ネタバレ解説『バッド・バッチ』シーズン2第9話 選択を尊重すること、暗黒の時代をチームで生きること あらすじ&考察 | VG+ (バゴプラ)

ネタバレ解説『バッド・バッチ』シーズン2第9話 選択を尊重すること、暗黒の時代をチームで生きること あらすじ&考察

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『バッド・バッチ』シーズン2第9話はどうなった?

アニメ『スター・ウォーズ クローン・ウォーズ』(2008-2020) のその後を描くアニメ『スター・ウォーズ/バッド・バッチ』(2021-) は、2023年1月よりシーズン2の配信を開始。全16話で綴られる物語も後半戦となる第9話へ突入する。

シーズン2第7話と第8話は同時配信で重要なストーリーが語られた。第9話ではどんな展開を見せたのか、各シーンをネタバレありで解説していこう。

ネタバレ注意
以下の内容は、アニメ『スター・ウォーズ/バッド・バッチ』シーズン2第9話の内容に関するネタバレを含みます。

シーズン第9話「分かれ道」あらすじ&ネタバレ解説

どんよりした後半戦の幕開け

『スター・ウォーズ/バッド・バッチ』シーズン2第9話「分かれ道」は、後半戦の幕開けにもかかわらずどんよりとした雰囲気。それもそのはず、第8話ではバッド・バッチはレックスの依頼を受けてコルサントで帝国軍のランパート中将による惑星カミーノへの攻撃を暴き出したが、パルパティーンの一声でクローン兵の廃止と徴兵制の導入が決まり、エコーはレックスと共に任務に就くことを決めたのだった。

エコーが離れたバッド・バッチ。第9話はドラマ『THE LAST OF US』(2023-) を思わせるアコースティックギター風の音楽で幕をあける。シドが買った鉱山でイプシウムという爆発しやすい危険な資源を採掘するというのが、今回のバッド・バッチのミッション。精製前は不安定で扱いに要注意というイプシウムの設定は、映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018) に登場したハイパー燃料のコアクシウムとほぼ同じ設定だ。

ハンターは嵐が離れていくのを察知している。シーズン2第9話ではハンターの特殊能力である“強化された五感”がいつもより強調される形で登場している。一方で、見張り一つをとっても人手不足が露呈するバッド・バッチ。オメガは一人で見張りをしようとするが、危険という理由でハンターには許してもらえず。

シーズン2第2話では、オメガは自分のせいでチームが反乱に加わらず逃亡生活を送っていると、自分を責めている。理想のためにチームを離れたエコーについても、オメガは思うところがあるはずだ。見張りの間も「エコーのことを考えてた」とエコーの離脱を気にしているが、レッカーはクロスヘアーの離脱で慣れているのか、「すぐに慣れる」と応答している。

散々なバッド・バッチ

結局、イプシウムを取るためにオメガが応援に出向くも、レッカーが一人で見張りをしている間にバッド・バッチはマローダー(船)を盗まれてしまう。やはり人手不足を痛感する展開だ。なお、ここでもハンターは船が盗まれる気配を一番に察知している。

一行は40キロ南にある港に向けて歩き出すが、オメガはエコーに通信を試みようとしている。だが、嘘か誠か、ここでテクはエコーが極秘の任務に就いていることに触れられていると推測している。その後のバッド・バッチは鹿のようなクリーチャーの群れに続いて嵐に遭遇し、採掘したイプシウムが爆発して逃げ込んだ坑道の入り口が塞がれて……と散々の展開に。エコーが離れてから何かとうまくいっていない。

なお、坑道に逃げ込む際にテクは「30メートル先だ」と言っているが、「スター・ウォーズ」の銀河ではメートル法が採用されている。1,000メートルで1キロメートルになるのは現実と同じだが、キロメートルは「クリック」という単位で呼ばれる。

選択を尊重すること

坑道では一同が脱出しようと岩を動かす間、オメガとテクは口論になってしまう。エコーを失い、ホームであるマローダーをも失いたくないオメガに対し、やけに冷静なテクは、バッド・バッチはエコーが加入する前から存在していると“正論”で返してみせる。第8話でも触れられたが、エコーはアニメ『クローン・ウォーズ』でバッド・バッチらに助けられて後から加入したメンバーなのだ。

事実を突きつけられ、動揺するオメガは涙を流しながら一人坑道を探索。そして、大量のイプシウムが眠る場所を発見する。「エコーが去った事実を受け入れられないんだ」と、オメガの心境を慮るハンターとレッカーに促されたテクは、オメガと合流してイプシウムを回収することに成功。テクはオメガのことを認めて共同作業に臨んだのだった。

