ネタバレ解説『バッド・バッチ』最終話 第16話 まさかの結末。ラストの意味は? あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『バッド・バッチ』最終話 第16話 まさかの結末。ラストの意味は? あらすじ&考察

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『バッド・バッチ』シーズン1 フィナーレ

2021年5月からDisney+で独占配信されているアニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』は、『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008-2020) と『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005) の後を描くシリーズ。クローン戦争後、帝国が成立したばかりの時代を舞台に、“不良分隊=バッド・バッチ”の生き様を描く。

アニメ『バッド・バッチ』は、シーズン1最終回を目前に控えてシーズン2への更新が決定。2022年にシーズン2が配信されることが発表されたばかりだ。

そして遂にシーズン1のクライマックスを迎える『バッド・バッチ』。最終話となる第16話ではどのような結末が待っていたのだろうか。第16話「カミーノ滅亡」をネタバレありで解説していこう。

第16話「カミーノ滅亡」あらすじ&ネタバレ解説

沈みゆくカミーノ

はっきりと「カミーノ滅亡」というタイトルが付けられた『バッド・バッチ』最終話は、第15話のラストで始まった帝国による一斉射撃で幕を開ける。『クローン・ウォーズ』でも幾度となく舞台になったカミーノ が火を上げて沈んでいく。それに巻き込まれていくバッド・バッチたち……。帝国のランパート中将は味方のクローンだったクロスヘアーごとカミーノを沈めている。帝国によるクローン兵への決別だ。

海へと沈んでいくカミーノの施設の中で、オメガはなんとかクロスヘアーを助け出し、一名を取り留める。困っている人を助けるのがオメガのポリシー。表現の難しい水中シーンのアニメーションは圧巻だ。合流した6人とAZIだったが、水はどこからでも襲いかかってくる。

クロスヘアーは不本意ながらもハンター、オメガらの後についていくが、たどり着いてのは、かつてのバッド・バッチの兵舎だった。クロスヘアー「共に築いた栄光」に執着している様子。レッカーはクロスヘアーがバッド・バッチに戻らなかったことを責めるが、クロスヘアーは“自分のやり方”でバッド・バッチに戻りたいのだ。

捨て駒の愛国心

一行はオメガが発見した水中トンネルを進み、海の中から現れた海獣を退けると、オメガとバッド・バッチが作られたナラ・セのラボに辿り着く。前回明らかになったことだが、オメガはバッド・バッチよりも先に創られていた。4人にとってクローンの先輩であり、姉のような存在なのだ。

一行はまたも道を塞がれてしまい、クロスヘアーはオメガを子ども呼ばわりして非難する。帝国に捨てられてもなおも帝国を信奉するクロスヘアーは、「今後は帝国が銀河中を支配する」とその未来を言い当てる。だが、見捨てられているにも関わらず「俺はその一部になる」と言って憚らない。国から見れば駒に過ぎない人物が愛国者になっていく様子は、現実でも見慣れたものだ。

頭を抱えるクロスヘアーに、オメガはバッド・バッチが生まれるまで孤独だったこと、自らの意思で再びバッド・バッチに会おうとしたことを明かす。それでもクロスヘアーは、オメガとバッド・バッチは違うと言い張り、オメガを突き放すのだった。

「敵である必要はない」

突破口を見つけたい一同は、医療用カプセルを使い、AZIのガイドで海面まで浮上する作戦を選ぶ。しかしこれに成功したのはオメガを除く5人だけ。AZIはオメガを浮上させるが最後の力を使い切り、沈んでしまう。それを見捨てないのがオメガだ。カプセルから抜け出すと捨て身でバッテリーの切れたAZIを助けに行く。

オメガはAZIと共に海底へと沈んでいくが、それを助けたのはクロスヘアーだった。銃からロープを射出すると、AZIとオメガを海上に引き揚げることに成功する。ハンターが自らオメガを助けようと海に飛び込もうとしたその矢先の出来事だった。クロスヘアーはオメガを助けただけでなく、ハンターをも危険に晒したくなかったのかもしれない。

