アニメ『ダンジョン飯』炎竜編、第2章では何が描かれる？
アニメ『ダンジョン飯』第11話「炎竜1」では、スタジオTRIGGERの作画技術を発揮した炎竜〈レッドドラゴン〉との激戦が繰り広げられた。時速60㎞で走る体長25mの怪獣のような存在に人間が勝てるのかどうかに注目が集まったアニメ『ダンジョン飯』第11話「炎竜１」に対し、2024年3月21日（木）に配信された第12話「炎竜2」では戦いのその後が描かれる。
炎竜〈レッドドラゴン〉との激戦の末にライオスたちを待ち受けるものは何だったのだろうか。本記事ではアニメ『ダンジョン飯』第12話「炎竜2」の考察と解説、感想を述べていこう。なお、本記事はアニメ『ダンジョン飯』第12話「炎竜2」のネタバレを含むため、本編視聴後に読んでいただけると幸いである。
以下の内容は、アニメ『ダンジョン飯』の内容に関するネタバレを含みます。
Contents
ファリンの復活と炎竜〈レッドドラゴン〉クッキング
古代魔術
第5階層での炎竜〈レッドドラゴン〉との死闘の末に待っていたものは、骨だけになったファリンの遺体であった。骨を集めようにも魔狼〈ワーグ〉の骨と見分けがつかない上、遺体の損傷が激しいほど魂との繋がりが弱くなり、蘇生の成功率も下がる。ファリンの蘇生は絶望的かと思われたとき、マルシルがある提案をする。
それは蘇生に必要な新鮮な肉は炎竜〈レッドドラゴン〉の肉を使用し、禁忌とされた古代魔術でマルシルがファリンを蘇生するというものだった。古代魔術は黒魔術と呼ばれ、使うだけでも罰せられるものだ。マルシルは魔術学校でダンジョンについて研究していたが、その中に古代魔術も含まれていたのだ。
マルシルとライオスは魔狼〈ワーグ〉の骨とファリンの骨をパズルのように組み立てていく。その楽しんでいるかのような姿勢にチルチャックが突っ込みを入れた。ここでマルシルが重要なことを解説している。それは「ダンジョンは死を禁じているが、それの対象は人間の魂だけ」ということだ。このことから、このダンジョンを生み出した狂乱の魔術師シスルが人間だけを生きながらえさせようとしていたことが考察できる。
杖のアンブロシアを魔法陣に突き立て、呪文を唱えていくマルシル。ファリンの骨に炎竜〈レッドドラゴン〉の血が集まり、一つの形を作っていく。魔力を使い果たしたのか、マルシルは気絶してしまったが、ファリンを蘇生させることに成功した。兄であるライオスは勿論、魔術学校からの親友であるマルシルたちは喜ぶ。チルチャックとセンシも同じだ。そのとき、ファリンのお腹が鳴り、ライオスたちは食事の準備をするのだった。
風呂に入るマルシルとファリンだったが、ファリンは炎竜〈レッドドラゴン〉の血肉で蘇生されて以降、魔力が漲ると言う。そうして、ファリンは混乱が収まってくると炎竜〈レッドドラゴン〉の戦いで何があったのか、そしてマルシルに古代魔術を使わせてしまったことを悔やむのだった。それでもマルシルは平気だと言い、何の後悔もないと断言するのだった。
無一文と危うい状況
その頃、ライオスとチルチャックは今後について話していた。ファリンを救ったと言っても、最初の炎竜〈レッドドラゴン〉との戦いで失った財産が戻ってくるわけではない。銀行の手形の再発行にも時間がかかる。ライオスのパーティーは現在無一文なのだ。それだけではなく、古代魔術を使ったことが知られたらただでは済まない。
チルチャックはマルシルが古代魔術について黙っていたことをぼやく。マルシルはダークエルフではないと否定するが、『ダンジョン飯 ワールドガイド 冒険者バイブル』によればダークエルフというものは存在しない。ダークエルフは他種族が傲慢なエルフに対して使う言わば蔑称で、ダークドワーフという蔑称が無いのは元々ドワーフが愛想の無い種族だったからとのことだ。
炎竜〈レッドドラゴン〉のオーブン
その頃、センシは料理をすべく、鍋と薪を持って炎竜〈レッドドラゴン〉のもとに向っていた。第11話「炎竜1」でもそうだったが、ライオスは炎竜〈レッドドラゴン〉の傍では火気厳禁としている。その理由はライオスたちがファリンを探すために炎竜〈レッドドラゴン〉を捌いたときに、燃料袋も切り開いてしまったためだった。
炎竜〈レッドドラゴン〉の死体の爆発からファリンが咄嗟に防御魔法を施す。チルチャックは火事場の馬鹿力と評するが、炎竜〈レッドドラゴン〉の血肉で蘇生して以降、ファリンの様子がおかしいのはファリン自身が気づいていた。
