2期1話/13話ネタバレ感想&解説『機動戦士ガンダム 水星の魔女』見えてきたクワイエット・ゼロ | VG+ (バゴプラ)

2期1話/13話ネタバレ感想&解説『機動戦士ガンダム 水星の魔女』見えてきたクワイエット・ゼロ

© 創通・サンライズ・MBS

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第2期放送開始

2023年4月9日(日)より、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第2期の放送が開始された。ガンダムテレビアニメシリーズ初の女性主人公作品ということでも話題を呼んだ本作。2022年10月より放送された第1期で積み残された数々の謎の真相は如何なるものなのか。2期第1話目(通算では13話目)のサブタイトルは「大地からの使者」であり、これは初代『機動戦士ガンダム』(1979~1980)第1話サブタイトルである「ガンダム大地に立つ!!」のオマージュとも受け取れる。それでは、ネタバレありで早速2期第1話(通算13話)の感想および解説をしていきたい。

第13話 大地からの使者
ネタバレ注意
以下の内容は、TVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』2期第1話の内容に関するネタバレを含みます。

レネとフェルシーの共演

衝撃的なラストを迎えた『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1期最終回から2週間後、再び学園を舞台として第2期の物語は始まった。スレッタは‟ホルダー”の義務として決闘を受け続ける。

ここは端的にスレッタとガンダム・エアリアル(改修型)の強さを見せ付けるパートだが、注目したいのは「決闘委員会」の面子だ。これまでの決闘ではシャディクが「立会人」を務めることが多かったが、今回はペイル寮のエラン(5号)が務めた。

そして、グラスレー寮からはレネ・コスタおよびサビーナ・ファルディン、ジェターク寮からはフェルシー・ロロがそれぞれ代理として出席していた。未だ決闘委員会の組織図や運営形態について詳細には描かれていないが、決闘の際にはそれぞれの寮からある程度の人員がそれを見守るべく立ち会わなければならないようだ。

感想としては、やはりレネとフェルシーの共演が楽しかった。レネとフェルシーは所属する寮も異なり、メインキャラクターとしてスレッタらと直接絡む訳でもないので必然的に描写は限られてきてしまう。にもかかわらず、ネット上では二人の見た目やキャラの被りで盛り上がっていたので、その反応を拾った公式からのファンサービスと言えるだろう。予想通りに二人は口喧嘩するのだが、‟共通の敵”であるセセリアを前にして息の合った「あぁん?」を放っていた。

 

シャディクの計画

先のプラント・クエタ襲撃事件について、ジェターク寮の新たな寮長となったラウダ、ペイル社共同CEOであるニューゲン、カル、ネボラ、ゴルネリ、そしてグラスレー社CEOサリウスの前で説明するシャディク。ここは学園ではなく企業の会合の場であるので、そこに出席したラウダはヴィムの跡継ぎとしてジェターク社CEOに就任したということだろうか?

ガンダム・ルブリス・ウル/ソーンの2機のガンダムの出所についてサリウスに問われたシャディクは白を切る。ひとまず事態が鎮静化するまでの謹慎を命じられたシャディクだが、エナオ・ジャズ、メイジー・メイ、イリーシャ・プラノの三人に自らの計画にサリウスを巻き込む目論見を語る。

相変わらずシャディクの野心は健在のようだ。しかし、ベネリットグループを解体することで何がしたいのかというその真の目的は未だ明かされていない。そもそも『機動戦士ガンダム 水星の魔女』には「ガンダムとは何か」「プロスペラの目的」という物語を動かす大きな謎があり、それらに比べればシャディクの野心は物語の進展に伴い浮かび上がってきた比較的新しい問題設定だ。シャディクは、今のところガンダムはともかくプロスペラについては何かを知っている様子はない。あるいはシャディクとプロスペラが今後その目的成就を巡って対立することも有り得るのだろうか?

