ネタバレ解説『バッド・バッチ』第10話 分離主義勢力と共通の敵 あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『バッド・バッチ』第10話 分離主義勢力と共通の敵 あらすじ&考察

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『バッド・バッチ』第10話配信開始

スター・ウォーズ正史に刻まれる最新作『スター・ウォーズ: バッド・バッチ』は、遂に二桁第10話に突入。クローン兵の“不良分隊”であるバッド・バッチのクローン戦争終結直後の旅路を描いた本作は、過去シリーズと新シリーズを繋ぐ重要な役割を果たしている。一方で、バッド・バッチメンバーの新しい生き方とオメガと深めていく親交は、『バッド・バッチ』という作品自体の魅力になっている。

今回は、全16話で構成される『バッド・バッチ』の第10話「対等な仲間」のあらすじとネタバレ解説をお届けしよう。今回は一体どんな出会いが待っているのだろうか。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『バッド・バッチ』第10話の内容に関するネタバレを含みます。

第10話「対等な仲間」あらすじ &ネタバレ解説

分離主義勢力との接触

『バッド・バッチ』第10話のタイトルは「対等な仲間」となっているが、英題は「Common Ground」で、「共通の土台」という意味になる。一体これは何を指しているんだろうか。第10話は『スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ』(2008-2020) に独立星系連合の拠点として登場した惑星ラクサスから始まる。帝国の演説が響く中、アヴィ・シン議員は一度は夜間禁止令を含む圧政を受け入れるが、市民に間違ったことを伝えることができず、帝国による占拠を認めないとスピーチを行い拘束される。

市民たちはアヴィ・シンの演説で奮い立つが、帝国の圧倒的な武力の前では打つ手なし。シンのアシスタントを務めていたドロイドのGS-8は、シンと市民を救い出すために救難信号を出す。どこかの星の有事から物語が始まるという新しいパターンである。

バッド・バッチのメンバーはマンテルのシドのもとに戻っていた。ハンターは二人の賞金稼ぎに追われるおめがの状態を気遣っている。そんなバッド・バッチのもとにシドからラクサスでの救援ミッションが言い渡される。ハンターは帝国が支配する場所にオメガを連れていけないと、オメガをシドに預けてミッションに赴く。

バッド・バッチのメンバーであるはずなのに子ども扱いされたオメガは不満気だ。ハンターからすれば、オメガは前回誘拐された経緯があり心配を募らせているのだろう。自らの判断ミスでオメガを危険に晒したという自責の念もあるはずだ。

ミッションを受けたバッド・バッチだが、エコーは分離主義者からの依頼ということが気にかかっている様子。分離主義勢力は巨大化しすぎた銀河共和国から脱退して独立することを目指す勢力であり、シスのドゥークー伯爵がこの勢力を先導してきた。独立星系連合と名乗ることもあった分離主義勢力の台頭は共和国の弱体化を進めることを意味しており、ドゥークーとパルパティーンはこれを利用していたが、もちろん分離主義者たちは帝国の傘下に入るために共和国の脱退を目指したわけではない。帝国成立後は反帝国勢力へと転身した者も多い。

分離主義勢力は自由を求める通商連合や企業同盟、銀行グループが中心になっている。経済的自由を求める経済界は。共和国であれ帝国であれ市場をコントロールしようとする“大きな政府”とは対立するということだろう。ハンターは「政治は忘れろ」と言い、現れたGS-8がアヴィ・シンが捕らえられた経緯を説明しようとするも聞く耳を持たない。

トレースとラファやレックスら、帝国成立後に正義のために戦うことを決めた人々と出会い、第8話までにハンターの心情は大きく変化していた。仲間を守ることが最優先だが、正義を問わずにただ仕事を受けるだけではいけないと考え始めていたのだ。だが、オメガが誘拐されるという危機的状況を経て、第10話のハンターは政治的な価値判断を避けているように見える。これが吉と出るのか、凶と出るのか……。