ハンターはクロスヘアーに“チャンス”を与えるが、クロスヘアーはこれを断る。ハンターがクロスヘアーにかけた「望むものが違っても、敵である必要はない」とは、分断の時代における名言である。最後にクロスヘアーはオメガに「借りは返した」と言い、オメガを助けた理由は、最終話の冒頭で助けてもらったことへのお返しだったことを明かす。オメガは、クロスヘアーが今でも5人にとっての兄弟であることを伝え、“バッド・バッチ”は滅亡したカミーノを後にするのだった。

一方、カミーノの生き残り、第14話でランパート中将に連れ出された科学者のナラ・セは帝国の重要な計画 (a big plan)を託される場面で『バッド・バッチ』シーズン1は幕を閉じる。最後の人物は医療士官 (medical officer) とクレジットされており、ナラ・セが就く任務が医療系のプロジェクトであることが分かる。クローン兵を廃止した帝国がクローン技術を手に入れてやることと言えば、パルパティーンのクローンを作り出すことだろう。そうだとすれば、それは確かに“ビッグプラン”である。

『バッド・バッチ』最終話&シーズン1考察

“クローン”の物語に解答

『バッド・バッチ』シーズン1は、エピソード3からエピソード4にかけての間でなぜクローン兵が消えたのか、という疑問に明確な答えを示した。人間の徴兵による経費削減、志願兵の登用による忠誠心の強化といった具体的な戦略が示されたのだ。

そして今度は、エピソード9で突如パルパティーンのクローンが登場した問題に、はっきりとしたバックストーリーを提示しようとしているのではないか。バッド・バッチとオメガを生み出したクローン技術の第一人者ナラ・セを手中に収めた帝国の目的が透けて見える。

バッド・バッチの物語

一方、バッド・バッチのストーリーはどうだったか。クロスヘアーとの別れ、オメガとの出会いから幕を開けた『バッド・バッチ』シーズン1は、クロスヘアーと再合流しないまま幕を閉じてしまった。物語においては“闇堕ち”には“救済”がつきものだし、これまでの「スター・ウォーズ」シリーズはそのように作られてきた。だが帝国派のクロスヘアーは自由意思に基づいて帝国を支持していることが明らかになった。クロスヘアーにとっての救いは、それでもハンターが「敵である必要はない」と言い、オメガが「それでも兄弟」と認めてくれたことだろうか。

異なる道を歩むことにしたクロスヘアーとバッド・バッチは、「敵でも味方でもない」という微妙な距離感のまま宇宙を生きていくのだろう。それは、不安定な時代に「敵か味方か」の選択を迫るよりは平和な道なのかもしれない。

それに、大きな組織・流れに合流しないというハンターのスタンスについても、特別な動きはなかった。第12話におけるエレニの「戦争が始まれば戦いは避けられない」というエレニの言葉が思い出される。帝国軍と反乱軍の戦いに巻き込まれ、ハンターが明確に立場を問われる展開は、まだ少し先のシーズンでのことになるだろうか。

他のシリーズに登場していないランパート中将の行く末にも注目だ。帝国内でどんどん出世していてもおかしくないランパート中将が旧シリーズに登場していない理由、もしくはどこかで登場していたという事実は、『バッド・バッチ』のシリーズ内で説明されるだろう。

『バッド・バッチ』シーズン2は2022年の配信開始が決定している。2021年12月にはドラマ『ザ・ブック・オブ・ボバ・フェット』の配信開始も控える。まだまだ語られ続ける「スター・ウォーズ」の宇宙から目が離せない。

アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン1は全16話がDisney+で配信中。

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』(Disney+)

シーズン2は2022年配信開始。詳しくはこちらから。

ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』の情報はこちらの記事で。

 

『バッド・バッチ』第15話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

第4話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第5話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第6話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第7話のネタバレ解説はこちらから。

第8話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第9話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第10話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第11話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第12話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第13話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第14話のネタバレ解説はこちらの記事で。

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