アニメ『ダンジョン飯』第11話 感想&考察 レッドドラゴンとの神作画での死闘! ネタバレ解説 | VG+ (バゴプラ)

アニメ『ダンジョン飯』第11話 感想&考察 レッドドラゴンとの神作画での死闘! ネタバレ解説

©九井諒子・KADOKAWA刊/「ダンジョン飯」製作委員会

アニメ『ダンジョン飯』炎竜〈レッドドラゴン〉三部作スタート!

アニメ『ダンジョン飯』第10話「大カエル/地上にて」で、ライオスたちはダンジョンに潜る目的である炎竜〈レッドドラゴン〉のいる第5階層に辿り着いた。アニメ『ダンジョン飯』は炎竜編として、第11話と第12話、第13話を三部作としている。そして、炎竜編三部作を劇場公開することも合わせて発表された。


食うか食われるかという『ダンジョン飯』が語る真理を、スタジオTRIGGERの神作画によって炎竜〈レッドドラゴン〉との死闘として描くことになるアニメ『ダンジョン飯』第11話「炎竜1」。本記事では、アニメ『ダンジョン飯』第11話「炎竜1」の考察と解説、感想を述べていこう。なお、本記事はアニメ『ダンジョン飯』第11話「炎竜1」のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『ダンジョン飯』の内容に関するネタバレを含みます。

炎竜〈レッドドラゴン〉との死闘

作戦実行

マルシルは杖のアンブロシアで建物にエルフ文字を書き、爆破で炎竜〈レッドドラゴン〉の頭上に建物を崩落させる準備をしていた。その頃、ライオスたちは炎竜〈レッドドラゴン〉を誘き出していた。

ライオスたちの目的は炎竜〈レッドドラゴン〉を走らせて疲弊させ、炎の息の燃料を使い切らせることだった。疲弊させるには時速60kmで走る巨大な怪獣相手に逃げ回らなければならない。そのためにアニメ『ダンジョン飯』第10話「大カエル/地上にて」で地図を制作したのだ。

炎竜〈レッドドラゴン〉をはじめとする竜類は体内に溜め込んだ燃料をタンギングという方法で着火させて炎を吐く。ライオスは建物に沿って何度も炎竜〈レッドドラゴン〉を蛇行させ、しびれを切らして炎を吐かせようとしていた。

舌を鳴らすようなタンギングの音を合図にセンシのアダマンタイトの鍋の後ろに隠れる。安全かと思われたが、ライオスたちが隠れたそれは長年センシが盾ではなく鍋として丁寧に使用してきたものだ。熱が均等に広がり、ライオスとセンシは鍋を持ち続けられなかった。

センシというイレギュラー

ここでライオスたちがアダマンタイトのことを「竜の攻撃をすべて防ぐ」と勘違いしているが、ナマリが言ったのは「武器となれば竜の骨を砕き、防具となれば竜の牙をも通さない」ということだ。あくまでも牙や爪といった物理的な攻撃は防げるが、アダマンタイトは熱伝導が均等に伝わるという鍋に適した性質だったことには言及していない。

そもそも、家宝になるようなアダマンタイトを鍋にするような者がいなかったので、その性質はあまり知られていなかったのだろうと考察できる。センシはどこまでもドワーフとしては異質な存在なのだ。

炎竜〈レッドドラゴン〉からの逃亡劇

迫力のあるスタジオTRIGGERの作画で描かれるドラゴンからの逃避行は、こちらも手に汗握るものとなっている。竜盤目のような骨格の炎竜〈レッドドラゴン〉が走ればどのような動きをするのか、その影響で建物はどう崩れるのかという点も素晴らしいが、焦ったライオスや爆破魔法を放つ寸前のマルシルの表情も素晴らしい。

何とか炎竜〈レッドドラゴン〉を建物の下敷きにすることに成功したライオスたちだったが、炎竜〈レッドドラゴン〉はそのような重みはものともしなかった。死んだふりで首の下の逆鱗を突こうとしたライオスだったが、剣であるケン助は逃げた。ケン助は所詮、動く鎧という魔物であり、自身の生存を最優先に行動したと考察できる。