バッド・バッチの大立ち回り

一方、置いていかれたオメガはふてくされていたが、シドは「役に立つなら置いていかれていない」と手厳しい。バッド・バッチはアヴィ・シン救出作戦を進めていた。“かつての自分たち”であるクローン兵を排除し、一行はアヴィ・シンが捕らえられている施設への侵入に成功する。だが、ここでハンターはいつもの癖で「オメガと回り込め」とテックに指示を出す。ハンターにとってもオメガは既に重要な戦力であり、仲間なのだ。

シドは店の客と「スター・ウォーズ」シリーズでお馴染みのチェスのようなホログラムのゲーム“デジャリック”に興じていた。オメガはシドを手助けすると、あっという間に勝利。オメガは戦略に長けているらしい。

「忠誠を誓うのは帝国ではなく市民」という名言を残したアヴィ・シン議員は、帝国のキャプテン・ブラッグによって拷問にかけられようとしてた。だが、そこに現れたのはバッド・バッチの一行。その場を制圧してシンを助け出すが、既に帝国側に居場所がバレていた。それでも、2台の戦車を制圧して脱出に成功。戦いの中でバッド・バッチを助けたシンを“分離主義者だが”信頼し、秘密通路から市街地を抜け出す。これだけ派手な立ち回りをやってのけると、帝国を敵に回したも同然だろう。バッド・バッチの“悪名”は帝国中に轟くはずだ。

アヴィ・シンは市民を置いて惑星ラクサスから逃げ出すことに疑問を覚えるが、まずは「生き延びること」をハンターに進言され、バッド・バッチと共にラクサスを後にする。マンテルに戻ったバッド・バッチは、オメガがデジャリックで大活躍している姿に出くわす。シドはオメガの戦略の才を「天賦の才」と称賛するが、ハンターはオメガが目立つ行動に出たことにご立腹の様子。だがシドは、オメガがデジャリックの賭けに勝ち続けたことで一行の借金をチャラにした事実を告げる。

意外な事実を知らされたハンターは、オメガにデジャリックでの一戦を申し込み、オメガが勝てばもう置いていかないと約束する。二人が仲睦まじくデジャリックの試合を始めたところで第10話は幕を閉じる。

第10話「対等な仲間」の考察

バッド・バッチはオメガを惑星カミーノから連れ出してオメガに物理的な自由をもたらしたが、今度はオメガがその才覚を利用してバッド・バッチに経済的な自由をもたらした。一方で、本格的に帝国勢力に“テロ攻撃”を仕掛けたことになるバッド・バッチは、帝国の支配が及ぶ地域での活動は一層厳しくなるだろう。

また、第10話の「共通の土台」という意味の「Common Ground」という英題は、おそらく分離主義者であるアヴィ・シン議員との共通点を示すものだろう。かつて反共和国だった分離主義者も、今では帝国という共通の敵を持っている。“昨日の敵は明日の友”というやつだ。バッド・バッチにとってより状況が厳しくなる中で、分離主義勢力にも味方ができるのは心強い。混沌としたクローン戦争後の世界で、フリーランスチームとして生きていくバッド・バッチは、レックスら反乱勢力とアヴィ・シンら分離主義勢力ともうまくやりながら銀河を渡っていくのだろうか。

さぁ、『バッド・バッチ』も残されているのはわずか6話。バッド・バッチを追うクロスヘアーと、オメガを追う二人の賞金稼ぎ、キャド・ベインとフェネック・シャンドの存在も気がかりだ。バッド・バッチとオメガは平穏を手に入れることはできるのか、次回の配信を楽しみに待とう。

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』はDisney+で独占配信中。

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』(Disney+)

『バッド・バッチ』第11話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

第4話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第5話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第6話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第7話のネタバレ解説はこちらから。

第8話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第9話のネタバレ解説はこちらの記事で。

 

帝国の時代にジェダイが忘れ去られた理由についての考察はこちらの記事で。

帝国がクローン兵を廃止した理由についてはこちらの記事から。

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