しかし、オメガは洞窟の地下水へと落下。テクもこれを追いかけると、二人は滝から落ちた先に出口を見つけ出す。ハンターとレッカーがイプシウムを持って合流するまでの間、オメガとテクはもう一度話し合う時間を得る。マローダーを失い、エコーからの助けもないと落ち込むオメガに、「助けはいらない、いつも自分らで解決してる」と主張するエコー。オメガはこれを「無関心」と言うが、テクは変化が当たり前であり、兵士としてそれに適応してきた自分は、慣れて前に進むしかないと考えるという。

一方のオメガは、自分たちは「家族」だと言い、テクもそれを受け入れる。だが、エコーだけでなく、シーズン1で離脱したクロスヘアーもまた別の道を選んでおり、その決断は尊重しなきゃいけないとテクはオメガに諭す。確かにクロスヘアーは抑制チップの影響で帝国軍についていたと思われていたが、実際には抑制チップは除去されており、自分の意思で選んだ道だった。

クロスヘアーは帝国へ、エコーは反帝国へ——それぞれの道を行ったが、両者とも自分自身の考えで動いていた結果だ。それを尊重し、受け入れて前に進むことが必要だとテクは話し、オメガはこれに一定の理解を見せるのだった。

テクの言葉

ハンターとレッカーが合流し、脱出に成功した一行は、打ち捨てられた港でシドとの通話に成功する。だが、シドは助けを出すことを渋っている。テクはローランドから店を守りミルレギの借金をチャラにした過去を引き合いに出すが、前者はシーズン1第13話での出来事で、後者はシーズン2第4話の出来事だ。

シドは数日ほしい言い通信を切るが、オメガは「いつものように解決できる」と、テクの先ほどの言葉を引用してメンバーを勇気づける。そして、ハンターは遠くから近づく嵐を仲間たちと見つめるのだった。

『バッド・バッチ』シーズン2第9話 考察&感想

オメガとテク

シーズン2第9話のタイトルの「分かれ道」は英語で「Crossing」で、「交差点」という意味がある。テクはエコーとクロスヘアーについて「別の道を選んだ」と言っていた。一方で、交差点には人と人が交差するという側面もある。第9話においては、オメガとテクは言葉を尽くして互いの距離を縮めたと言える。

オメガとテクは感覚や考えは違うが、互いがそれを尊重して、歩み寄りを見せる姿が見られた。それは、チームを離れたクロスヘアーとエコーの考えを尊重することと同じであり、共にいる仲間であるならば、なおさら相手を尊重しない道はない。

オメガの加入は、兵士として生きてきたバッド・バッチに新しい風をもたらしており、他者への共感や困っている人の側に立つことを、バッド・バッチのオリジナルメンバーにも教えている。冷静で理論的なテクも感情的な面を理解しようとしている。一方で、オメガも現実を受けれいて前に進み、大人へと成長していく過程でもある。互いに学びを得る理想的な関係ができつつある。

暗黒時代をチームで生きる

『バッチ・バッチ』シーズン2としては、第9話はラストが示唆的だった。迫り来る嵐は、仲間を失ったバッド・バッチに立ちはだかる未来を暗示しており、同時にクローン兵廃止と徴兵開始が決定した帝国支配による暗黒の時代の到来を示唆している。

それでも、バッド・バッチにとっての救いは、一人ではなく、仲間がいることだ。近年の「スター・ウォーズ」のドラマシリーズは、『マンダロリアン』(2019-)、『ボバ・フェット』(2021-2022)、『オビ=ワン・ケノービ』(2022)、『キャシアン・アンドー』(2022-) と、それぞれに仲間はいたものの、個人が主人公になる作品が続いていた。その中では、『バッド・バッチ』はチームでどのようにこの暗黒の時代を生きていくかということに焦点を当てた特殊なシリーズということになる。

『バッド・バッチ』シーズン2も残すところあと7話。バッド・バッチはこの惑星を無事に脱出することはできるのだろうか。第10話の配信も楽しみに待とう。

アニメ『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』シーズン2はDisney+で独占配信中。

『スター・ウォーズ:バッド・バッチ』(Disney+)

シーズン2第10話のネタバレ解説はこちらから。

第1話のネタバレ解説はこちらから。

第2話のネタバレ解説はこちらから。

第3話のネタバレ解説はこちらから。

第4話のネタバレ解説はこちらから。

第5話のネタバレ解説はこちらから。

第6話のネタバレ解説はこちらから。

第7話のネタバレ解説はこちらから。

第8話のネタバレ解説はこちらから。

 

シーズン1ラストの解説はこちらの記事で。

シーズン1で明かされたクローン兵廃止の理由はこちらから。

 

ドラマ『マンダロリアン』シーズン3は2023年3月1日より配信開始。本予告の解説&考察はこちらの記事で。

齋藤 隼飛

社会保障/労働経済学を学んだ後、アメリカはカリフォルニア州で4年間、教育業に従事。アメリカではマネジメントを学ぶ。名前の由来は仮面ライダー2号。編著書に『プラットフォーム新時代 ブロックチェーンか、協同組合か』(社会評論社)。
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