センシが毎日手入れを欠かさなかったミスリル製の包丁で、炎竜〈レッドドラゴン〉の脚を刺すが刃渡りが短すぎて効き目がない。マルシルの爆破魔法も効果はなく、そうしている間にもケン助は危険を察知してライオスのもとからゆっくりと離れていく。炎竜〈レッドドラゴン〉の股の下にいる間は炎の息を吐かれないが、その安全も時間の問題だ。

食うか食われるか

そのとき、センシが囮を買って出る。引き留めるライオスに対して、センシはこれまで食べてきた魔物たちは死力を尽くしてきたと語る。ライオスたちは魔物の命を戴いてきたのだ。今度はそれが自分の番として回って来ただけであり、食うか食われるかの戦いだとセンシは説く。そしてセンシは炎竜〈レッドドラゴン〉に踏み潰されながらもケン助を掴み取る。

ライオスは咄嗟に炎竜〈レッドドラゴン〉の股の下から飛び出そうとするが、それをチルチャックがセンシの犠牲を無駄にする気かと止める。チルチャックはセンシのもとに駆け寄り、炎竜〈レッドドラゴン〉の脚に刺さっていたミスリル製の包丁を投げた。

チルチャックは自分のことを戦力としてあてにするなと語っているが、炎竜〈レッドドラゴン〉との初戦の際に弓矢を持って戦いに参加している。そのため、投擲などの命中率が高いと考察でき、それによってミスリル製の包丁を炎竜〈レッドドラゴン〉の眼に突き刺すことに成功したのだろう。

それによって荒れ狂う炎竜〈レッドドラゴン〉の作画もスタジオTRIGGERの手腕がいかんなく発揮されており、見応えがあるものとなっている。センシは残りの力で地面に貼り付いたケン助を剥してライオスに渡す。ここの瓦礫が崩れる作画も素晴らしい。

決死の一撃

建物の上へと向かうライオスはマルシルと遭遇する。そこでライオスはマルシルにすべての作戦が失敗したと話し、別の作戦を行なうと語った。ライオスの解説した作戦は、ライオスはアダマンタイトの鍋の上に乗り、その下をマルシルが爆破することで炎竜〈レッドドラゴン〉の頭の上に飛び乗るというものだった。

心配するマルシルに、水の精霊ウンディーネ相手にマルシルも同じことをやったと話すライオス。そして、今回はチルチャックの活躍により炎竜〈レッドドラゴン〉の左眼が潰されており、視覚となっていると続けた。そうして、ライオスは一世一代の賭けに出る。

ライオスの賭けとは炎竜〈レッドドラゴン〉に自分の右足を噛みつかせ、それによって宙づりになることで逆鱗に近づくというものだった。ファリンが死に際に仲間全員をダンジョンの外に転送させたことと比べれば、我慢できるはずだとライオスは自分に言い聞かせる。しかし、それでも足を噛み千切られるというのは想像を絶する痛みであり、ライオスは視界が薄れゆく中で逆鱗を探し、ケン助で貫いた。

故郷での思い出

右足が千切れて地面へと落ちていくライオスは、かつて故郷で過ごした少年時代を走馬灯として思い出す。そこでライオスは棒を持っているが、幼いライオスはいつも木の棒を持っており、魔術学校でのファリンも木の棒を持ち歩いていたため、この癖はライオスとファリン兄妹共通のものだと考察できる。

幼い日のライオスとファリンは墓場に幽霊が出るという噂を聞いて、墓場へと肝試しへと訪れたのだ。幽霊に取り憑かれて命を落としかけたライオスだったが、彼を救ったのは他でもないファリンだった。ファリンはここで魔術の才覚があることが明らかになるが、霊術を使う墓守などはライオスの故郷では蔑まれている職業だった。

その日を境に村人たちはファリンを恐れるようになり、村長でもあった父親は対処に困った結果、ファリンを10歳で魔術学校に送った。父親もノームの魔法使いに相談するなど、それなりに苦心したようだが、ファリンの扱いでライオスと父親は仲たがいをしてしまった。

そうしてライオスはファリンを村から連れていく資金を貯めるべく兵士となって村を出る道を選んだ。母親もこのことが原因で寝込んだとのことだが、この父親が人間関係が不得意なところはライオスも同じであり、父親譲りだと考察できる。

