ネタバレ解説『バッド・バッチ』第12話 兵士とは…オメガの成長とバッド・バッチのポリシー あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『バッド・バッチ』第12話 兵士とは…オメガの成長とバッド・バッチのポリシー あらすじ&考察

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『バッド・バッチ』第12話はどうなった?

ドラマ『マンダロリアン』(2019-) シーズン2に続く「スター・ウォーズ」シリーズ最新作としてDisney+で配信されているアニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』は、2021年5月に配信を開始。各話30分程度(初回のみ69分)、全16話で綴られる物語は、「スター・ウォーズ」の過去と未来をつなぐ役割を果たしている。

一方で、ハンターをはじめとするエリートクローン部隊の“バッド・バッチ”メンバーたちを通して描かれる物語も見どころの一つ。傭兵でありながらクローン戦争後の混沌の時代を生きていくその姿には、独特の重みがある。今回は最終話まで残り5話と迫った第12話の内容をネタバレありで解説していこう。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』第12話の内容に関するネタバレを含みます。

第12話「ライロスからのSOS」あらすじ&ネタバレ解説

兵士としてのオメガ

第11話ではバッド・バッチ一行はチョイ役に。かつては革命戦士だったが、今ではライロスの政権幹部に入ったシンドゥーラ一家がヘラを残して捕らえられるまでが描かれた。途中で副官のゴビが秘密裏に武器を手に入れるシーンでバッド・バッチが登場し、ヘラとオメガの交友が描かれた。第12話ではこの出会いがきっかけになり、バッド・バッチが大きな役割を果たすことになる。

捕らえられたチャムは、帝国のランパート中将が仕掛け、クロスハンターが実行したター襲撃の濡れ衣を着せられていた。チャムの娘であるヘラはまだ見つかっていないが、ランパートはヘラ捜索の任務を希望するハウザーにシンドゥーラ派を一網打尽にするよう指示を出す。ヘラ捜索の任務に当たっているのはクロスヘアーだ。

厳重な警備を前に、ヘラはチョッパーを通してバッド・バッチのシップにSOSを発信する。第11話で会った時にオメガがコードを教えていたのだ。この場面の注目ポイントは、ドンキーを修理しようとするオメガにハンターが「そいつは欠陥品だ」と話しかけるシーン。オメガは「心配しないで、私たちも欠陥品だから (Don’t worry, we’re defective too.)」と、ドンキーに声をかけている。様々な経験を経て、オメガもポジティブなキャラクターに成長してきたように思える。

ヘラからのSOSを受けたバッド・バッチだが、「どこまでの事態か分からない」「誰かが困るたびに危険は侵せない」と、経営的には正常な反応を見せる。しかし、オメガは「なぜ? それが兵士の務めでしょ?」と反論し、ハンターは目が覚めたような表情を見せるのだった。

この描写は『バッド・バッチ』においても非常に重要な描写だと言える。一つには、「命令に従うのが優秀な兵士」というクローン兵の理念を否定し、「困っている人を助けるのが兵士の使命」というバッド・バッチの価値観が示されたから。二つ目は、オメガが戦士としての自覚をはっきりと示したシーンだからだ。オメガは「困っている人を助けるのが兵士の使命」という規範を、ほかでもなく行動を共にしてきたバッド・バッチから学んでいたのだ。

命令に従う——今のバッド・バッチであればシドを通して受けた依頼だけをこなす——自分たちで善悪の判断を行わないならば、それはクロスハンターをはじめとする帝国側のクローン兵たちと同じだ。ハンターはきっとそのように考え、ライロスへ向かうことを決断したのだろう。

ランパートの“人事”に注目

バッド・バッチ一行と合流したヘラは、両親が報酬を支払うことを約束。バッド・バッチは一旦視察をすることに。ランパート中将が市民へプロパガンダのスピーチをしている間、バッド・バッチはクロスヘアーがこの星にいることを知るが、同時に偵察ロボットによってクロスヘアーにもバッド・バッチの存在が知られてしまう。手配が広がり、警戒も厳重になったことでバッド・バッチは一旦任務を諦める。「限界を知ってこそ、戦略は成り立つ」とはハンターの名言だ。

戦略上、リスクマネジメント的にはハンターが圧倒的に正しいのだが、オメガにはそれを超えていく力量がある。「ハンターが捕まったら私は救い出すよ」とハンターに声をかけたオメガは、ヘラと共にハンターが納得できる作戦を考えるよう提案するのだった。なお、この時オメガはハンターらを「兄弟」と表現している。確かにこれまでは親子のような関係性を見せていたが、クローン同士なので兄弟姉妹と考える方が正しい。

