『バッド・バッチ』シーズン2第11話はどうなった?
アニメシリーズ『スター・ウォーズ/バッド・バッチ』シーズン2は2023年1月から配信をスタート。毎週水曜日に新エピソードが配信されており、第11話からの5週間、つまり3月中は同じく「スター・ウォーズ」シリーズの人気ドラマ『マンダロリアン』シーズン3の新エピソードと同時に配信されることになる。両作のエピソード間に繋がりがあるのかにも注目だ。
『バッド・バッチ』シーズン2は第15話と最終話の第16話が同時配信されるので、配信としては残り3分の1というところまで差し掛かった。いよいよクライマックスに向けて物語は動いていくのだろうか。今回も各シーンをネタバレありで解説していこう。
以下の内容は、アニメ『スター・ウォーズ/バッド・バッチ』シーズン2第11話の内容に関するネタバレを含みます。
Contents
シーズン2第11話「メタモルフォーゼ」あらすじ&ネタバレ解説
ヘムロック博士登場
『バッド・バッチ』シーズン2第11話のタイトルは「変身」を意味する「メタモルフォーゼ」。一体誰の変身を指しているのだろうか。突如ハイパースペースから飛び出してきた廃宇宙船。ホラー色漂う艦内で、一人のクローンコマンダーが何者かの手によって犠牲になる。
ところ変わって帝国の艦隊が降り立ったのは、シーズン1の最後に惑星カミーノから科学者のナラ・セが連れてこられたタンティスだ。新キャラのロイス・ヘムロック博士は、捕えられたナラ・セと面会。どうやらナラ・セは故郷を消し去った帝国のために働くことを拒否しているようだ。
ナラ・セはパルパティーンの目的は分かっているとしながらも、それに手を貸すことはないと言い切る。ヘムロック博士はタンティスを監督する立場になったようだが、これはシーズン2第8話でランパートがカミーノ滅亡の全責任を押し付けられて失脚したことが背景にあるのだろう。シーズン2もあと3分の1というところで新たなヴィランの登場だ。
エメリーという部下から護送船904との連絡が途絶えたと聞いたヘムロック博士は、“資産”と呼ぶ荷物を回収するよう指示を出し、コルサントで監禁されているカミーノの元首相ラマ・スーをタンティスに移すよう指示するのだった。
シーズン1から登場していたランパートに代わるヴィランとして登場したヘムロック博士。軍人ではなく科学者ということで、パルパティーンのクローン生成に向けて大きな役割を担う可能性もある。ナラ・セが指摘する「パルパティーンの目的」というのも、自身のクローンを作り出すことだろう。
ジロ・ビースト登場
2話かけて脱出に成功したバッド・バッチは、シドから墜落した船からのトレジャーハント仕事を受ける。そういえばシドは第9話でバッド・バッチを助けに行くような行かないような煮え切らない回答をしていたが、結局来なかった。立場が弱いシドは今回のバッド・バッチの取り分を30%から50%に引き上げてディールは成立、テクはこの仕事を終えたらシドと縁を切ることを提案する。確かにシーズン2でもシドには振り回されてばかりで、一緒にいてもロクなことはないのかもしれない。
早々に船に辿り着いたバッド・バッチだったが、船はほとんど無傷なのに船内は荒れているという不思議な状況に出くわす。壁には生き物の爪痕があり、船内の電気も止まっていることから、シーズン2第11話はすっかりホラー回になっている。
何かのラボらしき船内には、カミーノ製のクローン用医療機器があった。そして一行が遭遇したのは、強化壁を破って電気を喰らう凶暴な生物だった。テクが電気を復旧させるも、この生き物は電気を取り込んで強化される特性を持ち、強くなって村へと向かう。
この生き物は、『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008-2020) の「いにしえの巨獣」「コルサント炎上」に登場したジロ・ビーストだ。パルパティーンがジロ・ビーストの皮膚を装備に利用するために惑星コルサントに持ち込んだが、結果、ジロ・ビーストは大暴れしてジェダイが出動する展開になった。この船にジロ・ビーストが乗っていたということは、またもパルパティーンの意向が働いている可能性が高い。
ジロ・ビーストの変身
ハンターとレッカーはジロ・ビーストを追い、テクとオメガはラボでジロ・ビーストの情報を得ようとしていた。テクは戦時中(クローン大戦中)にコルサントを襲撃した生物と同じ、つまりジロ・ビーストであることを突き止めるが、その上、このジロ・ビーストは遺伝物質を装甲板に利用しているため装甲が固いのだという。