回復痛

走馬灯の中でファリンから「気にしないで」と呼ばれ、別れを告げられたライオスは「寂しいこと言うなよ」と呟く。右足を失い、止血処置をしたライオスを置いてマルシルはチルチャックとセンシを探しに行くのだった。

チルチャックを回復魔法で癒すマルシルだったが、チルチャックは回復痛で悶絶する。『ダンジョン飯 ワールドガイドブック 冒険者バイブル』によれば、ファリンは神経を一時的に麻痺させることで、回復痛を緩和していた。マルシルはこの麻酔の仕方は非常に高度かつ危険なものだと解説しており、怯えるセンシにも早さには自身があるといって回復魔法を施していた。

ライオスの脚を持っているマルシルの図はどこか狂気さえ帯びており、センシの魔法嫌いも納得できる。幸い、ライオスの脚は炎竜〈レッドドラゴン〉の牙で綺麗に切断されていたようで、回復痛は痒みが生じる程度で済んでいた。

ペリット

炎竜〈レッドドラゴン〉の腹を掘り進めていくライオスとセンシ。その皮膚は分厚く、包丁では皮下脂肪にすら辿り着けない。マルシルの爆破魔法を使う提案を拒否する、ランタンを使おうとするセンシを諫めるなど、ライオスは炎竜〈レッドドラゴン〉の体内を火気厳禁としている。考えてみれば、あれほどの炎を吐く燃料を溜め込んだ臓器の近くで火を使うことは危険であり、ライオスはこのことから爆破や火気を避けたと考察できる。

センシは炎竜〈レッドドラゴン〉の体内の蒸し暑さから炭鉱で働いていた時代を思い出していた。先ほどまで生きていたのだから体内は熱を持っていることは容易に考察でき、なおかつ炎を吐く魔物の体内ならばなおさらだ。

胃袋を見つけたライオスは、巨大なそれを引き摺りだす。炎竜〈レッドドラゴン〉の胃袋は空っぽだった。炎竜〈レッドドラゴン〉は異常にも休眠期に入らずに動き続けたことで胃だけではなく、腸も空っぽだった。そこでライオスは砂嚢を探すことを思いつく。

これは現実の鳥類も同じで、消化できない異物を砂嚢にためてペリットとして吐き出す。これは一部の恐竜にも見られ、炎竜〈レッドドラゴン〉は竜盤目に近い魔物だと考察できる。そして、ライオスたちは砂嚢の中からファリンの遺骨を発見するのだった。

第11話の感想とファリンの蘇生を描く第12話

全体的にスタジオTRIGGERの作画に目を奪われ、感想が多くなってしまったアニメ『ダンジョン飯』第11話「炎竜1」。しかし、これは炎竜編の始まりに過ぎない。第12話ではペリットとなってしまったファリンをどのように蘇生させるのかが描かれることになる。死を禁じたダンジョンとは言え、ファリンは既に骨になってしまった。

鍵を握るのは魔術師でダンジョンを研究していたマルシルだ。マルシルはどのようにファリンを蘇生させるのか。そして、それによって炎竜編がどのように動くのか。炎竜編第2弾のアニメ『ダンジョン飯』第12話に注目が集まる。

アニメ『ダンジョン飯』第11話「炎竜1」は3月14日(木)22:30より放送と配信が開始。

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アニメ『ダンジョン飯』第1話「水炊き/タルト」のネタバレ感想と考察はこちらから。

アニメ『ダンジョン飯』第12話「炎竜2」のネタバレ感想と考察はこちらから。

アニメ版『ダンジョン飯』のオープニングのBUMP OF CHICKENの新曲「Sleep Walking Orchestra」と主要キャストはこちらから。

アニメ版『ダンジョン飯』のエンディングの緑黄色社会の新曲「Party!!」と追加キャストはこちらから。

鯨ヶ岬 勇士

1998生まれのZ世代。好きだった映画鑑賞やドラマ鑑賞が高じ、その国の政治問題や差別問題に興味を持つようになり、それらのニュースを追うようになる。趣味は細々と小説を書くこと。
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