一方、ランパート中将はクロスヘアーからバッド・バッチの力を侮ってはいけないと忠告を受けていた。ランパートは、バッド・バッチ討伐に出向きたいクロスヘアーヘラ捜索の任に就きたいハウザーの心理をうまく利用し、互いに課した任務を早く遂行するよう差し向ける。この辺りの“人事”の巧さががランパートが若くして帝国で出世している所以だろう。

ハウザーの決断

ヘラとオメガがバッド・バッチに提案した作戦は、精製所を襲って帝国の兵が首都から離れた隙にチャムらを救出するというものだった。ハンターはこの作戦に乗り、ヘラとオメガはドンキーと共に大砲を無力化する役割を担当する。なお、この場面でも帝国が人流管理にチェーンコードを活用していることが描写されている。ランパートお墨付きのチェーンコードシステムは直々に導入されたのだろうか。しかしこの場面ではドンキーが非常にビデオゲーム的なやり方で難なくすり抜けている。

ドンキーは大砲の無力化に失敗するが、後に名パイロットとなるヘラの“初テイクオフ”と見事な操縦によって大砲のエネルギー源の遮断に成功。帝国成立の14年後を舞台にしたテレビアニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』(2014-2018) で描かれる優秀なパイロットしてのヘラのルーツには、オメガの提案とサポートがあったのだ。

ヘラとオメガが混乱を起こしている隙にバッド・バッチはチャムらを救出。首都防衛を任されていたのはハウザーだったが、精製所への出動を命じられたクロスヘアーはバッド・バッチの思考を先読みし、首都での待ち伏せに舵を切る。ハウザーはチャムやゴビからの信頼を失っていたが、クロスヘアーの待ち伏せを知らせて一行を救う。チャムは「ライロス解放の戦いは続く。必ず戻る」という約束をハウザーに残し、脱出するのだった。

ハウザーはというと、残ったクローン兵たちに「守ると誓った民を標的にしろと命令されている」と訴えかけ、謀反を呼びかける。複数のトルーパーたちが賛同し、その一同は逮捕されてしまうが、“自分たちは何のために戦っているのか”をクローン兵たちに問いかけたハウザーの勇気ある行動とその精神は、この後の対帝国の戦いにおいて連綿と受け継がれていくだろう。

ハンターが貫く信念

任務を完了したバッド・バッチだったが、ハンターは報酬を受け取らない。そう、借金はなくなったので余裕があるのだ。「組織しよう (We must organize.)」とリーダーシップあふれるオファーをするチャムに対し、ハンターはやはり自分の仲間を優先するために断りを入れる。組織には属さない、フリーランスの矜持だ。エレニは「戦争が始まれば戦いは避けられない」と皆が言うセリフをハンターにかけるが、“その時”にはバッド・バッチはどんな決断を下すのだろうか。

まんまとチャムらとバッド・バッチを逃したランパートは、クロスヘアーにバッド・バッチ追跡の許可を出したところで、『バッド・バッチ』第12話は幕を閉じる。残り4話というところで、遂にクロスヘアーが再び動き出すのだ。

心配だらけのバッド・バッチ

第12話は、先述の通り、“兵士”としてのポリシーを説くオメガの姿が非常に印象的だった。また、『バッド・バッチ』第11話と第12話は、本作で初めて前後編に分かれたストーリーになっていた。今回は、後のシリーズでもレジスタンスとして活躍を見せるシンドゥーラ一家は、バッド・バッチによって助けられていたという設定がシリーズに加わった。帝国成立の激動の時期にバッド・バッチが暗躍していたという設定はここまでで堪能することができたが、やはり気になるのはバッド・バッチ自体が今後どうなるのかという点だ。

遂にクロスヘアーはバッド・バッチ追跡の許可を得て、バッド・バッチを追ってくる。一方のオメガもカミーノと帝国から追われているままで、平穏は訪れていない。このシーズンの最後には、バッド・バッチというチームはどのような姿になっているのだろうか。オメガとクロスヘアーを加えた6人になっていることが理想だが……。

また、帝国に対抗する反乱軍の大きな流れには合流しないバッド・バッチだが、このままそのスタンスを貫くことになるのだろうか。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016) などで描かれた反乱軍の戦いの間、バッド・バッチはどこにいたのだろうか。残り4話でその辺りも明らかになるのか、それとも後のシーズンに繋がっていくのか、引き続き注視して終盤の『バッド・バッチ』を観ていこう。

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』はDisney+で独占配信中。

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』(Disney+)

『バッド・バッチ』第13話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

第4話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第5話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第6話のネタバレ解説はこちらの記事で。

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第8話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第9話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第10話のネタバレ解説はこちらの記事で。

第11話のネタバレ解説はこちらの記事で。

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