その間にも発電所のエネルギーを吸収したジロ・ビーストは巨大化していく。タワーに登ったキングコングのような闘い方を見せる。するとそこに帝国軍が到着。ジロ・ビーストを捕獲するためにバッド・バッチの船を追い払うと、証拠隠滅のために護送船を爆撃する。めちゃくちゃだが小慣れていて手際は良い。
更にクローン・コマンダーは、ジロ・ビーストを目撃した村人たちを連行。バッド・バッチはなんとか脱出に成功するが、驚きの事実を知ることになる。
動き出す物語
あの船は帝国によるクローン研究に関連する船で、皇帝になる前のパルパティーンの指示でジロ・ビーストの遺伝物質を兵器にする研究が進められていた。これは前述の『クローン・ウォーズ』からのことだろう。
更に帝国がバッド・バッチの故郷でもあるカミーノを破壊した理由が、クローン技術を独占するためだったことを一行は知る。ハンターは、エコーとレックスにデータを送るようテクに指示を出す。大きな物語に巻き込まれたハンターだが、情報提供にとどめるのか、自らも出動するのか、その心境はいかに。
『バッド・バッチ』シーズン2第11話のラストは再びヘムロック博士が登場。“資産”と呼んでいたジロ・ビーストを確保するとともに、ナラ・セを動かすための材料として呼び寄せたラマ・スー元首相も到着。憎まれ口を叩くラマ・スーだったが、自身の自由と引き換えにナラ・セを動かす材料としてオメガの存在をヘムロックに告げる。
また、帝国はジロ・ビースト確保作戦で現場から逃げた軍用シャトルの存在を認識しており、バッド・バッチに近づきつつある。シーズン2第2話ではバッド・バッチが生存しているという情報をランパート中将が握り潰したため、帝国側はまだバッド・バッチはカミーノと共に沈んだと考えている。物語が大きく動き出す予感と共に、シーズン2第11話は幕を下ろしている。
『バッド・バッチ』シーズン2第11話考察
クローンの兵器転用
シーズン2は第11話で大きく話が動き出した。パルパティーンがクローン技術を転用した兵器開発に取り組んでいることが分かり、バッド・バッチメンバーも帝国がクローン技術の独占という愚かな目的のために故郷が破壊されたと知った。更に帝国はオメガとバッド・バッチの存在に近づきつつある。
これまでは帝国vs反帝国の大きな流れには加わらなかったバッド・バッチだが、ついに当事者性のある問題が頭をもたげた。今回の情報を得たレックスとエコーがどのように動くのかにも注目だ。
この先の展開を考えると、パルパティーンと帝国はクローン技術を転用した兵器開発には失敗したと思われる。一方で、後にパルパティーンのクローンを作ることには成功しているので、バッド・バッチがクローン技術の兵器転用は阻止し、パルパティーンの野望は最低限のクローン生成のみ達せられるという展開が待っているのかもしれない。
それにしても、ドラマ『キャシアン・アンドー』(2022-) でも描かれた通り、帝国はデス・スター建設にも着手しているのだから、なかなかの有能さである。ランパートのような人材を切り捨ててもヘムロック博士のような人物が出てくるし、層も厚い。
『マンダロリアン』との関連は?
一方で、気になるのはドラマ『マンダロリアン』との関連だ。『マンダロリアン』において、帝国の残党はグローグーの血液を欲しており、ヨーダと同じ種族のクローンを作ろうとしているというのが有力なファンセオリーである。『バッド・バッチ』では、帝国にクローン技術が渡るまでの流れが描かれている。その技術がどのように利用されていくのかは、『マンダロリアン』と同時並行で見ていくべきポイントだろう。
なお、オメガはジャンゴ・フェットの純粋なクローンであり、ボバ・フェットとは兄妹関係にあたる。ボバ・フェットのコードネームが“アルファ”で、その次に生まれたのが“オメガ”なのだ。『マンダロリアン』シーズン3にはボバ・フェットが再登場する可能性もある。『バッド・バッチ』から20数年後を舞台にした同作で、オメガに関連することが描かれるのかどうかにも注目したい。
アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン2はDisney+で独占配信中。
シーズン2第12話のネタバレ解説はこちらから。
第1話のネタバレ解説はこちらから。
第2話のネタバレ解説はこちらから。
第3話のネタバレ解説はこちらから。
第4話のネタバレ解説はこちらから。
第5話のネタバレ解説はこちらから。
第6話のネタバレ解説はこちらから。
第7話のネタバレ解説はこちらから。
第8話のネタバレ解説はこちらから。
第9話のネタバレ解説はこちらから。
第10話のネタバレ解説はこちらから。
シーズン1ラストの解説はこちらの記事で。
シーズン1で明かされたクローン兵廃止の理由はこちらから。
ドラマ『マンダロリアン』シーズン3第1話のネタバレ解説&考察はこちらの記事で。