センシは天然のオーブンと化した炎竜〈レッドドラゴン〉の死体を使って料理を始める。その調理の間にセンシは再び風呂に入れられていた。また、炎竜〈レッドドラゴン〉を含む竜種は「竜に捨てるとこなし」と言われる。牙や爪は高価で、最も高価なのは竜涎香と呼ばれる唾液腺だ。これはマッコウクジラがモデルだと思われる。竜の体は大きければ大きいほど高価なため、炎竜〈レッドドラゴン〉の尻尾に刃を入れたときにはチルチャックが騒いでいた。
倫理的にセーフか、アウトか
ここでライオスたちは倫理的なバランスを求められた。果たして、自分の妹を食べた魔物の肉を食べる行為は倫理的にセーフなのか。それともアウトなのか。その答えを出したのは以外にも犠牲者であるはずのファリンだった。ファリンは自分を食べた炎竜〈レッドドラゴン〉の肉を食べる。不可思議なサークル・オブ・ライフだ。その様子を心配そうに皆が眺めるが、ファリンは美味しいというのだった。
魔物食にすっかり慣れ切ったマルシルとチルチャックは炎竜〈レッドドラゴン〉の味について、何に似ているか話し合う。ライオスは炎竜〈レッドドラゴン〉を唯一無二の竜の味と熱弁し、ファリンに魔物食のことを話す。マルシルが止めに入る。それはこの兄にしてこの妹ありと言ったところか、ファリンは目を輝かせてその話に食いついた。
チルチャックは杞憂だったというが、付き合いの長いマルシルはこのようにファリンが魔物食に興味を持つことを予想して嫌がっていた。ファリンは魔術学校の頃から、授業から抜け出しては木苺を食べ、天然のダンジョンに入り浸るような性格の持ち主だ。親友であるマルシルなら、魔物食にファリンが興味を示さないはずがないと容易に考察できたはずだ。
ケン助
動く鎧について話していた際、チルチャックがぴしゃりと「本物を見せた方が良いんじゃないのか」と言う。チルチャックはセンシと共に炎竜〈レッドドラゴン〉との戦いでケン助が逃げ出す様子を目撃した人物だ。しかも、それが原因で炎竜〈レッドドラゴン〉の止めを一度刺し損ねている。責めるのも無理はない。
チルチャックは使い捨てにされやすい同じ種族のためにギルドを設立するなど、ライオスのパーティーの中では一番大人とも言える人物だ。そのため、ケン助を使ったことを咎めるのではなく、独断で黙っていたことにより、仲間からの信頼を失いかけたことを叱った。
ハッピーエンド……？
ライオスたちは第5階層の旧市街地にある一軒家で、一晩を過ごすことに決めた。マルシルは久しぶりにベッドで眠れることに喜んでいる。その最中にも、ファリンはその家に残された子供の魂と対話していた。このことからも、RPGにおいてマルシルが魔法使いなのに対し、ファリンは僧侶のような存在だと考察できる。
炎竜〈レッドドラゴン〉を倒し、平和に終わったと思われるライオスたち。各々がファリンの喪失と向き合い、再会を喜んでいたが、それを良く思わない者がいた。それこそ、炎竜の主人であり、ダンジョンの主である狂乱の魔術師シスルだ。
本日のレシピ
タマネギのピザパン
1. 小麦粉と酵母、塩、水を混ぜて良く練る。
2. 少し生地を寝かせる。
3. 広げて形を整える。
4. 玉ねぎ、チーズ、炎竜〈レッドドラゴン〉の肉などの具をのせる。
5. 炎竜〈レッドドラゴン〉の皮に打ち粉をして台座にする。
6. 炎竜〈レッドドラゴン〉の体内をオーブン代わりにして焼く。
ドラゴンテールスープ
1. 炎竜〈レッドドラゴン〉の尻尾の先を落とす。
2. 皮を剥く。
3. 玉ねぎ、カブなどと共に煮る。
ローストレッドドラゴン
1. 炎竜〈レッドドラゴン〉の肉をブロック状に切り取る。
2. 炎竜〈レッドドラゴン〉の皮を鉄板代わりに表面に焼き色を付ける。
3. ワインなど調味料に漬ける。
第12話の感想と狂乱の魔術師シスルが登場する第13話
第11話「炎竜１」から始まる炎竜編は三部作構成になっており、第11話「炎竜1」でのスタジオTRIGGERの作画技術が全開に披露された激戦から転じ、第12話「炎竜2」では炎竜討伐後の平穏が描かれた。しかし、その一方でファリンの体に異常に魔力が満ちはじめ、狂乱の魔術師シスルが動き出すなど、不穏な空気が漂っている。
炎竜〈レッドドラゴン〉は強大な魔物で、狂乱の魔術師シスルの手駒だ。そのため、炎竜〈レッドドラゴン〉の死に対して狂乱の魔術師シスルが動き出しはじめる可能性は高い。狂乱の魔術師シスルを倒した者がダンジョンの次の主になると言われているが、それを目的としているのはカブルーのパーティーぐらいだ。ライオスとシスルの衝突に期待が高まる。
アニメ『ダンジョン飯』第12話「炎竜2」は2024年3月21日（木）22：30より放送と配信が開始。
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