠ではないかと疑う。これは、シーズン1第15話でクロスヘアーが捕らえたハンターを利用してバッド・バッチメンバーをおびき寄せようとしたのを踏まえてのことだ。

再び捕らえられたクロスヘアーは、ヘムロックから「思い入れはないはず」とオメガを引き渡すよう迫られるが、これを拒否。クロスヘアーはシーズン1第16話でオメガに救ってもらった過去がある。だが、それ以上に同じクローンとしてクローンを物のように考える人間にオメガを売り渡すことはできないのだろう。

クロスヘアーが更にきつい拷問を受ける中、エメリーの表情を映し出して『バッド・バッチ』シーズン2第14話は幕をおろす。クロスヘアーが一回脱出できたのはエメリーのソフトさに原因があったが、最後にエメリーの表情が映し出されたということは、エメリーの善の心が逆転のキーになるのかもしれない。

『バッド・バッチ』シーズン2第14話 考察&感想

ようやく交差した物語

ハンターらバッド・バッチ本隊、クロスヘアー、そしてレックスと合流したエコーの物語が残り3話というところで遂に交差し始めた。パブーという安住の地と復興の責務を同時に手にしたハンター達だったが、ここに来て動き出さざるを得なくなってきた。問題はクロスヘアーの発信を罠ではないと知る方法だが、強化された五感を持つハンターは、クロスヘアーを信頼できるかどうかを自ら判断するのではないだろうか。

いずれにせよテクが盗み出したデータは本物なはずであり、クローン兵達がタンティスに移動させられていることは明らかだ。追手が来る前にタンティスに攻め込み、クローン兵達を解放するというのが無理のない見立てだろう。

であるとすれば、レックスらフリーになったクローンたちの部隊が作戦に乗り出し、クローン達が戦う『クローン・ウォーズ』以来の絵が見られるかもしれない。また、まだ締め付けが弱く、議会が機能している帝国では、非人道的な実験をしている特殊科学部門を議会で追求することもできるだろう。今回チューチー議員が再登場したことはラスト2話の伏線になっているのかもしれない。

いよいよ次週の二話同時配信でフィナーレを迎える『バッド・バッチ』シーズン2。シーズン3への更新があるのかどうかにも注目して、第15話と最終話の到着を待とう。

アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン2はDisney+で独占配信中。

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』(Disney+)

同日配信の『マンダロリアン』シーズン3第4話のネタバレ解説&考察はこちらの記事で。

 

『バッド・バッチ』シーズン2第14話のネタバレ解説はこちらから。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

第4話のネタバレ解説はこちらから。

第5話のネタバレ解説はこちらから。

第6話のネタバレ解説はこちらから。

第7話のネタバレ解説はこちらから。

第8話のネタバレ解説はこちらから。

第9話のネタバレ解説はこちらから。

第10話のネタバレ解説はこちらから。

第11話のネタバレ解説はこちらから。

第12話のネタバレ解説はこちらから。

第13話のネタバレ解説はこちらから。

 

シーズン1ラストの解説はこちらの記事で。

シーズン1で明かされたクローン兵廃止の理由はこちらから。

 

ドラマ『マンダロリアン』シーズン3第1話のネタバレ解説&考察はこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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