学園にやって来た転校生

シャディクの手引きにより、ガンダム・ルブリス・ウルのパイロットであるソフィ・プロネ、ガンダム・ルブリス・ソーンのパイロットであるノレア・デュノクの二名は転校生としてアスティカシア高等専門学園にやって来る

プラント・クエタ襲撃に際してソフィとノレアはスレッタの駆るガンダム・エアリアル(改修型)と交戦しているが、スレッタは二人の姿を見ていない。自分を「スレッタお姉ちゃん」と呼び慕ってくるソフィに学園を案内するスレッタ。

これは『機動戦士Zガンダム』(1985~1986)においてティターンズの強化人間であるロザミア・バタムが主人公であるエゥーゴのカミーユ・ビダンを「お兄ちゃん」と呼んでいた描写のオマージュとも見受けられる。

ロザミア同様、‟呪い”の機体であるガンダムに乗るソフィやノレア、そしてスレッタも何らかの身体改造を受けている可能性がある。この中でスレッタが最も平然とガンダムを操れているのは、スレッタがある種の‟完成形”だからだろうか。だとしたら、「PROLOGUE」に登場したエリクト・サマヤはやはりスレッタという完成形に至る為の何らかの実験台にされてしまった可能性も拭えない。

次なる決闘とクワイエット・ゼロ

ガンダムの秘密を探るべくファラクトを調査するノレアとソフィ。その二人に向かってニカは学園から出て行くように言う。ノレアはファラクトに乗ったままニカを踏み潰そうとするが、それを寸でのところでスレッタが救う。スレッタは‟校則”に則りノレアに決闘を申し込む。

第2期予告PVにおいて描かれたシーンのほとんどは第13話のものだった。PVに出てきた新装備のファラクトには誰が乗るのかと気になっていたが、どうやらノレアが乗ることとなるようだ。

プラント・クエタ襲撃事件については箝口令が敷かれ、表向きには報じられていないらしい。あの事件を契機に一気に舞台は「学園」から「戦争」へとなだれ込むかに思われたが、一旦また舞台が学園へと戻ったことで物語の展開が更に予断を許さなくなった

ラストシーンでプロスペラは遂に一対一でミオリネと対峙し、「クワイエット・ゼロ」をデリングから引き継ぐように依頼する。クワイエット・ゼロとはプロスペラ曰く「GUNDフォーマットのネットワークを利用して戦争のない世界に書き換える」計画らしい。

未だ全容は不明ながら、解説を試みてみよう。GUNDフォーマットの基盤である「パーメット」の「相互に情報交換する性質」から類推すれば、クワイエット・ゼロとは全人類にパーメットを注入することによって「すべての人間同士で同じ情報をやり取りすることにより同じ意識の状態を作り出す」ことで争いをなくす計画ということではないだろうか。

そうだとすれば、「エヴァンゲリオン」シリーズで碇ゲンドウが目指した「人類補完計画」と極めて近いものとなるだろう。そう考えると、プロスペラのキャラクター設定は碇ゲンドウを女性へと翻案したものにも見えてくる。今のところ自らの主体的な欲望を発露させることなく盲目的にプロスペラに言われるがままに行動しているスレッタも、親に対する感情は正反対ながらも立ち位置としては碇シンジのそれに近い。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』2期第1話全体の感想として、「エヴァンゲリオン」において最終的には父ゲンドウの計画を拒絶し、傷付きながらも‟個性”の存在する世界を選択したシンジ同様、スレッタもプロスペラとは異なる理想を選ぶ‟親殺し”を成し遂げるのかが気になった。その時、ミオリネは果たしてどこに居るのか。そして、第13話では未だ姿を見せなかったグエルはどのように物語へと復帰するのか。今後の展開からも目が離せない。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season2は、毎週日曜午後5時~MBS/TBS系全国28局ネットで放送中。バンダイチャンネル、ガンダムファンクラブ、dアニメストア、アニメタイムズ他各種配信サイトでも配信中。

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』公式サイト

第2期13話はAmazonプライムビデオ他で配信中。

第13話 大地からの使者

第1期はAmazonプライムビデオ他で配信中。

第12話 機動戦士ガンダム 水星の魔女

Blu-rayはvol.1〜4が発売中。

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第1期最終回第12話のネタバレ感想&解説はこちらから。

1期第1話のネタバレ感想はこちらから。

腐ってもみかん

普段は自転車で料理を運んで生計を立てる文字通りの自転車操業生活。けれど真の顔は……という冒頭から始まる変身ヒーローになりたい。文学賞獲ったらなれるかな? ラップしたり小説書いたりしてます。文章書くのは得意じゃないけどそれしかできません。明日はどっちだ!
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